シンガポールでは2020年3月に紙の入国カードが廃止され、電子入国カード「SG Arrival Card(SGAC)」のオンライン提出が必須になりました。入国の3日前から申請でき、ICA公式サイトまたはMyICAアプリから無料で手続きできます。 SGACの申請自体は5〜10分ほどで完了しますが、入力項目や申請期限を把握していないと渡航直前に慌てることになりかねません。特にシンガポールが初めての方にとっては、電子化された入国手続きの全体像がつかみにくいでしょう。 この記事では、SGACの基礎知識から申請方法、入力項目の書き方、入国当日の流れ、よくあるトラブルへの対処法まで、シンガポール渡航に必要な情報をわかりやすく解説します。
目次

SG Arrival Card(SGAC)は、シンガポール入国管理局(ICA)が運用する電子入国カードです。以前は機内で配布される紙の入国カードに記入していましたが、現在はオンラインでの事前提出に一本化されています。
ここでは、SGACの概要や対象者、申請期限など、まず押さえておきたい基本事項を紹介します。
SG Arrival Card(SGAC)は、シンガポールに入国するすべての旅行者が提出を求められる電子申告書です。パスポート情報や渡航情報、滞在先の住所、健康状態の申告などを事前にオンラインで登録します。
2020年3月27日に紙の出入国カード(通称「ホワイトカード」)が廃止され、SGACへの電子提出が義務化されました。当初はCOVID-19対策として健康申告を組み込む目的もありましたが、現在は恒久的な入国手続きとして定着しています。
SGACはあくまで入国申告書であり、ビザとは別のものです。日本国籍の方は観光目的で30日以内の滞在であればビザは不要ですが、SGACの提出は必須となります。
SGACの提出が必要なのは、シンガポールに入国するすべての外国人旅行者です。国籍や渡航目的を問わず、観光・ビジネス・トランジットで入国審査を受ける方が対象となります。
一方、以下に該当する方はSGACの提出が免除されます。
トランジットでも入国審査を通過してシンガポール市内に出る場合は、SGACの提出が必要です。乗り継ぎのみで制限エリア内にとどまる方は提出不要と覚えておきましょう。
SGACは、シンガポール到着日を含めて3日前から申請できます。たとえば4月20日に到着する場合、4月18日から申請が可能です。到着日よりも早く申請することはできないため、出発直前に忘れずに手続きしましょう。
SGACの申請は完全に無料です。ICAの公式サイトまたはMyICAアプリから手続きでき、手数料は一切かかりません。
なお、インターネット上にはSGACの代行申請をうたい、数千円〜1万円程度の手数料を請求する非公式サイトが存在します。ICAはこうした商用サービスを推奨しておらず、公式チャネルから無料で申請するのが安全です。
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SGACの申請方法は、ICA公式サイト(Webブラウザ)とMyICAアプリの2通りがあります。まずはパソコンやスマートフォンのブラウザから申請する方法を、入力画面の流れに沿って説明します。
ICAのSGAC申請ページ(https://eservices.ica.gov.sg/sgarrivalcard)にアクセスします。ページを開くと、申請タイプの選択画面が表示されます。
個人で申請する場合は「Individual Submission」を選択してください。家族やグループでまとめて申請する場合は「Group Submission」を選ぶと、最大10名分を一括で入力できます。
申請タイプを選んだら「Foreign Visitor」を選択して次の画面に進みます。シンガポール国民やPR保持者向けの選択肢もありますが、日本からの旅行者は「Foreign Visitor」が該当します。
最初の入力セクションでは、パスポートに記載されている情報を正確に入力します。主な入力項目は以下のとおりです。
項目 | 入力内容 |
|---|---|
Passport Number | パスポート番号 |
Nationality | 国籍(Japanを選択) |
Date of Birth | 生年月日(DD/MM/YYYY形式) |
Full Name | パスポート記載のローマ字氏名 |
Gender | 性別 |
Email Address | メールアドレス(e-Pass受信用) |
生年月日はDD/MM/YYYY(日/月/年)の順で入力します。日本で一般的なYYYY/MM/DD形式とは異なるため、入力ミスに注意してください。1桁の日付には先頭に0を付けます(例:4月5日→05/04/2026)。
