シンガポールは世界トップクラスの治安の良さで知られる国です。家族旅行や女性のひとり旅でも安心して訪れやすく、外務省の海外安全情報でも危険レベルは発出されていません。 ただし「治安が良い=何をしても安全」というわけではありません。シンガポールは厳しい法律と高額な罰金で秩序が保たれている「罰金大国」でもあり、知らずに行った行為で多額の罰金を科される事例があります。観光客を狙ったスリや詐欺も増加傾向にあります。 この記事では、シンガポールの最新治安データ、注意すべきエリア、観光客が遭いやすい犯罪、知らないと危険な法律と罰金、緊急時の連絡先までを網羅的に解説します。 旅行前に押さえておきたい安全対策のポイントが一通り把握できる内容です。
目次

シンガポールはアジアの中でもとくに治安が良い国として知られています。外務省の海外安全情報では危険レベルが発出されておらず、第三者機関の指数でも世界上位の安全度を維持しています。
まずは公的な指標から、シンガポールの治安の良さを客観的に確認していきます。
シンガポール全土に対して、外務省の危険情報は発出されていません。レベル1〜4のいずれにも該当せず、最新の安全対策基礎データでも観光やビジネスでの渡航に特別な制限はありません。
一方で、市内のレストラン、ショッピングセンター、路上、空港等で置き引きやスリが発生していると注意喚起されています。日本人旅行者がパスポートや金品の盗難被害に遭った事例も報告されているため、油断は禁物です。
世界トップレベルの安全国でも、観光地に限定した軽犯罪は一定数発生していると理解しておきましょう。
第三者機関の代表的な指数であるNumbeoでは、シンガポールの2026年5月時点の犯罪指数は22.32、安全指数は77.68です。安全指数は0〜100のスケールで、100に近いほど安全とされます。
この数値は、犯罪指数47.1のイギリスや50.9のアメリカなど、主要な欧米諸国を大きく上回る水準です。アジア太平洋地域でも上位に位置しています。
統計上の指標と肌感覚の両方で、シンガポールは滞在しやすい国だといえます。
シンガポールが高い治安水準を維持できている背景には、徹底した法執行と社会インフラがあります。罰金や刑罰が重く、軽微な違反でも例外なく取り締まられるため、犯罪の抑止力が強く働いています。
街頭や駅、商業施設の至るところに監視カメラが設置されており、犯罪の発覚と検挙率の高さも特徴です。教育水準・所得水準が高く、生活困窮を理由とした凶悪犯罪が起きにくい構造になっています。
旅行者にとってもこの仕組みはメリットですが、同時に「自分も法律の対象である」と理解しておく必要があります。
シンガポール全体は治安が良いものの、エリアによってリスクの傾向は異なります。とくに夜間や週末に注意が必要なエリアを把握しておきましょう。
以下のエリアは、観光や食事で訪れる機会が多い一方で、トラブルの発生事例も報告されています。
ゲイラン地区は、シンガポールで唯一公認の風俗営業エリアを含む地域です。日中は屋台街や中華系飲食店で賑わいますが、夜になると客引きや酔客が目立ち、過去には違法賭博や薬物がらみのトラブルも発生しています。
2013年12月には隣接するリトル・インディアで44年ぶりとなる暴動が発生し、その後ゲイランも併せて飲酒規制強化(Liquor Control Zone)の対象に指定された経緯があります。観光目的で訪れる必要性は高くないため、夜間は近づかないのが無難です。
滞在先としてホテルを選ぶ際も、ゲイラン地区は避けて中心部の主要観光エリアに宿を取ることをおすすめします。
リトルインディアは、インド系コミュニティの拠点として独特の文化や食を楽しめる人気エリアです。日中の観光は基本的に問題ありませんが、日曜日や祝日の夕方〜夜にかけて多くの労働者が集まり、雰囲気が一変します。
人混みの中ではスリやひったくり、置き引きの被害が発生しやすく、女性のひとり歩きは推奨されません。観光は日が暮れる前に切り上げるのが安全です。
リュックは前に抱えるか、ファスナー付きのショルダーバッグを胸の前で持つようにしましょう。
チャイナタウンやオーチャード・ロード周辺は、観光客が集中する繁華街です。とくに旧正月などイベント時には人混みが激しくなり、スリや置き引きが発生しやすい状況になります。
レストランやカフェで椅子の背もたれにかけたバッグや、足元に置いた荷物が盗まれる被害も報告されています。
