2024年発売のiPhone16は、高い処理能力とシリーズ初のAI搭載が特徴です。さまざまな機能を備えた端末ですが、eSIM利用にも対応しています。 iPhone16への機種変更をきっかけに、eSIMへ移行しようと考えている人もいるのではないでしょうか。 この記事では、iPhone16のeSIM移行・設定の仕方や便利な使い方を解説します。
目次
iPhone16はeSIMが利用できる端末です。まずはiPhone16のデュアルeSIMへの対応や対応する国・地域を確認していきましょう。
iPhone16は2つのeSIMを同時に利用できるデュアルeSIM機能に対応しています。2つのeSIMを使うことで、用途にあわせて自由に回線を切り替えられます。どちらのeSIMを使っても5G通信に対応しており、高速なデータ通信が期待できるでしょう。
加えて、eSIMクイック転送機能も搭載されています。iPhoneの旧機種からの移行もスムーズにできるのが特徴です。
iPhone16のeSIM機能は多くの国や地域で使えますが、一部の地域では利用できません。eSIM技術は各国の通信規制や技術標準の違いにより、対応状況が異なるためです。
たとえば、中国本土や香港・マカオの一部地域は、政府の規制によりeSIMが利用できません。また、中国版のiPhone16も規制によりeSIM機能が使えなくなっています。
また、iPhone16がeSIMに対応していても、契約するキャリアやプランによってはeSIMに対応しておらず、海外で使えない場合があります。海外旅行・出張時には、渡航先でeSIMが利用できるか事前に確かめておきましょう。
iPhone16でeSIMを利用するメリットは、以下の4点です。
iPhone16でのeSIM利用は、手続きの簡素さや2つの回線を使える利便性が挙げられます。メリットを詳しく見ていきましょう。
iPhone16でeSIMを使えば、物理SIMカードの抜き差しが不要になります。
従来の物理SIMカードでは、機種変更や回線切替の際に、SIMカードを交換する必要がありました。
しかし、eSIMはデジタルで回線情報を管理するため、カード交換の手間がかからず、破損や紛失、接触不良などのトラブルも防げます。
余計な手間がかからないのが、eSIMの強みといえるでしょう。
iPhone16でeSIMを利用すれば、仕事用とプライベート用など複数の回線を1台のiPhoneで管理できるようになります。複数の回線を使い分けることで、個人の電話番号を顧客に知られることがなくなります。
また、プランの組み合わせ次第では回線が1つのときよりも料金が安くなる可能性があるでしょう。
それぞれの回線には自分で名称を設定できます。「ビジネス用」「プライベート用」などとわかりやすい名前をつけておけば、着信時やSMSの受信時に瞬時にどちらの回線から連絡がきたのか把握できます。
iPhone16のeSIMは、海外でも利用しやすいです。海外用eSIMはオンラインで購入・設定できるため、現地到着後すぐに利用開始できます。加えて、SIMカードの交換やWi-Fiルーターのレンタルなど、事前手続きの手間も減ります。
海外へ向かう目的にあわせてeSIMのプランを契約すれば、現地でも国内と同じようにiPhone16で通話や通信が可能です。言語翻訳や行き先の確認などに役立てられるでしょう。
iPhone16でeSIMを申し込む際は、すべての手続きがオンラインで完結します。Web上で申し込んでeSIMのプロファイルをダウンロードし、キャリアがSIMを有効化(アクティベーション)するまで待つだけで開通できるため、店舗に出向く必要がありません。
また、郵送で物理カードを待つ必要もなく、申込即日に利用を始められます。すぐにサブ回線が必要な場合や、契約するキャリアの最寄り店舗の予約が埋まっているときなどにも、利用しやすいでしょう。
iPhone16でeSIMを使うと、以下のようなデメリットがあります。
eSIM利用時はSIMの再発行や非対応のキャリア・プラン・機種に注意が必要です。デメリットを詳しく解説します。
iPhone16のeSIMは機種変更のたびに再発行が必要な場合があります。
