
ヨーロッパ旅行を計画している方にとって、見逃せない新制度が「ETIAS(エティアス)」です。これまで日本人はビザなしでヨーロッパの多くの国を訪れることができましたが、ETIASの導入後は渡航前にオンラインで事前申請が必要になります。 ETIASはいつから始まるのか、申請方法はどうなるのか、費用はいくらかかるのか。この記事では、日本人旅行者が知っておくべきETIASの最新情報を網羅的にまとめました。 対象となる国の一覧や申請時の注意点、よくある質問まで解説していますので、ヨーロッパ旅行の準備にぜひお役立てください。
目次

ETIAS(European Travel Information and Authorisation System)は、ヨーロッパのシェンゲン協定加盟国が導入する渡航認証制度です。日本語では「エティアス」と呼ばれ、ビザ免除国の旅行者がヨーロッパに入国する前にオンラインで申請する仕組みになっています。
アメリカのESTA(エスタ)やカナダのeTA(イータ)と似た制度で、セキュリティ強化と不法移民防止を目的として欧州委員会が導入を決定しました。重要なのは、ETIASはビザではなく「渡航認証」であるという点です。
ETIASはあくまで渡航認証であり、ビザとは異なる制度です。ビザは大使館や領事館で申請する必要がありますが、ETIASはオンラインで数分の手続きで完了します。
申請が承認されると、パスポートに電子的に紐づけられるため、紙の書類を持ち歩く必要はありません。入国審査時にパスポートをスキャンすれば自動的に確認される仕組みです。
90日を超える長期滞在や就労目的の場合は、これまで通りビザの取得が必要になります。ETIASが必要なのは、あくまでビザなしで渡航できる短期滞在者に限られます。
ETIASの導入に先立ち、EES(Entry/Exit System)という出入国管理システムの稼働が予定されています。EESはシェンゲン圏に出入りする非EU市民の渡航記録を電子的に管理するシステムで、従来のパスポートへのスタンプ押印に代わるものです。
EESは2025年10月12日から段階的に導入が始まり、2026年4月10日に全シェンゲン加盟国で完全稼働する予定です。そのシステム基盤の上にETIASが連携する形で運用が始まります。EESの稼働がETIAS導入の前提条件であり、これがETIASの導入スケジュールに影響を与えています。
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「ETIASはいつから始まるのか」は、ヨーロッパ旅行を検討している多くの方が気になるポイントです。ここでは2026年時点の最新スケジュールをお伝えします。
ETIASの導入は2026年第4四半期、つまり2026年10月〜12月の間に開始される見通しです。具体的な日付はまだ発表されていませんが、欧州委員会は「稼働の数カ月前に正確な日付を公表する」としています。
当初は2024年の導入が予定されていましたが、前提となるEES(出入国管理システム)の開発遅延に伴い、複数回にわたって延期されてきました。2026年の導入スケジュールも確定ではないため、最新情報は欧州委員会の公式サイトで確認することをおすすめします。
ETIASの運用が始まっても、導入直後から厳格に適用されるわけではありません。まずは「移行期間(トランジション・ピリオド)」が設けられ、ETIAS未取得の渡航者にも猶予が与えられる見込みです。
完全義務化までには移行期間(6カ月)と猶予期間(少なくとも6カ月)が設けられます。つまり、2026年末に運用が始まった場合、2027年後半ごろから未取得での入国が拒否される可能性が高いです。とはいえ、渡航直前に慌てないよう、早めに申請しておくのが安心です。
2026年2月現在、ETIASの申請受付はまだ開始されていません。そのため、現時点でヨーロッパに渡航する場合は、これまで通りパスポートのみでビザなし入国が可能です。
申請受付の開始時期についても、欧州委員会から正式な発表があった段階で情報が更新される見込みです。渡航前に最新情報を確認する習慣をつけておくとよいでしょう。

ETIASが必要になるのは、シェンゲン協定に加盟している国への渡航時です。2026年時点で対象となる国は以下の通りです。
地域 | 対象国 |
|---|---|
西ヨーロッパ | フランス、ドイツ、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、オーストリア |
南ヨーロッパ | イタリア、スペイン、ポルトガル、ギリシャ、マルタ、クロアチア |
北ヨーロッパ | フィンランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイスランド |
東ヨーロッパ | ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリー、エストニア、ラトビア、リトアニア、スロベニア、ブルガリア、ルーマニア |
その他 | スイス、リヒテンシュタイン、キプロス |
ヨーロッパにあってもシェンゲン協定に加盟していない国では、ETIASは不要です。イギリス(ブレグジットによりEU離脱済み)やアイルランド、トルコなどが該当します。
これらの国に渡航する場合は、各国独自の入国要件を確認してください。特にイギリスは独自の電子渡航認証(ETA)を導入しているため、別途申請が必要になる場合があります。
シェンゲン圏内の空港で乗り継ぎをする場合も、入国審査を通過するのであればETIASが必要です。たとえばフランクフルトやパリで乗り継いでスペインやイタリアに向かう場合は、最初の到着空港で入国審査を受けるためETIASが必須になります。
一方、シェンゲン圏の空港を経由してトルコやドバイなど非シェンゲン国へ向かい、国際線乗り継ぎエリアから出ない「エアサイドトランジット」であれば不要です。乗り継ぎの形態に応じてETIASの要否が変わるため、事前に航空会社や空港の情報を確認しましょう。

