ユーロスターは、ロンドンと大陸ヨーロッパの主要都市を結ぶ国際高速鉄道です。市街中心の駅同士を直結し、空港のような長い移動や待ち時間がないため、ヨーロッパ周遊旅行の移動手段として人気が高まっています。 一方で「料金がいくらかわかりにくい」「ロンドン入国にETAが必要と聞いた」「アムステルダム直通は1日何本あるのか」など、初めて利用する方にとっては事前に確認しておきたい情報が多いのも事実です。 この記事では、2026年の最新情報をもとに、ユーロスターの路線・料金・予約方法・必要書類・当日の流れまでを一本にまとめました。ロンドン⇔パリ、ロンドン⇔ブリュッセル、ロンドン⇔アムステルダムの主要ルートを中心に、初めての方でも迷わず乗車できる内容になっています。 海外で使う通信手段の準備もあわせて確認し、現地到着後すぐにスマホを使える状態で旅を始めましょう。
目次
ユーロスターは、英仏海峡トンネルを通ってロンドンと大陸ヨーロッパ各都市を結ぶ国際高速鉄道です。市街中心駅から市街中心駅へ直結するため、空港利用と比べて移動時間を短縮できるのが大きな特徴です。
2023年10月に、それまでパリ・ブリュッセル・アムステルダム・ケルンなどを結んでいた高速鉄道「タリス(Thalys)」がユーロスターブランドに統合され、現在は1つのブランドでフランス・ベルギー・オランダ・ドイツ・イギリスを跨ぐネットワークを運行しています。車両は、ロンドン発着列車が青色、それ以外のヨーロッパ内列車が赤色で運行されています。

ユーロスターの主要な直行路線と所要時間の目安は次のとおりです。
路線 | 最短所要時間 |
|---|---|
ロンドン⇔パリ | 約2時間15分 |
ロンドン⇔ブリュッセル | 約2時間 |
ロンドン⇔アムステルダム | 約3時間52分(最短) |
パリ⇔ブリュッセル | 約1時間25分 |
パリ⇔アムステルダム | 約3時間20分 |
ロンドン⇔アムステルダムは2026年から1日5本の直行便体制となっています。なお、アムステルダム発ロンドン行きの便については、ブリュッセルでの乗り換え(10〜20分程度)が必要なダイヤも残っているため、予約時に「直行(Direct)」表示を必ず確認してください。
パリ⇔ブリュッセル⇔アムステルダム⇔ケルンを結ぶ旧タリス路線は、ブランド統合後もユーロスターブランドのもとで継続運行されています。アントワープ、ロッテルダム、デュッセルドルフなども引き続き停車駅としてカバーされています。
ユーロスターの運賃は、航空券と同様の変動制(ダイナミックプライシング)で、出発日が近づくほど値上がりする傾向があります。早めの予約と座席クラスの選び方が、費用を抑えるうえでの基本になります。
2026年時点での片道スタンダード席の最安値の目安は、次のとおりです。
路線 | 片道スタンダード最安値の目安 |
|---|---|
ロンドン⇔パリ | £51〜 |
ロンドン⇔ブリュッセル | £57〜 |
ロンドン⇔アムステルダム・ロッテルダム・リールなど | $55〜(往復必須キャンペーン適用時) |
上記はキャンペーン適用時の最安値で、繁忙期や直前予約では大幅に上昇します。プレミアクラス(ビジネス向け最上級)は片道£325程度になる場合もあります。
ユーロスターの座席クラスは、2024年11月の名称変更により以下の3つに整理されました。
クラスによってチェックイン締切時間や荷物許容量、ラウンジ利用可否が異なります。
4〜11歳の子ども料金は通常運賃の約30%引きで設定されており、オフピーク時間帯の便ではさらに30〜50%程度の割引が適用されるケースもあります。家族旅行の際は、平日昼間や朝・夕方のピーク帯を外すと費用を抑えやすくなります。
ユーロスターは公式サイト・公式アプリ、SNCF Connect(フランス国鉄)、Trainline、Klook、Trip.com、欧州エキスプレスなどの代理店経由でも予約できます。基本は公式サイト・公式アプリでの直接予約が最もシンプルですが、日本語対応や決済方法の選択肢を重視する場合は代理店も選択肢になります。
料金を抑えるには、できるだけ早い時期に予約するのがおすすめです。チケットは出発の数ヶ月前から販売開始となり、最安席から順に売り切れていく仕組みです。旅行日程が固まり次第、早めに購入を検討しましょう。
変更・キャンセルの可否は購入したチケットのタイプ(クラス・運賃区分)によって異なります。最安値のスタンダード運賃は変更不可・払い戻し不可の条件であることが多いため、旅程に不確実性がある場合は、変更可能な運賃や上位クラスを検討するか、別途旅行保険でカバーすることも一案です。
ロンドン⇔パリは、ユーロスターの中で最も本数が多く、最短2時間15分で結ばれる代表的な路線です。「飛行機より早くて楽」と言われる理由は、市街中心の駅同士を直結している点にあります。

