ベネズエラは世界有数の石油産出国であり、ギアナ高地やエンジェルフォールといった世界的に有名な観光資源を抱える一方、治安面では中南米でも特に厳しい状況が続いている国です。外務省は2025年12月以降、全土に危険レベル3「渡航は止めてください(渡航中止勧告)」を発出しています。 首都カラカスは世界の都市別殺人発生率でも上位に位置し、強盗・誘拐・詐欺といった凶悪犯罪が日常的に発生しています。経済危機・ハイパーインフレ・物資不足を背景に、観光目的の渡航は推奨されない状況です。さらに2026年に入って米国との緊張が高まり、情勢は流動化しています。 この記事では、ベネズエラの最新の危険レベル、主要都市と国境地帯の治安、頻発する犯罪の手口と対策、空港・通貨・ビザ・緊急連絡先までを整理しました。渡航判断や、業務でやむを得ず訪問する方の防犯対策の参考にしてください。
目次

ベネズエラの治安は、首都圏・地方都市・国境地帯のいずれも厳しい状況にあります。まずは外務省の危険情報の枠組みと、ベネズエラ全体の治安傾向を確認しましょう。
外務省の海外安全情報では、危険度に応じて4段階の危険レベルが設定されています。レベル1は「十分注意」、レベル2は「不要不急の渡航中止」、レベル3は「渡航中止勧告」、レベル4は「退避勧告」です。
ベネズエラは2025年12月4日付で全土がレベル3に引き上げられ、それ以降「渡航は止めてください」の状態が続いています。観光目的での渡航は明確に推奨されておらず、業務や報道など特別な目的がある場合に限り、十分な安全対策のもと検討する国です。
渡航前には外務省の「たびレジ」に登録しておくと、現地の最新安全情報がメールで届きます。短期渡航でも登録は無料で、緊急時に大使館からの連絡を受けやすくなる仕組みです。
ベネズエラでは長年にわたるハイパーインフレと経済危機の影響で、医療・電力・水道・食料といった生活インフラが不安定な状態にあります。停電や物資不足を背景にした暴動や略奪、抗議行動が断続的に発生しており、社会全体として治安は大きく揺らいでいます。
さらに2026年に入り、米国との緊張が高まっています。中南米の麻薬密輸組織への地上攻撃の可能性が報道されるなど、政治的・軍事的にも情勢が流動化しており、外務省はベネズエラ全土の危険レベル3を維持したまま継続的な注意喚起を行っています。
犯罪面では強盗・誘拐・詐欺・暴動と種類が多岐にわたり、銃器を用いた凶悪犯罪も多発しています。日本の感覚で行動するとトラブルに巻き込まれるリスクが極めて高いため、現地事情を理解した上での渡航判断が必要です。
ベネズエラは全土レベル3ですが、その中でも国境地帯や違法採掘地域は特にリスクが高く、外務省や各国政府が個別に強い警戒を呼びかけています。主要都市と高危険地域の状況を整理しました。
首都カラカスは経済の中心地ですが、世界の都市別殺人発生率ランキングでも上位に挙げられる治安水準です。リベルタドール市など、統計上特に殺人事件の発生が多い地区もあり、昼間でも近付くことは推奨されません。
ペタレ地区やカティア地区などの貧困地区はギャングの抗争や麻薬取引の拠点となっており、警察が立ち入れないエリアもあります。観光や視察で外国人が立ち入ると、強盗・誘拐の標的になりやすい場所です。日没後はホテル近辺であっても、単独での外出は避けるのが原則です。
比較的治安が落ち着いているとされる東部のチャカオ市など一部地区でも、ATM・銀行・繁華街周辺では強盗・スリ・置き引きの被害が報告されています。市内移動は信頼できる現地パートナーが手配した車両を使い、徒歩での移動は最小限に抑えてください。
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コロンビア・ブラジル・ガイアナとの国境地帯は、麻薬密輸組織や武装勢力の越境活動が継続しており、外国人にとって特に危険なエリアです。外務省はタチラ州、スリア州(マラカイボ市と東部地域を除く一部)、アプレ州・アマゾナス州のコロンビア国境地帯などを名指しで警戒対象としています。
ボリバル州北東部の「アルコ・ミネロ」と呼ばれる違法金採掘地帯は、複数の非合法組織が抗争を続けており、巻き込まれ被害のリスクが極めて高い地域です。観光・出張・取材を問わず、こうした国境地帯や違法採掘地帯への立ち入りは避けてください。
スクレ州のパリア半島や、ベネズエラ・コロンビア国境のグアヒラ半島も同様に注意が必要なエリアです。一見すると地図上では風光明媚な海岸線・自然地域に見えますが、密輸ルートとなっておりリスクが集中しています。
マラカイボ(スリア州)、サンクリストバル(タチラ州)、シウダー・ボリバル(ボリバル州)といった国境州の主要都市は、麻薬カルテルや武装勢力の活動拠点としても知られ、外国人がターゲットになる事例が報告されています。出張で訪れる場合は、必ず現地の信頼できる協力者を介して移動・宿泊を手配してください。
