香港は「世界有数の物価が高い都市」として知られる一方で、ローカルの茶餐廳(チャーチャンテーン)や公共交通機関を上手に使えば、意外とリーズナブルに楽しめる旅行先でもあります。日本と比べてどの費目が高く、どの費目が安いのかを理解しておくと、無駄のない旅行計画が立てられます。 特に2024年から2026年にかけては、MTRの運賃改定やタクシー初乗り料金の値上げ、ピークトラム・ピーク360のチケット価格改定など、観光に関わる料金が相次いで変更されました。最新の情報をもとに予算を組まないと、現地で想定外の出費が発生してしまいます。 この記事では、2026年最新の為替レート(1香港ドル=約20円)をもとに、香港旅行で気になる食費・交通費・宿泊費・観光入場料などをカテゴリ別に解説します。2泊3日・3泊4日の予算モデルや節約のコツもあわせて紹介しますので、渡航前の費用計画にぜひお役立てください。
目次

香港旅行の費用感をつかむために、まずは通貨と為替レートの基本を押さえておきましょう。香港は中国本土とは別の通貨制度を採用しており、決済の仕組みも独特です。
香港の通貨は「香港ドル(HKD)」で、補助単位は「セント」です。紙幣は10・20・50・100・500・1,000香港ドルの6種類があり、10香港ドル紙幣は香港金融管理局(政府)が、20香港ドル以上の5種類はHSBC・スタンダードチャータード銀行・中国銀行(香港)の3行が発行しています。そのため20香港ドル以上の紙幣は、同じ額面でもデザインが3種類存在します。
硬貨は10セント・20セント・50セント・1ドル・2ドル・5ドル・10ドルの7種類が流通しています。中国本土の人民元とは別の通貨で、香港内では原則として使えないため注意が必要です。
2026年5月時点の為替レートは1香港ドル=約20円前後で推移しています。本記事では計算をわかりやすくするために、1香港ドル=20円で換算して物価を紹介していきます。
香港ではクレジットカードに加えて、交通系ICカード「オクトパスカード(八達通)」が広く普及しています。MTR・バス・トラム・スターフェリーといった交通機関はもちろん、コンビニやスーパー、茶餐廳の支払いにも使えるため、旅行者にとって必須のアイテムです。
オクトパスカードはMTR各駅のカスタマーサービスセンターや空港で購入でき、デポジットを含む初期費用と任意のチャージ額で利用を始められます。クレジットカード非対応の小さなお店でも使えるため、現金を持ち歩く頻度が大きく減らせるのが魅力です。
香港では消費税(付加価値税)がないため、買い物の表示価格がそのまま支払額になるのが基本です。ただし2025年1月からホテル・ゲストハウスの宿泊料金には3%の宿泊税が課されるため、宿泊費は表示額に上乗せされる点に注意しましょう。チップ文化はレストランで10〜15%のサービス料が自動加算されるケースが中心で、別途現金でチップを渡す必要はありません。
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香港旅行で最も物価の差を実感しやすいのが食費です。ローカルな茶餐廳や屋台を利用すれば日本より手頃に食事ができますが、ホテルのレストランやスタバなどのチェーン店は日本より割高な傾向があります。
香港式喫茶店「茶餐廳(チャーチャンテーン)」は、地元の人が日常的に利用するカジュアルな食事処です。お粥や麺、フレンチトースト、ミルクティーなどを手頃な価格で楽しめます。
セットメニューはドリンク付きで30〜50香港ドル(約600〜1,000円)が目安です。お粥+揚げパン+ミルクティーの朝食セットも、ほぼ同じ価格帯で楽しめます。
ローカル食堂や麺料理の専門店であれば、ワンタン麺やお粥が40〜60香港ドル(約800〜1,200円)、定食が60〜90香港ドル(約1,200〜1,800円)が相場です。日本のラーメン店や定食屋とほぼ同等か、やや安く感じる水準です。
香港名物の飲茶(ヤムチャ)は、ミシュラン店から街中のローカル店まで幅広い選択肢があります。
ミシュランのビブグルマン(コストパフォーマンスに優れた店)に選ばれている「添好運(ティム・ホー・ワン)」では、点心1皿が30香港ドル前後(約600円)で、3〜4品+飲み物で1人100〜150香港ドル(約2,000〜3,000円)に収まります。ミシュランガイドには17年連続で掲載され続けており、手頃な価格で本格的な点心を味わえる1軒です。
