海外旅行や出張の準備で必ず気になるのが、外貨両替です。「日本で両替するのと現地、どっちがお得?」「空港と銀行、両替所では何が違うの?」と悩む方は多いのではないでしょうか。 結論からお伝えすると、外貨両替は両替する場所や方法によって、同じ金額でも数千円単位の差が出ることがあります。為替レートだけを見ていると見落としがちな「為替手数料(スプレッド)」が、実は両替コストを左右する最大のポイントです。 この記事では、空港・銀行・両替所・外貨宅配サービス・クレジットカードなど、主要な両替方法の手数料を比較し、状況別に最適な選び方を解説します。 初めて海外に行く方も、できるだけ両替コストを抑えたい方も、ぜひ最後まで読んで賢い両替方法を身につけてください。
目次

外貨両替を比較する前に、まずはレートと手数料の仕組みを理解しておきましょう。ここを押さえておくと、提示されたレートが「お得かどうか」を自分で判断できるようになります。
外貨両替に関連する基本用語は、以下の3つです。
ニュースで「1ドル150円」と報道されているのは、銀行間取引の仲値(基準レート)です。実際に両替所や銀行で円をドルに替える際は、この仲値に手数料が上乗せされたレートが適用されます。
たとえば仲値が1ドル150円のとき、両替所では1ドル153円といったレートが提示されます。この差の3円が為替手数料(スプレッド)で、両替する側のコストです。
「手数料無料」と書かれていても、レート自体に手数料が含まれているケースが大半なので注意が必要です。本当のコストはレート差で判断しましょう。
同じ場所で両替しても、通貨によって手数料率は大きく変わります。米ドルやユーロは流通量が多く比較的低めですが、新興国通貨は手数料率が10%を超えることも珍しくありません。
外貨両替マネーバンクの調査によると、日本国内の銀行や空港で約10万円分を両替したときの為替手数料率の目安は、米ドル約2.1%、ユーロ約2.6%、韓国ウォン約14.2%、台湾ドル約10.5%、タイバーツ約10.2%とされています。
韓国ウォンや台湾ドル、タイバーツのようなアジア通貨は、日本で両替するよりも現地で両替したほうが圧倒的にお得です。一方で米ドルやユーロは、日本でも比較的良いレートで両替できます。
両替方法を比較する際は、「いくらお得か」よりも「何%の手数料がかかっているか」で見るのがおすすめです。同じ「手数料500円」でも、1万円分の両替なら5%、10万円分なら0.5%と、コスト感が大きく異なるためです。
仲値レートはGoogle検索やXEなどの為替アプリで簡単に確認できます。両替所のレートと仲値の差を計算すれば、その場で手数料率がわかります。
外貨両替ができる場所は大きく分けて6つあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の状況に合わせて選ぶことが大切です。
主な両替場所と特徴を一覧にまとめました。
両替場所 | レートのお得度 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|
銀行(国内) | ★★☆☆☆ | 安心感がある | 手数料がやや高い |
空港(国内) | ★★☆☆☆ | 出発直前に両替可能 | レートは不利 |
金券ショップ | ★★★★☆ | レートが良いことが多い | 取扱通貨に偏り |
外貨宅配サービス | ★★★★☆ | 自宅で受け取れる | 最低注文額あり |
現地ATM(キャッシング) | ★★★★☆ | 現地レートで引き出し | 利息が発生 |
Wise・デビットカード | ★★★★★ | 仲値に近いレート | 事前準備が必要 |
国内の銀行や空港の両替所は、もっとも身近な両替方法です。窓口で現金を受け取れる安心感があり、トラブル時の相談もしやすいのが魅力です。
一方で、店舗運営コストが上乗せされているため、レートは他の方法に比べて不利になりがちです。SMBC信託銀行プレスティアの解説でも、空港や銀行の両替は「手数料が比較的高い傾向にある」とされています。
羽田空港や成田空港には24時間営業の両替所もあり、深夜便や早朝便でも利用できる利便性は大きなメリットです。急ぎの場合や少額両替には適しています。
大黒屋などの金券ショップは、銀行や空港よりお得なレートで両替できることが多い選択肢です。米ドルやユーロなど主要通貨の取扱に強く、店舗で即時に両替できるのも便利です。
外貨宅配サービスは、オンラインで申し込むと自宅まで外貨が届くサービスです。マネーバンクなどの専門業者が運営しており、店舗に行く時間がない方や、出発前にまとめて両替したい方に向いています。
