アメリカへ渡航する際に必要な電子渡航認証「ESTA(エスタ)」の申請料金が、2025年9月30日に21ドルから40ドルへと大幅に値上げされました。さらに2026年1月にはインフレ調整による追加の値上げも実施されています。 この値上げは、2025年7月に成立した「One Big Beautiful Bill Act(HR-1)」という連邦法に基づくもので、今後も毎年の物価連動による調整が予定されています。 本記事では、ESTA値上げの詳しい経緯や新旧料金の比較、料金の内訳、旅行者が取るべき対策、さらに他国の電子渡航認証との料金比較まで、アメリカ渡航を計画している方に役立つ情報をまとめました。
目次

ESTA(Electronic System for Travel Authorization)は、ビザ免除プログラム(VWP)対象国の国民がアメリカへ渡航する際に取得が必要な電子渡航認証です。ここでは、最新の料金改定の内容を時系列で整理します。
2025年9月30日(米国時間)より、ESTAの申請料金がそれまでの21ドルから40ドルに改定されました。約90%の大幅な値上げとなり、日本円に換算すると約3,000円の負担増です(1ドル=150円換算の場合)。
この値上げは、2025年7月4日に成立した「One Big Beautiful Bill Act(HR-1)」に基づいています。米国の入国管理制度や国境警備を強化するための財源確保を目的としたもので、ESTA以外にもI-94(出入国記録)やEVUS(電子ビザ更新システム)の申請料も同時に引き上げられました。
なお、2025年9月30日より前に申請・承認が完了していた場合は旧料金の21ドルが適用されています。また、すでに有効なESTAを保有している方は、有効期限内であれば再申請の必要はありません。
HR-1法では、ESTAの申請料金を毎年消費者物価指数(CPI)に連動して調整することが定められています。この規定に基づき、2026年1月1日からは40ドルから40.27ドルへとさらに値上げされました。
調整の根拠となったのは、2024年7月から2025年7月にかけてのCPI上昇率2.70%です。インフレ調整の対象となるのは料金構成要素のうち「申請処理費用」の部分で、10ドルから10.27ドルへと引き上げられています。
金額としては27セント(約40円)と小幅ですが、今後も毎年同様の調整が行われる点に注意が必要です。
時期 | 申請料金 | 主な背景 |
|---|---|---|
2010年9月〜2022年5月 | 14ドル | ESTA制度開始時の料金設定 |
2022年5月26日〜2025年9月29日 | 21ドル | 観光促進費の増額(Travel Promotion Act改正) |
2025年9月30日〜2025年12月31日 | 40ドル | HR-1法による料金改定 |
2026年1月1日〜 | 40.27ドル | CPI連動のインフレ年次調整 |
ESTAの料金が引き上げられた背景には、米国の法改正と財政政策があります。ここでは値上げの理由を詳しく解説します。
HR-1は、2025年7月4日にアメリカ大統領の署名により成立した連邦法です。正式名称は「One Big Beautiful Bill Act」で、国境管理やセキュリティの強化に必要な資金を確保することを主な目的としています。
この法律により、CBP(米国税関・国境警備局)が管轄する複数の渡航関連手数料が見直され、ESTAの申請料も大幅に引き上げられることになりました。
ESTAの申請料は3つの要素で構成されています。HR-1法による改定前後の内訳を比較すると、以下のとおりです。
構成要素 | 旧料金(21ドル時) | 新料金(40ドル時) |
|---|---|---|
観光促進費(Travel Promotion Fee) | 17ドル | 17ドル |
申請処理費用(System Management Cost) | 4ドル | 10ドル |
米国連邦予算への拠出金(Treasury General Fund Fee) | なし | 13ドル |
合計 | 21ドル | 40ドル |
観光促進費は米国の観光プロモーション機関「Brand USA」への拠出金で、改定前後で変更はありません。大きく変わったのは、申請処理費用が4ドルから10ドルに引き上げられたことと、新たに13ドルの連邦予算拠出金が追加されたことです。
HR-1法には、毎年の消費者物価指数(CPI)に基づいて申請処理費用を自動的に調整する規定が盛り込まれています。2026年1月のインフレ調整はその最初の適用例です。
米国のインフレ率は近年2〜3%台で推移しており、このペースが続けば毎年数十セント程度の値上げが見込まれます。また、法改正によって観光促進費や連邦予算拠出金が再び引き上げられる可能性もゼロではありません。
電子渡航認証はアメリカだけでなく、カナダ・オーストラリア・イギリスなど多くの国が導入しています。各国の料金を比較することで、ESTAの値上げがどの程度の水準なのかを客観的に把握できます。
国・地域 | 制度名 | 料金 | 日本円換算(目安) | 有効期間 |
|---|---|---|---|---|
アメリカ | ESTA | 40.27ドル(USD) | 約6,040円 | 2年間 |
カナダ | eTA | 7ドル(CAD) | 約750円 | 5年間 |
オーストラリア | ETA(subclass 601) | 20ドル(AUD) | 約2,000円 | 1年間 |
イギリス | UK ETA | 20ポンド(GBP) | 約3,800円 | 2年間 |
EU(予定) | ETIAS | 20ユーロ(EUR) | 約3,300円 | 3年間 |
※日本円換算は2026年4月時点の概算レートに基づく参考値です
カナダのeTAが約750円と突出して安い一方で、ESTAは約6,040円と主要国の中では最も高い水準です。オーストラリアのETAやイギリスのUK ETAは2,000〜3,800円程度で、ESTAの半額以下となっています。
ただし、ESTAの有効期間は2年間で、その間は何度でもアメリカへの渡航が可能です。年に複数回渡航する方にとっては、1回あたりの負担は軽減されます。
また、EUが2026年後半に導入予定のETIAS(欧州渡航情報・認証システム)は20ユーロ(約3,300円)で、18歳未満と70歳以上は無料となる予定です。各国で電子渡航認証の導入・値上げの動きが広がっており、今後は渡航費用としてこれらの申請料を計画的に見込んでおく必要があります。

