「月々の通信費を抑えたい」「音声通話はいらないけどネットは必要」といったお悩みをもつ方におすすめなのが、データ通信専用eSIMです。 物理SIMカードと違い、カードの抜き差し不要でオンライン手続きだけですぐ使える点が魅力です。音声通話に対応していない分、費用が安いこともあり、コストパフォーマンスに優れています。
目次
本記事では、データ通信のみeSIMの仕組みやメリット・デメリット、通話手段・導入方法などをわかりやすく解説します。
データ通信のみeSIMとは、音声通話やSMS機能を省いた、データ通信専用のeSIMです。
物理SIMカードを必要とせず、スマホに内蔵されたチップにプロファイルをインストールすることで利用できます。
とくに既存の音声通話SIMと併用したいユーザーや、海外旅行・出張時にコストを抑えてインターネットを使用したい方に最適です。
コスト削減・即時開通・サブ回線運用など、幅広い活用ができるため、まずは自身のスマホがeSIMに対応しているかを確認し、用途に応じて活用を検討しましょう。
データ通信のみeSIMのメリットは、以下の4つです。
主なメリットを順番にチェックしていきましょう。
データ通信のみeSIMは、従来の音声通話プランに比べて月額料金を節約できます。音声・SMS機能に対応していない分、料金が安く設定されているからです。
音声通話をあまり使わない方や、LINEといったアプリで通話をする方にとっては、データ通信のみeSIMでも生活に支障はないでしょう。
不要な機能を省きつつ、安い料金で利用できるため、通信料金の大幅な節約を期待できます。
データ通信のみeSIMは、店舗不要でオンライン手続きだけで即日開通が可能です。
物理SIMカードと比べた際の開通スピードは、以下の通りです。
項目 | データ通信のみeSIM | 物理SIMカード |
開通スピード | 最短3分~数時間(即日完了) | 通常2~7日(配送+設定) |
申し込み方法 | オンライン完結 | オンライン申し込み+郵送 or 店舗受取 |
QRコードによるプロファイル設定と、eKYC(電子的本人確認)により、申し込みから利用開始までがスムーズです。
急にデータ通信が必要な場面でも、Wi-Fi環境とスマホがあればすぐに対応できます。
データ通信のみeSIMは、物理SIMカードを使わないため、物理SIMカードの抜き差しやピンの扱いといった手間がありません。
eSIMはスマホ内部のチップに情報をデジタルで書き込む仕組みのため、破損・紛失のリスクも回避できます。
iPhone 13以降やGoogle Pixelシリーズでは、eSIMの同時利用や切り替えが可能で、状況に応じて複数の回線をスマホ内で管理できます。
たとえば、国内用と海外用のeSIMを事前に登録しておき、現地に着いてから海外用に切り替えることも可能です。
物理SIMカードを扱う必要がないので、初心者でも安心してデュアルSIM運用ができるのが魅力です。
データ通信のみeSIMは、海外への旅行や出張時にも活躍します。
アプリやWebサイトなどでプランを契約し、QRコードを読み取るだけで、すぐに利用できるため、海外でのデータ通信がスムーズに行えるようになります。
ポケットWi-Fiを接続したり、国際ローミングを設定したりするよりも手間がかからないため、海外での通信を確保したいときに、データ通信のみeSIMが便利です。
データ通信のみeSIMのデメリットは、以下の3つです。
順番に見ていきましょう。
データ通信のみeSIMは、すべてのスマホで使えるわけではありません。eSIM未対応端末では、データ通信のみでの利用はそもそもできないため、事前確認が必須です。
eSIMに対応している端末は、以下の通りです。
メーカー | 機種名例 |
Apple | iPhone XS / XR 以降の機種 |
Pixel 4 / 4a / 5 / 6 / 7 / 8 シリーズ | |
Samsung | Galaxy S20 / S21 / S22 / S23 以降 |
SONY | Xperia 10 III Lite 以降 |
OPPO / Xiaomi など | 最新の上位機種のみが対応 |
使いたいeSIMサービスの公式サイトで、自分の端末が動作確認済みに含まれているかを必ず確認しましょう。
データ通信のみeSIMは、物理SIMカードに比べて設定が少し複雑です。
QRコードの読み取りやプロファイルのインストール、APN設定など複数の手順を進める必要があります。
