スマホ1台で海外でも日本でも通話やデータ通信を使いたいものの、「eSIMと物理SIMカードは併用できるの?」と疑問に感じている方もいるのではないでしょうか。
目次
結論、eSIMに対応しているiPhoneやAndroidスマホを正しく設定すれば、eSIMと物理SIMカードを併用できるようになります。
本記事では、eSIMと物理SIMカードを併用する方法やメリット・デメリットを解説します。設定手順はiPhoneとAndroidに分けて紹介しているため、お使いの端末にあわせて確認してみてください。
iPhone13以降やeSIM対応のAndroidスマホなら、eSIMと物理SIMカードを併用できるデュアルSIMの運用ができます。2つの回線を使い分けられるため、通話とデータ通信を別々に管理することも可能です。
対応しているかは、iPhoneなら「設定→情報→EID」、AndroidならIMEI(1)・IMEI(2)・EIDの3つを確認すればすぐにわかります。
たとえば、海外出張時には日本のSIMを通話用として有効にし、現地eSIMをデータ通信用に設定すれば、日本の電話番号を維持しながら現地での通信手段も確保できます。
海外出張や旅行中でも、スマホ1台で快適に通信を使いたい方にとって、eSIMと物理SIMカードの併用は便利な選択肢です。
eSIMと物理SIMカードを併用するメリットは、以下のとおりです。
以下では、eSIMと物理SIMカードの併用で得られる主なメリットを紹介します。
eSIMと物理SIMカードを併用すれば、海外でのデータ通信費を大きく抑えられます。
従来の国際ローミングは、1日あたり3,000円程度かかるのが一般的ですが、現地eSIMなら500〜1,000円ほどから利用可能です。
たとえば、トリファ(trifa)を利用すれば、韓国では「3GB/7日間」が1,960円、台湾では「1GB/3日間」が670円と、手頃な価格でデータ通信が可能です。
日本のSIMは通話用に残したまま、データ通信を現地eSIMに切り替えることで、高額なローミング料金を避けつつ快適に通信を行えます。
eSIMと物理SIMカードを併用すれば、日本の電話番号を残したまま、海外で現地料金のデータ通信が使えます。仕事の緊急連絡を受けながら、高速インターネットも現地価格での利用が可能です。
国際ローミングのように高額な料金を払わずに済むため、コストを抑えつつ、仕事の緊急連絡にも対応できるのがメリットです。
eSIMと物理SIMカードを併用すれば、物理SIMカードを抜き差しせずに、追加の回線をすぐに使いはじめられます。
従来の海外SIMは、空港で購入し、SIMピンで入れ替える手間がありました。しかし、eSIMならQRコードを読み取ってプロファイルを追加するだけで、すぐに利用をスタートできます。
また、複数のeSIMを保存しておけば、渡航先に応じて切り替えたり、帰国後に国内の通信に使用したりできる点もメリットに挙げられます。
eSIMと物理SIMカードを併用すれば、スマホ1台で通話用とデータ通信用の回線を使い分けられます。設定画面から主回線・副回線を自由に切り替えられるため、仕事用とプライベート用の番号を分けたり、シーンに応じて通信プランを選べたりすることが特徴です。
たとえば、通話とSMSは物理SIMカード(法人契約)、データ通信はeSIM(個人契約)に設定すれば、通話品質を保ちながら通信費を抑えられます。発信時に使う番号を選べるため、用途ごとの切り替えも簡単です。
副業や個人事業で複数の番号が必要な方にも、1台で効率よく管理できる仕組みといえるでしょう。
eSIMと物理SIMカードの併用はメリットがある一方、デメリットもいくつかあります。
以下では、実際に併用をはじめる前に知っておきたいデメリットについて解説します。
eSIMと物理SIMカードの併用は、すべてのスマホや通信事業者で使えるわけではありません。
eSIMを利用するには専用のチップが必要で、iPhone13以降やGoogle Pixel 4a以降、Galaxy S21以降など、比較的新しい機種に限られます。
iPhone 11や12は5G通信に対応しておらず、デュアルeSIM(2つのeSIM同時利用)にも対応していません。
iPhoneSE(第2・第3世代)は物理SIMカードとeSIMのデュアルSIMに対応していますが、デュアルeSIM(2つのeSIM同時利用)には対応していません。Android端末も機種によって対応状況が異なるため、事前の確認が欠かせません。
また、すべてのキャリアがeSIMを提供しているわけではなく、格安SIMでは未対応の場合もあります。
そのため、利用を検討する際は、端末とキャリアがeSIMに対応しているかを事前に確認しておきましょう。
eSIMと物理SIMカードを併用した場合のバッテリー消費は、実際の検証結果ではシングルSIM運用とほとんど同じです。ただし、5G通信時や電波が弱い場所では消費電力が増加する可能性があります。
