SIMフリーのiPhoneとは、特定の通信会社に縛られず、好きな会社の物理SIMカードやeSIMを使えるiPhoneのことです。SIMフリーのiPhoneなら、格安SIMを選んで月々の通信費を節約したり、海外旅行時には現地の安いプランを利用したりと、自由にスマホを使えるようになります。 この記事では、SIMフリーの基本からメリット・デメリットや購入方法、海外でのeSIM活用術まで網羅的に解説します。
目次
SIMフリーのiPhoneとは、特定の通信会社に縛られず、ドコモやau、格安SIMなど国内外どの事業者のSIMカードやeSIMでも利用できる端末のことです。
自分に合った料金プランを自由に選べるため、月々の通信費を大幅に節約できる点が大きな魅力といえるでしょう。
2021年10月以降に発売された新品は原則SIMフリーで、海外旅行で現地のSIMを使ったり、中古で売却する際に有利になったりする利点もあります。手持ちのiPhoneがSIMフリーか確認するには、「設定」アプリから「一般」→「情報」と進み、「キャリアロック」または「SIMロック」の項目を確認します。
「SIMロックなし」「制限なし」と表示されていればSIMフリーです。表示されない場合や「SIMロックあり」の場合は、各キャリアでの解除手続きが必要です。
iPhoneという製品自体は同じでも、どこで手に入れるかにより契約の自由度・価格・サポート体制が異なります。SIMフリーのiPhoneとキャリアで販売されるiPhoneの違いは、以下のとおりです。
以下では、各違いを詳しく解説します。
SIMフリー版とキャリア版iPhoneの違いは、SIMロックの有無です。Apple Storeで購入できるiPhoneはSIMフリーのため、docomoやau、格安SIMなど、好きな会社のプランをすぐに利用可能です。
一方、キャリアで販売されたiPhoneは、2021年10月より前のモデルだとSIMロックがかかっている場合があり、他社の物理SIMカードを認識しません。以降に発売されたモデルは、原則としてSIMフリーで販売されるようになりました。
そのため、中古でiPhone SEなどを手に入れる際は、SIMロックが解除されているかの確認が重要です。
iPhoneの端末価格は購入場所で異なり、一括払いの総額がもっとも安いのはApple Storeです。一方、大手キャリアは本体価格を割高に設定する代わりに、2年後に端末を返却すれば残りの支払いが不要になるプランを提供しています。
月々の負担は軽くなりますが、端末は自分の所有物にならず、レンタルに近い仕組みといえるでしょう。長く使いたい、将来売却したい場合は総額が安いApple Storeでの購入がおすすめです。
2年ごとに機種変更し、毎月の出費を抑えたい方は、キャリアのプランを検討するとよいかもしれません。
iPhone購入後のサポートは、相談窓口に違いがあります。キャリアで購入した場合、操作方法から故障の相談まで身近な店舗で対面サポートを受けられる点がメリットです。スマホの操作に不慣れな方には安心感があるでしょう。
一方、Apple Storeで購入すると、専門スタッフによる質の高いサポートを直営店やオンラインで直接受けられます。ハードウェアの不具合など、専門的な問題に対して、より迅速で的確な対応が期待できます。
SIMフリーは、どのSIMでも使えるというだけでなく、スマホとの付き合い方そのものをより自由に、経済的に変える力を持っています。主なメリットは以下の4点です。
以下では、SIMフリーのiPhoneがもたらす具体的なメリットを紹介します。
SIMフリーのiPhoneのメリットは、通信会社を自由に選べることです。大手キャリアはもちろん、豊富な格安SIMの中から、自分の使い方に最適なプランを契約できます。
たとえば、デュアルSIM機能を使い、仕事の通話用とプライベートのデータ通信用で回線を分けたり、通信障害に備えて他社の回線を予備で契約したりする柔軟な運用が可能です。
キャリアから提示されたプランに縛られず、自分に必要な通信環境を主体的に設計できるのが、SIMフリーのiPhoneならではの魅力といえるでしょう。
海外への出張や旅行が多い方にとって、SIMフリーのiPhoneは通信費を大幅に節約できる点が魅力の一つです。日本のキャリアによるSIMロックがないため、渡航先で販売されている安価なプリペイドSIMやeSIMをそのまま利用できます。
とくにeSIMは、渡航前にオンラインで購入・設定を済ませておけば、現地に到着した瞬間からインターネットに接続可能です。Wi-Fiを探すストレスがなくなり、旅や仕事の質が向上します。
海外でのネット接続方法について迷っている方は、ぜひ以下の記事をあわせてご覧ください。
関連記事:海外旅行で使うならSIMカードとeSIMどっちがいい?メリット・デメリットから設定方法まで解説
SIMフリーのiPhoneは、通信費を大幅に節約できます。とくに海外へ行く際に真価を発揮し、現地の安価なプリペイドSIMやeSIMを利用可能です。
これまでかかっていた高額な国際ローミング料金や、Wi-Fiルーターのレンタルなどの手間とコストが不要になります。最近では渡航前にオンラインでeSIMを購入・設定することも可能で、現地到着後すぐにインターネットに接続できます。