ただし、外貨宅配サービスは最低注文額が設定されている場合があり、たとえばマネーバンクは7万円未満の注文ができません。少額両替には不向きな点に注意しましょう。
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現金両替以外にも、現地で使える支払い手段として「カード決済」と「現地ATMでの現金引き出し」という選択肢があります。
クレジットカードは、海外加盟店でそのまま支払いに使えるほか、海外キャッシングで現地通貨を引き出すこともできます。海外事務手数料はカードによって異なり、JCBは1.60%、VISAやMastercardは1.6〜3.85%程度が一般的です。
Wiseのデビットカードは、両替時に仲値に近いレートが適用されるため、現金両替よりも手数料を抑えやすいのが特徴です。事前にアプリから申し込み、日本で日本円を入金しておけば、海外で現地通貨として支払いやATM引き出しができます。
主要な両替方法で、実際にどれくらい手数料に差が出るのか具体的に見ていきましょう。同じ金額を両替しても、選ぶ方法によって受け取れる金額が大きく変わります。
Wiseの調査(2025年6月時点)によると、10万円を米ドルに両替した場合の手数料は、選ぶ方法によって以下のような差があります。
両替方法 | 手数料 |
|---|---|
Wise | 881円 |
金券ショップ(大黒屋) | 1,792円 |
銀行(三菱UFJ) | 1,872円 |
外貨宅配サービス | 1,892円 |
デビットカード(住信SBIネット銀行) | 2,438円 |
空港(関西国際空港) | 3,250円 |
クレジットカード(楽天カード) | 3,514円 |
もっとも手数料が安いWiseと、もっとも高い空港・クレジットカードでは、10万円の両替で約2,500〜2,600円もの差が出ています。複数回両替するなら、この差はさらに大きくなります。
通貨によっておすすめの両替方法は変わります。米ドルやユーロなど主要通貨と、アジア通貨では事情が異なるためです。
通貨 | おすすめの両替方法 |
|---|---|
米ドル(USD) | Wise・金券ショップ・銀行 |
ユーロ(EUR) | Wise・金券ショップ・外貨宅配 |
韓国ウォン(KRW) | 現地の両替所・銀行 |
台湾ドル(TWD) | 現地の銀行・空港 |
タイバーツ(THB) | 現地のスーパーリッチなど両替専門店 |
香港ドル(HKD) | 現地の重慶大廈両替所 |
米ドルやユーロは流通量が多く、日本でも比較的良いレートで両替できます。一方、韓国ウォンや台湾ドル、タイバーツなどのアジア通貨は、現地のほうがレートが良いため、日本では最低限の両替にとどめるのが鉄則です。
「両替手数料無料」とアピールしている両替所もありますが、実際には為替レート自体に手数料が含まれているケースがほとんどです。Wiseの調査でも、羽田空港の両替所では「手数料無料と表示されていても、実際には両替レートに2〜4%程度の為替コストが含まれている」と指摘されています。
本当の両替コストを判断するには、その日の仲値レートと提示レートの差を比較することが大切です。仲値はGoogleで「USD JPY」などと検索すれば即座に確認できます。

外貨両替に「絶対の正解」はありません。旅行スタイルや渡航先、必要な金額によって最適な方法は変わります。ここでは状況別におすすめの両替方法を紹介します。
初めての海外旅行や、海外旅行に慣れていない方は、出発前に日本で必要額の半分程度を両替しておくと安心です。空港の両替所や金券ショップ、メガバンクの窓口など、現金を手にした状態で出発できる方法を選びましょう。
残りは現地で必要に応じて両替するか、クレジットカードで決済します。日本円から両替してすぐに使える現金を持っていれば、空港から市街地への移動費や最初の食事代に困ることはありません。
関連記事: 海外旅行のクレジットカード完全ガイド|選び方・手数料・安全対策まで
両替コストを最小限に抑えたい方は、Wiseのマルチカレンシー口座とデビットカードの組み合わせがおすすめです。仲値に近いレートで両替でき、海外ATMからの現金引き出しもできます。
現地での支払いはWiseデビットカードでカード決済し、現金が必要な場面ではATMで少額ずつ引き出すという使い方が効率的です。事前にアカウント開設とカード受け取りに1〜2週間かかるため、旅行が決まったら早めに準備しましょう。
すでに保有しているクレジットカードを使う場合は、JCBブランドのカードが海外事務手数料1.60%と低水準で、コストを抑えやすい選択肢です。
