カナダのeTA(電子渡航認証)の申請そのものは、パスポートとカードとメールアドレスがあれば数分で終わる手続きです。ところが2025年8月6日、国民生活センターは「えっ?!公式サイトから申請したはずが、そうじゃなかった?-ESTA等の申請代行サイトに関する相談が増加しています-」という注意喚起を公表しました。この発表ではカナダのeTAも名指しされており、公式サイトだと思って申請したら代行サイトで高額な手数料を請求された、という相談が並んでいます。 この記事では、カナダのeTAについて対象者・料金・有効期限といった基礎知識に加えて、偽の申請代行サイトを見分ける方法、申請したのに承認されない・保留のままというトラブルの解決手順、そしてeTAを取得したあとのArriveCANの事前申告から空港のキオスク端末・入国審査までの当日の流れまでをまとめて解説します。数値や制度の記述は、カナダ政府(IRCC・CBSA)の公式ページで確認した内容にそろえています。 読者の状況によって必要な情報は違います。まだ申請していない方は、まず「対象者・料金・有効期限」と「公式サイトの見分け方」から読んでください。すでに申請したのに承認されない方は「保留トラブルを解決する方法」へ、まもなく渡航する方は「入国審査までの流れ」へ、目次から直接進めます。 読み終えるころには、偽サイトに引っかからずに正しい入り口から申請でき、承認が遅れても慌てず対処でき、到着当日の手順まで見通しを持って準備できる状態になります。
目次
eTA(Electronic Travel Authorization/電子渡航認証)は、ビザが免除されている国の国民が、飛行機でカナダに入国したり、カナダの空港を乗り継いだりする際に必要な事前認証です。日本のパスポートを持つ人は、カナダ観光にビザは不要ですが、空路で向かうならこのeTAを事前に取得しておく必要があります。
このセクションでは、次の3点を順に整理します。

eTAでまず押さえておきたいのは、承認されても手元に「証明書」が残るわけではないという点です。カナダ政府(IRCC)は、eTAは申請時に入力したパスポート番号に電子的にひも付けられる(electronically linked)と説明しています。
そのため、eTAを申請したときのパスポートを持ってカナダへ渡航する必要があります。チェックイン時に航空会社がパスポートを読み取り、そのパスポート番号に有効なeTAがひも付いているかを確認する仕組みです。何かを印刷して持参する必要はありません。
逆にいうと、パスポートを新しくしたらeTAも取り直しになります。IRCCは「新しいパスポートを取得した場合は、新しいeTAを取得する必要がある」と明記しています。有効期限が残っているつもりでも、パスポートを切り替えたタイミングで使えなくなる点は見落としやすいので注意してください。
似た仕組みの制度としては、アメリカ渡航に必要なESTAがあります。ただしESTAはアメリカの制度で、カナダのeTAとは申請先も料金も別物です。制度の考え方を比べておきたい方は、こちらもあわせて確認してみてください。
ESTAとは?アメリカ渡航に必須の電子渡航認証を基礎から解説【2026年版】
eTAが必要かどうかは、「どの手段でカナダに入るか」と「どの国籍の旅券で行くか」でほぼ決まります。カナダ政府の案内をもとに整理すると、次の表のようになります。
渡航・滞在の状況 | eTAの要否 |
|---|---|
飛行機でカナダに入国する | 必要 |
飛行機でカナダの空港を乗り継ぐ(入国はしない) | 必要 |
車・バス・鉄道・船(クルーズ船を含む)で入国する | 不要 |
カナダのビザを持っている | eTAは不要(ビザで渡航する) |
カナダ国籍を持つ人(日本との二重国籍を含む) | eTAは申請できない |
アメリカ側から陸路でカナダに入る場合、つまり車・バス・鉄道・船で国境を越える場合はeTAが不要です。ナイアガラの滝をアメリカ側から日帰りで訪れるようなケースがこれにあたります。ただし、帰りに飛行機でカナダの空港から出発するのではなく、カナダの空港に「飛行機で到着する」行程が1回でも入るなら、eTAが必要になります。
乗り継ぎについても誤解が多いところです。IRCCは「カナダを乗り継ぐ乗客は、滞在時間の長短にかかわらずeTAまたはビザが必要」としています。例外は、アメリカ発着便がカナダで給油のために立ち寄る場合と、China Transit Program・Transit Without Visa Programの対象者に限られます。空港の外に出ないから不要、という理解は誤りです。