メールアドレスは、入国後にe-Pass(電子訪問パス)が送付される宛先になります。確実に受信できるアドレスを入力しましょう。
続いて、渡航に関する情報を入力します。
項目 | 入力内容 |
|---|---|
Arrival Date | シンガポール到着日 |
Mode of Travel | 移動手段(Air / Sea / Land) |
Transport No. | 便名(例:SQ637) |
Last City/Port | 出発地(Tokyo等) |
Address in Singapore | シンガポールでの滞在先住所 |
便名は航空会社コード+数字で入力します。ドロップダウンから航空会社を選択し、フライト番号を入力する形式です。滞在先住所はホテル名と住所を入力してください。
予約確認書がまだ届いていない場合でも、宿泊予定のホテル名で問題ありません。入国審査で宿泊先の予約確認書の提示を求められることは通常ありません。
最後に健康状態の申告画面が表示されます。現在または過去14日以内に発熱や咳などの症状があるかどうかを回答します。該当がなければ「No」を選択して進みます。
入力内容の確認画面で情報に誤りがないかチェックし、「Submit」をクリックすれば申請完了です。登録したメールアドレスに確認メールが届き、PDFファイルが添付されています。
PDFにはSGACのDE番号(Disembarkation/Embarkation番号)とQRコードが記載されています。念のためスマートフォンに保存するか、印刷しておくと安心です。入国審査でPDFの提示を求められることは基本的にありませんが、万一のトラブルに備えて手元に残しておきましょう。
スマートフォンで手軽に申請したい方には、MyICA Mobileアプリの利用がおすすめです。パスポートのスキャン機能やプロフィール保存機能があり、入力の手間を大幅に減らせます。
MyICA MobileはApp Store(iOS)およびGoogle Play(Android)から無料でダウンロードできます。アプリを起動したら「SG Arrival Card」メニューを選択し、申請を開始します。
アプリではアカウント登録なしでも申請可能です。ただし、プロフィール情報を保存しておくと、次回以降の渡航時に個人情報が自動入力されるため、リピーターには特に便利な機能です。
初回利用時はアプリの利用規約への同意と、カメラへのアクセス許可が求められます。パスポートスキャン機能を使う場合はカメラの許可が必要です。
MyICAアプリの大きな特徴は、パスポートの顔写真ページをカメラでスキャンするだけで、氏名・生年月日・パスポート番号などの個人情報が自動入力される点です。手入力の手間が省けるうえ、入力ミスの防止にもつながります。
スキャンがうまくいかない場合は、手動で各項目を入力することも可能です。光の反射やパスポートの汚れが原因でスキャンが失敗することがあるため、明るい場所で試してみてください。
渡航情報(到着日・便名・滞在先住所)と健康申告の入力内容は、ICA公式サイトからの申請と同じです。入力が完了したら内容を確認し、「Submit」をタップして申請を完了させます。
家族や友人と一緒に渡航する場合、MyICAアプリでは「Group Submission」機能を使って最大10名分のSGACをまとめて申請できます。代表者が全員分のパスポート情報を入力し、一括で提出する仕組みです。
子ども連れの旅行では、保護者がまとめて申請できるため便利です。グループ内の全員が同じ便・同じ到着日であることが条件となります。到着日や便名が異なるメンバーがいる場合は、個別に申請してください。
申請完了後の確認メールは、代表者のメールアドレスに届きます。グループ全員分のDE番号が記載されているため、各メンバーに共有しておくとよいでしょう。
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SGACを事前に申請しておけば、入国当日の手続きはスムーズに進みます。チャンギ空港に到着してから入国審査、荷物受け取り、税関通過までの流れを順に見ていきましょう。
2024年5月以降、チャンギ空港ではすべての外国人旅行者が自動化ゲートを利用できるようになりました。日本国籍の方も事前申請なしで自動化ゲートを通過できます。
自動化ゲートの利用手順は以下のとおりです。
1. ゲートにパスポートの顔写真ページをかざす
2. カメラで顔認証と虹彩スキャンを受ける
3. 認証が完了するとゲートが開く
所要時間は1人あたり数十秒程度です。従来の有人カウンターに比べて待ち時間が大幅に短縮されます。自動化ゲートに不慣れな方や、認証がうまくいかない場合は有人カウンターも利用可能です。
なお、パスポートへの入国スタンプ押印は廃止されています。入国許可は電子的に記録され、e-Pass(電子訪問パス)としてメールで届く仕組みです。
