プリペイドSIMは、あらかじめ料金とデータ容量を支払って利用する先払い型のSIMカードです。 月額契約なしでクレジットカード不要・即日開通といった手軽さが魅力です。 空港やコンビニで購入できるほか、オンラインでのeSIM対応も進んでおり、一時帰国中の利用や短期出張・旅行など、さまざまな用途に対応しています。
目次
本記事では、プリペイドSIMの仕組みやeSIMとの違い・選び方などを初心者向けにわかりやすく解説します。
購入前に知っておきたいポイントや、具体的な使用シーンも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
プリペイドSIMとは、あらかじめデータ容量と利用期間を購入して使う先払い方式のSIMカードです。
契約や審査は不要で、面倒な手続きをせずにスマホやタブレットで通信をはじめられるのが特徴です。
コンビニや空港、通販サイトなどで手軽に購入でき、設定すればすぐにインターネットに接続できます。
契約が必要な月額制SIMと違い、使いすぎによる高額請求の心配がないため、一時帰国中の訪日外国人や学生、サブ回線を求めるリモートワーカーなどにもおすすめです。
プリペイドSIMには、大きく分けて2つの種類があります。
特徴や使える端末が異なるため、用途や状況に応じて選びましょう。
eSIMは、スマホ本体に内蔵されたデジタルSIMです。
物理SIMカードを挿入する必要がなく、初期設定ができるWi-Fi環境でQRコードを読み取るだけで即座に通信が開始できます。
オンラインで購入後、最短5分で開通できるため、空港やホテルのWi-Fiに接続できる環境があれば、到着後すぐに通信をはじめたい人に最適です。
ただし、eSIMに対応している機種でなければいけません。
以下は、iPhone・Android別の対応端末です。
OS | 対応機種の例 |
iPhone | iPhone XS以降(XS / XR / 11〜15シリーズなど) |
Android | Pixel 4以降、Galaxy S20以降、Xperia 10 III以降など |
また、プリペイドeSIMの場合は、基本的にデータ通信専用プランが多く、SMS認証が必要なサービスには利用できないことも注意が必要です。
eSIM対応機種の確認方法を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
eSIM対応機種の確認方法とは?オススメのスマホ・利用方法も紹介
物理SIMカードは、カード型のSIMで、ほとんどのスマホで利用できる汎用性の高いタイプです。
通信を行うために、契約者情報を記録したICチップが内蔵されています。
コンビニや家電量販店で気軽に購入でき、パッケージを開けて端末に挿入するだけで利用できます。
ほとんどの機種に対応しているため、スマホを変えても、基本的にどの端末でも使用できるのが特徴です。
プリペイドSIMを利用するメリットは、以下の通りです。
順番に見ていきましょう。
プリペイドSIMは、月額契約型SIMとは異なり、本人確認・契約審査が不要です。
とくにデータ通信専用SIMであれば、電気通信事業法にもとづいて本人確認不要とされており、購入後すぐに開通できます。
以下のような場面で、便利に活用できるでしょう。
すぐにネットを使いたいが契約の手間をかけたくないというニーズに対して、スムーズな解決手段になります。
プリペイドSIMは、使い切り・前払い型の料金体系のため、毎月の通信費をコントロールできるという利点があります。
契約型SIMと異なり、データ使用量を超えた場合でも追加課金されることはなく、通信が停止または低速化するだけです。
プリペイドSIMと契約型SIMの違いは以下になります。
比較項目 | プリペイドSIM | 契約型SIM(ポストペイド) |
支払い形式 | 前払い(使い切り型) | 後払い(毎月請求) |
契約の有無 | 基本なし | あり |
期間の自由度 | 1日〜数ヶ月など自由に選べる | 原則1年~2年契約(縛りありの場合も) |
月額料金 | なし(使いたい分だけ都度購入) | 毎月発生(定額プラン制) |
再利用性 | 利用期間が過ぎると使えなくなる | 基本的に継続利用が前提 |
また、子どもにスマホを持たせる場合、3GBで1,980円など容量に上限があるプランを選べば、過剰利用の心配がありません。
契約不要・月額料金なしで使えるため、使いすぎを防ぎたい人に最適な選択肢でしょう。
プリペイドSIMは、全国のコンビニや空港、家電量販店などで24時間購入可能で、購入後すぐに利用を開始できるのが魅力です。
