ピラミッドやスフィンクス、王家の谷など世界有数の歴史遺産が集まるエジプトは、一生に一度は訪れたい憧れの旅行先です。一方で、「治安は大丈夫なの?」「女性一人でも行ける?」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 結論からいえば、訪れる地域を選んで基本的な防犯対策を取っていれば、エジプト旅行は十分に安全に楽しめます。観光の中心となる大カイロ都市圏やルクソール、アスワンは外務省の危険レベルで「レベル1:十分注意してください」に分類されています。 ただし、シナイ半島の北部やリビア国境地帯はレベル3(渡航中止勧告)が出ており、観光ルートからは外す必要があります。また、観光地ではスリやぼったくり、しつこい客引き、ラクダ乗りでの料金トラブルといった軽犯罪が頻発しているため、手口を事前に知っておくことが大切です。 この記事では、エジプトの最新の治安情報をエリア別に整理し、よくある詐欺・犯罪の手口と対策、女性旅行者が気をつけるべきポイント、緊急時の連絡先まで網羅的に解説します。
目次

エジプト旅行を計画するうえで、まず確認しておきたいのが日本の外務省が発表している危険情報です。地域によって危険レベルが大きく異なるため、訪問先の状況を事前に把握しておきましょう。
エジプトは地域ごとに危険レベルが大きく分かれている国です。観光の中心となる大カイロ都市圏、ルクソール、アスワン、紅海沿岸のリゾート地などは「レベル1:十分注意してください」に指定されており、通常の旅行が可能な水準です。
一方で、北シナイ県、南シナイ県(ダハブからシャルム・エル・シェイクまでの沿岸地域を除く)、リビア国境地帯は「レベル3:渡航は止めてください」が発出されています。これらの地域は観光ルートに含まれないため、通常のエジプト旅行で訪れることはありませんが、誤って近づかないよう注意してください。
また、西部および南部の砂漠地帯の一部は「レベル2:不要不急の渡航は止めてください」に指定されています。砂漠ツアーに参加する場合は、ツアー会社が提示するルートが安全な地域を通っているかを必ず確認しましょう。
エジプトで観光客が巻き込まれやすい犯罪は、ほとんどがスリ・ひったくり・ぼったくり・しつこい客引きといった軽犯罪です。暴力を伴う強盗や凶悪犯罪に観光客が遭うケースは少なく、基本的な対策を取っていれば身体的な危険は限定的といえます。
とくにギザのピラミッド周辺、エジプト考古学博物館付近、ハン・ハリーリ市場、カイロの地下鉄やバス車内など、観光客が集中する場所では各種詐欺が報告されています。手口を知っているかどうかで被害の確率は大きく変わります。
シナイ半島ではエジプト政府によるテロリスト掃討作戦が続いており、軍や治安当局を標的とした攻撃が断続的に発生しています。観光客が直接巻き込まれるケースはまれですが、北シナイ県への立ち入りは避けるべきです。
また、中東情勢の影響でエジプト国内でも一部で抗議デモが発生する場合があります。観光客は政治集会・デモが行われている場所には近づかず、現地のニュースに注意を払いながら行動しましょう。
エジプトはエリアによって雰囲気や治安リスクが大きく異なります。観光で訪れる主要エリアを中心に、安全度と注意点を整理します。
大カイロ都市圏は外務省危険レベル1で、エジプト観光の起点となるエリアです。日中の主要観光地周辺は警察や観光警察の巡回も多く、基本的な防犯対策を取っていれば安全に観光できます。
ただし、ギザのピラミッド周辺、エジプト考古学博物館、ハン・ハリーリ市場などの観光名所では、しつこい客引きや自称ガイド、ラクダ乗りでのぼったくりが頻発します。明確に断る姿勢を持ち、料金交渉が必要なサービスは事前に金額と通貨を必ず確認してください。
夜間の繁華街やイスラム地区の路地裏など、人通りが少ない場所は避けましょう。ホテルとレストランの行き来は、流しのタクシーではなくUberなどの配車アプリを利用するのが安心です。
ルクソールやアスワンは王家の谷、カルナック神殿、アブシンベル神殿など見どころが集中する人気の観光地です。両都市とも危険レベル1で、観光客への治安は比較的安定しています。
ただし、観光客に対する物売りや客引きはカイロ以上にしつこい場合があります。「無料で見せてあげる」「写真を撮ってあげる」と話しかけてくる人物には注意し、不要な場合ははっきり断ってください。後からチップを要求されるケースが多発しています。
ナイル川クルーズや個人手配のツアーを利用する場合は、信頼できる旅行会社や正規ライセンスを持つガイドを選ぶことが安全な旅の鍵となります。
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紅海沿岸のリゾート地は観光客向けのインフラが整っており、エジプトの中でも比較的落ち着いた雰囲気のエリアです。ダイビングやシュノーケリングを目的にした訪日客にも人気があります。