入国審査を通過すると、SGACで登録したメールアドレス宛にe-Pass(電子訪問パス)が自動送信されます。e-Passには、以下の情報が記載されています。
日本国籍の観光旅行者には通常30日間の滞在が許可されます。e-Passに記載された滞在期限を必ず確認し、超過滞在にならないよう注意しましょう。
メールが届かない場合は、ICAのe-Pass照会ポータル(https://eservices.ica.gov.sg/)から確認できます。e-Passは入国日から1年間ポータル上で閲覧可能です。
入国審査を通過したら、フライト便名が表示されたターンテーブルで預け入れ荷物を受け取ります。チャンギ空港は4つのターミナルがあるため、到着ターミナルのバゲージクレームに向かってください。
税関では、申告するものがない場合は緑色の「Nothing to Declare」レーンを通過します。申告が必要な物品がある場合は赤色の「Goods to Declare」レーンに進みます。
シンガポールでは以下の物品の持ち込みが禁止されています。
特に電子タバコは所持・使用ともに違法です。日本で一般的に販売されている加熱式タバコも対象となるため、持ち込まないよう注意してください。
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SGACの申請や入国手続きで困りやすいポイントを事前に把握しておけば、トラブルを未然に防げます。ここでは、実際に多い質問やミスへの対処法をまとめました。
SGACの提出を忘れたまま空港に到着しても、その場で申請は可能です。チャンギ空港には無料Wi-Fiが完備されており、スマートフォンからICA公式サイトまたはMyICAアプリにアクセスして手続きできます。
入国審査の手前で気づいた場合は、審査カウンターの係員に「I forgot to submit my SG Arrival Card」と伝えましょう。その場でオンライン申請を案内されます。
ただし、事前に申請しておいた場合に比べて入国審査に時間がかかることがあります。また、スマートフォンのバッテリーが切れていると申請できないため、渡航前の充電は必ず済ませておいてください。
申請完了後に入力ミスに気づいた場合は、ICA公式サイトまたはMyICAアプリから再度申請することで情報を上書きできます。同じパスポート番号で再申請すれば、最新の情報が反映されます。
特に間違えやすいのは、生年月日の日/月の入力順(DD/MM形式)とパスポート番号です。申請完了後に届くPDFの内容を確認し、パスポートの記載と一致しているかチェックしておきましょう。
到着後に健康状態に変化があった場合は、SGACの「Update SGAC」機能から健康申告の内容を修正できます。虚偽の健康申告は感染症法違反となる可能性があるため、正確に申告してください。
申請完了後に確認メールが届かない場合は、まず迷惑メールフォルダを確認してください。ICAからのメールが自動的にフィルタリングされることがあります。
メールアドレスの入力ミスが原因の場合は、正しいアドレスで再申請すれば問題ありません。再申請しても以前の申請情報は上書きされるだけなので、二重登録にはなりません。
どうしてもメールが届かない場合でも、入国審査自体には影響しません。SGACの情報はICAのシステムに登録されているため、パスポートを提示すれば入国審査を受けられます。確認メールのPDFは入国時に提示が必須ではないことを覚えておきましょう。
なお、渡航先でSGACの修正や観光情報の検索を行うには、現地での通信手段が不可欠です。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」なら、出発前にアプリ上で準備を完了でき、到着後すぐにデータ通信を利用できます。
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シンガポールへの渡航準備では、電子入国カードの申請と合わせて、現地での通信手段の確保も大切なポイントです。空港からホテルへの移動、MRTの乗り換え検索、観光スポットの情報確認など、旅行中はインターネット接続が欠かせません。
トリファ(trifa)は、アプリで簡単に海外eSIMを購入・設定できるサービスです。シンガポール到着と同時にデータ通信が利用でき、空港でのSIMカード購入やモバイルWi-Fiルーターのレンタルといった手間がかかりません。
観光スポットの営業時間を調べたり、MRTの路線図を確認したり、現地での情報収集にトリファのeSIMが活躍します。旅行中のあらゆる場面で頼りになる通信環境を、出発前に整えておきましょう。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。