香港旅行を計画しているものの、治安が気になって一歩踏み出せない人は多いのではないでしょうか。2019年の大規模デモ以降、ニュースで不安なイメージを持ったままという方もいるかもしれません。 結論からお伝えすると、香港は外務省の危険レベルが「レベル1:十分注意してください」とされており、基本的な防犯対策をしていれば日本人にとって比較的安全に旅行できる都市です。一方で、観光客を狙ったスリやぼったくり、詐欺は今でも発生しているため、油断は禁物です。 この記事では、香港の最新の治安状況、危険なエリアと安心して歩けるエリア、旅行者が遭いやすい犯罪と対策、緊急時の連絡先までをまとめました。読み終える頃には、香港旅行に向けて準備すべきことがクリアになるはずです。
目次
香港は人口約750万人を抱える国際都市でありながら、世界的に見ても治安は良好な都市のひとつとされています。日本の外務省も渡航禁止や退避勧告は出しておらず、過度に警戒する必要はありません。
ただし、観光客が集まる繁華街ではスリや詐欺などの軽犯罪が報告されています。ここでは外務省の危険レベル、最新の犯罪統計、政治的な情勢の3つの観点から香港の治安を整理します。

外務省の海外安全ホームページによると、香港全土の危険レベルは「レベル1:十分注意してください」とされています。レベル1は4段階ある危険レベルのなかで最も低いランクで、基本的な安全対策を取れば渡航可能であることを意味します。
2019年から2020年にかけての大規模な抗議活動を受けて発出された注意喚起が継続している形ですが、2020年6月の香港国家安全維持法施行以降、大規模な抗議活動は見られなくなり、情勢は基本的に落ち着きを取り戻しています。
レベル1はあくまで「気を付けて行動してください」という案内であり、香港旅行そのものを控える必要はありません。出発前に外務省の最新情報を確認しておくと安心です。
香港警務処の発表によると、香港全体の犯罪件数は2024年に約94,747件で、前年比およそ5%の増加となりました。増加分の多くを占めているのが、インターネット詐欺をはじめとする「詐欺」関連犯罪です。
一方で、殺人や強盗などの凶悪犯罪は2024年に殺人19件・強盗90件と、人口規模に対して非常に少ない水準にとどまっています。観光客が暴力犯罪に巻き込まれる確率は高くないと考えてよいでしょう。
旅行者が現場で実際に遭遇しやすいのは、繁華街でのスリや置き引き、タクシーや土産店でのぼったくり、クレジットカードのスキミングといった軽犯罪です。被害の傾向を知っておくだけでも対策の精度が上がります。
2019年の民主化デモ、2020年6月の国家安全維持法(国安法)施行を経て、香港では大規模な抗議活動はほぼ見られなくなりました。観光地で警官隊と市民が衝突するような場面に出くわす可能性は、現在ではかなり低くなっています。
ただし、政治に関するデモやイベントが完全になくなったわけではないため、人だかりや警察車両を見かけたら近づかないのが基本です。SNSで政治的な投稿をしたり、デモ現場で写真を撮ったりするのは、思わぬトラブルにつながる可能性があるので避けるのが安全です。
旅行者が普通に観光する分には政治的な話題に触れる必要はほぼありません。現地の人と政治の話を深掘りするのは控え、観光やグルメに集中するのが無難です。
香港の中でも、観光客が集まる繁華街や深夜に賑わうエリアは、スリや客引き、ぼったくりが報告されやすい場所です。逆に言えば、注意エリアと回避すべき時間帯さえ把握しておけば、被害に遭うリスクは大きく下げられます。
ここでは、特に旅行者の口コミや現地ガイドで頻繁に名前が挙がる3つのエリアを紹介します。
旺角(モンコック)は、女人街やレディースマーケットなど人気の観光スポットが集まる繁華街で、夜になるほど人の密度が高くなります。狭い路地が多く視界が遮られやすいため、スリや置き引きが起きやすい環境です。
尖沙咀(チムサーチョイ)の重慶大厦(チョンキンマンション)は、安宿や両替商、エスニック料理店が密集する大型ビルで、独特の雰囲気があり観光名所としても知られています。一方で、強引な客引きや偽物の商品販売、ぼったくりの被害も報告されているので、興味本位で奥まで入り込むのは控えめにしましょう。
これらのエリアでは、夜間の単独行動を避け、貴重品はバッグの内側に分散して持つのが基本です。
