海外旅行で現地のSIMを使いたいけれど、設定方法がわからず不安を感じていらっしゃる方もいるでしょう。 海外SIMを正しく使えば、高額なローミング料金を避けて、旅先でも快適にインターネットを利用できます。
目次
この記事では、海外SIMの使い方をiPhoneとAndroidにわけて、初心者にもわかりやすく解説します。また、海外SIMの注意点や物理SIMカードに代わる選択肢のeSIMについても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
海外SIMとは、渡航先の通信会社の回線を使ってスマホで通話やデータ通信ができる通信手段です。国際ローミングよりも安いことから、多くの海外旅行者や出張者に選ばれています。
海外SIMには、物理SIMカードとeSIMの2種類がありますが、通信品質に差はありません。物理SIMカードは、カード型のSIMで、スマホに差し込むだけで使用できます。eSIMは、スマホに内蔵するSIMで、QRコードを読み取るなどの手順を踏むことで、物理SIMカードなしで利用できるのが特徴です。
どちらを使う場合も、事前にSIMロック解除と対応周波数の確認をしておくと、現地でスムーズに利用できます。
海外SIMには、日本で使うSIMとは異なる特徴があります。海外SIMの具体的な特徴は、以下の5つです。
以下では、海外SIMを選ぶ前に押さえておきたい5つのポイントを、わかりやすくご紹介します。
海外SIMは、日本のキャリアによる国際ローミングと比べて、通信費を大きく節約できる方法です。日本の大手キャリアの場合、ローミングは1日約3,000円かかりますが、海外SIMなら同じデータ量を数百円から使えます。
とくに、1週間以上の滞在や長期出張では、通信費の差が大きくなることもあります。
現地で快適にスマホを使いながら、余計な出費を避けたい方は、海外SIMの利用がおすすめです。
海外SIMは、現地の通信会社の回線を直接利用するため、通信の安定性や速度に優れています。
一方、国際ローミングは、日本のキャリアが現地の回線を借りて提供する仕組みです。そのため、混雑時には優先度が下がり、通信が不安定になったり速度が制限されたりすることもあります。
とくにビデオ通話や地図アプリなど、安定した通信が欠かせない場面では、現地ユーザーと同じ回線を使える海外SIMがおすすめです。
周遊対応の海外SIMなら、1枚で複数の国や地域をまたいで使えるため、国境を越えるたびにSIMを入れ替える必要がありません。
ヨーロッパやアジアなど、複数国を訪れる旅行や出張でも、現地のネットワークに自動で接続されるため設定も簡単です。
国ごとにSIMを買い直す手間やコストを抑えられるだけでなく、滞在中ずっと同じ番号で通信できるのも安心感があります。複数国を移動する予定がある方は、周遊に対応した海外SIMを選択するとよいでしょう。
海外SIMを使うと、渡航先の現地電話番号を取得できるため、通話料金を抑えつつ現地での連絡がスムーズになります。
ホテルやレストランの予約、現地サービスへの問い合わせも、国内通話と同じ感覚で気軽に利用可能です。
また、現地の友人や知人、同僚と連絡をとる際も、相手に国際電話の負担をかけずに済みます。Uberの呼び出しや、銀行口座の開設といった場面でも、現地の電話番号が役立つことがあります。
ワーケーションや留学など、少し長めの滞在を予定していて、現地の電話番号を使用したい場合は、海外SIMの利用を検討してみるのがおすすめです。
海外SIMは、日本にいるうちに購入・設定を済ませておけば、現地に到着してすぐにインターネットに接続できます。そのため、現地の空港やショップでSIMを探す手間や、言語の不安も軽減できるでしょう。
物理SIMカードは、Amazonや家電量販店などで手軽に購入でき、日本で動作確認をしておけば、現地でも安心して使えます。成田空港では、出発前にカウンターで購入や設定サポートを受けられます。
はじめての海外旅行や長めの滞在を予定している方は、スムーズにスマホを使うためにも、出発前の準備がおすすめです。
海外SIMをスムーズに利用するためには、渡航前に以下のポイントを確認しておきましょう。
