iPhoneを初期化したいけど、「eSIMを保持してデータを消去」と「eSIMを削除してデータを消去」のどちらを選べばいいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
目次
間違えるとeSIM再発行の手数料や手続きが必要になることもあります。
本記事では、eSIMを保持したままデータだけを安全に消去する手順や初期化とリセットの違い、よくあるトラブルまで詳しく解説します。
eSIMを保持してデータを消去してよいかどうかわからない方はぜひ参考にしてください。
まずは、iPhoneでeSIMを保持したままデータ消去を行う方法と、他の初期化・リセット方法との違いについて紹介します。
iPhoneの初期化やリセットには複数の選択肢があり、目的によって最適な方法が異なります。
iPhoneの初期化時、「eSIMを保持してデータを消去」または「eSIMを削除してデータを消去」という選択肢があります。
それぞれの違いは以下の通りです。
項目 | eSIMを保持してデータを消去 | eSIMを削除してデータを消去 |
写真・アプリ・設定など | 削除される | 削除される |
eSIMプロファイル | 残る(再設定不要) | 削除される(再発行必要) |
再設定の手間 | 少ない | 多い(通信不可になる) |
適した場面 | 自分で再利用する場合 | 売却・譲渡する場合 |
eSIMを保持してデータを消去する方法を選べば、通信設定を維持したまま初期化が可能で、不具合解消などが目的の場合に便利です。
一方、eSIMを削除してデータを消去した場合には完全なデータ削除が行われるため、端末を他人に渡す際に適しています。
iPhoneの初期化とリセットは混同しやすい操作ですが、目的や影響範囲が異なります。
以下に違いをまとめました。
区分 | 初期化(すべてのコンテンツと設定を消去) | リセット(設定の一部を初期化) |
データの消去 | 写真・アプリ・設定・Apple IDなどすべて削除 | 基本的に削除されない |
操作手順 | 設定 → 一般 → 転送またはiPhoneをリセット → 「すべてのコンテンツと設定を消去」 | 同じメニュー内で各種リセットを選択 |
目的 | 売却・譲渡、不具合の完全な解消 | Wi-Fi接続不良や特定設定のリフレッシュ |
注意点 | iCloudやPCに事前バックアップが必要 | リセット内容に応じて再設定が必要な場合あり |
リセットには以下のような種類があります。
不具合解消目的ならまずリセットを、それでも改善しない場合や譲渡時には初期化を選びましょう。
iPhoneを初期化する際に「eSIMを保持してデータを消去」を選択することで、通信契約情報はそのままに、個人データだけを安全に消去できます。
eSIMを保持した初期化の方法には主に以下があります。
順番に見ていきましょう。
iPhoneを初期化する前には、必ずデータのバックアップを行いましょう。
「eSIMを保持してデータを消去」を選んでも、写真・アプリ・連絡先などの個人データはすべて削除されます。
バックアップを怠ると、重要な情報を復元できなくなる恐れがあります。
主なバックアップ方法は以下の通りです。
方法 | 手順 |
iCloudでのバックアップ | 1.「設定」→自分の名前→「iCloud」→「iCloudバックアップ」へ進む 2.「今すぐバックアップを作成」をタップ 3.Wi-Fi接続を維持したまま完了を待つ |
PCへのバックアップ(容量不足時など) | 1.LightningケーブルでPCに接続し、iTunes(Windows)またはFinder(Mac)で操作 2.フルバックアップを選ぶことで、より広範なデータ保存が可能 |
アプリ個別のバックアップ確認 | LINEのトーク履歴、ゲームデータなどは各アプリ内で個別対応が必要 |
iCloudは無料プランだと5GBまでの制限があるため、写真や動画が多い場合はPCへのバックアップとの併用が推奨されます。
初期化前の最新状態を反映させるため、バックアップは直前に行うのがベストです。
バックアップが完了したら、実際にeSIMを保持したまま初期化を進めます。操作はすべて「設定」アプリから行います。
eSIMを保持した初期化の手順は、以下の通りです。
初期化が始まると、eSIMプロファイルは残された状態で、すべての個人データのみが削除されます。
そのため、再設定時には、通信契約の再発行をせずに進められます。