バッテリーの減りが早くなる原因は、スマホが2つの回線に常に接続しているためです。さらに、機種によっては通話中も両方の回線が動作し、消費電力がさらに増えることもあります。とくに5G通信時や電波が弱い場所ではバッテリーが早く減り、端末が熱くなることもあるため注意が必要です。
ただし、すべての端末が同じようにバッテリーを消費するわけではありません。新しい機種では、使っていない回線を自動でオフにして、バッテリーを節約する工夫がされています。
eSIMの利用は、機種や使い方によってバッテリー消費に差があります。バッテリーの減りが気になる方は、設定を工夫したり、省電力機能のある端末を選んだりするとよいでしょう。
eSIMと物理SIMカードを併用するには、eSIMプロファイルの発行・ダウンロード・設定など、いくつかの手続きが必要です。
eSIMは物理SIMカードと異なり、キャリアからQRコードや専用アドレスを受け取り、Wi-Fi環境でプロファイルをダウンロードして利用を開始します。
さらに、主回線・副回線の設定やAPNの入力、優先データ回線の切り替えなども必要で、設定を誤ると通話や通信が使えなくなることもあるため注意が必要です。
LINEや銀行のSMS認証、キャリアメールなどは電話番号に紐付いているため、事前の連携変更も忘れずに行いましょう。
eSIMと物理SIMカードを併用するには、それぞれの回線を正しく設定する必要があります。設定方法は、端末により異なるため事前確認が重要です。
以下では、iPhoneとAndroidでの設定手順を機種ごとに紹介するため、お使いの端末にあわせて確認してみてください。
iPhone13以降の機種では、「設定→モバイル通信→eSIMを追加」からQRコードをスキャンすることで、eSIMを追加できます。設定の際は、あらかじめキャリアからQRコードを取得し、安定したWi-Fi環境を用意しておく必要があります。
設定が完了すれば、物理SIMカードを入れ替えることなく回線を追加でき、通話・SMS・データ通信の優先回線を個別に設定可能です。
たとえば、「設定→モバイル通信→デフォルトの音声回線」で通話用の回線を、「モバイルデータ通信」でデータ用の回線を選べます。
海外で使う場合は、日本の物理SIMは「データローミングをオフ」にし、eSIM(現地プラン)を「データ通信用」にするのが一般的です。
Android端末でeSIMと物理SIMカードを併用するには、「設定→ネットワーク→SIM→eSIMを追加」からプロファイルをダウンロードし、SIMカードマネージャーで回線を設定します。
機種によって表示や手順に違いはありますが、基本的な流れは同じです。
たとえば、Google Pixelでは「設定→ネットワークとインターネット→SIM」、Galaxyでは「設定→接続→SIMカードマネージャー」で設定可能です。
APN設定が必要な場合は、各キャリアの情報を手動で入力します。SIMスロット名を「Main(通話用)」「Data(データ用)」などに変更したり、使わない回線を無効にしたりすることで、回線の使い分けやバッテリーの節約が可能です。
eSIMと物理SIMカードを併用する際は、どちらの回線をデータ通信に使うかをあらかじめ設定しておく必要があります。
以下では、iPhoneとAndroidそれぞれの端末で、eSIMをデータ通信の優先回線に設定する方法を紹介します。
iPhoneでeSIMをデータ通信の優先回線に設定するには、「設定→モバイル通信→モバイルデータ通信」でeSIMを選びます。物理SIMカード側は「データローミング」をオフにしておくと、余計な通信が発生せず安心です。
iPhoneのデュアルSIM機能では、通話用とデータ通信用の回線を個別に設定できるため、使い分けも簡単です。
たとえば、海外出張や格安eSIMを利用する場面ではeSIMをデータ通信に、物理SIMを通話とSMSの受信用に設定すれば、通信費を抑えつつ日本の電話番号を維持できます。
通信の状態はコントロールセンターで確認でき、必要があれば「設定→モバイル通信→モバイルデータ通信」からいつでも回線の切り替えが可能です。
Android端末でeSIMをデータ通信の優先回線に設定するには、「設定→ネットワークとインターネット→SIM」からeSIM回線を選び、「モバイルデータ」をオンにします。
SIMカードマネージャーを使えば、通話用とデータ通信用の回線を個別に設定できます。
たとえば、Google Pixelでは「設定→ネットワークとインターネット→SIM→eSIM回線→モバイルデータON」で設定可能です。Galaxyでは「設定→接続→SIMカードマネージャー→eSIM→優先ネットワーク設定」でeSIMをデータ通信用に設定できます。
必要に応じて、APN(アクセスポイント名)の手動入力や、SIMの名称を「Data(eSIM)」「Voice(物理SIM)」のようにわかりやすく変更しておくと、管理がしやすくなります。