そのため、通信費の心配から解放され、快適にインターネット接続ができるようになるでしょう。
SIMフリーのiPhoneは、端末と通信契約が分離しているため、機種変更や乗り換えの手間が軽減されます。新しいiPhoneへの機種変更は、物理SIMカードを入れ替えるだけで完了し、店舗へ行く必要がありません。
また、通信会社の乗り換えもシンプルです。2023年5月24日から開始された「MNPワンストップ方式」により、対応事業者間でのオンライン手続きなら、MNP予約番号の取得が不要になりました。ただし、対応していない事業者や店頭手続きでは従来の方法が必要です。
料金だけでなく、見えないコストを削減できる点も、SIMフリーの魅力といえるでしょう。
SIMフリーのiPhoneにはメリットがある一方で、注意点も存在します。主な注意点は、以下の4点です。
事前にデメリットを理解しておけば、購入後の失敗を防げます。以下では、各デメリット・注意点を紹介します。
SIMフリーのiPhoneは定価販売が基本で、購入時の初期費用が高額になりがちです。SIMフリーの場合、キャリアが提供する端末返却を条件に実質負担額を抑えるプランは利用できません。
ただし、キャリアのプランはレンタルに近く、端末は自分の所有物にならないことを理解しておく必要があります。長く使ったり将来売却したりする場合、SIMフリー版が結果的に経済的な選択肢となるでしょう。
SIMフリーのiPhoneを利用する場合、初期設定や通信に関する手続きは自分で行う必要があります。
データ移行や物理SIMカードの差し替え、データ通信に必須のAPN設定は、基本的に自分で行う作業となります。APN設定をしないと、Wi-Fiのない場所でインターネットに接続できなくなるため注意が必要です。
各社の公式サイトに手順の解説はありますが、マニュアルを読み解く手間がかかる点は理解しておきましょう。
SIMフリーのiPhoneは、トラブル発生時に気軽に相談できる対面窓口が限られます。
キャリア契約の場合、端末の不具合から通信の問題まで最寄りの店舗で相談可能です。一方、SIMフリーと格安SIMの組み合わせでは、自分で対処する必要があります。
ネットにつながらない症状でも、原因が端末か物理SIMカードかを見極め、Appleや通信会社など異なる窓口へ問い合わせなければなりません。
手厚い対面サポートに安心感を求める人にとっては、対面サポートが受けにくいことはデメリットに感じるかもしれません。
SIMフリーのiPhoneを利用する際は、契約したい通信会社の電波(周波数帯)に端末が対応しているか、自分で確認する必要があります。とくに中古や海外モデルの購入時には注意が必要です。
特定の周波数帯に対応しているかどうかで、通信のつながりやすさは異なります。さらに、古い機種では音声通話(VoLTE)が使えず電話ができない場合があり、中国本土ではiPhoneでeSIMが利用できないといった地域制限もあります。
また、海外モデルの場合、日本の5G周波数帯(とくにn79バンド)に対応していない可能性があるため注意しましょう。
トラブルを避けるためにも、購入前は利用予定の端末が契約したい通信事業者のネットワークに適合しているか、公式サイトなどで確かめてください。
SIMフリーのiPhoneは、どこで購入するかで価格や安心感、受けられるサポートが異なります。SIMフリーのiPhoneの主な購入先は、以下の4つです。
以下では、各購入方法について具体的に解説します。
新品のSIMフリーのiPhoneを比較的安く、確実に手に入れたいならApple Storeや公式サイトがおすすめです。メーカー直販のため仲介コストがなく、定価で購入できます。
販売されている端末はすべてSIMフリーのため、ロックの有無を確認する手間がありません。また、店舗ではスタッフに相談でき、オンラインでは金利0%の分割払いも利用可能です。
安心と価格の透明性を重視し、購入後すぐに格安SIMを使いたい方はApple Storeまたは公式サイトで購入しましょう。
ヨドバシカメラなどの大手家電量販店も、SIMフリーのiPhoneを購入可能です。Apple正規販売代理店として、Apple Storeと同じモデルを同価格で取り扱っています。
さらに、家電量販店でiPhoneを購入すれば、独自のポイント還元が適用されます。貯まったポイントでケースや充電器などのアクセサリをお得に揃えることも可能です。店舗によっては格安SIMの相談カウンターも併設されており、専門スタッフに相談しながら契約まで進められます。
ポイントを有効活用したい方には、家電量販店でのSIMフリーのiPhoneの購入がおすすめです。
キャリアショップで販売される新品iPhoneも、原則SIMフリーで提供されています。携帯キャリアショップで購入するメリットは、2年後に端末を返却すると月々の負担が軽くなるプランを利用できる点です。
月々の出費を抑え、2年ごとに機種変更したい方には魅力的な選択肢です。また、料金プランを対面で相談しながら手続きできる安心感もあります。ただし、回線契約を伴わない端末単体での購入は、在庫が少ない場合があるため注意しましょう。
