
飛行機に乗ると「機内モードに設定してください」というアナウンスが流れます。毎回なんとなく設定しているものの、なぜ必要なのか疑問に思ったことはないでしょうか。 機内モードが求められる背景には、スマホの電波が航空機の計器や通信システムに影響を与えるリスクがあること、そして航空法による明確なルールが存在することが関係しています。 この記事では、飛行機で機内モードが必要な理由を電波干渉の仕組みや航空法の規定とあわせて解説します。iPhone・Androidの設定手順や機内Wi-Fiの使い方、海外旅行での活用法まで紹介するので、搭乗前の参考にしてみてください。
目次

飛行機で機内モードが求められるのは、スマホなどの電子機器が発する電波が航空機の安全な運航に影響を及ぼす可能性があるためです。ここでは、その具体的な仕組みと法律上の根拠を見ていきましょう。
飛行機は自機の位置を把握するために、衛星や地上の基地局から送られる電波を受信しています。この受信に使われる無線装置の周波数帯は、スマホのモバイル通信が使う周波数帯と近い領域にあります。
そのため、多数の乗客が同時にスマホで通信を行うと、受信装置にノイズが混入して正確な位置情報を得られなくなるおそれがあります。特に離着陸時はパイロットが計器の情報を頼りに操縦する場面が多いため、電波干渉のリスクを最小限に抑える必要があるのです。
現代の航空機は電波干渉への耐性が高まっていますが、万が一のリスクを排除するために機内モードの設定が引き続き求められています。
日本では、航空法第73条の4および航空法施行規則第164条の16において、航空機の運航の安全に支障を及ぼすおそれのある電子機器の使用が制限されています。具体的には、出発時にドアが閉まってから着陸後の滑走が終了するまでの間、電波を発信する状態でスマホを使用してはなりません。
2014年9月の改正により、機内モードに設定して電波を発しない状態であれば、離着陸時も含めて常時使用できるようになりました。それ以前は離着陸時にすべての電子機器の電源を切る必要があったため、現在のルールは大幅に緩和されたといえます。
なお、機長や客室乗務員の指示に従わず電波を発する機器を使い続けた場合、50万円以下の罰金が科される可能性があります。軽い気持ちで機内モードを解除しないよう注意しましょう。
関連記事: 機内モードとは?基本の仕組みから設定方法・海外旅行での使い方まで解説

機内モードをオンにすると、スマホの通信に関わる機能がまとめてオフになります。具体的にどの機能が止まり、何が引き続き使えるのかを整理しておきましょう。
モバイルデータ通信(4G・5G)、Wi-Fi、Bluetoothの3つが一括でオフになります。これにより、電話の発着信やSMS、インターネット接続がすべて遮断されます。
つまり、LINEやメールの送受信、SNSの閲覧、ブラウザでのWeb検索などオンラインが必要な操作は一切できなくなります。なお、GPS(位置情報サービス)は機内モードでも自動的にはオフになりませんが、通信が遮断されるためマップアプリのリアルタイム表示などには制限が生じます。
機内モード中でも、スマホ本体に保存されたデータを利用する機能はそのまま使えます。カメラでの写真撮影、あらかじめダウンロードした音楽や動画の再生、電卓やメモ帳のアプリなどが代表的です。
また、オフラインで動作するゲームアプリや、事前にダウンロードしておいた電子書籍の閲覧も問題ありません。フライト中の過ごし方として、搭乗前にコンテンツをダウンロードしておくのがおすすめです。
機内モードをオンにした後でも、Wi-FiやBluetoothだけを個別にオンに切り替えることが可能です。航空会社が機内Wi-Fiサービスを提供している場合は、機内モードのままWi-Fiをオンにしてインターネットに接続できます。
Bluetoothも同様で、ワイヤレスイヤホンやBluetoothキーボードを機内で使いたいときは、機内モードを有効にしたうえでBluetoothだけをオンにすれば利用可能です。ただし、モバイルデータ通信は機内モード中は必ずオフのままにしておきましょう。