iPhone同士の機種変更であれば、eSIMクイック転送機能を使って簡単にeSIMを移行可能です。しかし、iOSのバージョンが古かったり、Bluetooth接続が不安定だったりすると失敗する可能性があります。
また、iPhone以外の機種に変える際は、再度eSIMプロファイルを新しい端末にダウンロードしなければなりません。
eSIM再発行時は1,000円〜3,000円ほどの手数料がかかります。余計なコストをかけたくない人は、物理SIMカードを選んだほうがよいでしょう。
一部のキャリアや通信プランでは、eSIMに対応していない場合があります。iPhone16ではeSIMが利用できますが、使うにはキャリアやプランがeSIMに対応していなければなりません。
とくに格安SIMではまだ対応が遅れている傾向があります。こうしたキャリアでは物理SIMカードを選ばなければならず、eSIM機能やiPhone16の機能を十分に活かせません。
契約しているキャリアがeSIMに対応しているか確認し、もし対応していない場合は乗り換えも検討してみるとよいでしょう。
iPhone16でeSIMを利用すると、eSIM非対応の機種やAndroid端末への乗り換えが難しくなり、機種変更の選択肢が狭まってしまいます。
前述のとおり機種変更時はeSIMの再発行が必要で、eSIM非対応の端末にはeSIMデータの移行もできません。eSIMの再発行やSIMカードへの変更は手数料や時間がかかるため、面倒に感じる人もいるでしょう。
中古の端末や海外製のスマートフォンを購入しようと考えている人は、購入予定の端末がeSIMに対応しているかどうかよく確かめましょう。デュアルSIMを採用している人は、物理SIMとeSIMの併用も検討しておくのがおすすめです。
iPhone16でのeSIM設定手順は、以下のとおりです。
設定手順のほか、eSIMの切り替え方やiPhone同士でできるeSIMクイック転送についても解説します。
まずはeSIMに対応するキャリア・プランを契約しましょう。大手キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル)であれば4社ともeSIMに対応しています。
続いて、初期設定に移りましょう。eSIMを発行するにはプロファイルのダウンロードが必要です。QRコードを読み取ったり、アクティベーション情報を入力したりして進めていきます。
基本的には、iPhone16の「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」からQRコードをスキャンして設定します。もしくは「SM-DP+アドレス」「アクティベーションコード」を入力してください。
設定時は、安定したWi-Fi環境のもとで手続きするようにしましょう。
eSIMプロファイルをiPhone16にインストールした後は、回線をオンにしてアクティベーション手続きを完了する必要があります。
プロファイルインストール後に「設定」→「モバイル通信」から該当のeSIMを選択し、「この回線をオンにする」をタップします。海外eSIMの場合は、現地到着後に「データローミング」をオンにすることで利用開始されます。回線をオンにしたら、問題なく通信ができるか、ブラウザやSNS、電話をして確かめてみましょう。
アクティベーションにはキャリア側の処理が必要なため、完了まで時間がかかる可能性があります。もしなかなかアクティベーションが完了しないときは、iPhone16を再起動するかキャリアのサポートに問い合わせてみましょう。
iPhone16でデュアルSIMを利用している際は、設定画面から簡単に主回線とサブ回線を切り替えたり、用途に応じて使い分けたりできます。「設定」→「モバイル通信」→「デフォルトの音声回線」で通話に使用する回線を選択し、「モバイルデータ通信」でインターネット接続に使用する回線を選択できます。
設定画面では電話番号やネットワーク名称も表示されるため、どちらの回線を利用しているのか判別できるようになっています。回線の名前を変更しておくことで、よりわかりやすく2つの回線を管理できるでしょう。
iPhone15などからiPhone16への機種変更では、eSIMクイック転送機能を利用することで、キャリアでの再発行手続きなしに簡単にeSIMを移行できます。
