海外でWi-Fiを使うには、スマートフォンのWi-Fi設定をオンにし、高額請求を防ぐためモバイルデータ通信とデータローミングをオフにするのが基本です。正しい設定で、レンタルしたポケットWi-Fiや現地のフリーWi-Fiに接続しましょう。 この記事では、海外で安全にWi-Fiを使うための具体的な設定方法や注意点を解説します。ポケットWi-FiやeSIMなど他の方法とも比較し、最適な通信手段を見つけましょう。
目次

海外旅行や出張の際、地図アプリやSNSの利用にスマホは欠かせません。しかし、何も設定しないまま海外でデータ通信を行うと、高額な通信料が請求される可能性があるため注意が必要です。
そこで、以下の手順に分けてiPhoneとAndroidのWi-Fiの設定方法を解説します。
海外で高額な通信料が発生するのを防ぐには、日本を出発する前の設定が重要です。現地に到着後、意図せずモバイルデータ通信に接続されてしまう事態を避けるため、事前準備を済ませておきましょう。
以下では、iPhoneとAndroidそれぞれの設定手順を解説します。
まず、設定からモバイル通信を開き、モバイルデータ通信をオフにします。次に、同じ画面を一番下までスクロールし、Wi-Fiアシストも必ずオフにしましょう。
Wi-Fiアシストは、Wi-Fi信号が弱い際に自動的にモバイルデータ通信に切り替わるため、海外でeSIMやローミングを利用している場合、予期しないデータ通信料金が発生する可能性があります。
とくに海外では通信料が高額になりやすく、バックグラウンドでの自動切り替えが思わぬ料金増加の原因となるため注意が必要です。
さらに、iCloudの写真同期やApp Storeのアプリ自動アップデートもオフに設定すると、意図しない大容量通信を防げます。
最初に、設定アプリからネットワークとインターネットなどの項目に進み、モバイルデータとローミングの両方を必ずオフにしましょう。次に、バックグラウンド通信を制限するデータセーバーをオンにすると、万が一の通信発生時も被害を最小限に抑えられます。
加えて、Google Playストアでアプリの自動更新をオフにし、Googleフォトの自動バックアップも停止しておきましょう。上記を設定しておくと、高額請求のリスクを抑えてWi-Fiを利用できます。
海外到着後、スマホを使用する際もWi-Fi設定が必要です。
ここでは、持参したレンタルWi-Fiルーターや、空港・ホテルで提供されているフリーWi-Fiにスマートフォンを接続する手順を解説します。操作は日本国内でWi-Fiにつなぐ場合とほとんど同じで、決して難しいものではありません。
iPhoneとAndroidそれぞれの設定方法を解説します。
海外到着後、最も安全にWi-Fiへ接続するには機内モードを活用しましょう。まず、コントロールセンターで機内モードをオンにします。次に、機内モードはオンのまま、Wi-Fiのアイコンだけをタップしてオンに切り替えます。
続いて、設定アプリからWi-Fiを開き、利用したいネットワーク名(SSID)を選択してパスワードを入力しましょう。
もし空港やホテルのログイン画面が自動で表示されない場合は、Safariなどのブラウザで任意のWebサイト(例:http://example.com など暗号化されていないサイト)を開くと、認証画面が表示されることがあります。
海外でAndroidスマホを安全にWi-Fiに接続する場合にも、機内モードの活用が確実です。クイック設定パネルから機内モードをオンにした後、Wi-Fiアイコンをタップして有効化しましょう。
次に、設定からネットワークとインターネットへ進み、接続したいWi-Fiを選びパスワードを入力します。
ログイン画面が出ない場合は、Wi-Fi設定の詳細画面でプライバシー項目を確認しましょう。「ランダムなMACを使用」になっていると認証に失敗することがあるため、「デバイスのMACを使用」に切り替えると接続できる場合があります。
無事に日本へ帰国したら、スマホの設定を国内で利用する状態に戻しましょう。海外滞在中にオフにしていたモバイルデータ通信や各種の自動機能を再び有効にすることで、日本国内でいつも通り快適にスマホが使えるようになります。
以下では、iPhoneとAndroidそれぞれの端末で、帰国後のWi-Fi設定の戻し方を解説します。
帰国後は、設定からモバイル通信を開き、モバイルデータ通信をオンにします。次に、同じ画面の一番下にあるWi-Fiアシストもオンに戻してください。
また、渡航前にオフにした場合は、設定内のiCloudやApp Storeで、写真の同期やアプリの自動アップデート機能も忘れずにオンへ切り替えましょう。設定を元に戻すことで、いつものようにiPhoneを利用できます。
帰国したら、設定からネットワークとインターネットに進み、モバイルデータをオンに戻しましょう。海外滞在中にオンにしたデータセーバーもオフに切り替えてください。
次に、Google Playストアの設定を開き、アプリの自動更新をWi-Fi経由のみなど、普段利用する状態に戻します。Googleフォトの自動バックアップも忘れずに再開しましょう。

