スペイン旅行で意外と不安になるのが「お金まわり」の準備です。通貨は何か、現金はいくら持っていけばいいのか、カードはどこまで使えるのか、両替はどこですればお得なのか——気になる点は尽きません。 スペインの通貨はユーロ(EUR)です。近年はクレジットカードやタッチ決済が一気に普及し、現金を使う場面はかなり減りました。とはいえ、チップやマーケットなど現金が役立つ場面もまだ残っています。 この記事では、ユーロの基礎知識から、損をしない両替方法、ATMやカードの使い方、チップ・物価の相場、そして免税(IVA還付)の手続きまでをまとめて解説します。為替レートや料金は2026年6月時点の目安をもとに紹介しますので、最新の状況とあわせてご確認ください。 出発前にお金の準備を整えて、スペイン旅行を安心して楽しみましょう。
目次
スペインの通貨はユーロ(EUR、記号は€)です。EU加盟国の多くで共通して使われている通貨で、補助単位はセント(cent)です。1ユーロ=100セントで構成されています。
スペイン旅行を計画する際は、まず日本円との為替レートの感覚をつかんでおくと予算が立てやすくなります。以下では、ユーロの硬貨・紙幣の種類と、最近の為替レートの目安を確認していきましょう。

ユーロの硬貨は、1セント・2セント・5セント・10セント・20セント・50セント・1ユーロ・2ユーロの8種類があります。少額の支払いやチップで使う機会が多いので、コインはこまめに財布を整理しておくと便利です。
紙幣は、5ユーロ・10ユーロ・20ユーロ・50ユーロ・100ユーロ・200ユーロが流通しています。かつて発行されていた500ユーロ紙幣は新規発行が停止されており、現在はほとんど見かけません。
旅行中の支払いでは、50ユーロ以下の紙幣を中心に持っておくのが一般的です。100ユーロ以上の高額紙幣は、小さな店やカフェでお釣りを用意できず受け取りを断られることもあるため、注意しましょう。
ユーロと日本円の為替レートは日々変動します。欧州中央銀行(ECB)の参照レートでは、2026年6月2日時点で1ユーロ=約186円となっていました。
為替は短期間でも大きく動くため、固定の数字としてではなく「おおよその目安」として捉えることが大切です。出発が近づいたら、出発直前にもう一度最新レートを確認しておきましょう。
レートの感覚をざっくり持っておくと、現地での支払い時に「これは日本円でいくらくらいか」を素早く判断できます。たとえば10ユーロは約1,800円前後、と覚えておくと買い物がスムーズです。
ユーロを用意する方法はいくつかありますが、どこで両替するかによって受け取れる金額が変わってきます。為替レートと手数料の両方を意識することが、損をしないポイントです。
ここでは、主な両替方法の特徴と、できるだけお得にユーロを準備するコツを整理します。
日本国内の空港や銀行で事前にユーロを用意しておくと、到着後すぐに現金が使えて安心です。一方で、空港の両替所はレートが割高に設定されている傾向があるため、必要最小限にとどめるのがおすすめです。
スペイン現地で両替する場合、空港の両替所は市内より不利なレートになりがちです。市内の銀行のほうが有利なレートになることが多いものの、銀行は営業時間が限られている点に注意しましょう。
まとまった現金をその場で用意したいなら、後述するATMでのキャッシングや国際送金サービスのカードを使う方法も選択肢になります。複数の手段を比較して、自分の旅程に合うものを選びましょう。
両替で見落としがちなのが、表示レートとは別に上乗せされる手数料やスプレッド(売値と買値の差)です。「手数料無料」とうたっていても、レート自体に上乗せされていることがあります。
現地の両替所は店舗によって手数料やレートが大きく異なるため、利用する前にレートを確認する習慣をつけましょう。観光地中心部の両替所は特に条件が悪いこともあります。
近年は、実際の為替レート(ミッドマーケットレート)に近い水準で両替できる国際送金サービスのカードを使う旅行者も増えています。両替の手数料をできるだけ抑えたい場合は、こうしたサービスも比較検討するとよいでしょう。