日本とカナダの二重国籍者は、eTAもビザも申請できません。IRCCは、二重国籍者を含むカナダ国民は有効なカナダのパスポートでカナダ行きの便に搭乗する必要がある、と案内しています。カナダのパスポートが渡航までに間に合わない場合に限り、カナダ国籍以外の有効な旅券で搭乗するための特別な許可を申請できる制度が用意されています。
年齢による免除もありません。IRCCは「eTAが必要な渡航者は、年齢にかかわらず全員がeTAを必要とする」と明記しており、乳幼児であっても1人ずつ申請が必要です。子どもが親のパスポートに併記されている場合も、子どもごとに別の申請を出します。申請フォームでは冒頭で「家族・友人の代理で入力する」旨を選ぶと、保護者・代理人の情報を入力する画面が表示されます。
料金と有効期限は、代行サイトを見分けるうえでも基準になる数字です。カナダ政府の公式情報では次のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
申請料金 | 7カナダドル(1人あたり) |
日本円の目安 | 約800円(1カナダドル=約115円で換算。2026年8月時点) |
有効期限 | 承認から5年、またはパスポートの有効期限のどちらか早い方 |
有効期間中の渡航回数 | 制限なし(有効な間は何度でも渡航できる) |
料金は7カナダドルで、これは審査の手数料です。日本円の目安は為替で動くため幅がありますが、2026年8月時点のレート(1カナダドル=約115円)で計算すると800円前後になります。ここから大きく離れた金額を請求されたら、公式サイト以外で申請している可能性があります。見分け方は次のセクションでまとめます。
有効期限は「承認から5年」と「パスポートの有効期限」のどちらか早い方までです。パスポートの残存期間が2年しかなければ、eTAも実質2年で切れます。この期間中は何度でもカナダへ渡航できるため、旅行のたびに申請し直す必要はありません。
滞在できる期間は別の話です。IRCCによれば、ほとんどの訪問者はカナダに最長6か月滞在できます。入国審査官がこれより短い、または長い期間を認めることもあり、その場合はパスポートに日付が記入されるか別の書類が渡されます。スタンプが押されなかった場合は、入国日から6か月間、またはパスポートの有効期限までのいずれか早い方まで滞在できる扱いです。
滞在中の活動にも制限があります。カナダで働くには、eTAとは別に就労許可(work permit)が必要です。
就学については、6か月以内の課程であれば就学許可は不要ですが、その場合もeTAなどの有効な渡航書類は必要になります。6か月を超える課程に通うなら就学許可が必要です。旅行のついでに短期語学留学を考えている方は、この境目を確認しておいてください。
カナダ側の観光プランを具体的に固めたい方は、エリア別の見どころをまとめた記事もあわせてどうぞ。
カナダ観光おすすめ20選|エリア別名所とベストシーズン完全ガイド
eTAで最も多いトラブルは、審査で落ちることではなく「公式サイトだと思って申請したら代行サイトだった」というものです。カナダ政府も日本の公的機関も、それぞれ注意喚起を出しています。
実際にどんな相談が寄せられているのか、公式サイトを見分けるチェックポイント、高額請求を受けてしまった場合の相談先の順に説明します。
国民生活センターは2025年8月6日、「えっ?!公式サイトから申請したはずが、そうじゃなかった?-ESTA等の申請代行サイトに関する相談が増加しています-」と題した注意喚起を公表しました。この発表では、アメリカのESTA、イギリスのETA、オーストラリアのETA、カナダのeTA、韓国のK-ETAが具体的に挙げられています。
発表に掲載されたPIO-NET(全国消費生活情報ネットワークシステム)の年度別相談件数は、2021年度が78件、2022年度が384件、2023年度が1,022件、2024年度が1,022件、2025年度が354件です。ただし2025年度の数字は2025年6月30日までの登録分で、同じ時期で比べた2024年度の件数は169件とされています。年度途中の集計である点には注意が必要です。