海外旅行や出張先でパソコンを使用する場合は、海外でのインターネット接続方法を知っておく必要があります。空港やホテルのWi-Fiに接続する際、設定方法に戸惑うこともあるかもしれません。
WindowsとMac、お使いのパソコンのOSに合わせた接続手順を事前に把握しておけば、現地で慌てることなくスムーズにインターネットを利用できます。
以下では、WindowsとMacの場合に応じて、Wi-Fiの設定方法を紹介します。
海外でWindowsパソコンのデータ通信量を節約するには、ネットワーク設定を従量制課金接続へ変更することが重要です。設定は、OSの自動アップデートやアプリのバックグラウンド同期などの意図しないデータ消費を抑制してくれます。
データ容量に上限があるレンタルWi-Fiなどでは、予期せぬ通信量の超過を防ぐために必要な設定です。設定方法は、「設定」から「ネットワークとインターネット」、「Wi-Fi」へ進み、接続しているネットワークのプロパティ画面で従量制課金接続をオンにするだけです。
また、OneDriveなどのクラウド同期も手動で一時停止すると、さらに通信量を賢く管理できます。
MacBookを海外のWi-Fiで利用する場合、効果的なデータ節約方法は省データモードを有効にすることです。省データモードをオンにすると、OSの自動アップデートやiCloudへの写真同期などの、意図しないバックグラウンド通信を自動で抑制してくれます。
正しく設定しておけば、レンタルWi-Fiなどの限られたデータ容量を守り、必要な通信に帯域を確保できます。設定はシステム設定からWi-Fiを開き、接続中のネットワークの詳細画面で省データモードをオンにするだけです。
Dropboxを含むクラウドサービスも手動で同期を止めておきましょう。

海外の空港やホテル、カフェなどで提供されるフリーWi-Fiは、旅行者にとって便利な通信手段です。しかし、誰でも簡単に接続できる手軽さの裏には、以下のような落とし穴が潜んでいます。
安全にインターネットを利用するためにも、以下では各注意点を確認しましょう。
海外のフリーWi-Fi利用は、情報漏えいのリスクがあるため注意が必要です。
鍵マークのない暗号化されていないWi-Fiは、通信内容が第三者に筒抜けになるため、IDやパスワード、カード情報が盗まれるリスクがあります。さらに、本物のWi-Fiになりすました偽アクセスポイントに接続すると、通信のすべてが攻撃者に傍受されてしまうおそれがあります。
情報漏えいのリスクを低減するには、通信全体を暗号化するVPNの利用が効果的です。海外でフリーWi-Fiに接続する際は、VPNをオンにする習慣をつけましょう。
海外のフリーWi-Fiは、通信速度が遅い場合があります。
通信速度が遅くなる原因は、空港やホテルなどの場所で多くの人が同時に接続し、回線が混雑することです。ひとつのアクセスポイントに接続が集中すると、ひとりあたりが利用できるデータ量が減少し、結果として速度が低下するためです。
また、設置されているWi-Fiルーターの性能が低いことや、建物内の他の電波との干渉も速度低下を招く要因となります。快適な通信を期待していても、実際には動画の読み込みが遅かったり、Webページの表示に時間がかかったりすることがあるため注意が必要です。
フリーWi-Fiの利用は、ウイルス感染のリスクがあるため要注意です。
悪意のある第三者が設置した偽のWi-Fiスポットに接続してしまうと、端末の脆弱性を突かれて不正なプログラムを送り込まれる可能性があります。また、偽の警告画面を表示し、「ウイルスに感染した」と騙して不正なアプリをダウンロードさせる手口も珍しくありません。
対策として、OSやアプリは常に最新の状態に保ち、セキュリティソフトを導入することが効果的です。さらに、安易なポップアップをクリックせず、提供元不明のファイルをダウンロードしないなど、基本的な自衛策を徹底しましょう。
フリーWi-Fiは、特定の施設内など利用できるエリアが限られます。そのため、カフェで調べ物をしていても、店を出た瞬間に接続が切れ、地図アプリが使えなくなることもあります。
弱点を補うには、アプリのオフライン機能の活用がおすすめです。Googleマップでは、指定したエリアの地図を事前にダウンロードしておくことで、ネット環境がない場所でもナビゲーションを利用できます。
同様に、翻訳アプリも辞書データを端末に保存しておけば、いつでもどこでも使用可能です。