貴重品は身に付けたまま離さない、テーブルから死角になる位置に置かない、を徹底するだけでも被害は大きく減らせます。
シンガポールで観光客が遭遇しやすい犯罪は、凶悪犯罪よりも軽犯罪と詐欺が中心です。手口を知っておけば、ほとんどは未然に防げます。
ここでは、近年とくに被害が報告されている代表的な犯罪を整理します。
シンガポール警察の統計でも、スリ・万引きを含む財産犯罪は犯罪全体のなかで一定の割合を占めています。とくにマーケット、屋台街、観光地、空港など、人の出入りが多い場所で発生しやすい傾向があります。
日本人旅行者がパスポートや財布、スマートフォンなどを盗まれた事例が在外公館にも報告されています。空港やホテルのロビーなど、油断しがちな場所こそ要注意です。
バッグは常に体の前で持ち、必要以上の現金は持ち歩かないようにしましょう。
シンガポール警察は、近年MRT車内やエスカレーターでの公然わいせつや盗撮事件の増加を発表しています。混雑した車内では密着が避けられず、被害に気付きにくいケースもあります。
女性は混雑時のMRTでなるべく壁を背にして立つ、エスカレーターでは前後に距離を取るなどの対策が有効です。被害に遭った場合は、すぐ最寄り駅のスタッフや警察(999)に通報してください。
スマートフォンを構えた不審な動きを見かけた場合も、声を上げて周囲の注意を引くことで抑止につながります。
シンガポール警察によると、詐欺は通報される犯罪の半数以上を占める最大の犯罪類型で、2025年上半期だけで19,665件・被害額S$4.56億の被害が報告されています。観光客が直接巻き込まれやすいのは、買い物詐欺・電話詐欺・タクシー詐欺の3つです。
空港やホテル前で「安く市内まで送る」と声をかけてくる白タクは、メーターを使わず高額請求するケースがあります。配車アプリのGrabか、正規のタクシースタンドを利用するのが最も安全です。
買い物では、「特別価格」「日本人だけのサービス」と強引に誘導してくる店舗には注意しましょう。GIA等の鑑別書がない宝石類の購入はとくにリスクが高いとされています。

シンガポールは「Fine City」と呼ばれるほど罰金が厳格な国です。「Fine」には「素晴らしい」と「罰金」の二つの意味がかけられており、観光客が知らずに行った行為で高額罰金や拘留に至る事例も報告されています。
旅行前に押さえておきたい主要な禁止行為と罰則は次のとおりです。
シンガポールではチューインガムの輸入・販売が原則禁止されています。歯科治療用や禁煙補助用のニコチンガムなど一部例外を除き、観光客が持ち込んだ場合も罰金の対象です。違反者には最大1万シンガポールドル(約110万円)の罰金が科される可能性があります。
さらに、電子タバコ(VAPE)と加熱式タバコは持ち込み・所持・使用がすべて禁止されています。空港の入国前・出国後エリアも国内とみなされ、手荷物検査で発見された場合は警察通報の対象です。
2025年9月から罰則が強化され、罰金や禁固刑、再入国拒否の可能性まで踏み込まれました。在シンガポール日本国大使館も渡航前の処分・廃棄を強く呼びかけています。
軽微に見える行為も、シンガポールでは厳しく罰せられます。ポイ捨ては初犯で最大2,000シンガポールドル、2回目で最大4,000シンガポールドル、3回目以降は最大10,000シンガポールドルの罰金が科され、加えて蛍光色のベストを着て街を清掃する「Corrective Work Order」の対象になることがあります。
喫煙は指定された喫煙所以外で行うと最大1,000シンガポールドルの罰金、吸い殻のポイ捨ても罰金対象です。MRTや駅構内、バス車内での飲食は500シンガポールドル以下の罰金になります。
ミネラルウォーター1本程度でも対象になる可能性があるため、車内・駅構内では飲食を避けるのが鉄則です。
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シンガポールは世界で最も麻薬犯罪に厳しい国の一つです。Misuse of Drugs Actにより、ヘロイン15g以上、大麻500g以上の密輸は法定刑として死刑が科されます。
2024年には8件、2025年には15件の薬物犯罪に対する死刑執行が行われています。2026年4月にも、約1,009gの大麻を持ち込んだ男性に死刑が執行されました。
観光客であっても法律は同じく適用されるため、CBD製品を含め、麻薬として規制される成分を含む製品は絶対に持ち込まないでください。