出発直前にあわてないよう、事前にしっかり準備をしておくことで、現地での通信をすぐに確保できます。以下では、海外SIMを使う前に確認しておくべき基本的な準備を紹介します。
海外SIMを使うには、SIMフリーのスマホ、またはSIMロックが解除されたスマホが必要です。SIMロックがかかっていると、海外のSIMを適用しようとしても「無効なSIMです」と表示され、利用できません。
近年のスマホの多くはSIMフリーですが、2021年10月1日以前に発売された端末はSIMロックがかかっている可能性があります。なお、SIMロック義務化の基準は「発売日」であり「購入日」ではない点に注意しましょう。
iPhoneなら「設定」→「一般」→「情報」から、Androidなら「設定」→「デバイス情報」でSIMロックの状態を確認できます。
海外SIMを使う前に、お手持ちのスマホが対応しているかどうか、念のため確認しておきましょう。
キャリアで購入したスマホにSIMロックがかかっている場合は、海外SIMを使う前に解除が必要です。現在は各キャリアのオンラインサイトから、24時間いつでも無料で手続きできます。
2021年10月以降に販売された機種は原則としてSIMフリーですが、それ以前の端末はSIMロックがかかっていることがあるため、注意が必要です。解除には、IMEI(端末識別番号)が必要で、中古端末でも解除できます。
各大手キャリアの手続きは、My docomoやMy au、My SoftBankなどの専用ページで行います。また、IMEIは、スマホのダイヤル画面で「*#06#」と入力すれば確認可能です。
トラブルを避けるためにも、余裕を持ってSIMロックを解除しておきましょう。
海外SIMを手に入れたら、実際にスマホに設定して使いはじめましょう。以下では、はじめての方でも迷わず使えるよう、iPhoneとAndroidに分けて、設定の流れや確認すべきポイントを紹介します。
iPhoneで海外SIMを使う場合は、まずスマホの電源を切り、SIMピンでトレイを開いて物理SIMカードを差し替えます。もともと入っていた日本の物理SIMカードはなくさないように保管し、海外SIMをセットしてから電源を入れると、通常は自動で通信の設定が完了します。
多くの場合は自動でAPN設定が完了しますが、通信がうまくいかない場合は手動でのAPN設定が必要です。設定方法は、「設定」→「モバイル通信」→「モバイルデータ通信」から、SIM提供元から指定されたAPN情報を入力します。
デュアルSIM対応の機種であれば、「設定」→「モバイル通信」から、どちらの回線を使うか細かい設定も可能です。
設定の際は、日本のSIMは「データローミングをオフ」、海外SIMは「オン」にしておくと、無駄な通信費を防げます。
Android端末で海外SIMを使う場合は、スマホの電源を切り、物理SIMカードを差し替えてから再起動します。多くの場合はそのまま使えますが、通信がうまくつながらないときは、APN(アクセスポイント)という通信設定を手動で行いましょう。
APN設定の手順は、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「アクセスポイント名」から、新しく設定を追加し、SIMの提供元から指定された情報を入力します。
Androidは機種やメーカーにより設定画面の表示や名称が異なるため、iPhoneよりやや複雑に感じることもあります。出発前に設定方法を確認しておくと、現地であわてずに済むでしょう。
海外SIMは、日本国内でも現地でもさまざまな方法で購入できます。主な購入方法は、以下のとおりです。
どこで手に入れるかにより、価格やサポート内容、設定のしやすさが異なるため、自分に合った購入場所を選ぶことが大切です。以下では、主な購入先ごとの特徴やメリットを紹介します。
海外SIMは、オンラインで手軽に購入できます。オンラインショップでは、24時間いつでも注文でき、複数のショップやプランを比較しながら選べるのがメリットです。
Amazonや楽天市場などの通販サイトでは、物理SIMカードを中心に豊富な選択肢があり、すぐに発送してくれる商品も多くあります。また、現地の通信会社が運営する公式サイトや、比較サイトを利用すれば、より自分に合ったプランを探すことも可能です。
