海外旅行をする際は、通信手段の確保が必要です。現地でもスマホで快適に通信するための手段としてはeSIMやポケットWiFiが挙げられます。 それぞれメリット・デメリットがあるため、どちらを選べばよいか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。 この記事では、eSIM・ポケットWiFiのメリット・デメリットを解説し、どちらを選ぶとよいか比較します。海外渡航の予定がある人は、ぜひ参考にしてください。
目次
eSIMとポケットWiFiは、それぞれ通信の仕組みが異なります。どちらがよいか選ぶ前に、それぞれの基本知識をおさえておきましょう。
eSIMは、スマートフォン本体にデジタルでSIM情報をダウンロードして利用できる通信技術です。物理SIMカードなしで通信できるため、カードを交換したり紛失したりする心配がありません。
また、オンラインで手続きが完結し、スムーズに契約できます。スマホに直接SIMを組み込むため、レンタル品のように返却手続きをする必要もありません。
eSIMを利用するには、eSIMに対応する端末が必要です。eSIM非対応の端末では利用できない点に注意しましょう。
ポケットWiFiは、ポケットに入るサイズの小型通信機です。現地の通信網に接続してくれるため、国内で通信するのと同じようにスマートフォンを利用できます。
1つの端末で5〜10台程度のスマートフォンやタブレットなどが同時に接続できるため、1つ契約すれば家族や友人全員がWi-Fiを利用できるのが特徴です。また、Wi-Fiの電波で通信するため、機種を問わず利用できます。
一方で、破損や紛失時には弁償代が発生する場合があります。また、空港や宅配での受取・返却といった手間がかかるのも注意点です。
まずはeSIMを選ぶ際のメリット・デメリットを見ていきましょう。
eSIMを選ぶメリットは、以下の4点です。
すぐに通信できる利便性や荷物の少なさなど、快適に利用できるのがeSIMのメリットです。
eSIMの魅力は、物理SIMカードを交換する必要がなく、オンラインで手続きから設定まで完結できる点です。
従来の方法では、現地で物理SIMカードを購入し、SIMピンを使ってトレイを開け、カードを交換する手間がありました。しかし、eSIMでは、渡航前に契約してSIMプロファイルをインストールしておくだけで現地ですぐに通信できます。
物理SIMカードの購入に並んだり、現地で店舗を探したりする手間が省けるため、すぐに目的地へ向かえます。
eSIMならSIMの紛失や破損の可能性が低いです。
従来の物理SIMカードは小さく、交換時に落として紛失したり、カードを破損させてしまったりする可能性がありました。eSIMはスマートフォン本体に内蔵されているため、こうしたトラブルが起こりにくくなります。
物理SIMカードを管理する手間がなくなり、快適にスマートフォンを利用できるでしょう。
eSIMを利用すれば、通信機器の荷物を減らせます。ポケットWiFiはルーター本体や充電ケーブル、アダプターなど、さまざまな機器を持つことになります。荷物が増えることで、移動時に疲れやすくなる可能性があるでしょう。
eSIMは追加機器が一切ないため、身軽に移動できます。荷物を盗難されるリスクなども減らせるうえ、機器の充電も自分のスマートフォン1台のみで済むのが特徴です。
eSIMを使えばSIMの交換が必要ありません。2つのSIMを利用できるデュアルSIMに対応している端末なら、日頃利用しているSIMを維持しながら、海外用のeSIMの追加が可能です。
日頃使っているSIMが維持できれば、日本からの着信・SMSにもこれまでどおり対応できます。現地でのデータ通信は海外用eSIMを活用すればよいため、現地でのデータ通信コストも抑えられます。
いくつかの国を行き来する際は、複数のeSIMを契約し、国境を跨ぐ際にSIMを切り替えるだけで、通常通り通信・通話ができます。
eSIMを選ぶデメリットは、以下の3つです。
eSIMは機種が限定されたり、個人でしか利用できないといった点に加えて、使い方によってはコストがかかる点に注意が必要です。
eSIMを利用できる機種は、一部に限られています。iPhoneであればiPhone XS、iPhone XR以降のモデルでeSIMが利用可能ですが、Android端末に関しては、メーカーや機種によって対応状況が異なります。事前に利用する端末がeSIMに対応しているか確かめましょう。