相談事例として紹介されているのは、公式サイトだと思って申請したら代行サイトで高額な手数料に納得できない、意図せず代行サイトで申請してしまい本当に申請できているのか不安、手続きも進まずキャンセルもできない、といった内容です。国民生活センターは問題点として、消費者が検索結果の上位に表示された代行サイトを公式サイトと思い込んで申請していること、代行手数料が発生することを認識しないまま申し込んでいることを挙げています。
カナダ政府側も同じ問題を認識しています。IRCCは、eTA取得を手伝うと称する会社との取引には注意するよう促し、そうした会社はカナダ政府を代理して活動しているわけではない(NOT operating on behalf of the Government of Canada)と明言しています。
申請を始める前に、次の3点を確認してください。どれか1つでも合わなければ、その画面は公式サイトではない可能性があります。
チェック項目 | 公式サイトの場合 |
|---|---|
アドレスバーのURL | `canada.ca` で終わるカナダ政府のドメイン |
決済画面の金額 | 7カナダドル(1人あたり) |
サイトの運営表記 | カナダ政府(Government of Canada)の公式サイトであること |
1つ目はURLです。IRCCは「eTAを申請できる公式の場所はカナダ政府のウェブサイトである」とし、eTAを申請できるサイトは1つだけだと回答しています。ブラウザのアドレスバーが `canada.ca` で終わっているかを、支払いに進む前に必ず確認してください。検索結果の上位に広告として代行サイトが並ぶことがあるため、検索結果のタイトルだけで判断しないことが大切です。
2つ目は金額です。公式の申請料金は7カナダドルです。ここに「サービス手数料」「サポート料」といった名目が上乗せされて数千円から1万円以上を請求される画面が出てきたら、そこは公式サイトではありません。
3つ目は運営者の表記です。公式サイトはカナダ政府のサイトであることが明示されています。代行サイトは「政府認可」「公式提携」といった表現を使うことがありますが、IRCCはこうした会社がカナダ政府を代理しているわけではないと明確に否定しています。
同じ構図の被害はアメリカのESTAでも起きています。見分け方のポイントを整理した記事もあるので、ESTAの申請を控えている方はこちらも確認しておくと安心です。
ESTA公式サイトの見分け方|偽サイト・代行サイトに騙されない5つの確認ポイント
代行サイトで申請してしまった場合、まず確認すべきは「eTAが実際に取得できているかどうか」です。代金を払っても申請自体が行われていないケースがあるためです。
カナダ政府はeTAのステータス確認ツール(eTA Check Status)を用意しています。承認メールに記載された申請番号と、申請に使ったパスポートの情報があれば調べられます。ここで有効なeTAが確認できれば、少なくとも渡航自体には支障がありません。
申請から72時間が経過してもeTAが確認できない場合、IRCCはWebフォームからの問い合わせを案内しています。フォームでの選択項目は、後述の「承認メールが届かない・72時間経っても変わらない場合の確認手順」でまとめて説明します。
自分の名前でeTAの申請が存在しないとカナダ政府側で確認された場合は、届け出が必要です。IRCCは、カナダ国外にいるなら現地の警察へ、カナダ国内にいるならCanadian Anti-Fraud Centre(1-888-495-8501、フリーダイヤル)へ届け出るよう案内しています。なお、第三者サイトに上乗せされた手数料について、カナダ政府は返金を行いません。
日本国内の相談先としては、国民生活センターが消費者ホットライン「188」(いやや!)と、海外事業者との取引トラブルを扱う越境消費者センター(CCJ)を案内しています。不安を感じた時点で、渡航前に相談しておくのが安全です。
正しい入り口にたどり着けたら、次は入力です。eTAの申請は数分で終わりますが、入力を間違えると「気づかないまま搭乗できない」という事態につながります。しかも多くの項目は、あとから修正できません。
ここでは、申請前にそろえておくもの、実害につながる入力ミスの具体例、申請すべきタイミングを整理します。
申請前に手元にそろえるのは次の3点です。
申請フォームには保存機能がありません。IRCCは「保存機能はなく、1回のセッションで申請を完了する必要がある」と回答しています。途中で中断すると入力内容が失われるため、3点をそろえてから始めてください。
