海外旅行中や出張時に、日本の電話番号でSMSを受信したい場面は多くあるでしょう。たとえば、LINE認証や銀行の2段階認証など、SMSが必要になります。 しかし、「eSIMに切り替えたらSMSが届かない」「データ通信はできるのに認証コードが届かない」といったトラブルも少なくありません。
目次
本記事では、eSIMでSMSを受信する仕組みや条件、届かない原因とその対処法を詳しく解説します。
日本のSIMでSMSを受信しながら、海外eSIMで安価に通信するベストな使い方を知って、ストレスのない海外通信環境を整えましょう。
eSIMでSMSを受信する仕組みは、基本的に物理SIMカードと同じです。
eSIMとはスマートフォンに内蔵されたSIMのことで、物理カードを差し込む必要がなく、プロファイル(契約情報)をダウンロードして利用できます。
このプロファイルにはIMSI(加入者識別番号)や電話番号が含まれており、キャリアの通信網に認証・接続されます。
SMSは、この認証を通じてネットワーク側から端末に転送される仕組みです。
eSIMのIMSIや電話番号などを含むプロファイルにもとづいて、端末は通信キャリアのモバイルネットワークに認証され、音声通話やSMSの送受信が可能になります。
eSIMでSMSを受信するには、電話番号が割り当てられている音声対応プランである必要があります。
SMSは電話番号に送信される仕組みであり、音声通信インフラを使用しているため、単なるデータ通信契約では受信できません。
eSIMプランでのSMS受信可否については、以下の通りです。
eSIMの種類 | 電話番号 | SMS受信 |
データ専用eSIM | なし | × |
音声・SMS対応eSIM | あり | ○ |
デュアルSIM環境(物理SIMカード+eSIM) | 片方に電話番号あり | ○ |
海外用eSIMでもSMS付きプランが提供されていることがあります。 一方、完全に通信だけを目的とするなら、コストを抑えたデータ専用プランも便利です。
使用目的に応じて、eSIMプランを見極めましょう。
eSIMを利用していると、「SMSが届かない」「認証コードが受け取れない」といったトラブルが発生することがあります。
設定ミスやプラン選択の誤りが原因であることが多く、正しい理解と対処が必要です。
主な原因と対処法は、以下の通りです。
原因 | 内容 | 対処法 |
データ専用プランを契約している | 電話番号がなく、SMS機能非対応 | SMS対応のeSIMプランに切り替える |
日本のSIM回線を無効にしている | 主回線がオフだとSMSが届かない | 通話回線はオンにし、ローミングのみオフにする |
ローミング設定がオフになっている | 海外ネットワークに接続できない | 通話・SMSのローミングを有効にする |
デュアルSIM設定を誤っている | 優先回線がデータ用eSIMになっている | 通話/SMSは日本のSIM、データはeSIMに分ける |
データ専用eSIMでは、原則SMSは受信できません。電話番号が付与されていないため、SMSの要件を満たしていないためです。
海外でデータ専用eSIMを使用すると、インターネットは利用できても、LINE認証や銀行の2段階認証などのSMSは届きません。
そのため、利用したい場合の対応方法は、以下の通りです。
eSIMでSMSを使いたい場合は、利用しているプランを見直すか、新規でSMSに対応したeSIMを利用するかを検討しましょう。
海外旅行時、高額なローミング料金を避けるために、日本のSIMを無効化してしまい、結果としてSMSが届かなくなるというケースもあります。
SMSは、電話番号が有効かつ回線がネットワークに接続されていることが受信の条件です。
iPhoneで「設定」→「モバイル通信」から日本で利用しているSIMを完全にオフにすると、SMS認証ができなかったり、SMSが届かなくなったりします。
そのため、下記の設定方法をするのがおすすめです。
上記の対策では、SMSは受信しつつ、無駄な通信料の発生を防ぐことが可能です。Androidでも基本は同じ設定であるため、ぜひ試してみてください。
海外でSMSを受信するには、日本のSIMが現地ネットワークと接続できる状態=ローミング設定がオンである必要があります。
ローミングとは、自国キャリア以外の提携ネットワークを一時的に使う仕組みです。ローミング設定がオフの場合、圏外扱いとなり、SMSの受信もできなくなります。
よくあるトラブルは、以下の通りです。