シンガポールでは22:30〜翌7:00の公共の場での飲酒が禁止されています。違反すると初犯で1,000シンガポールドル、再犯で2,000シンガポールドルの罰金が科される可能性があります。
横断歩道から50m以内での無断横断(ジェイウォーク)も罰金対象で、初犯で50シンガポールドル、再犯で最大1,000シンガポールドルや禁固刑が科されることもあります。公共トイレでの水を流し忘れる行為や唾を吐く行為も罰金対象です。
知らずに違反するケースが多いため、ガイドブックや在外公館の情報で事前に主要な禁止行為を確認しておきましょう。
シンガポール電子入国カードの申請方法|SGACの書き方と入国手順
治安の良いシンガポールでも、最低限の防犯対策をしておくことで安心感が大きく変わります。とくに緊急連絡先は、出発前にスマートフォンに保存しておきましょう。
ここでは、現地でそのまま実践できる対策と、いざというときの連絡先をまとめます。
スリや置き引きの被害を防ぐ最も効果的な方法は、そもそも狙われる金額を持ち歩かないことです。多額の現金やパスポート原本はホテルのセーフティボックスに預け、外出時はクレジットカードと最低限の現金だけ持つようにしましょう。
バッグはファスナー付きで、ショルダーで体の前に持てるタイプが安全です。リュックは混雑した場所では前に抱えると、スリのリスクを大幅に減らせます。
スマートフォンも防犯対策の対象です。テーブルに置きっぱなしにせず、決済時以外はバッグの中にしまっておきましょう。
宿泊先は、オーチャード・ロードやマリーナ・ベイ、ブギスといった観光客に人気のエリアを選ぶと、夜間の移動も安心です。前述のゲイラン地区周辺の安価なホテルは、料金面のメリットがあっても夜の街並みのリスクを考慮するとおすすめできません。
移動はMRTやバスといった公共交通が中心となり、いずれも清潔で安全です。深夜帯の移動はMRTかGrabの利用に絞り、空港やホテル前で声をかけてくる白タクの利用は避けてください。
配車アプリは利用時に車両ナンバーとドライバー名が表示されるため、家族や同行者に共有しておくとさらに安心です。
万が一の事態に備えて、以下の連絡先をスマートフォンに保存しておきましょう。海外でも電話を受発信できる通信手段を確保しておくことが、緊急時の生命線になります。
連絡先 | 番号・URL |
|---|---|
警察(緊急) | 999 |
救急・消防 | 995 |
詐欺被害ホットライン(ScamShield) | 1799 |
在シンガポール日本国大使館 | +65-6235-8855 |
外務省 海外安全ホームページ | https://www.anzen.mofa.go.jp/ |
在シンガポール日本国大使館は、パスポートの紛失・盗難、事件・事故への巻き込まれ、入院など重大な事態の際にサポートを受けられます。営業時間外でも代表電話で緊急対応の案内が受けられるため、まずはここに連絡してください。
シンガポールのWiFi事情!eSIM・SIM・レンタルWiFiを徹底比較

海外で安心して過ごすには、現地で安定して使えるネット環境が欠かせません。緊急時の警察・大使館への連絡、地図アプリでの移動、配車アプリでの安全な移動手段の確保、すべて通信があってこそ実現できます。
トリファは、海外eSIMアプリダウンロード数No.1(2025年4月〜2026年3月、AppTweak調べ、iOS/Android合算)のサービスで、200以上の国・地域に対応する海外eSIMアプリです。スマホひとつで現地到着前にプランを購入でき、QRコードや空港カウンターを探さずにすぐにネットが使えます。
App Storeでも4.6の評価を獲得しており、シンガポールでも高速・安定した通信を利用できるプランが揃っています。家族旅行・女子旅・出張など、シーンに合わせて容量や日数を選べるのもポイントです。
シンガポールのように治安は良くても法律や手続きが厳格な国では、現地情報をすぐ調べられる通信が大きな安心感につながります。空港到着直後から日本と同じ感覚でスマホを使えるトリファで、ストレスのないシンガポール旅行を実現しましょう。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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