また、 iOSバージョンが古かったり、使用中のキャリアが機能に対応していないと、eSIM保持の表示がされないケースもあるでしょう。
その場合は、キャリアのカスタマーサポートに相談して解決してください。
初期化後のiPhoneでは、まず「こんにちは」と表示される画面から初期設定を進め、言語や地域、Wi-Fi接続などを設定します。
その後、eSIMが正常に機能しているかを必ず確認しましょう。
接続確認の手順は以下の通りです。
eSIMが反応しない場合は、次の対処法を順に試してください。
誤って操作しないよう、慌てずに対処していきましょう。
ここでは、iPhone初期化におけるeSIMの取り扱い方について、目的別に最適な選択肢を紹介します。
主に以下の通りです。
目的 | 方法 |
機種変更で旧端末を下取りに出す場合 | eSIMも含めて完全初期化 |
不具合解消のために初期化したい場合 | eSIMを保持してデータを消去 |
端末を売却または他人に譲渡する場合 | eSIMも含めて完全初期化 |
修理に出す前にデータを消去する場合 | eSIMを保持してデータを消去 |
Wi-Fi・Bluetoothがつながらない場合 | リセット |
順番に見ていきましょう。
iPhoneを買い替え、旧端末を下取りに出す際は「eSIMを削除してデータを消去」を選んで完全初期化するのが原則です。
個人情報と通信契約情報の両方を削除することで、第三者による不正利用のリスクを防げます。
手順は以下の通りです。
ステップ | 操作内容 |
旧iPhoneのバックアップ | iCloudまたはPCへバックアップを取得 |
新しいiPhoneでのeSIM移行 | ・「eSIMクイック転送」機能を利用 ・またはキャリアでeSIM再発行手続き |
旧iPhoneの初期化 | ・「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」 ・「eSIMを削除してデータを消去」を選択 |
完全初期化は、下取り時のセキュリティ確保において基本動作です。
一部の下取り業者では、eSIMを残した状態での提出を求められることもあるため、事前確認を忘れずに行いましょう。
動作の重さやシステム不調など、不具合を解消するためにiPhoneを初期化したい場合は、「eSIMを保持してデータを消去」を選ぶのが適切です。
自身で継続利用するには、eSIMを残せば再設定の手間やキャリア再発行の手続きを避けられます。
手順は以下の通りです。
ステップ | 操作内容 |
バックアップの取得 | iCloudまたはPCで直前の状態を保存 |
初期化操作 | ・「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」 ・「eSIMを保持してデータを消去」または「モバイル通信プランを残す」を選択 |
初期設定と復元 | ・初期化後、iCloudなどからデータ復元 ・通信が自動的に再アクティベートされる |
再発行は不要のため、通信環境の再設定もスムーズに済ませられます。
iPhoneを売却または譲渡する際には、「eSIMを削除してデータを消去」を選び、完全初期化するのが原則です。
eSIMプロファイルを残したまま他人に渡すと、通信契約の誤使用やトラブルの原因になりかねません。
譲渡時の初期化手順は、以下の通りです。
ステップ | 操作内容 |
データのバックアップを取得 | 必要なデータをiCloudまたはPCに保存 |
アクティベーションロックの解除 | ・「設定」→自分の名前→「iCloud」→「iPhoneを探す」をオフにする |
初期化実行 | ・「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」 ・「eSIMを削除してデータを消去」を選択 |
Apple IDパスワードを入力して実行 | ・初期化を確定し、工場出荷状態に戻す |
譲渡後に誤解や設定トラブルを避けるためにも、eSIM削除は必須です。
バッテリー/画面交換などの修理目的でiPhoneを初期化する場合は、「eSIMを保持してデータを消去」が便利です。
修理後も同じ端末を使うため、通信契約情報を残しておけば再設定の手間が省けます。
以下に、修理前後の手順を表形式で整理しました。
ステップ | 操作内容 |
バックアップの取得 | iCloudまたはPCでデータを保存 |
初期化操作 | ・「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」 - 「eSIMを保持してデータを消去」を選択 |