スマホ初心者やデジタル機器に不慣れな人にとっては、Wi-Fi環境の確保や設定画面の操作が負担になることもあるでしょう。
設定が不安な方は、サポートが手厚いキャリアでの契約も選択肢のひとつとして考えておきましょう。
データ通信のみeSIMには、音声通話やSMS機能が付いておらず、電話番号も付与されません。
そのため、SMS認証が必要なサービスの登録や、宅配業者への電話連絡などに支障が出るケースもあります。
たとえば、旅先で便利な決済サービスやタクシーアプリなどはSMS認証が必要な場合が多く、データ通信のみeSIMだと対応できません。
電話番号が必要な場面が想定される場合は、050番号付きのIP電話アプリを併用するか、音声通話SIMをメイン回線として利用するデュアルSIM運用がおすすめです。
データ通信のみeSIMでも、使い方次第では、音声通話やSMS認証をカバーできます。
データ通信のみeSIMで電話する方法は、以下の通りです。
それぞれコストや手軽さ・通話品質が異なるため、利用シーンに合わせて最適な手段を選ぶと、通信費を抑えつつ利便性も確保できます。
無料通話アプリを活用することで、データ通信のみeSIMでも通話ができるようになります。
インターネット経由で音声・ビデオ通話ができ、電話番号を持たないeSIMでも利用可能だからです。
主なアプリは以下の通りです。
通話アプリを複数インストールし、よく通話する相手の利用環境に合わせて使い分けてください。
一般の固定電話や携帯電話に発着信したいなら、050番号付きIP電話アプリが有効です。
050番号が付与され、IPネットワーク経由で通常の電話網と接続できるためです。
主なアプリと料金は、以下を参考にしてみてください。
アプリ名 | 月額 | 通話料(目安) |
050 plus | 330円 | 17.6円/1分 |
SUBLINE | 550円 | 11円/1分 |
仕事で番号表記が必要な場合や、SMS認証を代替したい場合は、050番号付きIP電話アプリを利用すると安心です。
データ通信のみeSIMと050番号付きIP電話アプリの組み合わせで通信費も抑えやすくなります。
音声品質とSMS受信を確実に確保したいなら、音声通話SIMを主回線、データ通信のみeSIMを副回線にするデュアルSIM運用が安定します。
音声通話は既存の電話番号を維持、データは低料金のeSIMで補うことで、コストと機能を両立できるからです。
デュアルSIMのメリットは以下の通りです。
ただし、国際ローミングの場合、意図しない高額請求になる可能性があります。
設定画面で、音声通話は主回線、データ通信は副回線を指定し、意図しない高額請求を防ぐ設定をしておきましょう。
データ通信のみeSIMは、物理SIMカードと異なり、オンラインで手続きを完結できる点が特徴です。
申し込みから設定完了までの流れを理解しておくことで、スムーズに利用を開始できます。
ここでは、実際に使いはじめるまでのステップを4段階で解説します。
順番に見ていきましょう。
まずは、お使いのスマホがeSIMに対応しているかを必ず確認しましょう。
eSIMは比較的新しい技術のため、古い機種や一部の格安スマホでは利用できないことがあります。
eSIMを利用できない端末は、以下の通りです。
機種分類 | 非対応例 |
古いiPhone | iPhone X / 8 / 7 / SE(第1世代)など |
格安Android端末 | OPPO Aシリーズ、AQUOS sense など |
キャリア制限機種 | SIMロック端末など |
キャリアやeSIM提供会社が公開している動作確認端末一覧も確認することをおすすめします。
eSIMを利用するには、対応端末だけでなく、eSIMプランを提供する通信事業者の選定も重要です。事業者ごとに料金や対応国、データ容量、開通手順が大きく異なるからです。
料金やサポート体制、必要な開通作業の手順なども比較して、自分の用途に合ったサービスを選ぶとよいでしょう。
eSIMプランを提供しているサービスを選ぶ際の主な観点は、以下の通りです。
観点 | 概要 |
料金プラン | 自分の用途に合った容量・日数を選べるか |
対応エリア | ・特定の国または地域専用か ・複数国対応の周遊プランがあるか |
開通手順のわかりやすさ | ・QRコードを読み込むだけか ・APN設定が必要か |
対応言語・サポート体制 | 日本語対応のカスタマーサポートがあるか |
利用者レビューや評価 | 通信の安定性やサポート対応などに関する口コミが好意的か |
