
スペインはヨーロッパの南西に位置し、年間の日照時間が約2,500時間と欧州屈指の晴天率を誇る国です。しかし国土が広いぶん、地域によって気候は大きく異なります。 北部のカンタブリア海沿岸は雨が多く夏でも涼しい海洋性気候、首都マドリードのある中央部は昼夜の寒暖差が激しい内陸性気候、そして南部や東部の地中海沿岸は温暖で乾燥した地中海性気候と、3つの気候帯が混在しています。 この記事では、スペインの気候を都市別・月別のデータとともにわかりやすく解説します。季節ごとの服装選びやベストシーズンの見極め方も紹介しますので、スペイン旅行の計画にぜひお役立てください。
目次
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スペインの気候は大きく3つのタイプに分類できます。旅行先の都市がどの気候帯に属するかを知っておくだけで、荷造りや旅程の組み方がぐっと楽になります。ここでは北部・中央部・南部東部の気候の違いを整理します。
バスク地方やガリシア地方が位置するカンタブリア海沿岸は、大西洋からの湿った風の影響で年間を通じて雨が多い地域です。ビルバオやサンティアゴ・デ・コンポステーラが代表的な都市で、夏の最高気温は22〜23度前後と過ごしやすく、冬も7〜8度程度と極端に冷え込みません。
一方で、年間降水量は600〜1,200mmと他の地域より圧倒的に多く、11月には月間100mmを超えることもあります。天候が変わりやすいため、折りたたみ傘やレインジャケットは必須です。
マドリードを中心とするメセタと呼ばれる高原地帯は、標高600m以上の内陸に位置しています。夏は最高気温が32度を超える厳しい暑さになりますが、湿度が低いため日陰に入ると涼しく感じられます。
冬の最低気温は2〜3度まで下がり、1日の気温差が10度以上になることも珍しくありません。降水量は年間400mm前後と少なく、特に夏場はほとんど雨が降りません。
バルセロナからバレンシア、アンダルシア地方にかけての地中海沿岸は、年間を通して温暖で乾燥した気候が特徴です。セビリアやマラガでは年間の日照時間が約3,000時間に達し、スペイン国内でも最も日差しに恵まれたエリアです。
夏のセビリアでは最高気温が36度に達し、7〜8月はほとんど雨が降りません。一方、バルセロナは海風の影響で夏でも28度前後と比較的穏やかです。冬も温暖で、バルセロナの1月の最高気温は13度前後と東京より3〜4度高い水準です。
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旅行計画を立てるうえで、具体的な数字を把握しておくことが大切です。ここではマドリード・バルセロナ・セビリア・ビルバオの月別気温と降水量をまとめました。
マドリードは標高約660mに位置し、夏は暑く冬は寒い典型的な内陸性気候です。
月 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
|---|---|---|---|
1月 | 9.8℃ | 2.7℃ | 33mm |
2月 | 12.0℃ | 3.7℃ | 35mm |
3月 | 16.3℃ | 6.2℃ | 25mm |
4月 | 18.2℃ | 7.7℃ | 45mm |
5月 | 22.2℃ | 11.3℃ | 51mm |
6月 | 28.2℃ | 16.1℃ | 21mm |
7月 | 32.1℃ | 19.0℃ | 12mm |
8月 | 31.3℃ | 18.8℃ | 10mm |
9月 | 26.4℃ | 15.4℃ | 22mm |
10月 | 19.4℃ | 10.7℃ | 60mm |
11月 | 13.5℃ | 6.3℃ | 58mm |
12月 | 10.0℃ | 3.6℃ | 51mm |
7月が最も暑く最高気温は32.1度に達します。一方で8月の降水量はわずか10mmと、夏場は非常に乾燥します。10〜11月は秋雨の時期で降水量が増えます。
バルセロナは地中海に面しており、海風の影響で気温の変動が穏やかです。
月 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
|---|---|---|---|
1月 | 13.3℃ | 5.0℃ | 28mm |
2月 | 13.9℃ | 5.6℃ | 28mm |
3月 | 15.6℃ | 7.2℃ | 30mm |
4月 | 17.8℃ | 9.4℃ | 36mm |
5月 | 21.1℃ | 13.3℃ | 43mm |
6月 | 24.4℃ | 17.2℃ | 25mm |
7月 | 27.8℃ | 20.0℃ | 20mm |
