スマホの通信規格として耳にする「4G」と「5G」ですが、具体的に何が違うのか、自分に5Gが必要なのかと疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。5G対応スマホが主流になりつつありますが、実際の通信体験にどれくらいの差があるのかは意外と知られていません。 4Gと5Gの違いは、通信速度だけではありません。遅延の少なさや同時接続台数など、さまざまな面で進化しています。一方で、5Gのエリアはまだ限定的で、日常的にその恩恵を感じにくい場面もあるのが現状です。 この記事では、4Gと5Gの違いを技術的なスペックから日常の使い勝手、料金、そして海外旅行での通信事情まで幅広くわかりやすく解説します。自分にとってどちらが最適なのか、判断材料としてぜひ参考にしてください。
目次
まずは4Gと5Gの基本的な仕組みと、それぞれの特徴を押さえておきましょう。技術的な違いを理解することで、自分に合った通信環境を選びやすくなります。
4Gは「第4世代移動通信システム」の略称で、2012年頃から日本で本格的に普及した通信規格です。正式にはLTE-Advanced(LTE-A)という技術が4Gにあたりますが、一般的にはLTEも含めて4Gと呼ばれています。
4Gの登場により、スマホでの動画視聴やSNSの利用が快適になりました。下り最大で約1Gbpsの通信速度を実現し、それ以前の3Gと比べて飛躍的にデータ通信が高速化しました。
現在でも日本全国の広いエリアで安定した通信ができるため、多くのスマホユーザーにとって十分な通信環境を提供しています。
5Gは「第5世代移動通信システム」の略称で、2020年に日本でサービスが開始されました。4Gの次世代にあたる通信規格で、「高速大容量」「超低遅延」「多数同時接続」の3つを特徴としています。
理論上の最大通信速度は下り20Gbpsで、4Gの約20倍です。ただし、実際の通信速度は環境によって異なり、一般的な利用では数百Mbps〜数Gbps程度になることが多いです。
5Gには「Sub-6」と「ミリ波」の2つの周波数帯があり、ミリ波のほうがより高速ですが、エリアが非常に限定的です。現在普及しているのはSub-6帯の5Gが中心です。
4Gと5Gの主な技術的スペックを比較すると、以下の通りです。
項目 | 4G | 5G |
|---|---|---|
最大通信速度(下り) | 約1Gbps | 約20Gbps |
最大通信速度(上り) | 約100Mbps | 約10Gbps |
通信遅延 | 約10ms | 約1ms |
同時接続台数 | 約10万台/km2 | 約100万台/km2 |
周波数帯 | 700MHz〜3.5GHz | 3.7GHz〜28GHz |
数字だけを見ると圧倒的に5Gが優れていますが、これらは理論値です。実際の利用環境では、建物の構造や基地局からの距離によって速度は大きく変わります。

5Gは4Gから大きく進化していますが、現時点ではデメリットもあります。メリットとデメリットの両面を理解したうえで、5Gへの移行を検討しましょう。
5Gの最大のメリットは、圧倒的な通信速度です。4K・8Kの高画質動画やクラウドゲームなど、大容量コンテンツをストレスなく楽しめるようになります。映画1本(約2GB)のダウンロードも数秒で完了します。
低遅延も大きなメリットの一つです。オンラインゲームやビデオ通話で、タイムラグが限りなく少なくなります。リモートワークでのビデオ会議がスムーズになるなど、日常的にも恩恵を感じられる場面が増えています。
多数同時接続にも対応しているため、スマートホームやIoT機器の普及にも貢献します。自宅の家電やウェアラブルデバイスなど、複数の機器を同時にネットワークに接続しても安定した通信が可能です。
最大のデメリットは、5G対応エリアがまだ限定的であることです。都市部の駅周辺や商業施設ではつながりやすいものの、郊外や地方ではまだ4G回線に切り替わるケースが多いです。
バッテリー消費が増える点にも注意が必要です。5G通信は4Gよりも電力を多く消費するため、スマホのバッテリーが減りやすくなります。バッテリーの持ちが気になる方は、5Gをオフにして4Gで利用するという選択もあります。
また、5Gの高速通信を最大限活かせるコンテンツやサービスがまだ発展途上であることも挙げられます。日常的なSNSやWebブラウジング程度であれば、4Gとの体感差を感じにくいのが現実です。
自分に5Gが必要かどうかは、スマホの使い方によって判断できます。
SNSの閲覧、LINEのメッセージ、Webサイトの検索、標準画質の動画視聴など、一般的な用途であれば4Gの速度で十分快適に利用できます。5Gに対応していないスマホを使っている場合も、無理に買い替える必要はないでしょう。
一方で、高画質の動画配信を頻繁に視聴する方や、オンラインゲームで低遅延が重要な方、大容量のデータを頻繁にやり取りする方には5Gの恩恵が大きいです。5G対応エリアに住んでいる・通勤しているかどうかも判断材料になります。
一口に「5G」と言っても、実は3つの異なる方式があります。それぞれの特徴を理解しておくと、スマホの電波表示が「5G」になっていても通信速度が遅いと感じる理由がわかります。
Sub6とは、6GHz以下の周波数帯を使った5G通信のことです。日本では3.7GHz帯や4.5GHz帯が割り当てられており、現在もっとも広く展開されている5Gの方式です。