複数の観点から利用するサービスを選ぶと納得感を得られます。上記のポイントを参考に、自分に合ったサービスを選んでみましょう。
申し込みが完了すると、登録したメールアドレスにeSIMプロファイルのQRコードが届きます。
eSIMプロファイルのQRコードは、スマホでeSIMを設定するための情報です。
万が一紛失してしまった場合には、再発行の手続きが必要になり、手数料が発生する場合もあります。
受け取ったらすぐに設定することを心がけ、すぐに設定できない場合には、スクリーンショットやPDFなどでQRコードを適切に保管するようにしましょう。
eSIMプロファイルのQRコードを読み取ることで、eSIMの設定がスタートします。
iPhoneとAndroidでの設定手順は、以下の通りです。
端末 | 設定手順 |
iPhone | 設定 → モバイル通信 → eSIMを追加 → QRコード読み取り |
Android | 設定 → ネットワークとインターネット → SIM → eSIM追加 など |
設定後は、主回線・副回線の割り当てやAPN設定を確認し、データ通信が行えるかテストしてください。
デュアルSIMでの運用時には、どちらのSIMでデータ通信を行うかをわかりやすく設定しておくと、設定ミスを避けられます。
データ通信のみeSIMは便利な一方で、利用前に気になる疑問点も多いでしょう。
ここでは、よくある質問に対してわかりやすく回答していきます。
順番に見ていきましょう。
基本的に、データ通信のみeSIMでは音声通話やSMSの利用はできません。
文字通り、データ通信専用のため、電話番号が割り当てられず、SMS認証や通常の通話は使えない仕様です。
音声通話やSMS機能が必要な場合は、通話アプリやIP電話アプリを使用するか、音声通話SIMとデータ通信のみeSIMのデュアルSIM運用を検討しましょう。
LINEアカウントの新規登録には、SMS認証が必要なため、データ通信のみeSIM単体ではLINEの新規登録はできません。
ただし、すでに別の電話番号でLINEアカウントを持っている場合は、そのアカウントを継続的に利用できます。
LINEを新規で使いたい場合は、SMS認証に対応している音声通話SIMとの併用が確実な方法です。
データ通信のみeSIMには、完全無料で長期利用できるプランはありません。
しかし、初期費用無料や月額基本料0円でスタートできるプランはキャリアによっては提供されています。お試しや動作確認目的であれば、0円スタート可能なeSIMを活用するとよいでしょう。
サービスによっては、セールで割引プランを提供している場合があるため、セール時期を狙って契約するのもひとつの手でしょう。
eSIMは端末に直接書き込まれるため、機種変更時には再発行が必要です。
物理SIMカードのように差し替えるだけでは使えないため、以下のような手順で進めましょう。
再発行方法や手数料は、事業者によって異なり、約1000円程度必要です。サービスによっては、オンラインなら無料で再発行可能な場合があるため、公式サイトを確認しましょう。
機種変更時にeSIMを移行する際に、以下のようなトラブルが発生することがあります。
トラブル内容 | 対処法・ポイント |
QRコードの紛失 | 再発行が必要になるため、PDFやスクリーンショットで保存しておく |
古い端末からeSIMを削除してから再発行手続き | 通信不能になるリスクがあるため、新端末で通信確認してからeSIMを削除する |
APN設定の失敗 | マニュアルを確認し、手順に沿って設定を進める |
機種変更前には、契約事業者のマイページやサポートページで、移行手順と注意点を必ず確認しておくと安心です。
海外旅行・一時帰国・短期出張など、必要なときだけeSIMを安く使いたい方には、データ通信専用eSIMのトリファ(trifa)がおすすめです。
トリファは、世界200以上の国と地域に対応しているeSIMサービスで、申し込みから設定まですべてオンラインで完結します。
専用アプリから渡航先・日数・通信量を選ぶだけで、1日〜数週間単位で手軽にネット環境を整えられます。
日本の音声通話SIMを維持しながら、トリファで現地通信を格安で追加できるため、通信コストの大幅削減が期待できます。
国際ローミングやポケットWi-Fiよりも手間なく安く済ませたい人は、まずはアプリからぜひチェックしてみてください。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。