起こる問題 | 状況 |
現地で圏外になりSMS受信不可 | 日本のSIMでローミングがオフになっている |
音声・SMSまでオフにしてしまう | データローミングと混同してほかの設定をオフにしている |
ローミング設定によるSMSのトラブルを対策するポイントは、以下の通りです。
eSIM利用時は、SIMごとのローミング設定を個別に確認することが大切です。
iPhoneやAndroidのデュアルSIM機能は便利な反面、設定を誤るとSMSが届かなくなる原因になります。
デュアルSIMでのありがちな設定ミスは以下の通りです。
たとえば、iPhoneで海外eSIMを「音声通話用回線」に指定してしまうと、日本の電話番号でのSMSが届かないといったトラブルが起こります。
おすすめの対策は、以下の通りです。
SMSや音声・データのそれぞれに使用する回線を指定できるため、適切な設定をするようにしましょう。
海外で日本の電話番号宛のSMSを受信しながら、現地のeSIMで快適に通信するには、デュアルSIMの正しい使い分けが重要です。
多くのトラブルは、「日本のSIMを完全にオフにしてしまった」「ローミングの設定が不適切」などの基本設定ミスによって発生します。
ここでは、SMSを受信しつつ、安価にデータ通信を行う方法をまとめました。
設定項目 | 推奨設定内容 |
日本のSIM回線 | オンのまま保持(音声/SMS用) |
日本のSIMのデータローミング | オフに設定(高額請求防止) |
海外eSIM | データ通信専用に設定 |
音声回線のデフォルト | 日本のSIMを指定 |
Wi-Fi Calling(対応キャリアのみ) | オンにするとより安定してSMS/通話可能に |
それぞれについて順番に見ていきましょう。
海外で日本のSMSを受信するには、日本のSIMカードを有効な状態に保つことが必須です。
多くの方がローミング料金を避けようと、日本のSIMを完全にオフにしがちですが、この状態ではSMSも届かなくなってしまいます。
LINE認証や金融系サービスの2段階認証など、海外で日本の電話番号宛にSMSを受け取る必要がある場合は、次の点に注意が必要です。
海外用のeSIMでデータ通信を行いつつ、日本のSIMはSMS受信専用にしておくことで、重要なメッセージを見逃すことなく、安全かつ経済的に運用できます。
海外でのインターネット接続は、安価かつ高速な海外用eSIMを活用するのがおすすめです。
日本のSIMのデータローミングは非常に高額なため、必ずオフに設定しましょう。
iPhoneを使用する場合の設定例は、以下の通りです。
この運用で、通信は格安、SMSは確実に受信というバランスの取れたデュアルSIMの運用を実現できます。
デュアルSIMでは、音声・SMS・データ通信を別々の回線に割り当てることが可能ですが、SMSを日本の電話番号で受信したい場合は、必ず音声通話回線に日本のSIMを指定する必要があります。
SMSは音声通信機能の一部であるため、データ専用eSIMでは受信できません。
設定方法は、以下の通りです。
操作端末 | 設定手順 |
iPhone | 「設定」→「モバイル通信」→「デフォルトの音声回線」→ 日本のSIMを選択 |
Android | 「設定」→「ネットワークとインターネット」→「通話用SIM」→ 日本のSIMを選択 |
設定を誤ると、たとえ日本のSIMが有効でも、SMSが届かない原因になります。
渡航前には、日本のSIMを音声回線に設定した状態で、実際にテストSMSを送受信しておくことが重要です。
一部のキャリアを利用している場合、Wi-Fi Calling(Wi-Fi通話)機能を有効にすることで、Wi-Fi環境下でもSMSの受信精度を高められます。
Wi-Fi Callingとは、Wi-Fi回線を使って音声通話やSMSの送受信ができる機能です。
モバイル回線(4G/5Gなど)の電波が弱い場所でも、Wi-Fi環境があれば安定して通話・SMSが可能になります。
設定方法は、以下の通りです。
端末 | 設定方法 |
iPhone |
|
Android |
|
Wi-Fi Callingはあくまで補助的手段であり、基本となるローミング設定や音声回線の設定が整っていないと機能しません。
設定できる場合は有効化しておくことで、電波が不安定な海外環境でもSMS受信成功率が上がります。
海外でeSIMを活用しながらSMSを確実に受信するには、渡航前・現地滞在中・帰国後の3つのタイミングで適切な設定を行う必要があります。