ETIASの申請手続きはオンラインで完結するシンプルな仕組みです。ここでは申請に必要なものと手順、費用について詳しく解説します。
ETIASの申請に必要なものは以下の3点です。
ETIASの申請は、欧州委員会が提供する公式ウェブサイトまたは公式アプリから行います。申請の流れは以下の通りです。
1. 公式サイト(またはアプリ)にアクセスし、申請フォームを開く
2. パスポート情報、個人情報(氏名・生年月日・国籍など)を入力
3. セキュリティに関する質問(渡航歴、犯罪歴など)に回答
4. 申請手数料を支払う
5. 審査結果をメールで受け取る
多くの場合は数分以内に審査結果が届きますが、追加確認が必要な場合は最大96時間(4日間)かかることがあります。まれに最大30日かかるケースもあるため、出発の少なくとも72時間前には申請を完了させておくのが安心です。
対象者 | 費用 |
|---|---|
18歳〜70歳 | 20ユーロ(約3,200円) |
18歳未満 | 無料 |
70歳以上 | 無料 |
当初は7ユーロの予定でしたが、2025年7月に欧州委員会がインフレやシステム運用コストを考慮して20ユーロへの引き上げを発表しました。費用はクレジットカードまたはデビットカードで支払います。承認後の返金はできないため、申請前にパスポート情報に誤りがないか確認しましょう。
ETIASの認証は承認日から3年間有効です。ただし、パスポートの有効期限が3年未満の場合は、パスポートの有効期限までとなります。
有効期間中であれば何度でもシェンゲン圏に入国できますが、1回の滞在は180日間のうち最大90日間というルールは従来通り適用されます。パスポートを更新した場合は、新しいパスポートで改めてETIASを申請し、20ユーロの手数料を再度支払う必要があります。
ヨーロッパ周遊では国をまたぐ移動が多くなるため、通信手段の準備もあわせて進めておくと安心です。なかでも利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」は、ヨーロッパ周遊に対応したデータプランが充実しており、複数の国を移動しても1つのプランで通信できるのが特徴です。
関連記事:海外eSIMとは?おすすめの選び方・料金・設定方法を初心者向けに徹底解説

ETIASの申請にあたって、事前に知っておくと安心なポイントや、よくある質問をまとめました。
ETIASの申請は必ず欧州委員会の公式サイトまたは公式アプリから行ってください。検索すると非公式の代行サイトが上位に表示されることがありますが、これらのサイトでは正規の手数料に加えて高額な代行手数料が上乗せされるケースがあります。
公式の申請サイトURLは「travel-europe.europa.eu」ドメインです。申請受付が始まった際は、在欧州日本大使館からも案内が出る見込みですので、公式情報を確認しましょう。
ETIASの申請が拒否された場合でも、再申請や異議申し立てが可能です。拒否理由は申請者に通知され、拒否を行った国の担当機関に異議を申し立てることができます。
拒否される可能性がある主な理由としては、犯罪歴がある場合や、過去にシェンゲン圏でオーバーステイした記録がある場合などが挙げられます。通常の観光目的の旅行者であれば、ほとんどの場合問題なく承認されます。
Q: 子どもや赤ちゃんもETIASが必要ですか?
A: はい。年齢に関係なく、シェンゲン圏に渡航するすべてのビザ免除国の旅行者にETIASが必要です。ただし18歳未満は申請料が無料です。
Q: グループ旅行の場合、代表者1人の申請で大丈夫ですか?
A: いいえ。渡航者1人ずつ個別に申請が必要です。ただし、未成年の申請は保護者が代理で行うことができます。
Q: ETIASを取得すれば、シェンゲン圏内は自由に移動できますか?
A: はい。ETIASが有効であれば、シェンゲン圏内の国境を越えて自由に移動できます。ただし180日間のうち最大90日間の滞在制限は適用されます。
Q: 現在のパスポートでETIASを取得後、パスポートを更新したらどうなりますか?
A: ETIASは旧パスポートに紐づいているため、新しいパスポートで再度申請が必要です。
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ETIASの導入により、ヨーロッパ旅行の事前準備がひとつ増えることになります。渡航認証の申請とあわせて、現地での通信手段も早めに準備しておくと安心です。
利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」なら、アプリをダウンロードして簡単な設定をするだけで、ヨーロッパ到着後すぐにインターネットが使えます。ヨーロッパ周遊プランを選べば、フランス・イタリア・スペインなど複数の国を移動しても通信プランを切り替える手間がかかりません。
物理SIMカードの交換やWi-Fiルーターの持ち歩きも不要なので、身軽にヨーロッパ旅行を楽しめます。24時間対応の日本語サポートもあるため、eSIMが初めての方でも安心です。ETIASの申請とあわせて、通信環境の準備もぜひ済ませておきましょう。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。