海外でeSIMを使う際、日本で契約している物理SIMカードを抜かずに通話やSMSは残したまま、データ通信だけをオフにしておくことが重要です。
以下では、iPhoneとAndroidそれぞれの端末で、物理SIMのデータ通信をオフにする設定方法を紹介します。
iPhoneで日本の物理SIMカードを抜かずにデータ通信をオフにするには、「設定→モバイル通信→物理SIM名→モバイルデータ通信」をオフにします。
あわせて「データローミング」もオフにし、「この回線をオンにする」がオンになっていることを確認してください。
この設定により、音声通話やSMSの受信はそのままに、データ通信だけをeSIM(現地回線)に切り替えられます。国際ローミングの高額な通信費を避けながら、日本の番号で連絡を受けられるため、海外出張や旅行でも安心です。
必要なときは、同じ画面からモバイルデータ通信をオンに戻せば、すぐに再開できます。
Android端末では、物理SIMカードを抜かずにデータ通信だけをオフにできます。物理SIMカードのデータ通信をオフにすることで、海外での高額なローミング料金を回避し、現地eSIMの格安データ通信を活用できます。
操作は「設定→ネットワークとインターネット→SIM→物理SIM名→モバイルデータ」をオフにするだけです。あわせて「データローミング」もオフにしておきましょう。
機種によって画面は異なりますが、Google Pixel、Galaxy、Xperia、AQUOSなど主要機種は、各メーカーの設定画面から同様の操作ができます。
音声通話やSMSは引き続き利用できるため、日本からの連絡を受けながら、通信費を抑えて海外滞在を楽しめます。
eSIMと物理SIMカードを併用する際は、設定や契約状況によっては、思わぬ通信トラブルや手続きの手間が発生することもあるため、事前に注意点を押さえておく必要があります。
eSIMと物理SIMカードを併用する際の注意点は、以下のとおりです。
スムーズにeSIMと物理SIMカードを併用するために、各注意点を確認しておきましょう。
eSIMと物理SIMカードを併用する際は、通話用とデータ通信用の回線を正しく設定しておかないと、通信トラブルや思わぬ高額料金が発生するおそれがあります。
とくに海外では、物理SIMカードのデータローミングをオフにし忘れると、高額な通信料金がかかることも少なくありません。ほかにも、SMS認証が届かない、緊急速報を受信できない場合があります。
なお、緊急速報はiOS18やAndroid15以降で正常に受信できますが、iPhone 8以前やPixel5以前など古い機種では受信できない場合があります。
安全に使うには、「通話・SMS用」と「データ通信用」の回線をあらかじめ明確に分けて設定しておくことが重要です。
eSIMと物理SIMカードを併用するには、端末のSIMロックが解除されている必要があります。SIMロックとは、特定のキャリアの回線しか使えないように端末にかけられた制限のことです。
2021年10月以降に発売された機種には、原則としてSIMロックはかかっていません。一方、それ以前の機種や中古端末には、ロックが残っている場合があります。
eSIMの利用を検討している場合は、各キャリアのマイページなどでSIMロックの有無を確認し、必要に応じて解除しておきましょう。
eSIMと物理SIMカードを併用している状態で機種変更を行う場合、注意が必要です。
eSIMは物理SIMカードのようにカードを差し替えられないため、新しい端末で使うには再発行や移行の手続きが必要になります。
eSIMの情報は端末内に保存されており、そのまま別の端末に移すことはできません。機種変更時は、旧端末でeSIMプロファイルを削除し、新端末で再発行と設定を行う必要があります。
また、複数のeSIMを利用している場合は、個別に再設定が必要です。事前に使っているキャリアの再発行手続きや手数料を確認しておきましょう。
eSIMと物理SIMカードを併用すれば、1台のスマホで2つの回線を使い分けられ、海外でも柔軟に通信環境を整えられます。ただし、端末の対応状況や設定ミスによる通信トラブル、eSIMの再発行手続きなど注意すべきポイントもあるため、事前の確認が欠かせません。
快適にeSIMを利用するには、機種やキャリアの対応状況をチェックし、通話用・データ通信用の回線を適切に設定しましょう。
そこで、eSIM初心者におすすめなのが、日本語対応の海外eSIMサービス「トリファ(trifa)」です。
アプリの操作画面はすべて日本語で、サポートも24時間体制のため困ったときにもすぐに対応してもらえて安心です。さらに、通信費もリーズナブルで、海外出張や旅行が多い方にとっては強い味方になります。
eSIMと物理SIMカードの併用を考えているなら、まずはトリファのアプリをダウンロードして、渡航先のプランをチェックしてみましょう。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。