渡航前に準備したい方には、オンラインショップでの購入がおすすめです。
海外SIMは、家電量販店や空港のカウンターでも購入できます。
対面でスタッフに相談しながら選べるため、設定に不安がある方や、はじめて利用する方におすすめの方法です。
家電量販店では、渡航先や利用期間に合ったプランを紹介してもらえたり、その場で設定サポートを受けられたりすることもあります。また、空港カウンターでは、出発直前でも購入・設定ができるため、事前に準備を忘れていたときでも利用可能です。
直接相談したい方や、サポートを受けながら安心して準備を進めたい方には、家電量販店や空港で購入するとよいでしょう。
現地で海外SIMを購入する方法は、料金が安く、容量の大きなプランが選べる点が魅力です。
現地の通信会社が直接販売しているため、仲介手数料がかからず、日本では見かけないようなお得なプランを選べることもあります。
主要な空港内の通信会社カウンターや、市内の携帯ショップ、コンビニなどで購入でき、現地スタッフがその場で設定を手伝ってくれることもあります。
長期滞在を予定している方や、現地の通信環境を重視したい方に適した方法です。ただし、言葉や設定に不安がある方は、自分に合った購入方法を選びましょう。
海外SIMにはさまざまな種類やプランがあるため、自分に合ったものを選ぶには、以下のポイントを確認しておきましょう。
以下では、海外SIMを選ぶときに確認しておきたい各ポイントを紹介します。
海外SIMを選ぶときは、まず渡航先の国や地域に対応しているかを確認しましょう。訪れる国が1ヶ所か複数かにより、選ぶべきSIMのタイプは異なります。
1ヶ国の滞在であれば、現地キャリアの専用プランが安くて通信も安定しています。一方で、複数の国をまわる場合は、国ごとにSIMを入れ替えるのは手間とコストがかかるため、周遊プランが便利です。
ただし、国によっては使えないSIMもあるため、事前にプロバイダーの対応国リストや規制情報をチェックしておきましょう。
海外SIMを選ぶ際は、滞在日数より1~2日長めのプランを選びましょう。
SIMには利用期間があり、期限を過ぎると通信ができなくなるため、フライトの遅延や予定変更があると困る場合があります。
到着日と出発日どちらも通信が必要になることが多いため、実際に使う日数を見積もることが大切です。たとえば、7日間の旅行なら10日間プラン、30日以上の滞在なら更新や延長ができるSIMを選ぶと、万が一トラブルが発生しても安心です。
とくに出張や留学など、大事な連絡が必要な場面では、少し長めのプランを選んでおくことをおすすめします。通信が使えなくなるリスクを減らすための、ちょっとした保険と考えるとよいでしょう。
海外SIMの料金プランを選ぶ際は、価格だけでなく、データ容量や使い方に合っているかも確認してください。メールやSNSが中心の人と、動画視聴やビデオ会議を多く使う人では、必要なプランも異なります。
「従量制」「定額制」「無制限」などのプランの中から、1GBあたりの単価や使えるデータ量を比較し、自分の利用スタイルに合ったものを選びましょう。
初めての場合はデータ使用量を予測しにくいため、無制限や大容量のプランを選んでおくとよいでしょう。コストを抑えたい場合は、普段の使用量を確認し、少し余裕をもたせたプランを選ぶのがおすすめです。
海外SIMを選ぶ際は、サポート体制が整っているかどうかも大切なポイントです。
とくにはじめての方や英語に不安がある方は、日本語でサポートが受けられるプロバイダーを選びましょう。
現地で通信トラブルが起きたとき、設定の仕方がわからない・ネットにつながらないなどの問題を、すぐに相談できるかどうかが重要です。メールやチャット、アプリ内サポートなど、連絡手段や対応時間(24時間対応など)も事前に確認しておきましょう。
海外SIMはとても便利ですが、安心して使うためには事前に知っておきたい注意点もあります。海外SIMを利用する際の代表的な注意点は、以下のとおりです。
以下では、注意点を具体的に解説します。
海外SIMが「nanoSIM」サイズだった場合、とても小さく衝撃に弱いため、取り扱いには注意が必要です。交換中に落としたり、静電気などで壊れたりすると、通信が行えなくなるおそれがあります。