シャルム・エル・シェイクとダハブは南シナイ県内ですが、沿岸の観光エリアはレベル3指定の対象外でレベル1扱いとなっています。リゾート敷地内は安全管理が徹底されているため、ホテル滞在中のトラブルはほとんどありません。
ただし、リゾートエリア外への移動や砂漠ツアーは、ホテルが手配する正規のツアーを利用してください。シナイ半島内陸部への単独行動は危険です。
以下のエリアは観光ルートから外れた場所であり、治安リスクが高いため立ち入りを避けてください。
北シナイ県とリビア国境地帯は外務省レベル3が発出されており、観光目的での渡航は中止すべきです。南シナイ県の内陸部もテロ掃討作戦が継続中で、安全が保証されません。西部砂漠の一部地域もレベル2が出ているため、訪れる場合はツアー会社のルート確認が必須です。
また、カイロ市内でも夜間の人通りが少ない地区や、デモ・集会が行われている広場周辺は近寄らないようにしましょう。
エジプトで観光客が遭遇しやすいトラブルには、いくつかの典型的なパターンがあります。事前に手口を把握しておけば冷静に対処できます。
スリはカイロの地下鉄、バス、ハン・ハリーリ市場、観光名所の入口など人混みが発生する場所で多発します。混雑時にぶつかるふりをして近づき、ポケットやバッグから財布・スマートフォンを抜き取るのが典型的な手口です。
対策として、バッグはファスナー付きのものを体の前で持ちましょう。パスポートや大量の現金はホテルのセーフティボックスに預け、外出時は必要分だけを身につけてください。スマートフォンを後ろポケットに入れたまま歩くのは避け、撮影後はすぐにバッグの中にしまう習慣を意識しましょう。
バスや地下鉄の乗降時、観光名所での自撮り中など、注意がそれやすい瞬間は特に狙われやすいタイミングです。
流しのタクシーやトゥクトゥクでは、メーターを使わずに目的地到着後に法外な料金を請求されるケースが多発しています。とくに空港や観光名所の出口で客待ちしているタクシーは、観光客向けの相場を吹っかけてくる傾向があります。
最も有効な対策は配車アプリ「Uber」や「Careem」を使うことです。アプリを使えば事前にルートと料金が表示され、ドライバーの評価も確認できます。クレジットカードを事前登録しておけば、車内での現金トラブルも避けられます。
どうしても流しのタクシーを利用する必要がある場合は、乗車前に行き先と料金を必ず合意してから乗車してください。料金の単位がエジプトポンドかドルかも、口頭で確認しておくと安心です。
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ギザのピラミッドエリアでは、ラクダ乗りに関するトラブルが旅行者から多く報告されています。「安いから乗っていけ」と勧誘され、乗った後に「降りたければ追加料金を払え」と高額を請求される手口が代表的です。
また、「もっと景色のいい場所に連れて行く」と言って遠くまで連れて行かれ、戻りに高額を請求されるパターンや、最初の交渉価格と全く違う通貨(ドル建て)で請求されるケースもあります。
ラクダ乗りを楽しみたい場合は、ホテルや旅行会社が手配する正規のツアーに申し込むのが最も安全です。現地で交渉する場合は、料金・通貨・所要時間・コースを乗る前に紙に書いて合意しておきましょう。
ピラミッド周辺では「写真を撮ってあげる」と近づき、撮影後にチップを強く要求してくる人物もいます。原則として知らない人にスマートフォンを渡さない、声かけにはきっぱり断る姿勢が重要です。
観光名所の入口では、正規ガイドを装った人物が「無料で案内する」「ここは閉まっている、別の入口に案内する」などと話しかけてきます。簡単な説明を一方的にされた後でチップや高額の案内料を要求される手口です。
対策として、入場券や正規ガイドの手配は公式窓口かホテル・旅行会社経由で行ってください。声をかけられた場合は「No, thank you」と明確に断り、目を合わせずにそのまま通り過ぎるのが効果的です。
ハン・ハリーリ市場などのバザールでは、店内に入ると強引に商品を勧められることがあります。値段交渉する気がない場合は店内に入らず、入った場合でも「考えます」と伝えて店を離れる勇気を持ちましょう。

エジプトはイスラム教徒が大多数を占める国であり、女性の旅行者は文化的な配慮が必要な場面があります。事前に押さえておくべきポイントをまとめます。
エジプトでは観光客にヒジャブの着用は求められませんが、肌の露出が多い服装は避けた方が無用なトラブルを防げます。具体的には、肩・胸元・膝が隠れる服装が無難で、薄手のロングカーディガンやマキシスカートが使いやすいです。
モスクを訪問する際は、女性は髪をスカーフで覆い、肩と膝が隠れる服装が必要です。入口で貸し出し用のスカーフが置かれているモスクもありますが、自分で1枚持参しておくと安心です。
リゾート地のホテル敷地内やビーチでは水着や露出の多い服装も問題ありませんが、市街地への外出時は現地の服装基準に合わせるのが賢明です。