海外旅行や出張先でのインターネット接続方法の選択肢のひとつとして、人気のポケットWi-Fiレンタルですが、便利な点だけでなく注意すべき点もいくつかあります。
自身の渡航スタイルに最適な通信手段を選ぶには、まずは具体的なメリットとデメリットを把握していきましょう。
以下では、海外ポケットWi-Fiを使うメリットとデメリットをそれぞれ解説します。
海外でのポケットWi-Fiの利用は、データローミングの高額請求や、フリーWi-Fiのセキュリティといった心配事を解消し、手軽で安全な通信を実現します。具体的には、主に以下の4つのメリットが挙げられます。
パスワードで保護された自分専用の回線のため、公衆Wi-Fiに比べて情報漏洩のリスクが低く、安全性が格段に向上します。現地での設定も電源を入れてパスワードを入力するだけと簡単です。
さらに、1台で複数のデバイスを同時に接続できるため、友人とのシェアや、出張でPCとスマホを併用する際にも便利です。料金も1日単位の定額制がほとんどで、予期せぬ高額請求の心配なく、インターネットを利用できます。
海外でのポケットWi-Fi利用は手軽かつ便利ですが、デメリットもあります。具体的には、以下のような注意点が挙げられます。
上記のように、スマホとは別に常にルーターを持ち運ぶ必要があり、行動の際に少し手間がかかるかもしれません。さらに、レンタル品であるため、万が一の紛失や破損の際には高額な違約金が発生するリスクも伴うことにも注意が必要です。

レンタルWi-Fiは海外での通信手段として便利ですが、唯一の選択肢ではありません。渡航スタイルや予算に応じて、以下の選択肢から最適なものを選べます。
以下では、海外で便利なインターネット接続方法をそれぞれ解説します。
海外旅行のネット接続はeSIMが便利で、Wi-Fiルーターのようにレンタル・返却や充電の手間がなく簡単に利用できます。
eSIMはスマホに内蔵されたデジタルのSIMのため、物理的なカードの差し替えは不要です。オンラインでプランを購入後、QRコードを読み込むだけで簡単に設定が完了します。日本出発前に準備を済ませれば、現地到着後すぐにインターネット通信を開始できる手軽さが大きな魅力といえるでしょう。
主にWi-Fiを利用する方でも、通信が不安定な際の保険として少量のプランを契約しておくのも安心材料になります。
関連記事:海外旅行はeSIMがおすすめ!メリット・デメリットや利用手順を紹介
海外での通信費を安く抑えたい、とくに長期滞在やデータ通信を多く使う方には、現地の物理SIMカードがおすすめです。
渡航先の通信会社が提供するプリペイド式のため、データ容量あたりの価格が他の手段より安くなる傾向にあります。利用にはスマホのSIMロック解除が必須ですが、eSIM非対応の機種でも使えることは大きなメリットといえるでしょう。
現地での購入や物理SIMカードの入れ替え、元のカードの保管などの手間はかかりますが、コストを最優先するなら魅力的な選択肢です。
関連記事:物理SIMカードとは?仕組み・対応端末・メリット・設定方法まで解説
海外ローミングは、設定が簡単で手軽な方法です。スマホのデータローミングをオンにするだけで、物理SIMカードの交換やWi-Fiルーターをレンタルすることなく通信を開始できます。
日本の電話番号をそのまま使えるため、緊急時の連絡やSMS認証が必要な場合にも便利です。しかし、各携帯会社が提供する海外向け定額プランに申し込まずに利用すると、通信量に応じて料金が加算され、高額請求の原因となるため注意が必要です。
手軽さを優先する方には便利な選択肢ですが、渡航前のプラン申し込みは必ず行いましょう。

本記事では、海外で安全かつ快適にインターネットを利用するためのWi-Fi設定から、フリーWi-Fiの注意点、ポケットWi-FiやeSIMなどの接続手段までを解説しました。
海外でのネット接続には、手軽な海外ローミングや安価な物理SIMカード、安全なポケットWi-Fiなどの選択肢がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。
中でも、手軽さ・コスト・安全性のバランスを重視するなら「eSIM」がおすすめです。Wi-Fiルーターのように荷物が増えず、オンラインで手軽に準備ができます。
もしeSIMの設定や海外での利用に不安があるなら、eSIMサービス「トリファ(trifa)」を検討してみてはいかがでしょうか。アプリで簡単に設定でき、24時間日本語のサポートも受けられるため、はじめての方でも安心です。
ぜひ本記事を参考に自分に合った通信手段を用意して、スマートな海外渡航を実現しましょう。
ライター
トリファ編集部
海外旅行の際に知っておくと良い情報や、通信に関する疑問点を解消できる情報を提供させていただきます。皆様の海外渡航がより良いものになるための手助けとなれればと思います。