ウズベキスタンは、サマルカンドやブハラといったシルクロードの古都を擁する中央アジアの観光大国です。2018年以降のビザ緩和や治安改善で旅行先としての人気が高まり、日本からの渡航者も着実に増えています。 外務省の海外安全情報では、首都タシケントを含む大半の地域に「レベル1(十分注意してください)」が発出されており、テロ事件は2005年以降報告されていません。一方で、アフガニスタン国境地帯や一部の山岳地帯にはレベル2が残されており、観光地ではスリや偽警官による詐欺などの軽犯罪も発生しています。 この記事では、外務省の最新の危険情報を踏まえ、ウズベキスタンの都市別の治安、旅行者が巻き込まれやすい犯罪、ビザ免除や滞在登録などの入国制度、緊急時の連絡先までをわかりやすく整理しました。初めての中央アジア旅行でも安心して楽しめるよう、出発前に押さえておきたいポイントをまとめてお伝えします。
目次

ウズベキスタンの治安は中央アジアの中でも比較的安定しており、観光大国として政府が治安維持に力を入れています。まずは外務省の危険レベルと、国全体の犯罪傾向を確認しましょう。
外務省の海外安全情報によると、首都タシケントを含むウズベキスタン国内の大半は「レベル1(十分注意してください)」に指定されています。一方、アフガニスタンとの国境付近で立ち入り制限地域はレベル2(不要不急の渡航は止めてください)が発出されています。
また、ナマンガン州・アンディジャン州・フェルガナ州のうち、タジキスタンおよびキルギスとの国境沿い山岳地帯もレベル2が継続しています。これらの地域には地雷が残存している可能性があるため、観光目的で立ち入ることは推奨されていません。
サマルカンド・ブハラ・ヒヴァなど主要観光地は全てレベル1の範囲内です。一般的な防犯意識を持って行動すれば、観光自体は問題なく楽しめる治安水準といえます。
ウズベキスタンでは、政府がテロと認定した事案は2005年以降発生していません。日本人旅行者がテロに巻き込まれた事例も報告されておらず、政治的な混乱や大規模なデモも近年は起きていません。
ただし、殺人や強盗などの重大犯罪はゼロではなく、経済的困窮を背景にしたスリ・ひったくり・置き引きが観光地や市場で発生しています。日本の感覚で荷物を椅子に置いたまま席を離れる行為は、被害に遭うリスクを大きく高めるため避けてください。
夜間の繁華街や人通りの少ない路地では、酔った人物による傷害事件もまれに報告されています。日没後は単独行動を控え、ホテル前まで配車アプリを使って戻るなど、基本的な防犯行動を心がけましょう。
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ウズベキスタン旅行で訪れる主要都市には、それぞれ異なる治安の特徴があります。観光ルートとなることの多い4都市の状況を整理しました。
首都タシケントは地下鉄が整備された近代的な都市で、日中の中心部は安全に観光できます。ティムール広場やナヴォイ劇場周辺、独立広場などの主要観光地は警察の巡回も多く、トラブルに遭う可能性は低めです。
ただし、中央市場のチョルスーバザールや人混みの多いショッピングエリアでは、スリやひったくりの被害が報告されています。リュックは前に背負う、貴重品は分散して持ち歩くといった基本対策が有効です。
夜間は中心部から離れた住宅街や旧市街の路地裏には立ち入らないようにしましょう。タクシーで移動する際は、流しの白タクではなくホテルや配車アプリ経由で手配するのが安全です。
サマルカンドはレギスタン広場やビビハニム・モスクなどの世界遺産が集まる人気観光地で、観光客向けの環境が整っています。一方で、観光客を狙った悪質な「偽警備員」の被害が複数報告されており、特に女性旅行者は注意が必要です。
ブハラの旧市街(ブハラ歴史地区)は、徒歩で観光できるコンパクトなエリアで治安は概ね良好です。ただし、ラビハウズ周辺のチャイハナ(茶屋)では、観光客にメニューを提示せず後から高額な請求をする事例が報告されています。注文前に必ず価格を確認し、レシートを受け取る習慣をつけましょう。
どちらの都市も、夕方以降は観光客の数が一気に減ります。明るい時間帯に観光を済ませ、夜は宿泊先のホテル周辺で過ごすのが無難です。