流れとしては、オンラインフォームに数分で必要事項を入力し、入力が終わったところで7カナダドルを支払います。多くの申請は数分以内にメールで承認が届きますが、追加の書類提出を求められた場合は数日かかることがあります。
承認されると、eTAは申請に使ったパスポートに電子的にひも付きます。特別な書類を印刷して持ち歩く必要はなく、カナダ行きの便のチェックイン時にそのパスポートを提示します。
入力項目ごとの書き方をイメージしておきたい方は、記入例つきで解説したESTAの申請ガイドが参考になります。制度は別ですが、電子渡航認証の入力欄の考え方は共通する部分が多いです。
ESTA申請方法を記入例付きで解説|全入力項目と書き方の完全ガイド
最も影響が大きいのがパスポート番号の入力ミスです。eTAは入力されたパスポート番号に電子的にひも付くため、番号が1文字でも違うと、実際のパスポートとの照合ができません。
そして、この誤りは修正できません。IRCCは、承認メールを確認してパスポート番号が正しくなかった場合は「新しい申請を出す必要がある」と回答しています。訂正フォームのようなものはなく、もう一度最初から申請し直すことになります。承認メールが届いたら、まずパスポート番号が手元の旅券と一致しているかを確認してください。
パスポート番号の入力では、スペースや記号を余分に入れてしまう、英字の大文字・小文字を取り違える、といったミスが起こりがちです。旅券に印字されているとおりの並びで入力し、送信前に1文字ずつ見比べるのが確実です。
メールアドレスの入力ミスも見落とされやすい失敗です。IRCCからの連絡はすべて申請フォームに入力したメールアドレス宛に届くため、アドレスが誤っていると承認も追加書類の依頼も届きません。子どもの分を申請する場合は、連絡先欄に保護者自身のメールアドレスを入れておくと確実です。
家族分をまとめて申請することはできません。1つの申請につき1人分で、子どもが親のパスポートに併記されている場合でも、子どもごとに別の申請が必要です。人数分の申請を出したか、渡航前に数えておくと安心です。
なお、承認されないまま渡航するのは避けてください。IRCCは、申請が却下された場合はカナダへ渡航すべきではなく、却下されたeTAで渡航しようとすると搭乗を拒否されると明記しています。
「何日前までに申請すべきか」は、解説記事によって15日前・1か月前などと書かれていて判断に迷うところです。カナダ政府の公式ページで確認できるのは、日数ではなく次の考え方でした。
つまり公式が示しているのは「◯日前まで」という期限ではなく、「フライトを押さえる前に取っておく」という順番です。承認が数分で下りるケースが大半とはいえ、追加書類を求められる可能性がある以上、航空券を確定させてから申請するのはリスクがあります。
なお「15日前」「1か月前」といった具体的な日数は、今回参照したcanada.caの各ページでは確認できませんでした。目安として紹介されることはありますが、公式の要件ではない点を踏まえて判断してください。
申請から72時間経ってもメールが届かない場合の対応は、IRCCが別途案内しています。渡航が近いのに承認が下りない場合の手順は、次のセクションで扱います。
申請ボタンを押したのに承認メールが来ない、ステータスがずっと変わらない。この状態が渡航直前に起きると不安になりますが、カナダ政府は状況ごとの対応手順を公開しています。
保留状態で何が起きているのか、承認メールが届かないときの確認手順、承認メールを失くした場合の調べ方を順に見ていきます。

eTAのステータス確認ツールで「Pending(保留)」と表示され、あわせて申請者側の対応が必要である旨が示されるケースが、旅行者の投稿として報告されています。なお、ステータス表示の名称一覧はcanada.caの各ページでは確認できませんでした(表示文言の正式な定義は不明です)。
一方で、この状況で何が起きているかについては公式の説明があります。IRCCは、ほとんどのeTAは数分で処理されるものの、一部の申請は追加の情報が必要になり処理に数日かかることがある、と説明しています。つまり保留は却下ではなく、自動承認の対象から外れて追加確認に回った状態だと考えるのが妥当です。
追加確認では、IRCCが書類の追加提出や、最寄りのカナダビザオフィスでの対面インタビューを求めることがあります。いずれの場合も連絡はメールで届くため、申請時に入力したメールアドレスの受信箱を確認するのが最初の一手になります。