また、SIMロックがかかっていると、端末がeSIMに対応していても利用できません。2021年9月30日以前に発売された端末はSIMロックがかかっている可能性があるため、端末の設定画面でロックの有無を確認しましょう。ロックを解除する際は、通信キャリアでの解除手続きが必要です。
eSIMを利用する際は、複数の端末で回線を共有できません。eSIMは基本的にプロファイルをダウンロードした1台のデバイスでしか利用できません。家族や友人との旅行では、各々でeSIMを契約する必要があるため、コストがかかる可能性があります。
タブレットやパソコンであれば、eSIMをインストールしたスマートフォンからテザリング経由でインターネットに接続できますが、スマートフォンのバッテリー消費が早まり、通信速度も低下するおそれがあります。複数端末を使うなら、ポケットWiFiを検討したほうがよいでしょう。
海外用のeSIMは1GB、3GB、無制限などさまざまな容量のプランが提供されています。滞在期間やスマートフォンの利用頻度などを考慮してプランを選ばないと、割高になる可能性があります。
あまりスマートフォンを使わないにもかかわらず無制限プランを選ぶと、安心感こそありますが、必要以上にデータ通信を使わないため持て余してしまうでしょう。
一方、よくスマートフォンを使う人が3GBなどの小容量プランを契約すると、データ容量が足りなくなるかもしれません。
現地への滞在期間やスマートフォンを使うシーンを考慮しながら、自分に合ったプランを選択する必要があります。
次に、ポケットWiFiを選ぶメリット・デメリットを見ていきましょう。
ポケットWiFiのメリットは、以下の3点です。
ポケットWiFiは複数の人が利用できるため、1台あれば全員が通信・通話できます。また、接続の快適さやデータ容量の大きさなども魅力です。
ポケットWiFiの魅力は、1台のルーターで複数の端末を同時にインターネットに接続できる点です。一般的に5台から10台程度の同時接続が可能で、スマートフォンだけでなく、タブレット、ノートパソコン、ゲーム機など、さまざまなデバイスを接続できます。
加えて、家族旅行や友人との旅行では1台契約すれば全員が電波を共有できるため、1人あたりのレンタル料金も安くなります。
たとえば、4人でポケットWiFiを使う際、レンタル料金が総額1万円であれば、1人あたりの料金は2,500円です。1人あたりのコストが気になる場合は、ポケットWiFiの利用を検討してみましょう。
ポケットWiFiは設定手順がシンプルで、簡単に接続できます。
基本的な手順は、以下のとおりです。
eSIMのようにQRコードの読み取りやプロファイルのダウンロードなど、手続きに慣れていないと複雑に感じやすい作業は必要ありません。
サポートなしでも簡単に設定できるため、「現地で使えなかったらどうしよう」といった不安も感じにくいでしょう。
ポケットWiFiはデータ無制限など大容量のデータ通信ができる端末が多く、通信量を気にせずに現地でスマートフォンを使えます。動画の再生やSNSの投稿なども気兼ねなくできるため、現地での生活を最大限に楽しめます。
eSIMにも大容量プランがありますが、データ量が制限されているプランも多いため、容量を使い切ってしまうと追加でデータ容量を購入しなければなりません。ポケットWiFiは、現地でデータ容量をあまり気にしたくない人に適しています。
ポケットWiFiのデメリットは、以下の4点です。
ポケットWiFiは、利用にあたっていくつかの手間がかかるのが難点です。現地での手間や出国前・帰国後の手続きなどが、ストレスになる場合もあるでしょう。
ポケットWiFiは利用時に端末の受取・返却の手間がかかります。ポケットWiFiはレンタル品であり、使う際は出国前に空港カウンターや郵送で端末を受け取らなければなりません。使い終わった際は、帰国時や帰宅時に返送手続きが必要です。
とくに出国までの時間がないときや混雑しているときに空港カウンターでレンタルする際は、受取・返却に時間がかかってしまいます。
eSIMはオンラインで手続きが完結するため、こうした手間がかかりません。出国前にバタバタしたくない人は、eSIMの活用を検討しましょう。
ポケットWiFiは複数の機器を使うため、持ち運ぶ荷物が増えてしまいます。一つひとつは小さいサイズですが、ルーターのほかに充電ケーブルやアダプター、モバイルバッテリーと持つものが多くなるため、荷物が嵩張る可能性があるのです。