それぞれのタイミングでトラブルを防ぐには、事前に設定内容を把握し、実際にテストしておくことが大切です。
順番に解説します。
eSIMとSMS受信の設定は、必ず渡航前に日本国内で完了させておきましょう。
現地で初期設定を行うと、Wi-Fi環境が整っていなかったり、日本語サポートが受けられなかったりするなど、設定に行き詰まる場合があります。
そのため、渡航前に以下を確認して設定を済ませておきましょう。
事前に設定を進めておくと、渡航後に困るケースが少なくなり、現地に到着してから安心してスマホを活用できるでしょう。
現地に到着したら、機内モードを解除し、データ通信とSMSが問題なく利用できるかを速やかに確認しましょう。
事前設定を済ませていても、通信環境やキャリア提携状況によっては、接続がうまくいかないケースがあります。
現地到着後に確認すべきことは以下の通りです。
現地到着後30分以内に確認を完了し、トラブルがあればWi-Fi環境で早めに対応するようにしましょう。
銀行アプリやSNSなど、SMS認証が必要なサービスの利用予定がある人は、ホテル到着前に必ず確認を済ませてください。
帰国後は、海外用eSIMを無効化・削除し、日本のSIMを国内用に再設定する必要があります。
設定しないままにしておくと、不要なデータ通信料金の発生や、接続不安定などの問題が起こる可能性があります。
帰国後に行うべき設定は、以下の通りです。
操作内容 | 詳細 |
海外eSIMの無効化または削除 | 「設定」→「モバイル通信」→ 該当eSIMを削除 or 無効化を行う |
モバイルデータ通信の切り替え | 使用回線を日本のキャリアSIMに戻す |
ローミング設定の確認 | 不要なローミング設定はオフにする |
次回渡航のためのメモ | 今回の設定・トラブル解決法を記録しておく |
帰国後にeSIMを削除しなかったユーザーが、自動更新による課金を受けるケースもあります。
帰国後のリセット処理をしっかり行うことで、日本国内での通信環境を安定させ、余計なコストも防げるでしょう。
トリファ(trifa)では、プラン日数のカウントは現地で開通されてからになりますので、安心した利用が可能です。
スムーズにeSIMを使いたい方はぜひ利用を検討してみてください。
iPhoneやAndroidでデュアルSIMを活用すれば、海外eSIMで通信をしながら、日本の電話番号でSMSを受信することが可能です。ただし、それぞれのOSで設定画面や操作手順が異なるため、正確な設定が必要です。
それぞれの設定手順をチェックしていきましょう。
iPhoneでは、物理SIMカード+eSIMのデュアルSIMを活用して、音声とデータ通信を分けて運用できます。
SMSは音声通話回線に紐づいているため、日本のSIMを「デフォルトの音声回線」に設定するのが必須です。
設定手順(iPhone)は以下の通りです。
銀行やLINEなど、実際のSMS認証も一度試しておくと安心です。
Android端末でも、デュアルSIMを活用すれば、日本の電話番号でSMSを受信しつつ、海外eSIMでデータ通信を行うことが可能です。
ただし、メーカーや機種によって設定項目の名称や配置が異なるため、注意しなければいけません。
一般的な設定手順は以下の通りです。
※SamsungやOPPOなどでは、設定項目名が異なる場合があるため、取扱説明書や公式ヘルプを参照してください
設定完了後は必ずSMSの送受信テストを実施して、動作確認を行うことも大切です。
Androidは自由度が高い分、設定ミスによるトラブルも起きやすいため、自分の機種に合わせた操作確認を事前に行なっておきましょう。
海外旅行や出張でeSIMを使うなら、コスパ・手軽さ・安心感の三拍子がそろったトリファ(trifa)の利用がおすすめです。
トリファは、世界200以上の国・地域に対応するeSIMアプリで、iPhoneやAndroidに対応しています。
たとえば、韓国・タイ・シンガポール・アメリカなどへの旅行なら、現地キャリアと直接契約するよりも簡単かつ安価で、数分で通信環境を整えられます。
下記のような方は、ぜひ利用を検討してみてください。
トリファを使えば、現地の物理SIMカードの購入や差し替えが不要になり、空港到着後すぐにインターネットが使えます。
海外で安心して通信をしたいという方は、アプリのダウンロードから試してみてはいかがでしょうか。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。