ESTA申請料の値上げに伴い、旅行者が押さえておきたいポイントをまとめます。申請時のトラブルを避けるためにも、事前に確認しておきましょう。
ESTAの申請は、米国CBP(税関・国境警備局)の公式サイト(esta.cbp.dhs.gov)またはCBP公式アプリから行うのが基本です。
検索エンジンでは、公式サイトに似せた代行サイトが上位に表示されることがあります。これらの代行サイトでは、正規の申請料に加えて数千円〜1万円以上の手数料が上乗せされるケースが報告されています。公式サイトの料金は40.27ドルですので、それ以上の金額を請求されている場合は代行サイトを利用している可能性があります。
ESTAの有効期間は、承認日から2年間またはパスポートの有効期限のいずれか早い方です。有効期間内であれば何度でもアメリカに渡航できるため、複数回の渡航を予定している方は早めに申請しておくと無駄がありません。
ただし、パスポートを更新した場合はESTAも再取得が必要になります。パスポートの残存有効期間が短い場合は、パスポートの更新を先に済ませてからESTAを申請するのが効率的です。
ESTAの申請料はUSドル建てで、クレジットカードまたはデビットカードで支払います。PayPalでの支払いにも対応しています。
円安が進行している場合は、日本円での実質負担額がさらに大きくなります。たとえば1ドル=160円のレートでは、40.27ドルは約6,443円に相当します。カード会社の為替手数料も加わるため、実際の請求額は申請時のレートによって変動する点を覚えておきましょう。
ESTA値上げのニュースを機に、改めてESTAの基本的な仕組みを確認しておきましょう。初めてアメリカに渡航する方にも、制度の概要がわかるように整理しています。
ESTAは「Electronic System for Travel Authorization」の略で、日本語では「電子渡航認証システム」と呼ばれています。アメリカのビザ免除プログラム(VWP:Visa Waiver Program)対象国の国民が、ビザなしでアメリカに短期渡航する際に必要となるオンライン事前審査制度です。
2009年1月から申請が義務化されており、90日以内の観光・商用・乗り継ぎ目的の渡航が対象です。日本はVWP対象国に含まれているため、アメリカへの短期渡航にはESTAの取得が必要です。
アメリカへの渡航時はeSIMを活用すると、到着後すぐにインターネットに接続できて便利です。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」なら、アプリからデータプランを購入するだけで、SIMカードの差し替え不要で現地の通信を利用できます。
ビザ免除プログラム(VWP)の対象国は、日本を含む42か国です。主な対象国は以下のとおりです。
VWP対象国のパスポートを所持し、90日以内の滞在で観光・商用・乗り継ぎの目的でアメリカに渡航する場合、ESTAの取得が必須です。就労や留学など90日を超える滞在にはビザの取得が必要になります。
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ESTAの申請はオンラインで完結します。CBP公式サイト(esta.cbp.dhs.gov)にアクセスし、パスポート情報、渡航情報、個人情報などを入力して申請料を支払います。
申請から承認までの所要時間は、多くの場合72時間以内です。ただし、追加審査が必要な場合はそれ以上かかることもあるため、渡航日の少なくとも72時間前までに申請を済ませておくことが推奨されています。

ESTAの取得と合わせて、渡航時の通信手段も事前に準備しておくと安心です。現地でのマップ検索やレストラン探し、緊急時の連絡など、スマートフォンのインターネット環境は旅行中の心強い味方です。
トリファ(trifa)は、スマートフォンひとつで海外用のeSIMを購入・設定できるアプリです。物理SIMの差し替えは不要で、渡航先に合ったプランをアプリから選ぶだけで現地のモバイル通信が使えるようになります。
世界195以上の国と地域に対応しており、出発前に日本でプランを購入しておけば、現地到着後すぐにネットが使えます。空港でのSIM購入やWi-Fiルーターのレンタルと比べて、手間もコストも抑えられます。
ESTAの申請と合わせて、通信環境もトリファで事前に整えておくと、現地での行動がぐっとスムーズになります。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。