尖沙咀(チムサーチョイ)と銅鑼湾(コーズウェイベイ)は、ショッピングや夜景観賞で多くの観光客が集まる人気エリアです。観光客が多い分、スリや置き引き、客引きによるバーへの誘導といった犯罪のターゲットになりやすい場所でもあります。
MTR(地下鉄)の出入り口やエスカレーター、混雑したショッピングモールの入口付近では、知らない人にぶつかられた直後に貴重品がなくなっていた、という被害が起きやすいので注意してください。
また、声をかけてきた相手についていって割高な店で会計させられるケースもあるため、客引きには絶対についていかないようにしましょう。
佐敦(ジョーダン)エリアは、男人街として知られる廟街(テンプルストリート)ナイトマーケットがある下町情緒たっぷりの場所で、夜のグルメ目当てに訪れる旅行者も多い地域です。
一方で、夜遅くなると人通りが減る裏路地もあり、スリや酔客とのトラブルが起きやすい時間帯があります。ナイトマーケットを楽しむ際は、表通り中心で行動し、写真撮影やメニュー確認のためにスマホを長時間取り出したままにしないのがコツです。
移動はMTRや配車アプリを使うのが安心で、深夜に裏路地を歩いて宿に戻るのは避けましょう。
注意すべきエリアがある一方で、香港には旅行者が安心して歩けるエリアも多くあります。ホテル選びや観光ルート設計の際の参考にしてください。
中環(セントラル)は香港の金融・行政の中心地で、官公庁や大手企業のオフィス、高級ホテルが集まる落ち着いたエリアです。警察の巡回や監視カメラが多く、ビジネスマンや外国人居住者の姿も目立つため、街全体が引き締まった雰囲気です。
スターフェリー乗り場やIFCモール、ピークトラム乗り場などの主要観光スポットも徒歩圏内に集まっており、夜でも比較的安心して移動できます。香港初心者の宿泊エリアとしてもおすすめです。
香港島南部のレパルスベイやスタンレーは、富裕層の住宅や高級ヴィラ、リゾート的な雰囲気のビーチが広がるエリアです。中心街の喧騒とは対照的に、のんびりとした空気が流れています。
スタンレーマーケットや海沿いのレストラン街は観光客にも人気ですが、置き引きやぼったくりの被害は中心部に比べて少ないとされています。バスや配車アプリで日帰り観光する際の安心エリアとして覚えておきましょう。
香港島・九龍ともに、五つ星ホテルや国際的に有名な大型モールの周辺は、警備員や監視カメラが充実しており、観光客が安心して過ごせる環境が整っています。たとえば、ザ・ペニンシュラ周辺やIFCモール、ハーバーシティ周辺などが代表的です。
夜の食事や買い物の際は、こうしたエリアを起点に行動すると、移動中のリスクを大きく減らせます。慣れていない初日は、ホテル併設のレストランや併設モール内で食事を済ませるのもひとつの選択肢です。
香港で観光客が遭いやすいのは、暴力犯罪ではなく、観光客の「油断」を突いた軽犯罪や詐欺です。手口を知っておくと、現地で違和感を覚えた瞬間に距離を取りやすくなります。

MTR(地下鉄)の改札やエスカレーター、ショッピングモールのレジ前など、人が密集する場所はスリや置き引きの定番ポイントです。バッグのファスナーが開けられて財布を抜かれる、椅子に置いたバッグごと持ち去られる、といった被害が起きやすいので注意してください。
対策として、ファスナー付きの斜め掛けバッグを体の前で持つ、現金とクレジットカードを別の場所に分けて持つ、貴重品は手から離さないという基本3点を徹底しましょう。スマートフォンもズボンの後ろポケットに入れず、内ポケットや前ポケットに入れるのが安全です。
香港のタクシーは色(赤・緑・青)でエリアが分かれており、基本的にメーター制で良心的ですが、観光客と分かると遠回りや法外な料金を請求されるケースが報告されています。
対策としては、乗車前に大まかなルートと料金の目安を把握しておくこと、メーターが作動しているかを確認すること、可能ならホテルでタクシーを呼んでもらうか、配車アプリ(Uberなど)を活用することです。降車時に支払う紙幣は、車内の照明で額面を確認しながら渡しましょう。
また、観光地周辺の土産店では、定価表示がない商品で大幅に上乗せした価格を提示されることがあります。気になる商品があれば、複数の店で価格を比較してから購入するのが安心です。
レストランや小規模店舗で、クレジットカードを店員に渡してから決済する際に、暗証番号やカード番号を盗み取られる「スキミング」被害が報告されています。サインや暗証番号を入力する際は、手元を隠す、自分の目の届く範囲で決済してもらうのが基本です。