エンジェルフォールやカナイマ国立公園などのギアナ高地観光地は、組織的なツアーで訪れる限り都市部に比べてリスクが低いとされています。ただし、現地への移動経路となるカラカスやシウダー・ボリバルでの接続は治安リスクを伴います。
メリダなどアンデス山脈沿いの地方都市は、首都圏よりは比較的落ち着いていると言われる一方、停電や物資不足の影響を受けやすく、観光インフラも十分とは言えません。観光目的でベネズエラを選ぶ前に、近隣のコロンビア・ペルー・チリなどへの代替も検討する価値があります。
ベネズエラで日本人を含む外国人が巻き込まれやすい犯罪は、武装強盗・誘拐・詐欺・カージャックの4つに大別されます。それぞれの手口と回避ポイントを押さえておきましょう。
ベネズエラでは銃器・刃物を使った凶悪な強盗事件が多発しています。ATMや銀行から出てきた直後を狙われるケース、信号待ち中の車両が襲われるカージャック、深夜・早朝の路上強盗などが代表的なパターンです。
タクシー強盗の事例も多く、流しのタクシーや空港で勧誘してくる白タクは利用しないことが鉄則です。配車アプリやホテル手配の正規車両を使い、乗車前に車両ナンバー・運転手情報を信頼できる相手と共有しておくと、被害時の追跡に役立ちます。
華美な服装、目立つカメラ・スマートフォン、ブランドバッグなどは強盗のターゲットになる典型的なサインです。市街地に出る際は地味な服装を心がけ、貴重品はパスポートのコピーと最小限の現金以外、ホテルのセーフティボックスに預けてください。
ベネズエラでは身代金目的の誘拐が深刻化しており、公式統計では把握しきれない件数が発生していると指摘されています。短時間誘拐(エクスプレス・キドナッピング)と呼ばれる手口では、被害者をATMに連れて行き、限度額まで現金を引き出させるケースも報告されています。
外国人ビジネスパーソンや富裕層の現地住民が主なターゲットですが、SNSで派手な投稿をしている観光客も標的になり得ます。行き先や宿泊先の情報をリアルタイムでSNSに投稿する行為は、誘拐犯に行動パターンを教えているのと同じです。
対策としては、行動パターンを毎日変える・移動経路を限定された関係者にしか伝えない・SNSへの位置情報投稿を控えることが基本になります。出張で訪問する場合は、移動と宿泊先のセキュリティを事前に大使館や現地パートナーと共有しておきましょう。
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警官や軍人を装った人物が「身分証を確認する」「荷物を検査する」と近づき、賄賂を要求したり、隙をついて貴重品を抜き取ったりする手口が報告されています。本物か疑わしい場合はその場で金銭を渡さず、ホテルや勤務先・大使館に連絡してから対応するのが原則です。
玄関口となるマイケティア国際空港でも、トランジットエリア内での置き引きや、預け荷物の開封による窃盗が発生しています。空港職員や正規タクシー運転手を装った人物に声をかけられ、駐車場まで連れて行かれて拳銃で脅されるという凶悪な手口も報告されており、空港内外での声かけには応じないことが重要です。
空港から市内への移動も油断できません。マイケティア国際空港から首都カラカスを結ぶ高速道路では、車両の強制停止・強盗・誘拐事件が発生しています。このため早朝・深夜便の利用は避け、日中に到着・出発する便を選ぶことが推奨されます。

ベネズエラへの渡航では、ビザの要否や通貨事情、現地での通信手段の確保が、安全確保の前提として大きな意味を持ちます。出発前に整えておきたいポイントを整理しました。
日本国籍の方は、観光目的で90日以下の滞在であればビザは不要です。航空会社が機内で配布する観光入国カード(DEX-2)の記入と、残存有効期間が6か月以上のパスポートがあれば入国できます。
ただし、観光目的で査証なし入国した場合は、その後に滞在資格を変更することはできません。商用・取材・長期滞在を予定している場合は、駐日ベネズエラ大使館領事部(電話:03-6275-2363)に事前確認のうえ、観光ビザや該当する種別のビザを取得してから渡航してください。
観光ビザを取得する場合、有効期間1年・1回の滞在90日のマルチプルが基本で、内務法務平和省の判断により同期間の延長が可能です。最新の必要書類は駐日ベネズエラ大使館に直接確認することをおすすめします。
ベネズエラの公式通貨はボリバル・ソベラノですが、長年のハイパーインフレを背景に、実務上は米ドルが広く使われています。ホテル・レストラン・ツアー代金などは米ドル現金での支払いが受け入れられるケースが多く、現金中心の行動が前提になります。
