
スペインはサグラダ・ファミリアやアルハンブラ宮殿など世界的な観光名所が集まる人気の旅行先です。2025年の世界平和度指数(Global Peace Index)では163カ国中24位にランクインしており、ヨーロッパの中でも比較的安全な国とされています。 一方で、観光客を狙ったスリや置き引きは依然として多く、2024年には在スペイン日本大使館に届け出があった日本人の犯罪被害件数は232件にのぼりました。そのうち約99%が盗難被害で、バルセロナでの発生が約57%を占めています。 この記事では、スペイン旅行を安全に楽しむために知っておきたい治安の現状、都市別の注意エリア、よくある犯罪の手口と対策、万が一の際の緊急連絡先まで詳しく解説します。事前に知識を備えておくことで、スペインの魅力を安心して満喫できるはずです。
目次
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スペインの治安を正しく把握するには、客観的なデータを確認することが大切です。外務省の安全情報や犯罪統計をもとに、スペインの治安の実態を見ていきましょう。
2026年3月時点で、外務省海外安全ホームページによるスペインの危険情報は「レベル0」です。特段の注意喚起は出されておらず、渡航に際して大きな制限はありません。
スペイン内務省の統計によると、2024年の一般犯罪件数は約246万件で、前年比0.3%の減少となりました。このうち置き引き・スリなどの窃盗犯罪は約64万9,000件で、前年より2.5%減少しています。
ただし犯罪統計が改善傾向にあるとはいえ、観光客が被害に遭うケースは後を絶ちません。2024年に在スペイン日本大使館へ届け出のあった日本人の被害は232件で、そのうち229件が盗難被害でした。被害場所は公共交通機関の車内・構内、観光地、ホテルのロビー、飲食店が中心です。
スペインは2025年の世界平和度指数で163カ国中24位にランクインしています。同じ南ヨーロッパのイタリアやギリシャと比較しても、治安の面で大きな差はありません。
一方で、欧州スリ指数(European Pickpocketing Index)2024年版では、スペインは訪問者100万人あたり111件のスリ報告があり、観光大国ならではのリスクが数字に表れています。特にバルセロナは「ヨーロッパで最もスリが多い観光都市」として知られており、2023年の犯罪全体の約48%をスリ被害が占めました。
スペインの治安は「凶悪犯罪は少ないが、軽犯罪が非常に多い」という特徴があります。暴力犯罪に巻き込まれるリスクは低いものの、スリや置き引きへの警戒は旅行中ずっと必要です。
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スペインの犯罪被害は特定の都市・エリアに集中しています。ここでは日本人旅行者の被害が多い主要都市ごとに、特に気をつけたいエリアを紹介します。
バルセロナは日本人被害の約57%が集中する、スペインで最も注意が必要な都市です。特に以下のエリアではスリが頻発しています。
マドリードは日本人被害の約14%を占めています。バルセロナに比べると件数は少ないものの、以下のエリアでは注意が必要です。
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バルセロナやマドリード以外の都市でも、観光地ではスリへの警戒が欠かせません。
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スペインで発生するスリや置き引きには、いくつかの典型的なパターンがあります。手口を事前に知っておくことで、被害を未然に防げる可能性が高まります。ここでは在スペイン日本大使館が注意喚起している主な手口を紹介します。
最も多いのが、ターゲットの注意を別の方向に向けている間に貴重品を抜き取る手口です。
これらの手口に共通する対策は、見知らぬ人が急に近づいてきた時点で警戒することです。荷物を体の前で押さえ、その場から離れましょう。
2人以上のグループで役割分担をして実行するスリも多く見られます。
置き引きやひったくりも頻繁に発生しています。
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犯罪の手口を知ったうえで、具体的にどのような対策を取ればよいのでしょうか。スペイン旅行を安全に楽しむための実践的な防犯テクニックを紹介します。
貴重品の管理はスペイン旅行の防犯対策で最も重要なポイントです。
まず、パスポートと大量の現金はホテルのセーフティボックスに預けましょう。外出時はパスポートのコピーと必要最低限の現金だけを持ち歩くのが基本です。
財布やスマートフォンは衣服の内側に収納するのが理想的です。セキュリティポーチ(首下げ型やウエストポーチ型)を活用すれば、上着の下に隠して持ち歩けます。ズボンの後ろポケットに財布を入れるのは絶対に避けてください。
現金やカードは複数の場所に分散して持ちましょう。万が一1つを盗まれても、全てを失わずに済みます。クレジットカードは海外利用時の盗難補償があるものを選ぶと安心です。