Sub6の特徴は、4Gよりも高速でありながら、電波の到達距離が比較的長いことです。建物や障害物の影響もミリ波ほど受けにくいため、都市部を中心に安定した5G通信を提供しています。
一般的な5Gの恩恵(動画のスムーズな再生、アプリの高速ダウンロードなど)は、Sub6エリアで十分に体感できます。
ミリ波は28GHz帯などの高い周波数帯を使った5G通信で、Sub6の約4倍の帯域幅を持ちます。理論上は10Gbps超の超高速通信が可能で、5Gの性能を最大限発揮できる方式です。
ただし、ミリ波は直進性が非常に高く、建物の壁やガラス、さらには雨や霧にも影響を受けやすいというデメリットがあります。そのため、利用できるのはスタジアムや駅構内など、ごく限られたスポットに限定されています。
日常的にミリ波の恩恵を受ける場面はまだ少なく、一般ユーザーにとっては今後のエリア拡大に期待する段階です。
NR化とは、4Gで使っていた周波数帯(700MHz〜2GHz帯など)を5Gの通信規格に転用する方式です。既存の基地局設備をソフトウェア更新で5G対応にできるため、短期間で5Gエリアを広げられるメリットがあります。
2024年度末時点で全国の5G人口カバー率は98.4%に達していますが、このカバー率の大部分はNR化によるものです。スマホの表示が「5G」になっていても、通信速度は4Gとほぼ変わらないケースが多いのは、NR化エリアに接続しているためです。
方式 | 周波数帯 | 通信速度 | エリアの広さ |
|---|---|---|---|
ミリ波 | 28GHz帯 | 超高速(数Gbps〜) | 極めて限定的 |
Sub6 | 3.7〜4.5GHz帯 | 高速(数百Mbps〜) | 都市部中心 |
NR化(転用) | 700MHz〜2GHz帯 | 4G並み | 全国広域 |
スマホで「5G」と表示されていても、接続先がNR化エリアなのかSub6エリアなのかで体感速度は大きく異なります。本当の5Gの高速通信を体験するには、Sub6以上のエリアに接続する必要がある点を覚えておきましょう。
4Gから5Gに移行する際の手順や、気になる料金の変化について解説します。想像以上にスムーズに移行できるケースが多いです。
iPhoneで5Gに切り替える場合は、「設定」→「モバイル通信」→「通信のオプション」→「音声通話とデータ」の順に進み、「5Gオート」または「5Gオン」を選択します。
「5Gオート」を選ぶと、5Gエリア内では5Gに接続し、エリア外では自動的に4Gに切り替わります。バッテリーの消費を抑えたい場合は「5Gオート」がおすすめです。
Androidの場合は、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「モバイルネットワーク」→「優先ネットワークの種類」から「5G」を選択します。メーカーや機種によってメニューの表記が異なる場合がありますが、基本的な流れは同じです。
2026年現在、大手キャリアでは4Gと5Gで共通の料金プランが主流です。5Gだから料金が高くなるということはなく、同じプラン内で自動的に5Gエリアでは5G通信が利用できます。
キャリア | 主なプラン | 月額料金(税込) |
|---|---|---|
ドコモ | ドコモmini〜ドコモMAX | 2,750〜8,448円 |
au | スマホミニプラン+〜使い放題MAX+ | 4,928〜7,788円 |
ソフトバンク | ミニフィットプラン+〜ペイトク無制限 | 3,278〜9,625円 |
楽天モバイル | Rakuten最強プラン | 1,078〜3,278円 |
上記は割引前の基本料金です。各キャリアとも家族割やセット割引を組み合わせることで、さらに安くなります。5G対応のスマホを持っていない方は、端末の機種変更が必要になる点だけ注意しましょう。
自分のスマホが5Gに対応しているかどうかは、端末の設定画面やメーカーの公式サイトで確認できます。
iPhoneでは、iPhone 12以降のモデルが5Gに対応しています。iPhone SE(第3世代)も5G対応です。Androidは機種によって対応状況が異なるため、「設定」→「端末情報」で確認するか、メーカーサイトのスペック表を参照しましょう。
5G非対応のスマホでも4G回線で問題なく通信できます。日常的な利用に支障はないため、5Gエリアが自分の生活圏で十分に整備されてから買い替えを検討するのもよい選択です。
関連記事:SIMフリーとは?初心者にもわかりやすくメリット・デメリットを解説

海外旅行では、渡航先の通信インフラによって使える通信規格が変わります。旅行前に知っておくべき通信事情と、おすすめの通信手段を紹介します。
5Gの普及は国によって大きく差があります。韓国やアメリカ、中国では都市部を中心に5Gエリアが比較的広く整備されていますが、東南アジアやヨーロッパの一部の国ではまだ4Gが主流です。
海外旅行先で5Gが使えるかどうかは、現地のキャリアのエリアマップを事前に確認するか、利用する通信手段の対応状況を調べておくと安心です。eSIMやレンタルWi-Fiも、提供されるプランによって4Gか5Gかが異なります。