8月 | 27.8℃ | 20.0℃ | 30mm |
9月 | 25.6℃ | 17.2℃ | 48mm |
10月 | 21.7℃ | 13.3℃ | 61mm |
11月 | 16.7℃ | 8.9℃ | 51mm |
12月 | 13.9℃ | 5.6℃ | 28mm |
マドリードと比べて夏の最高気温が4度ほど低く、冬も温暖です。9〜10月に降水量がやや増える傾向がありますが、年間を通じて極端な雨は少ない都市です。
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セビリアはスペイン南部アンダルシア地方の中心都市で、夏の暑さが際立つ都市です。
月 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
|---|---|---|---|
1月 | 16.0℃ | 5.7℃ | 66mm |
2月 | 18.1℃ | 7.0℃ | 50mm |
3月 | 21.9℃ | 9.2℃ | 36mm |
4月 | 23.4℃ | 11.1℃ | 54mm |
5月 | 27.2℃ | 14.2℃ | 31mm |
6月 | 32.2℃ | 18.0℃ | 10mm |
7月 | 36.0℃ | 20.3℃ | 2mm |
8月 | 35.5℃ | 20.4℃ | 5mm |
9月 | 31.7℃ | 18.2℃ | 27mm |
10月 | 26.0℃ | 14.4℃ | 68mm |
11月 | 20.2℃ | 10.0℃ | 91mm |
12月 | 16.6℃ | 7.3℃ | 99mm |
7月の最高気温は36度に達し、降水量はわずか2mmです。40度を超える日も珍しくありません。一方、冬は温暖で1月でも最高気温が16度あり、観光しやすい気候が続きます。
ビルバオはバスク地方の中心都市で、他の3都市とは対照的に雨が多い地域です。
月 | 最高気温 | 最低気温 | 降水量 |
|---|---|---|---|
1月 | 10.8℃ | 6.8℃ | 84mm |
2月 | 11.2℃ | 6.5℃ | 63mm |
3月 | 13.0℃ | 8.0℃ | 54mm |
4月 | 15.0℃ | 9.4℃ | 43mm |
5月 | 17.0℃ | 11.3℃ | 50mm |
6月 | 20.3℃ | 14.0℃ | 50mm |
7月 | 22.6℃ | 16.4℃ | 34mm |
8月 | 23.3℃ | 16.9℃ | 33mm |
9月 | 21.6℃ | 15.7℃ | 31mm |
10月 | 19.3℃ | 13.4℃ | 35mm |
11月 | 14.5℃ | 10.4℃ | 103mm |
12月 | 12.2℃ | 8.1℃ | 54mm |
夏でも最高気温は23度前後と涼しく、避暑地としても人気があります。11月の降水量は103mmと最も多く、冬にかけて雨の日が増えます。夏場が最も雨の少ない時期です。
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スペインは地域によって気温差が大きいため、訪れる都市と季節に合わせた服装選びが欠かせません。ここでは春夏秋冬の服装のポイントを紹介します。
春はスペイン全土で最も過ごしやすい季節です。日中は15〜25度前後になりますが、朝晩は10度前後まで下がることがあります。長袖のシャツやブラウスに薄手のカーディガンやジャケットを重ねるスタイルが基本です。
北部のビルバオでは雨が降りやすいため、撥水性のあるアウターがあると安心です。南部のセビリアでは5月になると27度を超える日もあり、半袖でも過ごせます。
夏の服装は訪れる地域で大きく変わります。マドリードやセビリアでは30度を大きく超える猛暑になるため、通気性のよい半袖やリネン素材の軽い服装が必須です。帽子やサングラス、日焼け止めも忘れずに持参しましょう。
ただし、教会やカテドラルなどの宗教施設では肩や膝が隠れる服装が求められることがあります。薄手のストールやカーディガンを1枚バッグに入れておくと便利です。北部のビルバオでは夏でも22〜23度程度なので、長袖の羽織りものが必要です。
9月はまだ夏の名残で暖かく、特に南部では30度前後の日が続きます。10月以降は徐々に気温が下がり、朝晩は肌寒く感じるようになります。薄手のニットにジャケットを合わせた重ね着スタイルがおすすめです。
11月になると北部や中央部ではコートが必要になります。降水量も増える時期なので、雨具を忘れずに持ち歩きましょう。