現金が必要になったら、現地のATMでユーロを引き出す方法が便利です。スペインの主要都市や空港、駅周辺にはATMが多く設置されており、24時間使える場所も少なくありません。
ここでは、ATMの使い方と利用時の注意点を確認しておきましょう。
日本で発行したクレジットカードやデビットカードを使えば、現地ATMでユーロを引き出せます。クレジットカードの海外キャッシングの場合、ATM利用手数料の目安は1回あたり110〜220円程度で、これに加えて利息(年18%前後)が日割りで発生します。
利息は繰り上げ返済をすることで抑えられます。帰国後すぐ、もしくはカード会社の繰り上げ返済サービスを使って早めに返済すると、無駄なコストを減らせます。
国際送金サービスのデビットカードのなかには、一定額までATM出金の手数料が無料になるものもあります。引き出す回数や金額が多くなりそうなら、こうしたカードの活用も検討しましょう。
ATMを使う際は、できるだけ銀行の店舗内や人通りのある明るい場所にあるものを選びましょう。路上の単独設置型ATMは、スキミングや背後からの盗み見のリスクがやや高くなります。
暗証番号を入力するときは、もう片方の手で手元を隠すようにしましょう。引き出した現金はその場で財布にしまい、人前で枚数を数えないように気をつけましょう。
また、ATM画面で「日本円で引き出す」か「ユーロで引き出す」かを選べる場合は、必ず現地通貨のユーロを選びます。日本円を選ぶと不利なレートが適用され、余計な手数料を払うことになります。
スペインはキャッシュレス化が大きく進んでおり、旅行中の支払いの多くをカードやスマートフォンで済ませられます。レストランやスーパー、交通機関、観光施設まで幅広くカードが使えます。
ここでは、使えるカードの種類やタッチ決済・モバイル決済の普及状況、そして失敗しない使い方を見ていきましょう。

スペインでは、VisaとMastercardがほぼどこでも利用できます。一方で、JCBやAmerican Expressは使える場所が限られることがあるため、VisaかMastercardのカードを1枚は用意しておきましょう。
支払い方法としては、カードやスマートフォンを端末にかざすだけで完了するタッチ決済(コンタクトレス決済)が広く定着しています。Apple PayやGoogle Payなどのモバイル決済にも対応する店が多く、スマホ1台でスマートに支払えます。
こうしたモバイル決済をスムーズに使うには、現地でネットに接続できる環境が欠かせません。海外でのネット接続には、設定が簡単で渡航先ですぐ使える海外eSIMが便利です。なかでもトリファ(trifa)は、アプリから手軽にデータプランを購入してそのまま現地で利用できる海外eSIMアプリです。
海外eSIMとは?おすすめの選び方・料金・設定方法を初心者向けに徹底解説
カード決済の際、端末で「日本円(JPY)」か「ユーロ(EUR)」のどちらで支払うかを聞かれることがあります。これはDCC(自国通貨建て決済)と呼ばれる仕組みです。
このとき日本円を選ぶと、店側が設定した不利な為替レートが適用され、割高な支払いになりがちです。海外でカードを使うときは、必ず現地通貨であるユーロを選びましょう。
「日本円のほうがわかりやすいから」と日本円を選んでしまうと、知らないうちに数%余分に払うことになります。レシートの通貨表示も確認し、ユーロ建てになっているかチェックする習慣をつけると安心です。
キャッシュレスが進んだスペインでも、現金が役立つ場面はまだあります。チップ、屋外マーケットや個人商店、公衆トイレ、小さなバルでの少額の支払いなどでは、現金のほうがスムーズなことがあります。
カードをメインにする場合でも、1日あたり40〜70ユーロ程度の現金を持っておくと安心です。1週間の旅行なら、300〜500ユーロ前後を目安に用意しておくと、現金が必要な場面でも困りにくくなります。
なお、必要な現金額は旅のスタイルによって変わります。レストランやショッピングをカード中心で済ませるなら、もっと少ない現金でも問題ありません。自分の予定にあわせて調整しましょう。
スペインのお金の感覚をつかむうえで、チップの習慣と物価の相場を知っておくと役立ちます。チップは義務ではありませんが、良いサービスへの感謝として渡す文化があります。