重要なのは、この状態で渡航しないことです。IRCCは「eTAは必須の入国要件であり、申請に決定が出るまでカナダへ渡航すべきではない」と明記しています。渡航日が迫っているなら、便の変更も選択肢に入れて動くことになります。
承認メールが見当たらないときは、次の順番で確認してください。
1. 申請時に入力したメールアドレスの迷惑メールフォルダを見る
2. 申請から72時間が経過しているかを確認する
3. 72時間を過ぎていればIRCCのWebフォームから問い合わせる
まず迷惑メールフォルダです。IRCCは、一部のスパムフィルタがIRCCからの自動送信メールをブロックすることがあると案内しており、公式の案内でも最初に確認すべき項目として挙げられています。
次に経過時間です。申請番号を含む確認メールが72時間以内に届かない場合、IRCCはWebフォームでの問い合わせを案内しています。フォームでは「Type of application」で「Electronic Travel Authorization」を選び、続いて「Case Specific Enquiries」を選択します。回答までに数日かかることがあるとされています。
空港でeTAを申請した場合の扱いは別です。IRCCは、空港で申請してチェックインまでに承認が下りなかった場合は、フライトを取り直す必要があると回答しています。当日申請を前提にした行程は避けてください。渡航が近いのに承認が下りない場合は、フライトの変更可否を航空会社に早めに確認しておくと動きやすくなります。
数年前にeTAを取ったが承認メールが見当たらない、というケースもよくあります。この場合はカナダ政府のeTAステータス確認ツール(eTA Check Status)で調べられます。
確認に必要なのは、承認メールの冒頭に記載されているVで始まる申請番号と、申請に使ったパスポートの情報(番号・発行国・発行日・有効期限)です。ツールでは、現在のeTAが有効かどうかや有効期限、審査中の申請の状況を確認できます。
申請番号そのものが分からない場合は、まずメールの検索で「eTA」や差出人にIRCCを含むメールを探し、迷惑メールフォルダも確認してください。それでも見つからず、eTAの有無自体が確認できない場合は、前述のWebフォームから問い合わせることになります。
なお、有効期限が残っていても、パスポートを新しくしていればそのeTAは使えません。前述のとおり新しいパスポートには新しいeTAが必要なので、パスポートを切り替えた覚えがある方は、期限を調べる前にその点を確認してください。
eTAを取れば準備が終わりというわけではありません。カナダの空港では、税関・入国申告の手続きがデジタル化されており、事前にできることと現地でやることが分かれています。
出発前に使えるArriveCANの事前申告、到着後のキオスク端末・eGateでの手続き、入国審査で確認されることを、当日の流れに沿って追いかけます。
ArriveCANは、カナダ国境サービス庁(CBSA)が提供するアプリで、税関・入国申告を事前に済ませておける「Advance Declaration(事前申告)」の機能があります。
重要なのは、これが必須ではないという点です。CBSAはAdvance DeclarationをArriveCAN内の「オプション機能(optional feature)」と説明しており、ArriveCANを使わずにカナダへ入国することもできます。かつての新型コロナ対応で全渡航者に義務づけられていた時期とは位置づけが変わっています。
提出できるのは、カナダ到着の72時間前からです。提出した情報は72時間後に自動的に削除される仕組みになっています。利用できるのは一部のカナダの国際空港に到着する渡航者に限られるため、対象空港かどうかはCBSAのサイトで確認してください。
事前申告を済ませておくと、到着後にキオスク端末やeGateで過ごす時間が短くなります。ただし事前通関ではないため、空港に着いたらキオスクまたはeGateで確認済みの申告レシートを受け取る必要があります。空港で内容が変わった場合も、その場で修正できます。
なお、eTAの承認メールもArriveCANのEレシートも、確認するのはスマートフォンの画面です。到着直後から通信が使えるかどうかで、当日の動きやすさは大きく変わります。海外eSIMのトリファのように出発前に準備できる通信手段があれば、空港に降りた時点で必要な画面をすぐ開けます。