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冬のマドリードでは最低気温が2〜3度まで下がるため、ダウンジャケットやウールのコートが必要です。マフラーや手袋も用意しておくと安心です。室内は暖房が効いていることが多いので、脱ぎ着しやすいレイヤードスタイルが便利です。
バルセロナやセビリアの冬は比較的温暖で、日中は15度前後まで上がります。厚手のジャケット程度で過ごせますが、朝晩はしっかり冷え込むので防寒対策は忘れずにしましょう。
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スペイン旅行のベストシーズンは、一般的に春(4〜5月)と秋(9〜10月)です。この時期は気温が穏やかで雨も少なく、観光に最適な条件がそろいます。ここでは目的別のベストシーズンを紹介します。
春と秋はスペイン全土で最も快適に過ごせる時期です。日中の気温は20〜25度前後で、長時間の街歩きや美術館巡りも疲れにくい気候です。夏のハイシーズンに比べて航空券や宿泊費も抑えやすく、観光スポットの混雑も緩和されます。
4月にはセビリアの「フェリア・デ・アブリル(春祭り)」、5月にはコルドバの「パティオ祭り」が開催され、スペインならではの華やかなお祭りも楽しめます。
バルセロナのバルセロネータビーチやマラガのコスタ・デル・ソルを楽しむなら、海水温が上がる6〜9月がおすすめです。地中海沿岸では夏の降水量が極めて少なく、晴天が続きます。
ただし、7〜8月は欧州各国からのバカンス客で混み合い、宿泊費も高騰します。6月や9月なら比較的落ち着いた環境でビーチを楽しめます。
バスク地方やガリシア地方など北部を旅行するなら、降水量が最も少ない7〜8月が狙い目です。気温も20〜23度前後と快適で、サン・セバスティアンの美食巡りやサンティアゴ巡礼路のハイキングに最適な時期です。
冬から春にかけては雨が多く、特に11月は月間100mmを超える降水量になることがあります。北部を訪れるなら夏を中心に計画するのがおすすめです。
なお、スペイン旅行中に現地の天気予報やレストラン検索をスムーズに行うには、安定したインターネット環境が欠かせません。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」を使えば、渡航前にスマートフォンでセットアップするだけで、スペイン到着後すぐにデータ通信を利用できます。
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スペインの気候を楽しむためには、いくつかの注意点を事前に把握しておくことが大切です。現地で快適に過ごすためのポイントを紹介します。
マドリードやセビリアの夏は日中の気温が35〜40度に達することがあります。湿度が低いため汗をかいている実感がなくても、体内の水分は確実に失われます。こまめな水分補給と帽子の着用を心がけましょう。
現地ではスペインの文化である「シエスタ」の時間帯(14〜17時頃)に合わせて、日中の最も暑い時間帯はホテルやカフェで休憩を取るのも賢い過ごし方です。
内陸部のマドリードでは、夏でも日中と朝晩の気温差が10度以上になることがあります。日中は半袖で快適でも、夜のレストランやバルでは肌寒く感じるかもしれません。
春や秋に訪れる場合は、さらに気温差が大きくなります。薄手の上着を持ち歩く習慣をつけておくと、急な温度変化にも対応できます。
スペインは欧州で最も日照時間が長い国のひとつで、年間約2,500時間の日差しがあります。南部のセビリアやマラガでは年間約3,000時間に達します。冬でも晴れた日は紫外線が強いため、日焼け止めは季節を問わず持参することをおすすめします。
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スペインは地中海性気候の温暖なエリアから、涼しい北部の海洋性気候まで多彩な気候を持つ魅力的な旅行先です。訪れる都市と季節に合わせた服装を準備し、ベストシーズンを選ぶことで、より快適で充実した旅が実現します。
気候データを参考に旅行日程を組んだら、現地での通信手段も忘れずに準備しましょう。スペインでの地図検索やレストラン探し、リアルタイムの天気確認には、安定したインターネット接続が欠かせません。
渡航前にeSIMをセットアップしておけば、スペイン到着後すぐにスマートフォンでデータ通信を利用でき、旅の快適さが格段に上がります。スペイン旅行の準備に、ぜひトリファをお役立てください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。