iOS16以降を搭載したiPhone同士であれば、eSIMクイック転送機能により、Bluetoothを使って旧iPhoneから新しいiPhone16へ直接eSIMプロファイルを転送できます。キャリアに連絡したり新しいQRコードを発行してもらったりする必要がなく、数分で移行作業が完了します。
クイック転送をする際は、新しいiPhone16の初期設定時に「近くのiPhoneから転送」を選択するか、設定完了後に「設定」→「モバイル通信」→「eSIMを追加」から転送しましょう。
転送時は事前に両方のiPhoneのiOSを最新バージョンにアップデートし、BluetoothとWi-Fiが安定して接続されていることを確認しましょう。
iPhone16でeSIMを使う際は、以下の4点に注意しましょう。
手続きの際や日頃の利用時などで、トラブルに遭遇するケースも考えられます。注意点をおさえて、快適にeSIMを使いましょう。
iPhone16でeSIMのアクティベーションや設定を行う際は、安定したWi-Fi環境が必須です。不安定な環境では、手続きが失敗する可能性があります。
プロファイルのダウンロードやキャリア設定の更新には一定の通信量が必要です。接続が不安定だとダウンロードが中断されてエラーが発生することがあります。
自宅やカフェ、空港など、比較的安定したWi-Fiが設置されているところで手続きを進めるようにしてください。
iPhone16でeSIMを再発行する際は、手数料がかかります。eSIMプロファイルは一度削除されると復旧できないため、新しいプロファイルを生成しなければなりません。再度eSIMを発行する際は、その都度手数料がかかります。
ドコモ、au、ソフトバンクのeSIMの再発行手数料は3,850円です。(2025年6月現在)余計な支出をしないためには、機種を新しいiPhoneに変えてクイック転送を使うなどの対策をするとよいでしょう。
iPhone16はセキュリティに強みがありますが、ごくまれにApple Accountが乗っ取られてデバイスの情報を盗まれる可能性があります。
iPhone16が盗難などの被害に遭い、端末へのハッキングや不正アクセスが成功すると、eSIMの認証情報や通信内容にアクセスされる可能性があります。最悪の場合、個人情報が漏洩するリスクもあるでしょう。
こうしたことが起こるケースはめったにありませんが、対策としてiOSのバージョン更新やパスコード・生体認証の利用などを日頃からしておくとよいでしょう。
iPhone16のeSIMは端末に紐づいたデジタル情報のため、物理SIMカードのように複数の端末間で簡単に差し替えて使い回すことができません。
eSIMプロファイルは特定の端末の識別情報と関連付けられており、一度アクティベートされると基本的にその端末でしか利用できないためです。
物理SIMカードは別の端末に差し替えれば、通常と同じように通信ができます。eSIMの不具合など、もしものときに備えて、物理SIMカードとeSIMを併用することも検討しておきましょう。
iPhone16でeSIMを使おうとする際は、以下のようなトラブルが起きる可能性があります。
それぞれのケースに応じた対処法を解説します。
iPhone16でeSIMを認識しない、または通信ができない場合は、基本的な設定確認をしてみましょう。
「設定」→「モバイル通信」でeSIMがオンになっているか確認し、オフの場合は「この回線をオンにする」をタップします。海外でeSIMが認識されない場合は、「データローミング」がオンになっているか確認しましょう。
これらの設定に問題がない場合は、iOS設定の不具合、ネットワーク接続の問題などが考えられるため、iPhone16の再起動が有効です。
それでも解決しない場合は、「設定」→「一般」→「転送またはiPhoneをリセット」→「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」を実行しましょう。eSIMプロファイルが破損している場合は、eSIMを再インストールしてみてください。
設定変更前にはデータが消失しないよう、iCloudバックアップを取っておきましょう。