また、全員で回線を共有できるとはいえ、誰かひとりが機器を管理しなければならないため、特定の人に荷物管理の負担がのしかかってしまいます。
荷物が増えると疲労につながったり、盗難されるリスクが増えたりします。できる限り荷物を少なくしたい際は、スマートフォン以外に荷物のいらないeSIMを使いましょう。
ポケットWiFiのルーターはスマートフォンと同様バッテリーで動作するため、定期的に充電しなければなりません。
自分のスマートフォンに加えてルーターの充電管理もしなければならず、必要以上にバッテリーに気を配る必要があります。
大量のデータ通信を複数端末でするほど、バッテリーの消費は速くなります。モバイルバッテリーの携帯やカフェでの充電など、バッテリーを切らさないための対策が必要になるでしょう。
ポケットWiFiはレンタル品であり、紛失や破損すると弁償しなければなりません。弁償金額は機種や破損の程度によって異なりますが、おおむね2万円〜3万円程度かかるでしょう。
海外旅行中は慣れない環境での移動が多く、荷物の管理も普段より気を遣わなければならないため、紛失・盗難・破損のリスクが高まります。任意加入の補償サービスに加入するなど、もしものときに備える工夫が必要です。
eSIMとポケットWiFiは、利用シーンによってどちらが最適か変わってきます。旅行・ビジネスの利用シーンごとに、どちらを使うのがおすすめなのか解説していきます。
一人旅や1週間程度の短期滞在であれば、eSIMがおすすめです。一人旅なら回線をシェアする必要がないため、eSIMを事前に契約しておけば、出国前の手続きなどは不要で、すぐに現地での通信が可能です。スマートフォンさえあればいつもどおり通信できるため、荷物も少なくて済みます。
コスト面でも、eSIMのほうが安く済む傾向にあります。たとえば、韓国への3日間の一人旅なら、eSIMは900円~2,000円程度で済みますが、ポケットWiFiだと2,000円~4,000円程度かかるケースもあるでしょう。より少ない負担で一人旅を楽しむのであれば、eSIMがおすすめです。
家族旅行や友人とのグループ旅行では、ポケットWiFiがおすすめです。ポケットWiFiなら1台のルーターで何人ものスマートフォンがWi-Fiを使えます。レンタル料金はeSIMより高めの傾向ですが、使う人数が多い分、1人あたりの負担額は低くなります。
また、データ容量も比較的大きく、複数人で使ってもデータを使い切る可能性が少ないのもメリットです。タブレットやパソコンなど、スマートフォン以外の端末でもWi-Fiが使えるため、合間に仕事をしたりゲームをしたりする場合にも役立つでしょう。
ただし、ポケットWiFiの電波が届く範囲は約10メートル程度です。グループ内で頻繁に別行動をする予定がある際はやや不便な場合があるため、注意しましょう。
個人の海外出張などビジネス利用であれば、eSIMのほうがスマートに過ごせます。eSIMであれば荷物が少なくなるため、ルーターなどを持ち運ぶカバンは必要ありません。
また、渡航前にSIMを契約できるため、経費支出額も早期に把握できます。法人用カードで決済すれば、支出管理の手間をさらに省けるでしょう。
もしものときに備えて、できる限りデータ容量の大きいプランを契約しておくと、日本からの急な連絡や資料の確認にも安心して対応できます。
海外旅行やビジネス利用でeSIMを使うなら、トリファ(trifa)がおすすめです。トリファは世界200ヵ国以上の国や地域で利用できます。行き先のeSIMを事前に契約しておけば、複数の国を跨ぐ際も快適にスマートフォンを使い続けられます。
申込はスマホアプリで完結するのも特徴です。オンラインですべての手続きができるため、空港カウンターで端末を受け取ったり、機器を配送してもらったりする必要もありません。
料金体系も、以下のようにシンプルでわかりやすいプランになっています。
行き先 | プラン |
アメリカ(3日間) | 1GB:790円 3GB:2,200円 無制限:2,970円 |
韓国(3日間) | 1GB:790円 3GB:2,200円 無制限:2,970円 |
台湾(3日間) | 1GB:670円 3GB:1,880円 無制限:2,970円 |
また、日本語対応のサポートチャットなど、サポートも充実しています。現地でトラブルが起きた場合も安心です。
海外旅行や出張の際は、トリファのeSIM利用を検討してみましょう。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。