とくに空港では、訪日外国人や一時帰国者が到着直後に通信環境を確保できるよう、自動販売機やカウンターが設置されています。
主な販売場所は以下の通りです。
販売場所 | 例 |
コンビニ | セブンイレブン・ローソン・ファミマなど |
空港 | 成田・羽田など |
家電量販店 | ビックカメラ・ヤマダ電機など |
プリペイドSIMは、購入後すぐに開通設定ができ、契約手続き不要で使えるため、今すぐ通信したい方におすすめです。
飛行機を降りた瞬間からスマホを使いたい方にとっては、空港到着と同時に通信環境を確保できる点がメリットです。
プリペイドSIMは、クレジットカードなしの現金購入に対応している点もメリットです。
ほとんどの月額契約型SIMではクレジットカードや引き落としですが、プリペイドSIMは店頭で現金支払いが可能です。一部オンライン販売でもコンビニ払い・銀行振込に対応しています。
クレジットカードを使いたくない・持っていないというユーザーにとって、プリペイドSIMは利用しやすい通信手段でしょう。
続いて、プリペイドSIMを利用するデメリットを4つ紹介します。
それぞれ順番に見ていきましょう。
プリペイドSIMは、契約不要・即日利用可などの利便性と引き換えに、容量あたりの単価が月額プランより高めに設定されていることが多く、長期利用ではコストがかさむ点に注意が必要です。
3ヶ月以上の長期利用を予定している場合は、トータルコストを試算したうえで、月額プランとの比較・検討をするとよいでしょう。
プリペイドSIMの主流はデータ通信専用タイプであり、090・080の電話番号付きSIMや音声通話機能が付いている商品は少数です。また、通話機能付きプランは価格も高く設定されています。
音声付きSIMは法律上、本人確認・審査が必要になるため、購入までに数日を要するケースもあります。
また、LINE新規登録やPayPayなど、SMS認証が必要なアプリは、データ専用SIMでは使用できない場合があるため注意しましょう。
プリペイドSIMは、使い切り型であり、契約後の柔軟な変更や容量追加ができないという制約があります。
設定されたデータ容量と利用期間を超えると、通信が停止または大幅に低速化します。
また、容量を追加できるチャージ対応プランもありますが、チャージ金額が割高に設定されているケースがあり、複数回購入するとトータルコストが高くなってしまうでしょう。
そのため、長期間・大容量の通信が必要なユーザーには、柔軟に容量を調整できる月額プランの方が適しているといえるでしょう。
プリペイドSIMで取得した電話番号は、MNP(モバイルナンバーポータビリティ)による他社への引き継ぎができない場合がほとんどです。
そのため、利用期間終了と同時に電話番号は失効し、同じ電話番号を継続して使うことはできない点に注意しなくてはいけません。
MNPの対応状況は以下の通りです。
通信タイプ | MNP対応 | 備考 |
月額契約SIM | ○ | 他社へ番号を引き継げる |
プリペイドSIM | × | 番号は一時的。引き継ぎ不可 |
音声通話付きプリペイド | × | 引き継げそうに見えるが不可 |
「一時的な電話番号で十分」「帰国中だけ使いたい」という方には問題ありませんが、継続して同じ番号を使いたい場合は月額契約SIMの利用が必須です。
プリペイドSIMを選ぶ際は、自分の使い方に合っているか、以下の3点を軸に選ぶことが重要です。
自分のニーズを明確にすることで、コストを抑えつつ快適に通信ができるプリペイドSIMを選べます。
最初に検討すべきは、端末の対応状況や用途に応じてeSIMか物理SIMカードを選ぶことです。
eSIMと物理SIMカードの違いは、以下になります。
項目 | eSIM | 物理SIMカード |
対応端末 | iPhone XS以降、Pixelなどの一部Android | ほぼすべてのスマホ対応 |
開通手順 | QRコード読み取りで即時開通 | SIM挿入+APN設定が必要 |
利用までのスピード | 最短5分で利用可能 | 店頭購入でも即日対応可能 |
通話・SMSの可否 | 原則データ通信専用 | 音声通話・SMS付きSIMも一部で提供あり |
即時性や手軽さを重視するならeSIMがおすすめです。端末の互換性や電話番号取得を重視するなら物理SIMカードがよいでしょう。
プリペイドSIMは「何日間使いたいか」「どれくらいデータを使うか」によって最適なプランが異なります。
利用目的に応じて期間・容量のバランスを見極めることが大切です。
たとえば、地図アプリやSNS程度の利用であれば5〜10GBで十分ですが、在宅ワークや動画視聴を伴う長期利用には100GB以上が必要になります。