海外での通信手段としては、eSIMの利用がもっとも手軽でコストパフォーマンスに優れています。渡航先に合わせたデータプランをアプリから購入し、スマホにインストールするだけで現地での通信環境が整います。
なかでも利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」は、世界200以上の国と地域に対応しており、渡航先に合った最適なプランを簡単に選べるのが特徴です。海外eSIMは多くの場合4G回線での接続ですが、SNS・LINE・Googleマップ・Web検索などの一般的な用途であれば快適に利用できます。
海外旅行で最も注意すべきなのは、データローミングによる高額請求です。4Gや5Gの速度の違いよりも、通信の設定を正しく行うことのほうがはるかに重要です。
渡航前にキャリアのデータローミングをオフにし、eSIMやレンタルWi-Fiなど事前に用意した通信手段に切り替えましょう。アプリの自動更新やクラウドバックアップもオフにしておくと、不要なデータ消費を防げます。
関連記事:機内モードとは?基本の仕組みから設定方法・海外旅行での使い方まで解説
5Gの真価は、スマホの通信速度向上だけではありません。「超低遅延」と「多数同時接続」という特性が、さまざまな産業分野で新しい可能性を生み出しています。
5Gの低遅延通信は、遠隔医療の分野で大きな期待を集めています。NTTドコモは商用5Gとクラウド基盤を活用した遠隔ロボット手術の実証に成功しており、都市部の熟練医師が地方の手術をリアルタイムで支援する仕組みが現実味を帯びています。
離島やへき地など専門医が不足する地域でも、5Gを通じて高度な医療を受けられる可能性が広がっています。総務省も5Gの医療分野での活用を重点施策として推進しています。
自動運転では、車両と道路インフラ間のリアルタイム通信が不可欠です。5Gの遅延時間は4Gの約10分の1となる約1ミリ秒で、信号機や周辺車両との瞬時のデータ交換が可能になります。
スマートシティの実現にも5Gは欠かせません。交通管理システムや防犯カメラ、環境センサーなど、膨大な数のIoTデバイスを同時に接続できる「多数同時接続」の特性が、街全体をデータでつなぐ基盤となります。
エンターテインメント分野では、高速・大容量という5Gの特性が直接的にユーザー体験を向上させます。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)のコンテンツは大量のデータ通信を必要としますが、5Gなら遅延なくスムーズに楽しめます。
クラウドゲーミングも5Gの恩恵を受ける代表的なサービスです。ゲームの処理をクラウド上で行い、映像だけをストリーミングするため、高性能な端末がなくても本格的なゲームをプレイできるようになります。
4Gと5Gの違いについて、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。
5G対応スマホを使っていても、5Gエリア外では自動的に4G回線に切り替わります。通信が途切れることはないので安心してください。設定で「5Gオート」を選んでおけば、エリアに応じて最適な回線に自動接続されます。
現在の5G人口カバー率は98.4%(2024年度末時点)に達していますが、NR化(転用5G)を含む数値です。Sub6以上の高速5Gエリアは都市部が中心のため、地方では4Gに切り替わる場面がまだ多いのが実情です。
4G対応のスマホでは5G通信は利用できません。5Gを利用するには、5G対応のスマホへの買い替えが必要です。iPhoneではiPhone 12以降、AndroidではSnapdragon 7シリーズ以上を搭載した2020年以降のモデルの多くが5Gに対応しています。
なお、5G対応スマホに4G契約のSIMカードを入れた場合、キャリアによっては動作保証対象外となります。5Gを利用したい場合は、5G対応プランへの変更もあわせて確認しましょう。
5G通信は4Gよりも電力消費が大きいため、バッテリーの減りが早くなる傾向があります。5Gエリアと4Gエリアを頻繁に行き来する環境では、回線の切り替えが発生するため特に消費が増えます。
バッテリー消費が気になる場合は、スマホの設定で5Gをオフにして4Gのみで通信する方法もあります。日常的なSNSやWeb閲覧であれば、4G通信で十分快適に利用でき、バッテリーの持ちも改善します。
関連記事:SIMフリーとは?初心者にもわかりやすくメリット・デメリットを解説

4Gと5Gには通信速度や遅延など多くの違いがありますが、日常的な使い方であれば4Gでも十分快適に利用できます。5Gは対応エリアの拡大とともに、今後さらに身近な存在になっていくでしょう。
海外旅行の通信手段を選ぶ際には、4Gか5Gかよりも「安定してつながるかどうか」「料金が明確かどうか」が重要です。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」なら、アプリのダウンロードと簡単な設定だけで、渡航先ですぐにインターネットが使えます。物理SIMカードの交換やWi-Fiルーターの持ち運びは不要です。
24時間対応の日本語サポートがあるため、eSIMが初めての方でも安心です。海外旅行の通信準備を手軽に済ませたい方は、ぜひチェックしてみてください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。