スマホの機種によって機内モードの設定場所は若干異なります。iPhone・Androidそれぞれの手順を確認しておけば、搭乗時にあわてることがありません。
iPhoneでは、画面右上から下にスワイプしてコントロールセンターを開き、飛行機のアイコンをタップするだけで切り替えられます。アイコンがオレンジ色に変わったら機内モードがオンになっています。
もう一つの方法として、「設定」アプリを開き、一番上に表示される「機内モード」のトグルスイッチをオンにする方法もあります。Wi-FiやBluetoothを個別にオンにしたい場合は、コントロールセンターまたは設定アプリの各項目から切り替えてください。
Androidでは、画面上部から下にスワイプしてクイック設定パネルを表示し、飛行機のアイコンをタップします。機種によってはアイコンの位置や名称が「機内モード」「フライトモード」などと異なる場合がありますが、操作は同じです。
設定アプリからも変更できます。「設定」から「ネットワークとインターネット」に進むと「機内モード」の項目があり、そこでオン・オフを切り替えられます。Galaxyシリーズの場合は「接続」メニュー内に配置されています。
機内モードに切り替えるベストなタイミングは、搭乗してシートベルトを締めた直後です。客室乗務員から機内モードの案内があるのは通常ドアが閉まる前後ですが、早めに設定しておけば慌てずに済みます。
解除のタイミングは、着陸後に滑走が終了してシートベルトサインが消灯した後です。機長からのアナウンスで「電子機器をご使用いただけます」と案内があるまで待ちましょう。着陸直後にすぐ解除してしまう方もいますが、滑走中はまだ電波干渉のリスクがあるため、案内を待つのが正しい対応です。

近年は多くの航空会社が機内Wi-Fiサービスを提供しており、フライト中でもインターネットを利用できる環境が整ってきています。機内モードとの併用方法を押さえておきましょう。
JALは国内線・国際線ともに機内Wi-Fiを無料で提供しています。国内線では動画視聴を含むインターネット接続が可能で、国際線ではファーストクラス・ビジネスクラスが時間無制限、プレミアムエコノミー・エコノミークラスは1時間無料で利用できます。
ANAも国内線で機内Wi-Fiを無料で提供しており、2025年6月からは通信帯域が拡大されてYouTubeなどの動画ストリーミングも利用可能になりました。国際線でも順次無料化が進んでおり、2030年末までに8割以上の機材で全クラス無料・高速インターネット環境を実現する計画が発表されています。
機内Wi-Fiに接続する手順は、まず機内モードをオンにし、次にWi-Fiだけを個別にオンに切り替えます。利用可能なネットワーク一覧に航空会社のWi-Fiが表示されるので、それを選択してください。
その後、ブラウザを開くと航空会社の接続ポータル画面が表示されます。画面の案内に従って接続ボタンをタップすれば、インターネットが使えるようになります。航空会社によっては座席番号やマイレージ番号の入力を求められる場合もあります。
機内Wi-Fiは地上のWi-Fiと比べて通信速度が遅い傾向にあります。衛星を経由して通信するため、大容量のファイルダウンロードや高画質での動画ストリーミングには不向きな場合があります。
また、フリーWi-Fiと同様にセキュリティ面のリスクもゼロではありません。個人情報の入力やオンラインバンキングの利用は避け、VPNを利用するなどの対策をとることをおすすめします。
関連記事: フリーWi-Fiの危険性とは?具体的な被害例と安全に使う対策を徹底解説