とくに海外の慣れない環境では、空港のトイレで落とす、ホテルで紛失するなどのトラブルも起こりやすく、日本のSIMをなくすと帰国後に再発行が必要になることもあります。
物理SIMカードを使う場合は、SIMピンや日本の物理SIMカードをなくさないよう、専用ケースなどに入れて大切に保管しておきましょう。物理的な管理に不安がある方は、eSIMの利用も検討してみてください。
物理SIMカードを使う場合は、専用のSIMピンを使って入れ替える必要があります。
交換の手順は「電源オフ → トレイの取り出し → SIMの差し替え → 電源オン」の流れで行いましょう。ただし、物理SIMカードの向きを間違えたり、無理に挿入したりすると故障の原因になることもあるため、扱いには注意が必要です。
物理SIMカードの入れ替えに不安がある方は、日本で事前に練習しておくか、SIMピンを予備で持っていくとよいでしょう。作業に自信がない場合は、家電量販店のサポートを利用するか、eSIMを選べば入れ替えの手間を省けます。
海外SIMカードを利用すると電話番号が変わるため、SMSでの二段階認証が使えなくなることがあるため注意しましょう。
銀行アプリやLINE、証券口座など多くのサービスでは、日本の電話番号あてに認証コードを送信する仕組みのため、ログインや取引ができなくなる可能性があります。
たとえば、送金やログインが必要なときにSMSが届かず、アカウントにアクセスできなくなるケースも少なくありません。トラブルを防ぐには、事前にSMS認証を認証アプリに変更しておくのがおすすめです。
デュアルSIM対応のスマホであれば、日本のSIMを音声用、海外SIMを通信用として併用することで、番号を維持しながら海外SIMを利用できます。
1ヶ国だけで使える海外SIMを購入した場合は、その国でしか通信できないため、複数の国をまわる場合には注意が必要です。
たとえばヨーロッパを数ヶ国まわる場合、国ごとにSIMを買い替える必要があり、通信が一時的に止まったり、新しいSIMの設定に時間がかかったりすることがあります。また、現地で販売店を探す手間や、言語の不安もストレスになるかもしれません。
さらに、複数のSIMを買うことで、かえって費用が高くなることもある点に注意しましょう。複数の国を訪れる予定がある方は、最初から複数国で使える周遊タイプのSIMを選んでおくと、スムーズに移動できて安心です。
eSIMは、スマホ本体に内蔵されたチップに通信情報を読み込む、次世代の通信手段です。
物理SIMカードを入れ替える必要がなく、メールで届いたQRコードを読み取るだけで使い始められます。物理SIMカードを失くす心配や、トレイの開閉などの作業も必要ありません。
iPhone XS/XR以降(2018年発売以降)、Google Pixel 4以降(2019年発売以降)、Samsung Galaxy S21以降(2021年発売以降)の機種で対応しており、数分で設定が完了します。
また、デュアルSIMに対応したスマホであれば、日本のSIMをそのまま音声やSMS用に残しながら、eSIMで海外のデータ通信を利用することも可能です。
出発前の設定さえ済ませておけば、現地でもいつも通りスマホを使えるため、安心して現地のインターネットに接続できます。
海外SIMを使えば、現地でもスマホを手軽に利用できます。iPhone・Androidの設定方法や注意点を押さえておけば、渡航先でも安心してインターネット通信が可能です。
物理SIMカードの利用が不安な方には、eSIMがおすすめです。対応端末があればQRコードを読み取るだけで使え、物理SIMのような紛失リスクもありません。
eSIMを利用するなら「トリファ(trifa)」がおすすめです。アプリ内の日本語チャットサポートで気軽に相談でき、24時間365日対応なのが心強いポイントです。設定も簡単で、QRコードを読み取るだけですぐに使い始められます。
「現地でもスマホをスムーズに使いたい」「不安なくネットにつなぎたい」と感じている方は、ぜひトリファのeSIMの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。