バッグの持ち方ひとつでスリの被害は大きく減らせます。
リュックサックを使う場合は、人混みでは必ず体の前に回しましょう。背中に背負ったまま歩くと、ファスナーを開けられても気づきにくくなります。ファスナーにカラビナや南京錠を付けて簡単に開けられないようにする方法も有効です。
ショルダーバッグやボディバッグは、バッグ本体を体の前に来るように斜めがけにします。道路側に持つとひったくりに遭いやすいため、建物側に寄せて持ちましょう。
レストランや電車内では、バッグのストラップを足に通したり、テーブルの脚に巻きつけたりして物理的に離れないようにしてください。椅子の背もたれにかけるのは最も危険な行為です。
地下鉄やバスなどの公共交通機関では、乗降時が最も狙われやすいタイミングです。ドア付近で立ち止まらず、車内の奥まで進みましょう。スマートフォンを出しっぱなしにするのも控えてください。
観光スポットでは写真撮影に夢中になりがちですが、スマートフォンやカメラを構えている間は周囲への注意が薄れます。撮影の際は同行者に荷物を見てもらうか、周囲を確認してから撮影しましょう。
ATMを利用する際は、銀行の建物内にあるATMを選びましょう。路上のATMは背後からの覗き見やスキミングのリスクがあります。暗証番号の入力時は手で覆い隠してください。
海外旅行中のスマートフォンの通信手段には、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」が便利です。現地でSIMカードを購入するために店舗を探し回る必要がなく、渡航前にアプリから設定を済ませておけます。スマートフォンを人前で長時間操作するリスクを減らせるのもメリットです。
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どれだけ注意していても、被害に遭ってしまう可能性はゼロではありません。万が一の事態に備えて、緊急連絡先と被害時の対処法を事前に把握しておきましょう。
スペインでトラブルが発生した場合に連絡すべき番号を以下にまとめます。
連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
緊急通報(警察・消防・救急共通) | 112 |
国家警察(Policia Nacional) | 091 |
地方警察(Policia Local) | 092 |
在スペイン日本国大使館(マドリード) | +34-91-590-7600 |
在バルセロナ日本国総領事館 | +34-93-280-3433 |
緊急通報の112番は、スペイン全土で24時間対応しています。カタルーニャ州内では多言語通訳のサービスも利用可能で、英語で「I need help」と伝えれば対応してもらえます。
スリや置き引きの被害に遭った場合は、以下の手順で対応してください。
1. 身の安全を確保する: 犯人を追いかけるのは危険です。まずは安全な場所に移動しましょう
2. 警察に届け出る: 最寄りの警察署(Comisaria)で被害届(Denuncia)を提出します。保険の請求に必要なので、控えを必ず受け取ってください
3. クレジットカードを停止する: カード会社の緊急連絡先に電話し、不正利用を防ぎましょう
4. パスポートの盗難・紛失: 日本大使館または総領事館に連絡し、渡航書の発行手続きを行います
5. 海外旅行保険の連絡: 保険会社の現地デスクに連絡し、補償手続きを開始します
被害届はオンラインでも提出可能です。スペイン国家警察のウェブサイト(denuncias.policia.es)からスペイン語または英語で届け出を作成できますが、最終的には警察署での確認が必要になる場合があります。
スペイン旅行では海外旅行保険への加入を強くおすすめします。スペインの医療費は日本と比べて高額になりがちで、救急搬送だけでも数万円の費用がかかることがあります。
保険は携行品の盗難も補償対象になるプランを選びましょう。スリで財布やスマートフォンを盗まれた場合にも保険金が請求できます。クレジットカード付帯の保険では補償額が不十分なこともあるため、事前に補償内容を確認しておくことが大切です。
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スペインは観光資源が豊富で、何度でも訪れたくなる魅力的な国です。治安面では凶悪犯罪のリスクは低いものの、スリや置き引きといった軽犯罪への備えは欠かせません。
安全なスペイン旅行のために、以下のポイントを押さえておきましょう。
旅行中にいつでもインターネットに接続できる環境を確保しておくことも、安全対策の重要な一つです。地図アプリで安全なルートを確認したり、緊急時に連絡を取ったりする場面で、スマートフォンの通信手段は欠かせません。
トリファ(trifa)なら、渡航前にアプリからスペイン用のeSIMプランを購入・設定しておくだけで、現地到着後すぐにインターネットが使えます。SIMカードの差し替えや店舗を探す手間がなく、空港に降り立った瞬間から安心して行動を開始できます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。