修理後の復元 | ・初期設定を実行 → バックアップから復元 ・通信機能も即利用可能 |
修理業者によってはポリシーが異なる場合があります。
修理内容次第ではeSIM情報が消えることもあるため、eSIM再設定に必要な情報をメモしておくと安心でしょう。
Wi-FiやBluetoothの接続不良など、軽度な不具合であれば、「ネットワーク設定をリセット」だけで十分対応可能です。完全初期化は必要ありません。
リセットの手順は以下の通りです。
リセットの影響範囲としては以下の通りです。
リセット後はWi-FiやBluetoothの再設定が必要です。
eSIMがつながらない場合は、機内モードのオン/オフや端末の再起動を試してください。
最後に、iPhoneでeSIMを保持したまま初期化した際や、誤ってeSIMを削除してしまった場合に発生しやすいトラブルと対処法について紹介します。
順番に見ていきましょう。
eSIMを保持したままiPhoneを初期化する場合、LINEやSuicaなどのアプリは通常のバックアップではデータが移行されないため、事前の準備が必要です。
怠ると、トーク履歴やSuicaなどのICカードの残高が消失するリスクがあります。
主な別途対応が必要なデータと対応方法は以下の通りです。
アプリ/データ | 対応方法 | 注意点 |
LINEトーク履歴 | LINEアプリ内「トークのバックアップ」からiCloud/Google Driveへ | 初期化前に必ず実行し、同じアカウントでログインして復元 |
Suica/PASMOなど交通系ICカード | Walletアプリで「カードを削除」→「サーバーに残す」 | 初期化後、「追加」→「前のカードを追加」で復元可能 |
ゲームアプリ | アプリ内の引き継ぎコード発行やSNS連携 | ゲームごとに引き継ぎ手段が異なるため要確認 |
iCloudバックアップでは自動的に保存されない領域です。
Suicaは残高管理の関係から慎重な操作が必要で、削除時に「サーバー退避」を選ばないと復元不可になることがあるため、注意しましょう。
「eSIMを保持してデータを消去」を選んだのに、初期化後にモバイルデータ通信が使えないケースが発生します。
主な原因はeSIMの自動再アクティベート失敗や、ネットワークの一時的な不具合です。
よくあるトラブルと対処法を以下にまとめました。
トラブル内容 | 対処法 | 備考 |
通信不可 | 機内モード操作/再起動 | 手軽に試せる基本操作 |
eSIMプランが見えるが通信できない | キャリア設定の更新 | iOSアップデート後などに必要な場合あり |
それでも解決しない | ネットワーク設定リセット | eSIMは残るがWi-Fi情報などは削除される |
通信トラブルのほとんどの場合、上記の方法で解消されます。
万が一、eSIM自体が消えていた場合は、各キャリアに連絡して再発行を依頼してみましょう。
iPhone初期化時に誤って「eSIMを削除してデータを消去」を選んでしまっても、再発行すれば復旧可能です。
eSIMは物理的なカードではなくデジタルプロファイルのため、手続きも比較的スムーズに行えます。
多くのキャリアではオンラインでの再発行に対応しており、手数料無料の場合もあります。
再発行に必要なものは以下の通りです。
再発行後は、QRコードをiPhoneでスキャンするか、各社の専用アプリからプロファイルをダウンロードして設定すれば、元の電話番号・データプランがそのまま利用可能になります。
eSIMの利用が一般化する中で、「どの通信プランを選べばよいかわからない」「旅行先で一時的にeSIMを使いたい」といったニーズも増えています。
トリファ(trifa)は、海外・国内で使えるeSIMを簡単に管理する際におすすめの海外eSIMアプリです。
200ヵ国の地域でインターネットの利用が可能で、アプリ内でモバイルデータを好きな量だけ購入できます。
トリファ(trifa)は、海外渡航時や短期利用において、現地SIMカードを購入する手間が省けるため、旅行者や出張者にとって便利な選択肢となっています。
eSIMに関する知識がなくても、アプリの案内にしたがって選択・購入・設定が可能なので、はじめてのeSIM利用という方にもぴったりです。
iPhoneのeSIM機能と組み合わせることで、物理SIMを抜き差しせずに複数の回線を自在に切り替えられる環境が整えられるでしょう。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。