ここでは、チップの目安と、旅行中によく支払う品目の物価感を紹介します。
スペインではチップは必須ではなく、サービスへの満足度に応じて渡す任意のものです。レストランで気持ちよく食事ができた場合は、会計の5〜10%程度を目安に渡すのが一般的です。
タクシーでは端数を切り上げて支払う、ホテルのベッドメイキングには1ユーロ程度を置く、といった形が目安になります。カフェやバルでの少額の飲み物では、お釣りの小銭を残す程度でも十分です。
カードで支払う場合でも、チップは現金(コイン)でテーブルに残すのがスマートです。チップ用に1ユーロや2ユーロのコインを少し用意しておくと、スムーズに渡せます。
スペインの物価は、日本とほぼ同じか、品目によってはやや高いと感じる水準です。ヨーロッパの中では比較的リーズナブルですが、近年は緩やかな上昇傾向にあります。
旅行中によく支払う品目の相場の目安は、以下のとおりです。あくまで2026年時点のおおよその水準で、店や地域によって変わります。
品目 | 価格の目安 |
|---|---|
ミネラルウォーター(500ml) | 0.5〜1.5ユーロ |
カフェのコーヒー(エスプレッソ) | 1.25ユーロ前後(観光地は2.5ユーロほど) |
バルのグラスビール | 2〜3ユーロ |
日替わりランチ(Menú del día) | 10〜12ユーロ |
外食費は日本の都市部より高くなることもありますが、地元のバルや日替わりランチ(Menú del día)を活用すると食費を抑えられます。
スペイン旅行の費用はいくら?日数別の予算目安と節約術を徹底解説【2026年最新】
スペインで買い物をすると、付加価値税(IVA)が価格に含まれています。EU圏外に住む旅行者は、一定の条件を満たせばこのIVAの還付を受けられます。お得に買い物をしたい人は、仕組みを知っておきましょう。
ここでは、免税の対象条件と、空港での手続きの流れを解説します。
スペインの標準IVA税率は21%です(食品や書籍などは軽減税率が適用されます)。旅行者向けの免税制度を使うと、買い物にかかったIVAの一部が払い戻されます。
還付の対象になるのは、EU圏外に居住している16歳以上の旅行者です。購入した商品は未使用・未開封のまま、EU圏外へ持ち出す必要があります。
かつては最低購入金額の条件がありましたが、現在は購入金額にかかわらず免税手続きが申請できるようになっています。少額の買い物でも対象になるため、レシートは捨てずに保管しておきましょう。
買い物をする際は、免税対応の店舗でパスポートを提示し、免税書類(DIVA/タックスフリー書類)を発行してもらいます。EU圏外の居住を証明するため、パスポートの提示が必要です。
出国時には、空港の税関やDIVAの電子認証端末で、購入商品・レシート・パスポート・搭乗券を提示して認証を受けます。スーツケースに入れる前に手続きが必要な場合もあるため、時間に余裕をもって空港に向かいましょう。
還付金は、クレジットカードへの返金や銀行振込、現金など複数の方法で受け取れます。手続きには期限があるので、購入後は早めに認証を済ませることが大切です。
ここまで、スペインの通貨ユーロの基礎から、両替・ATM・カード・チップ・物価・免税まで解説してきました。最後に、お金まわりの準備を快適にするポイントを整理します。
スペインはキャッシュレスが進んでおり、VisaやMastercard、タッチ決済、モバイル決済が幅広く使えます。現金はチップや少額の支払い用に少し持ち、メインはカードという使い分けが基本です。DCC(日本円建て決済)には注意し、支払いは必ずユーロを選びましょう。
そして、タッチ決済やモバイル決済、両替レートの確認、地図やお店探しまで、現地での「お金まわり」の多くはスマホがあってこそ快適になります。出発前にネット環境を準備しておくと、こうした場面で困りません。
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ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。