ヒヴァのイチャン・カラ(旧市街)は城壁に囲まれた小さな観光エリアで、ウズベキスタンで最も穏やかな治安水準を保っています。日中は世界中の観光客で賑わい、軽犯罪のリスクも低めです。
ただし、城壁の外側は街灯が少なく、夜間の人通りもまばらです。ホテルが城壁外にある場合は、暗くなる前にチェックインを済ませるか、ホテルが手配する車両で移動するようにしましょう。
フェルガナ盆地のうちタジキスタン・キルギス国境沿いの山岳地帯は外務省レベル2エリアです。一般的な観光ルートでは通常立ち入らない地域ですが、トレッキングや国境越えを検討する場合は最新の安全情報を必ず確認してください。
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日本人旅行者がウズベキスタンで遭いやすい犯罪は、ある程度パターン化されています。手口を知っておくことで被害を未然に防ぎやすくなります。
ウズベキスタンで最も多い犯罪はスリと置き引きです。チョルスーバザールやレギスタン広場周辺など、観光客が密集する場所で被害が頻発しています。
複数人のグループで一人が話しかけて注意をそらし、別のメンバーがバッグから財布を抜き取る古典的な手口が使われます。不自然に距離が近づいてくる相手には毅然とした態度で距離を取りましょう。
レストランやチャイハナでは、椅子の背にかけたバッグや、テーブルに置いたスマートフォンが盗まれる事例もあります。荷物は常に体の前で抱えるか、足の間に挟んで管理してください。
サマルカンドの観光地では、警備員や警察官を装った人物による「賄賂要求」型の詐欺が報告されています。観光地の入場制限を理由に金銭を要求したり、女性観光客にミナレット(尖塔)への特別案内を装って近づくといった手口です。
また、街中で「パスポートチェック」と称してパスポートや財布の中身を確認しようとする人物もいます。本物の警察官は通常、観光客に対していきなり金銭を要求することはありません。応じる前に身分証の提示を求め、不審な場合は最寄りの警察署や宿泊先に連絡しましょう。
どうしても不安な場合は、その場で支払いをせず「ホテルに戻ってから対応する」と伝えるだけでも被害を回避しやすくなります。
ウズベキスタンでは流しの白タクが多く、観光客に対して通常の数倍の料金を請求するぼったくり事案が発生しています。中にはナイフで脅して現金を奪う悪質なケースも報告されているため、ホテルやレストランで配車してもらうか、Yandex Go(ヤンデックス・ゴー)などの配車アプリを利用してください。
両替については、街角での「ヤミ両替」の摘発が相次いでおり、利用すると違法行為に巻き込まれる可能性があります。両替は必ず空港や銀行・正規の両替所で行い、レシートを保管してください。米ドル(特に新しく汚れのない100ドル札)が最も歓迎されます。
現地通貨スム(UZS)は再両替が困難なため、必要な金額をその都度両替するのが安全です。出国時に大量のスムを抱えて困らないよう、計画的に使い切る意識を持ちましょう。

ウズベキスタン旅行ではビザ免除や滞在登録など、独自の入国制度があります。ルールを守らないと罰金や出国停止などのトラブルにつながるため、事前に確認しておきましょう。
日本国籍者は、観光・商用ともに30日以内の滞在であればビザの取得が不要です。これは2018年から続く制度で、2026年5月時点でも継続されています。
パスポートは入国時に6か月以上の有効期間が残っていることが強く推奨されており、入国スタンプ用に見開き2ページ以上の余白が必要です。30日を超えて滞在したい場合は、訪問目的に応じた入国ビザを出発前に取得する必要があります。電子ビザ(e-Visa)の滞在可能期間は最長30日のため、それを超える長期滞在には通常のビザ申請が必要です。
滞在期間を1日でも超過すると、不法滞在として高額な罰金や空港での出国差し止めの対象になります。帰国便の日付に合わせて、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
ウズベキスタンでは、入国から3営業日以内に宿泊先を通じて滞在登録を行うことが法律で義務付けられています。ホテルやゲストハウスに宿泊する場合、フロントが自動的に登録を行い「Registration Slip(滞在登録証)」を発行してくれます。