カイロの地下鉄には女性専用車両があり、ラッシュ時の利用ではこちらを選ぶと安心です。編成中央の4両目・5両目が女性専用車両となっており(5両目は21時以降は男女共用に切り替わります)、ホームのピンクまたは青の表示を確認して乗車してください。
夜間の単独行動は人通りの多いメインストリートに限定し、裏通りや暗い路地は避けましょう。移動にはUberやCareemなどの配車アプリを活用し、流しのタクシーは使わないようにしてください。ホテル送迎付きのツアーや観光車両を利用するのも、安全度を高める有効な方法です。
エジプトでは女性旅行者へのしつこい声かけや、地下鉄・バス内での身体的接触が報告されています。被害に遭わないためには、目を合わせず歩く・はっきりと拒否の意思を示す・近くの店舗や警察に助けを求めるといった対応が有効です。
アラビア語で「ハラース(やめて)」「イムシ(あっち行け)」と言えると、現地で意思を伝えやすくなります。万が一被害に遭った場合は、観光警察(126)や近くの警察官に通報してください。
クラブやバーで知らない人物から飲み物を勧められた場合、絶対に受け取らないようにしましょう。混入物による被害事例が報告されています。
万が一トラブルに遭った場合に備えて、緊急連絡先と事前の準備を確認しておきましょう。
エジプトでは事案ごとに緊急通報番号が分かれています。観光客が利用する場面が多いのは、観光警察の126番です。観光警察は外国人対応に慣れており、英語で対応してもらえる可能性が高くなっています。
連絡先 | 電話番号 |
|---|---|
警察 | 122 |
観光警察 | 126 |
救急 | 123 |
消防 | 180 |
オペレーターはアラビア語のみの場合もあるため、英語で簡単な状況説明(場所・被害内容)を伝えられるよう準備しておくと安心です。被害場所の住所やランドマークをスマートフォンで撮影しておくと、伝達がスムーズになります。
パスポートの紛失・盗難、犯罪被害、事故などに遭った場合は、在エジプト日本国大使館に連絡しましょう。日本語で対応してもらえます。
項目 | 詳細 |
|---|---|
在エジプト日本国大使館 | TEL: (02) 2528-5910(エジプト国外からは +20-2-2528-5910) |
所在地 | 81 Corniche El-Nil, Maadi, Cairo |
管轄 | エジプト全土 |
閉館時間や週末でも緊急時の電話対応窓口があります。出発前に電話番号と住所をスマートフォンに登録しておきましょう。
安全なエジプト旅行のために、出発前に次の準備を整えておくことをおすすめします。
まず、外務省の「たびレジ」に登録しておきましょう。現地の安全情報や緊急時のお知らせがメールで届くため、最新の治安状況を把握できます。
次に、海外旅行保険への加入は必須です。盗難・傷害・病気に対する補償に加え、24時間日本語サポートが受けられる保険を選んでおくと、トラブル時の対応がスムーズになります。
また、エジプトに入国するには事前にビザが必要です。日本人はオンラインで申請できる「e-Visa」、現地空港での到着ビザ(アライバルビザ)、事前の大使館申請のいずれかを利用できます。パスポートの残存有効期間は入国時に6か月以上必要なため、有効期限を必ず確認してください。
パスポートのコピーやクレジットカード会社の緊急連絡先は、スマートフォンとは別に紙でも持っておくと、スマートフォンを盗まれた際に役立ちます。海外旅行中の通信手段として、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」を出発前にインストールしておけば、現地到着後すぐにマップ・配車アプリ・翻訳アプリを使えるため、見知らぬ土地でも安心して行動できます。
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エジプトは訪れる地域を選び、基本的な防犯対策を取っていれば、ピラミッドや王家の谷といった世界有数の歴史遺産を安全に楽しめる旅行先です。観光の中心となる大カイロ都市圏、ルクソール、アスワン、紅海沿岸はいずれも外務省危険レベル1で、通常の旅行が可能です。
スリ・ぼったくり・ラクダ乗りでのトラブル・自称ガイドの客引きには、事前の知識と備えが何より有効です。貴重品は体の前のバッグで管理し、見知らぬ人からの誘いには毅然と断る姿勢を持ち、移動手段は信頼できるサービスを選びましょう。
安全な旅行には、現地での通信環境の確保も欠かせません。地図アプリで安全なルートを確認したり、配車アプリでタクシートラブルを避けたり、緊急時に大使館へ連絡したりするためにも、スマートフォンがいつでも使える状態にしておくことが大切です。
トリファ(trifa)なら、アプリから簡単にエジプト対応のeSIMを購入でき、現地到着後すぐにインターネットへ接続できます。SIMカードの差し替えも不要で、出発前に設定を済ませておけば空港に着いた瞬間から使えるため、初めてのエジプト旅行でも安心です。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。