- 地下鉄キングス・クロス/セント・パンクラス駅と直結し、6路線が利用できます
- メトロ4・5番線、RER B線などでアクセス可能で、シャルル・ド・ゴール空港へのアクセスも良好です
ロンドン⇔パリ間は、ほぼ毎時または2時間ごとに、週7日運行されています(クリスマスを除く)。早朝から夜まで便があるため、現地での滞在時間を最大化しやすい路線です。
パリだけでなく、ロンドン・パリの2都市周遊を1回の旅行で組み合わせる旅程と相性が良い路線です。市街中心駅同士の移動なので、空港アクセスやチェックインに割く時間を観光に充てられます。
ロンドン⇔ブリュッセル間は最短約2時間、ロンドン⇔アムステルダム間は最短約3時間52分で結ばれます。北海周辺のヨーロッパ周遊を組む場合に便利な路線です。
- プラットフォーム1・2がユーロスター用の発着ホームとして案内されています
ロンドン⇔アムステルダム間の直行便は、2026年1月以降1日5本体制に増便され、ロッテルダム中央駅にも停車します。一方、アムステルダム発ロンドン行きはダイヤによりブリュッセル南駅での乗り換えが必要な便もあるため、復路の予約時はとくに注意が必要です。
ブリュッセルやアムステルダムを起点に、パリ⇔ブリュッセル⇔アムステルダム⇔ケルンといった旧タリス路線にそのままユーロスターブランドで乗り継ぐことができます。ヨーロッパ周遊を効率よく組みたい場合に有力な選択肢です。
ユーロスターは国境をまたぐ列車のため、空港と同様に出入国審査・手荷物検査が行われます。日本国籍の方が押さえておきたい必要書類は、パスポートに加えて、UK ETAおよび今後始まるETIASです。
全てのユーロスター利用者にとって有効なパスポートは必須です。残存期間など各国の入国要件もあわせて事前に確認しておきましょう。
日本国籍の旅行者がイギリスへ短期渡航する際は、UK ETA(電子渡航認証)が必須になっています。
2026年2月25日以降、ユーロスターを含む輸送各社はETAステータスを乗車前に確認するよう義務付けられており、ETAなしでは乗車を拒否される運用になっています。
EU側では、シェンゲン協定加盟30か国を短期訪問するビザ免除国の旅行者に対して、ETIAS(欧州渡航情報認証制度)の取得が義務付けられる予定です。日本も対象国に含まれています。
2026年5月時点では運用開始されておらず、欧州委員会は2026年第4四半期(10〜12月)の運用開始を予定としつつ、正式な開始時期は数か月前に通知するとしています。出発前に外務省海外安全ホームページや公式ETIASポータルで最新情報を確認してください。
シェンゲン圏では、非EU市民を対象とした出入域管理システム「EES(Entry/Exit System)」の本格運用が進められています。初回登録時には顔写真と指紋などの生体情報の登録が必要です。ユーロスターでの入域時も対象となるため、初回利用時はより余裕を持って駅に到着するのがおすすめです。
ユーロスターは「鉄道」とはいえ、国境をまたぐため、空港の国際線に近い手続きが必要です。当日のフローと注意点を押さえておきましょう。
チェックインは、駅に設置された自動改札でチケットのバーコードをスキャンする方式が基本です。
チェックイン後は、出発国側の出国審査・到着国側の入国審査、そしてセキュリティチェック(手荷物検査)を通過します。日本国籍のパスポート保有者は、駅によっては自動化ゲートを利用できる場合があります。
ユーロスターの荷物許容量は、座席クラスによって異なります。
クラス | 大型荷物 | 手荷物 |
|---|---|---|
スタンダード/プラス | 最大85cm(ロンドン路線)または75cm(その他路線)まで×2点 | 小型ハンドバッグ等×1点 |
プレミア | 同上のサイズ×3点 | 小型ハンドバッグ等×1点 |
航空機と異なり、重量制限はなく、液体物の持ち込み制限もありません。各荷物には記名タグを付けることが推奨されています。
プラットフォームへ進む前に、電光掲示板で出発時刻・乗車口・車両番号を確認します。乗車口には車両番号と行き先が表示されているため、自分の予約番号・座席番号に対応した車両から乗車しましょう。
ヨーロッパ周遊では「ロンドンに着いた瞬間からスマホを使いたい」「複数国を移動するためSIMをいちいち入れ替えたくない」というニーズが高まります。ユーロスター利用者にとっても、出発前にデータ通信の準備を済ませておくのがおすすめです。

海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」は、日本国内で事前にプランを購入し、現地到着と同時にデータ通信を使い始められるサービスです。海外eSIMアプリ利用者No.1(出典:Sensor Tower 調べ、2024年5月〜2025年4月、iOS/Android合算)で、全世界200カ国に対応しています。
ヨーロッパ周遊プランも提供されており、イギリス・フランス・ベルギー・オランダ・ドイツなどを1つのプランでカバーできるのが特徴です。ロンドン到着後にすぐ地図アプリを開いたり、パリで翻訳アプリを使ったりと、ユーロスターでの周遊旅行と相性のよい通信手段です。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。