登録証は出国時の空港で提示を求められることがあるため、滞在中は必ず保管してください。複数の都市を移動する場合、各宿泊先で発行された登録証をすべてまとめて携行するのが安全です。
民泊やホームステイを利用する場合、登録手続きを宿泊先が行えないケースがあります。事前に滞在登録の対応可否を確認し、対応していない宿は避けるのが無難です。
ウズベキスタンの通貨はスム(UZS)で、紙幣は1,000スムから200,000スムまで流通しています。日本円からの直接両替に対応する銀行や両替所もありますが、レートや受け入れ可否は店舗によって差が大きいのが実情です。
おすすめは、日本国内で米ドルを準備し、現地で米ドル→スムに両替する方法です。米ドル札はシワや書き込みのない新しい紙幣(特に100ドル札)が好まれ、汚損のある紙幣は受け取りを拒否されることがあります。
クレジットカードは中・大型のホテルやレストランで使えますが、地方都市や小規模店舗では現金しか受け付けない場所も多くあります。VisaまたはMastercardを1枚と、現金スムをバランスよく持つのが安心です。
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ウズベキスタン滞在中にトラブルに遭った場合、すぐに連絡できる窓口を把握しておくことが重要です。スマートフォンが使える通信環境を整えておくことも、防犯対策として欠かせません。
ウズベキスタンの緊急通報番号は、警察が「102」、救急が「103」、消防が「101」です。観光地でも携帯電話から無料でかけられるため、出発前に番号をメモしておきましょう。
オペレーターは基本的にロシア語またはウズベク語での対応です。英語が通じる窓口は限られるため、できる限りホテルのフロントや日本語ガイドを介して連絡するとスムーズです。
犯罪被害に遭った場合は、必ず警察に届け出て被害届(ポリスレポート)を受け取ってください。帰国後の海外旅行保険の請求や、パスポート再発行の手続きで必要になります。
首都タシケントには在ウズベキスタン日本国大使館があり、邦人保護や旅券の再発行に対応しています。代表電話は+998-(0)78-120-8060から8063です。
パスポートの紛失・盗難、重大な事件・事故、現地で身柄を拘束された場合などは速やかに大使館へ連絡してください。執務時間外も緊急連絡先が用意されているため、出発前に大使館サイトで最新情報を確認しておくと安心です。
また、外務省の「たびレジ」に登録しておくと、現地の安全情報がメールで届きます。登録は無料で、緊急時に大使館からの安否確認や支援を受けやすくなるメリットもあります。
海外旅行中のトラブル対応は、スマートフォンが使えるかどうかで大きく変わります。配車アプリの利用、地図での現在地確認、家族との連絡、緊急通報など、いずれもネット接続が前提です。
ウズベキスタンではホテルや観光施設で公衆Wi-Fiが使える場所もありますが、暗号化されていないネットワークでクレジットカード番号を入力するのは避けましょう。出発前に自分のスマートフォンに通信手段を入れておくのが最も安全です。
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ウズベキスタンは中央アジアの中でも治安が安定した観光大国ですが、スリや偽警官・タクシーぼったくりなど、観光客を狙った犯罪は一定数発生しています。外務省の危険情報を確認し、滞在登録や両替ルールを守りつつ、貴重品管理を徹底することで、安心してシルクロードの旅を楽しめます。
旅行中のトラブル対応には、安定した通信環境が欠かせません。配車アプリでの安全なタクシー手配、地図アプリでの位置確認、緊急通報や大使館への連絡など、スマートフォンが使える環境こそが最大の防犯インフラです。
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ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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