利用目的別のおすすめデータ容量の目安は、以下の通りです。
利用シーン | 推奨データ容量 | 補足内容 |
1週間の旅行(地図・SNS中心) | 5〜10GB/8日間プラン | 地図・SNS・調べもの中心。短期の訪日にも対応できる |
1〜3ヶ月のサブ回線や受験勉強 | 30〜100GB/30〜90日間プラン | 通学・試験対策中心。サブ回線としても活用できる |
6ヶ月〜1年の在宅作業など | 100GB以上/365日プラン or 月額契約 | 長期的に使うならコスパ重視で年契約や月額が適している |
長期利用(3ヶ月以上)の場合、月額プランと総額を比較するのがポイントです。
期間と容量の見積もりを正しく行うことで、通信切れや使いすぎの心配なく、安心してプリペイドSIMを活用できるでしょう。
プリペイドSIMを選ぶ際は、料金と利用スタイルのバランスを見極めることが重要です。
というのも、同じデータ容量でも「日数」「通信速度制限」「国内・海外対応」などによって、費用対効果が大きく異なるためです。
短期の旅行や出張であれば、7日間で5GB利用できるプランが数千円前後で提供されており、コスパが高い選択肢となります。
一方、長期間の利用では、月額換算した料金を比較し、365日利用可能なプランや大容量プランとのコスト差を把握する必要があります。
料金だけでなく、サポート体制や開通までの時間、チャージの可否なども考慮したうえで、自分の使い方に合った料金プランを選ぶようにしましょう。
プリペイドSIMは契約不要で即利用できるのが魅力ですが、購入から設定・利用開始までにはいくつかのステップがあります。
事前に手順を把握しておくことで、スムーズに通信環境を整えられます。以下の3ステップで進めるのが基本です。
順番に見ていきましょう。
プリペイドSIMはさまざまな場所で購入可能ですが、利用開始までのスピード・価格・選択肢の豊富さに違いがあります。
購入場所別の特徴や向いている人は以下の通りです。
購入場所 | 特徴 | 向いている人 |
通販(Amazonなど) | 安くてプラン豊富だが、配送が必要 | 事前準備できる人 |
コンビニ(セブン・ローソンなど) | 24時間購入でき、即日から使える | 急ぎで使いたい人 |
空港 | 到着後すぐ購入できるが、選択肢は少ない | 一時帰国・訪日外国人 |
利用シーンに合わせて、事前計画重視なら通販、即時性重視ならコンビニ・空港を選びましょう。
プリペイドSIMを購入した後は、SIMの種類に応じた設定が必要です。
eSIMと物理SIMカードの設定手順は以下の通りです。
項目 | eSIMの場合 | 物理SIMカードの場合 |
初期準備 | QRコードの読み取り | SIMカードをスマホに挿入 |
設定方法 | 「モバイル通信プランを追加」を選択して導入 | 手動でAPN設定を実施(必要に応じてプロファイルの削除) |
必要な環境 | Wi-Fi環境が必須 | オフラインでも対応可能(APN情報を事前確認しておくと安心) |
対応端末 | eSIM対応スマホ(例:iPhone 12以降、Pixel 4以降など) | SIMフリーかつ対応バンドのスマホ |
注意点 | 一部Android端末はQRコード方式に非対応なケースもある | iPhoneは古いプロファイルの削除を忘れずに行う |
設定手順は、物理SIMカードに同封されているマニュアルや、購入元のサイトを参考にすると安心です。
設定完了後、通信が開通すればすぐにインターネットが使えます。正常に開通されているかどうかは、画面に「4G」や「LTE」が表示されているかどうかで確認してください。
もし通信がうまくいかない場合は、以下をチェックしましょう。
通信開始後は、契約不要・請求なしで安心して利用できます。
海外でのデータ通信をスマートに済ませたいなら、グローバルeSIMサービス「トリファ(trifa)」の活用がおすすめです。
ヨーロッパ・アジア・北米など100ヵ国以上に対応し、世界中で利用できます。
また、アプリから簡単にeSIM購入・即日開通のため、面倒な手続きは不要で、渡航先ですぐにインターネット通信を開通できます。
料金体系もシンプルで、ニーズに合ったプランが利用できるのが魅力です。
トリファは、下記のような人におすすめです。
渡航先に着いてすぐにインターネットに接続したいなら、日本出発前にトリファでeSIMを準備しておくのがおすすめです。
まずは公式サイトからアプリを無料ダウンロードして、試してみてはいかがでしょうか。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。