帰国後にカード明細を確認し、覚えのない請求があった場合はすぐにカード会社に連絡しましょう。利用通知メールや専用アプリを設定しておけば、不正利用にも素早く気づけます。
スキミング対策のRFID遮断機能付き財布やパスポートケースを持参するのも有効な手段です。
香港警察によると、近年急増しているのが投資詐欺やネット詐欺などの「詐欺」関連犯罪です。観光客が直接巻き込まれるケースは多くないものの、両替商を装った悪質業者や、警官を名乗ってパスポート確認を求める偽警官の話は出ています。
両替は空港の正規両替所、銀行、香港島・九龍の主要MTR駅構内にある信頼できる両替所で行うのが安全です。レートが極端に良すぎる店、看板のない路面店は避けましょう。
もし警官を名乗る人物に呼び止められた場合は、必ず警察手帳の提示を求め、不審に感じたら999に連絡して身元を確認してください。本物の警察官であれば、確認に応じてくれます。
犯罪以外にも、香港旅行で気をつけたいポイントや、いざというときの連絡先をまとめておきましょう。事前に把握しておけば、現地でも落ち着いて対処できます。
香港は女性ひとり旅でも比較的安心して観光できる都市ですが、夜遅い時間の単独行動は最低限に抑えるのが基本です。特に旺角や佐敦、深水埗などの裏路地は、深夜になると人通りが減るため、明るい大通り中心で移動しましょう。
夜の食事や夜景観賞のあとは、配車アプリやタクシーを利用してホテルに戻るのが安心です。バーやクラブで飲み物を頼む際は、目を離さず、自分の手から離れた飲み物は飲まないようにしてください。
ホテル選びは、中環や尖沙咀東、銅鑼湾でも大通り沿いの中〜大型ホテルを選ぶと、夜遅く帰っても安全度が上がります。
香港では、公共交通機関やレストラン、ホテルなどほとんどの屋内エリアで喫煙が禁止されています。違反すると定額罰金3,000香港ドル(2026年1月1日改定)が科されるため、喫煙可能エリアでのみ吸うようにしましょう。
また、MTRの車内での飲食、ゴミのポイ捨て、痰を吐く行為なども罰金対象になります。短時間の観光中であっても、現地のルールを尊重するのが基本マナーです。
デモや政治的な集会への参加・撮影、SNSでの過激な政治的発信は、国家安全維持法との関係でリスクがあります。観光中はこうした話題から距離を置くのが無難です。
万が一、犯罪被害や急病に遭ったときは、以下の連絡先を活用してください。緊急連絡先はスマートフォンのメモや紙のカードに控えておくと安心です。
用途 | 連絡先 |
|---|---|
警察・救急・消防(共通) | 999 |
在香港日本国総領事館 | +852-2522-1184 |
999は警察・救急・消防の共通番号で、SIMカードや通信契約がない携帯電話からでも無料で発信できます。電波が弱い郊外などでは112にかけても緊急通報につながります。
パスポートを紛失した場合は、まず最寄りの警察署で盗難・紛失届を出し、その控えを持って在香港日本国総領事館で渡航書(または新規パスポート)の発行手続きを行います。総領事館の住所や受付時間は、事前に公式サイトで確認しておきましょう。
香港旅行の安全性を高めるうえで、もうひとつ忘れたくないのが「常時インターネットにつながる環境」を整えておくことです。地図、配車アプリ、翻訳アプリ、緊急連絡先の検索など、トラブル回避にもトラブル対応にも、ネット接続は欠かせません。

そこでおすすめなのが、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」です。アプリから香港のプランを選んでQRコードを読み込むだけで、出発前に通信設定を済ませられ、現地に着いた瞬間からスマホがそのまま使えます。
トリファは香港を含む全世界200カ国以上に対応しており、容量や日数も柔軟に選べます。SIMカードの差し替えが不要で、日本のSIMはそのまま入れたままにできるため、日本の電話番号やSMSも維持されます。万が一トラブルが起きたときに、家族や日本のサポート窓口にすぐ連絡できるのは大きな安心材料です。
さらにトリファのアプリは日本語対応で、設定方法や残量確認、プランの追加購入もすべてアプリ内で完結します。海外Wi-Fiレンタルのように受け取り・返却の手間もなく、空港カウンターに並ぶ必要もありません。
香港旅行を「治安への不安」から「観光を楽しむワクワク」に切り替えるためにも、出発前にトリファを準備しておきましょう。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。