機内モードは飛行機の中だけでなく、海外旅行中の通信トラブルを防ぐためにも役立ちます。高額請求を避けるための使い方を確認しておきましょう。
海外に到着すると、スマホは自動的に現地の通信ネットワークに接続しようとします。このデータローミング機能がオンのままだと、意図せず現地の回線を使って通信が行われ、帰国後に数万円の請求が届くケースもあります。
渡航先に着いてからも機内モードをオンにしておけば、モバイルデータ通信が遮断されるため、不意なローミング接続を防げます。ホテルやカフェのWi-Fiに接続するときだけWi-Fiを個別にオンにすれば、通信費を抑えながらインターネットを利用できます。
関連記事: 海外でスマホは機内モードだけで大丈夫?高額請求を防ぐ設定方法とおすすめ通信手段
海外旅行中にWi-Fiスポットだけに頼ると、移動中やWi-Fiのない場所ではインターネットが使えず不便を感じることがあります。そこで便利なのが海外eSIMです。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ」などを使えば、渡航先でも安定したモバイルデータ通信を手軽に利用できます。
eSIMを利用する場合は、飛行機の中では機内モードをオンにしておき、現地に到着してからeSIMの回線に切り替えるのがスムーズです。機内モードを解除した後にeSIMの設定を有効にすれば、すぐにインターネット接続が使えるようになります。
関連記事: eSIM利用時、機内モードはいつ切り替える?解除の手順を徹底解説
機内モードをオンにしておくと、スマホが基地局を探す動作をしなくなるため、バッテリーの消費を大幅に抑えられます。フライト中だけでなく、長時間の移動中や電波の届かないエリアにいるときにも有効な節約術です。
さらに、機内モード中は充電速度が速くなる傾向があります。空港のラウンジや搭乗ゲート付近のコンセントで短時間だけ充電したいときに、機内モードをオンにしておくと効率よくバッテリーを回復できます。

機内モードについては「設定しなくても大丈夫では?」「通話はできる?」などさまざまな疑問があります。ここでは搭乗前に知っておきたいポイントをまとめました。
機内モードに設定せずスマホの電波を発信し続けた場合、客室乗務員から個別に注意を受けることになります。それでも従わなければ、航空法に基づく禁止命令が発せられ、最終的には50万円以下の罰金が科される可能性があります。
実際のフライトで1台のスマホが即座にトラブルを引き起こす可能性は低いとされていますが、数百人の乗客が同時に電波を発信すれば影響が大きくなります。安全運航への協力として、ルールを守ることが大切です。
機内モード中でもアラームは通常どおり作動します。スマホのアラーム機能は通信を必要としないため、機内モードの影響を受けません。目的地到着前に起きたいときや、乗り継ぎ便の時間をセットしたいときに活用できます。
ただし、機内では周囲の乗客への配慮として、音量を控えめにするかバイブレーション設定にしておくとよいでしょう。
電源を切ると電波の発信が完全に止まるだけでなく、スマホ自体が一切操作できなくなります。一方、機内モードでは電波の発信を停止しつつ、オフラインで使える機能は引き続き利用可能です。
2014年の航空法改正以降、機内モードに設定すれば電源を切る必要はなくなりました。フライト中に写真を撮ったり音楽を聴いたりしたい場合は、機内モードに設定するのが実用的です。

飛行機での機内モードの設定は安全な空の旅に欠かせないマナーです。そして、着陸後に快適な通信環境をすぐに確保することも、海外旅行を楽しむうえで大切なポイントになります。
トリファ(trifa)は、利用者No.1の海外eSIMアプリとして、世界200以上の国と地域に対応したデータプランを提供しています。アプリからプランを購入してeSIMをインストールするだけで、現地到着後すぐにインターネットを利用できます。SIMカードの差し替えや空港でのWi-Fiルーターの受け取りが不要なため、出発前の準備だけで渡航先の通信手段を確保できるのが特長です。
渡航先での地図検索やレストランの予約、緊急時の連絡手段の確保など、スマホのインターネット接続は旅行中に欠かせません。出発前にトリファで通信環境を準備しておけば、機内モードを解除した後すぐにネットにつながる安心感を得られます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。