クレジットカードは利用できる場所が限られ、ATMでの現金引き出しは強盗のリスクが伴うため推奨されません。米ドル現金は小額紙幣を中心に、複数の場所に分けて持ち歩くのが安全です。
両替は街中の闇両替商を利用すると、偽札・詐欺・強盗のリスクがあります。空港や信頼できるホテル、現地ツアー会社経由で必要分だけ両替するのが基本です。多額の現金を一度に持ち歩かず、ホテルのセーフティボックスを活用してください。
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ベネズエラでは停電や通信障害が発生することもあり、日本のスマートフォンを国際ローミングで使うと高額請求になりやすく、緊急時の通信を断念する事態にもつながります。出発前に安定したデータ通信プランを確保しておくことが、安全管理上も大きな意味を持ちます。
海外用Wi-Fiルーターはレンタル受け取り・返却の手間があり、紛失や故障時のリスクも気になります。現地SIMの購入は身分証や言語の壁があり、初めてのベネズエラ渡航では現実的とは言えません。
業務や取材で確実に通信を確保したい方には、アプリダウンロード数No.1(2025年4月〜2026年3月、AppTweak調べ、iOS/Android合算)の海外eSIMアプリ「トリファ」が選択肢になります。出発前にアプリで国とプランを選び、設定まで済ませておけば、現地に着いた瞬間から自分のスマートフォンをそのまま使い続けられます。緊急通報や大使館への連絡、地図アプリでの移動確認、家族・勤務先への安否連絡にも活用できます。
トラブル発生時に確実に連絡を取れる体制を、出発前に整えておきましょう。在ベネズエラ日本国大使館の連絡先と、現地で守るべき行動指針が安全確保の要になります。
ベネズエラの警察・救急・消防の緊急通報番号は「911」です。ただし通報後の対応は地域や時間帯によって不安定な場合があるため、現地の宿泊先・勤務先・大使館への並行連絡を検討してください。
在ベネズエラ日本国大使館はカラカスのチャカオ市ラ・カステリャーナ地区に所在し、代表電話は+58-(0)212-262-3435、領事業務のメールは [email protected] です。受付時間は月〜金曜の8:30〜12:00、13:00〜16:00(祝祭日・休館日を除く)で、閉館時間外は緊急対応のみとなります。
パスポートの盗難・紛失や事件・事故に遭った場合は、なるべく早く大使館へ連絡し、必要に応じて警察への被害届(ポリスレポート)を取得してください。帰国後の保険請求や再発行手続きに必要となります。
ベネズエラでは医療体制が大きく弱体化しており、緊急時に十分な医療を現地で受けられないケースが想定されます。海外旅行保険・出張保険には必ず加入し、医療搬送特約付きのプランを選んでください。クレジットカード付帯保険のみでは補償範囲が不足する場合があります。
現地での自己防衛は「夜間の単独行動を絶対にしない」「観光客らしい行動・服装を控える」「貴重品は分散して持ち歩く」「政治デモや集会には近付かない」の4点が基本です。経済状況の悪化を背景に抗議行動が突発的に発生するため、街中で人だかりを見かけたらすぐに離れてください。
知らない人物からの食事・飲み物の誘いは詐欺・強盗の入口になりやすい典型的な手口です。バーやクラブで知り合った相手に飲み物を飲まされ、意識を失っている間に貴重品を奪われる事例も報告されています。海外で警戒すべき行動原則を、ベネズエラでは特に厳格に守ってください。

ベネズエラは観光目的で気軽に訪れる国ではなく、業務・取材・人道支援といった明確な目的がある場合に限り、十分な備えのもと渡航を判断する国です。外務省の最新危険情報を確認し、国境地帯や違法採掘地域には決して立ち入らないこと、移動・宿泊・通信の体制を事前に整えることが、安全確保の出発点になります。
海外でのリスク管理は、現地の状況をリアルタイムで把握し、必要なときに必要な相手と連絡が取れる通信環境があってはじめて機能します。緊急時の大使館連絡、家族や勤務先への安否報告、最新ニュースのチェック、配車アプリの利用など、スマートフォンが安定して使える状態を保つことが防犯対策の柱です。
トリファなら、アプリをダウンロードしてプランを購入するだけで、ベネズエラ到着後すぐにデータ通信が立ち上がります。物理SIMの差し替えや空港カウンターでの受け取り手続きが不要なため、リスクの高いマイケティア国際空港で余計な動きをする必要がなく、入国審査を抜けたその場から地図・配車アプリ・連絡手段にアクセスできます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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