カナダの主要な国際空港では、機内で紙の税関申告カードを配って記入させる方式から、空港内のキオスク端末(Primary Inspection Kiosk)やeGateでの画面申告に置き換わっています。
CBSAの案内では、到着時の申告方法は次のように分かれます。
状況 | 申告の方法 |
|---|---|
事前にAdvance Declarationを提出した | キオスク端末またはeGateで確認済みの申告レシートを受け取る |
事前申告をしていない(キオスク・eGateがある空港) | キオスク端末またはeGateで画面上で申告する |
キオスク・eGateがない空港に到着する | 機内などで配られるDeclaration Cardに記入して提出する |
つまり「紙の入国カードが完全になくなった」という理解は正確ではありません。カナダ政府は、キオスクやeGateがない空港に着く場合は機内で申告カードが配られ、到着前に記入しておく必要があると案内しています。主要空港ではデジタル化されている一方、地方空港では紙が残る、というのが現状です。
キオスク端末やeGateを利用するには、本人確認のためのパスポート(またはカナダ永住権カード)が必要です。画面上で申告内容に回答し、発行されたレシートを持って審査官のところへ進む流れになります。
どの経路であっても、渡航者は全員が申告を行います。電子か紙かが分かれるだけで、申告そのものが省略されるわけではない点を押さえておいてください。
eTAを持っていることと、カナダに入国できることは同じではありません。IRCCは「eTAは入国を円滑にするものであり、国境で審査官がパスポートや渡航書類の提示を求め、いくつか質問をしたうえで入国の可否を判断する」と説明しています。
そのため、審査官の質問に答えられる状態にしておくことが実務上のポイントになります。滞在先の住所、滞在日数、帰りの便の予定といった基本情報は、聞かれてすぐ答えられるようにまとめておくと落ち着いて対応できます。
滞在できる期間も、最終的には審査官の判断で決まります。IRCCによれば、ほとんどの訪問者は最長6か月滞在できますが、審査官がこれより短い期間や長い期間を認めることもあります。期間を明確にしておきたい場合は、審査官にスタンプを押してもらうよう依頼できるとされています。キオスク端末のある空港では自動的にスタンプが押されないことがあるため、必要な方は申し出てください。
質問される内容の傾向や、答えるときの英語表現をあらかじめ知っておきたい方は、入国審査に特化した記事もあわせて読んでおくと安心です。
入国審査で聞かれることは?質問内容・英語フレーズ・回答例を徹底解説
ここまで見てきたとおり、カナダの入国手続きは書類ではなく画面で進みます。認証も申告も、行程の控えも、そのほとんどがスマートフォンの中にあります。だからこそ、飛行機を降りた瞬間から通信が使えるかどうかが、当日の落ち着き方を左右します。

到着直後に通信が必要になる場面は、意外と多くあります。
空港のフリーWi-Fiが使える場合もありますが、入国審査の列に並んでいる最中や、審査官の前で接続に手間取るのは避けたいところです。到着した時点ですでにつながっている状態を作っておくのが確実です。
現地でSIMカードを買う方法もありますが、販売カウンターを探して手続きする時間がかかります。入国手続きの前後で必要になる通信を、その場で調達するのは順番として無理があります。
トリファは、アプリダウンロード数No.1の海外eSIMアプリです。出発前にアプリでプランを購入・設定しておけば、カナダに到着して機内モードを解除した時点で通信が使える状態になります。
対応しているのは200以上の国と地域です。カナダのあとにアメリカへ移動するような行程でも、渡航先ごとにアプリの中で完結します。購入から設定、利用開始までは最短3分が目安とされており、出発直前でも準備が間に合います。
物理的なSIMカードの差し替えがないため、日本のSIMを抜いて紛失する心配もありません。カナダの空港に降りた瞬間から、eTAの承認メールもArriveCANのEレシートも、自分のスマートフォンですぐ開けます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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