iPhone16でeSIMのアクティベートに失敗する場合は、Wi-Fi環境をチェックしてみましょう。「iPhone16 eSIM アクティベート中」の表示が長時間続く場合は、電波のよい場所に移動してWi-Fi接続を確認してください。
それでもアクティベートが終わらない場合は、OSが古い可能性があります。iOSをアップデートし「設定」→「一般」→「情報」からキャリア設定のアップデートも確認しましょう。
なかなかアクティベートが完了しない場合は、キャリア側の処理が追いついていない可能性もあります。数時間から1日程度時間を置いてみて、それでも完了しないようであればキャリアのサポートに問い合わせてみましょう。
海外でiPhone16のeSIMが使えない場合は、データローミング設定を確認してみましょう。
「設定」→「モバイル通信」で該当のeSIMをタップし「データローミング」がオンになっているか確認します。データローミングがオンになっているにもかかわらず、eSIMが利用できない場合は、iPhone16を再起動してみてください。
ただし、中国ではeSIM機能自体が政府の規制により制限されています。そのため、渡航前に物理SIMカードを契約したり、ポケットWi-Fiの契約が必要です。渡航先のeSIM対応状況を確認し、必要に応じて代替手段の用意などもしておくとよいでしょう。
iPhone16でeSIMをより賢く活用するには、以下の方法を試してみましょう。
使い方を工夫して、より便利かつ快適にiPhone16を使いこなしましょう。
iPhone16でeSIMを活用すれば、仕事用とプライベート用の回線を分けられます。回線を分ければ、折り返しの電話をかけやすくなったり、経費管理が楽になったりと、業務効率の向上が期待できます。
仕事用の回線とプライベート用の回線を判別しやすくするため、回線の名称を変更しておくと、回線の使い間違いなどが発生しにくくなるでしょう。
また、仕事で電話をする機会が多いのであれば「5分かけ放題」「10分かけ放題」など、通話料がお得になるサービスを提供しているキャリアと契約するとよいです。
iPhone16で通話専用回線とデータ通信専用回線を分けることで、通信費の削減や利便性向上が期待できます。
通話に強みのあるプラン、データ通信に強みのあるプランを組み合わせることで、より快適に電話やデータ通信を利用できます。
プランの選び方次第ではこれまでよりも安い料金で利用できる場合もあるため、キャリア・プランの組み合わせ方が重要です。より料金を安くするなら、データ通信専用eSIMの活用がおすすめです。
また、異なる回線のSIMを契約しておけば、通信障害などが発生した際ももう片方のSIMで通話ができ、iPhone16が使えなくなるリスクを減らせます。SIMの役割を明確にすることで、さまざまなシーンでiPhone16が活躍できるようになるでしょう。
iPhone16に海外旅行専用のeSIMを事前に設定しておくことで、渡航先での通信・通話による高額な料金の発生を抑えられます。
海外eSIMは、国際ローミングサービスよりも安い料金設定となっています。eSIMを契約しておけば、余計な支出を減らせるため、海外に行く頻度が多い人でも安心です。
また、物理SIMカードの交換やルーターレンタルなどの手間もないため、渡航前や帰国後の面倒な手続きも不要です。eSIMならオンラインで契約できるため、渡航前の数分で手続きが完了します。
海外用eSIMのプランや料金はサービスによって異なるため、行き先やプランのラインナップも含めて、自分にあうものを契約しましょう。
海外利用時のeSIMなら、日本企業が運営するトリファ(trifa)がおすすめです。トリファは24時間対応の完全日本語サポートが特徴で、国外にいても安心して利用できます。
また、世界200ヵ国に対応したeSIMが揃っており、1GB、3GB、無制限など幅広いラインナップが用意されているのも特徴です。
購入はスマホアプリからできるため、渡航直前に契約しておけば現地ですぐに利用できます。現地のWi-Fi環境下でも簡単に契約してeSIMのダウンロードが可能です。
海外旅行や出張に頻繁に行く人は、トリファの利用を検討してみましょう。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。