韓国・台湾・タイなどアジア圏に行く場合は、日本で両替するのは最低限にとどめ、現地で両替するのが基本戦略です。日本で両替するとアジア通貨は手数料率が10%を超えることも多く、現地の両替所と比べるとかなり割高になります。
韓国ならソウル明洞の両替所、台湾なら銀行や空港の両替カウンター、タイならバンコクのスーパーリッチなどが好レートで知られています。日本では到着後の交通費分(2,000〜3,000円程度)だけ両替しておけば十分です。
関連記事: 台湾ドルの両替はどこがいい?お得な方法とおすすめ両替所を徹底比較
米ドルやユーロは日本でも比較的良いレートで両替できるため、出発前に必要額をまとめて両替しておく方法が便利です。金券ショップや外貨宅配サービスを利用すれば、空港よりお得なレートで準備できます。
欧米はキャッシュレス決済が普及しているため、現金は最低限に抑え、支払いはクレジットカードや海外用デビットカードを中心にするのが効率的です。チップ用の少額紙幣だけは現金で用意しておきましょう。
同じ両替方法を選んでも、ちょっとした工夫で両替コストはさらに抑えられます。ここでは知っておきたい5つのコツを紹介します。
両替手数料の多くは「1回あたりの固定費+スプレッド」で構成されているため、こまめに少額両替するよりまとめて両替するほうがお得です。旅行中の予算をある程度見積もり、必要額を一度に両替するようにしましょう。
余ってしまった外貨は、Pocket Changeなどの自動両替機で電子マネーや別の通貨に交換することも可能です。次回の旅行で同じ通貨を使う予定がある場合は、保管しておくのもひとつの方法です。
両替前にその日の仲値レートを確認する習慣をつけましょう。Google検索やXE、Wiseのアプリで「USD JPY」と検索すれば、リアルタイムの仲値が表示されます。
提示された両替レートが仲値からどれだけ離れているかを見れば、その両替所のコスト感がひと目でわかります。複数の両替所を比較する基準としても役立ちます。
海外旅行で使うクレジットカードは、年会費の安さだけでなく、海外事務手数料や付帯保険まで含めたトータルコストで選びましょう。海外事務手数料は2025年以降、各社で改定が相次いでおり、同じVISAブランドでもカード会社によって1.6〜3.85%と幅があります。
JCBブランドは海外事務手数料が1.60%と低水準を維持しており、加盟店も増えてきています。ただし欧米では一部加盟店で使えないこともあるため、JCBに加えてVISAかMastercardを持っておくと安心です。
海外キャッシングは、利用日から返済日までの利息が発生する仕組みです。実質年率は18.0%程度が一般的なので、帰国後すぐに繰り上げ返済すれば利息を最小限に抑えられます。
たとえば5万円を引き出して30日後に返済する場合、利息は約740円程度です。両替手数料と比較してもキャッシング+早期返済のほうが安く済むケースが多いため、賢く活用しましょう。
関連記事: 【完全版】海外キャッシングの仕組みと使い方|手数料・繰上返済まで徹底解説
外貨を日本円に戻す再両替も、行きの両替と同じく為替手数料がかかります。「往復で2回手数料を取られる」と考えると、できるだけ使い切るか、再両替を避ける工夫が必要です。
帰国前に余った現金は、空港の免税店で買い物に使うか、Pocket Changeで電子マネーに交換するのがおすすめです。次回の海外旅行までに同じ通貨を使う予定があれば、保管しておくのも有効です。

外貨両替の準備と同じくらい欠かせないのが、海外で使うインターネット通信の手配です。両替所の場所を地図で調べたり、為替レートをアプリで確認したり、Wiseで送金したりと、海外でこそスマートフォンの通信環境が必要になる場面が多くあります。
そんなときに役立つのが、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」です。アプリで対応国とプランを選んで購入するだけで、現地到着後すぐにインターネットが使えるようになります。
SIMカードの差し替えやWi-Fiルーターの受け取り・返却も不要なので、空港での余計な待ち時間がありません。両替の手配と並行してアプリで設定を済ませておけば、現地での通信トラブルを気にせず旅を楽しめます。
全世界200カ国対応で、プランも1日から選べる単発プランから月額サブスクリプションまで幅広く用意されているので、旅行スタイルに合わせて最適なものを選べます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。