中古市場はiPhoneを安価に手に入れられますが、トラブルのリスクも高い購入方法といえます。代金未払いで通信不能になるネットワーク利用制限や、バッテリーの著しい劣化、非正規部品での修理など、外見では判断しにくい問題が潜んでいるおそれがあります。
もし中古品を選ぶなら、フリマアプリは避け、赤ロム保証や動作保証が充実した信頼できる販売店での購入がおすすめです。また、購入前には必ずIMEI(製造番号)で利用制限の有無を自分でチェックする慎重さも必要です。
日本のキャリアが提供する国際ローミングは便利ですが、料金が高額になる場合があります。しかし、SIMフリーのiPhoneを用いて、現地の通信サービスを直接利用すれば、コストを抑えることが可能です。
海外でSIMフリーのiPhoneを使用する方法は、主に以下の2つです。
以下では、海外で利用する方法について解説します。
海外での確実な通信方法として、渡航先の空港などで旅行者向けのプリペイドSIMカードを購入する方法が挙げられます。SIMフリーのiPhoneなら現地のSIMを認識できるため、安い料金でデータ通信や通話を利用可能です。
多くの場合、現地のスタッフが物理SIMカードの入れ替えから設定まで行ってくれるため、コミュニケーションに不安があっても安心です。ただし、カウンターの営業時間や、自分で交換する際に必要なSIMピンの持参には注意しましょう。
また、取り外した日本の物理SIMカードは紛失しないよう厳重に管理することが重要です。
物理SIMカードに関する詳しい解説は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:物理SIMカードとは?仕組み・対応端末・メリット・設定方法まで解説
iPhone XR/XS以降の機種なら、物理SIMカードの入れ替えが不要なeSIMが便利です。渡航前にeSIMプランをオンライン購入し、QRコードを読み込むだけで設定が完了します。
現地到着後すぐにインターネットへ接続でき、日本で使用していた物理SIMカードを紛失する心配もありません。日本の電話番号での着信も可能で、周遊旅行にも柔軟に対応できるでしょう。
ただし、設定にはインターネット環境が必須なため、日本出発前に準備を済ませておきましょう。
eSIMについては、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:eSIMとはSIMカード不要の通信方法!メリット・デメリットや海外旅行での活用方法を解説
eSIMとは、iPhone本体に直接組み込まれたデジタルSIMで、物理SIMカードが不要になることで、利便性が飛躍的に向上します。SIMフリーのiPhoneでeSIMを利用する主なメリットは、以下の3点です。
以下では、各メリットについて詳しく解説します。
eSIMのメリットは、オンラインで申し込んでから最短数分で回線を開通できる圧倒的なスピード感にあります。物理SIMカードとは異なり、カードが郵送で届くのを数日間待つ必要がありません。
トリファのようなeSIMアプリで購入すれば、手続き後すぐにQRコードが発行されます。iPhoneで読み込むだけで設定が完了し、すぐに新しい回線が利用可能です。「今すぐ乗り換えたい」という急なニーズにも即座に対応できるのは、eSIMならではの魅力です。
eSIMはiPhone本体に組み込まれたデジタルSIMのため、物理SIMカードを抜き差しする手間が一切ありません。そのため、物理SIMカードを落として紛失したり、破損させたりするリスクがゼロになります。
とくに海外旅行では日本の物理SIMカードを挿したまま、オンラインで購入した海外用のeSIMプランを有効にすれば、すぐに現地のネットワークに接続できます。
また、帰国後も設定をオフにするだけで済み、物理SIMカードを管理するストレスから解放されることもメリットです。
eSIMを活用すれば、最大8つ以上のeSIMを端末に保存し、そのうち2つまでを同時に利用するデュアルSIM運用が可能です。(iPhone 13以降では「eSIM×2」構成も選択可能)
たとえば、仕事用とプライベート用で電話番号を分けたり、「通話はかけ放題」「データ通信は格安SIM」などの最適な組み合わせを自分で作ったりすることが可能です。
また、異なるキャリアの回線を契約しておけば、通信障害時のバックアップとしても機能するでしょう。
eSIMを複数端末で使用できるかは、以下の記事をあわせてご覧ください。
関連記事:eSIMは複数端末で使い回せる?移行・併用の方法と注意点を解説
SIMフリーのiPhoneの自由度を最大限に活かすなら、海外利用で便利なeSIMの活用が欠かせません。
海外渡航の際、どのeSIMサービスを選ぶか迷ったら「トリファ(trifa)」がおすすめです。
多くの海外サービスではサポートに不安が残りますが、トリファなら24時間365日、日本語のチャットサポートが受けられます。そのため、万が一の通信トラブルにも安心して対応できるでしょう。
QRコードの読み取りも不要で、アプリの指示に従うだけでeSIMがインストールされるため、設定に不安がある方にもおすすめです。
海外渡航の心強い味方として、トリファのeSIMを試してみてはいかがでしょうか。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。