一般的な飲茶レストランで朝〜昼の点心ランチを楽しむ場合、1人あたり100〜200香港ドル(約2,000〜4,000円)を見ておきましょう。フォーシーズンズホテル内の「龍景軒」のような高級店では、2026年1月から1人あたり700香港ドル+サービス料10%の最低利用金額が設定されており、ランチでも1人15,000円以上かかるため、予算に応じて店選びを工夫しましょう。
日常的に購入する飲み物や軽食の価格は、日本と同等か少し高めの傾向があります。以下に主な品目の価格をまとめました。
品目 | 香港での価格 | 日本円換算(1香港ドル=20円) |
|---|---|---|
ミネラルウォーター(500ml) | 5〜10香港ドル | 約100〜200円 |
マクドナルド ビッグマック単品 | 25.5香港ドル | 約510円 |
マクドナルド ホットコーヒー(S) | 22.5香港ドル | 約450円 |
スターバックス カフェラテ(トール) | 45香港ドル | 約900円 |
地元ビール(500ml・スーパー) | 12〜20香港ドル | 約240〜400円 |
ビッグマック単品は日本と同水準ですが、コーヒーチェーンは日本の約2倍と感じる価格帯です。コンビニのミネラルウォーターも日本のスーパーで買うより割高なため、まとめ買いするならスーパーマーケットの利用がおすすめです。
香港の公共交通機関は路線網が充実しており、観光の足として非常に便利です。MTRやトラム、スターフェリーは特にリーズナブルで、移動費を大きく節約できます。
MTR(地下鉄)は距離制の料金体系で、オクトパスカードを使うと現金よりも安くなります。中環(セントラル)から銅鑼湾(コーズウェイベイ)はオクトパスカード利用で5.9香港ドル(約118円)、湾仔(ワンチャイ)までは4.9香港ドル(約98円)と手頃な水準です。
2026年4月3日からは65歳以上のシニア向け「2ドル乗車スキーム」が改定され、従来の一律2香港ドルから「2香港ドルまたは通常運賃の8割引のいずれか高い方」へ変更されました。一般の観光客向け運賃には影響しませんが、香港在住の家族や知人と利用する場合は覚えておくとよいでしょう。
路線バスは2.5香港ドル(約50円)から乗車でき、二階建てバスからの眺めを楽しみながら移動できます。観光地周辺は路線が複雑なため、行き先を運転手やオクトパスアプリで確認してから乗ると安心です。
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香港のタクシーは営業エリアごとに3色に分かれており、初乗り料金もそれぞれ異なります。2024年7月の値上げが反映された最新の初乗り運賃は以下のとおりです。
タクシーの色 | 営業エリア | 初乗り(2km) | 日本円換算 |
|---|---|---|---|
市区(赤色) | 香港島・九龍 | 29香港ドル | 約580円 |
新界(緑色) | 新界エリア | 25.5香港ドル | 約510円 |
ランタオ島(青色) | ランタオ島 | 24香港ドル | 約480円 |
初乗り(2km)以降は、200mごと(または1分の待機ごと)に2.1香港ドル(約42円)が加算され、合計運賃が102.5HKDを超えると200mごとに1.4香港ドル(約28円)に下がります。観光客がメインで使うのは赤色タクシーで、日本のタクシーと比べて初乗りも加算運賃も割安です。
配車アプリでは「Uber」が広く使われており、乗車前に料金がわかるのもメリットです。深夜や雨天時はサージプライス(割増料金)が適用されることもあるため、注意しましょう。
100年以上の歴史を持つ「トラム(叮叮/ディンディン)」は、香港島北岸を東西に走る庶民の足です。2025年5月に運賃改定があり、現在は大人3.3香港ドル(約66円)の均一料金で、距離に関係なく乗車できます。
中環と尖沙咀を結ぶ「スターフェリー」は、ビクトリアハーバーを横断する観光ハイライトの1つです。下層デッキは平日4香港ドル・土日祝5.6香港ドル、上層デッキは平日5香港ドル・土日祝6.5香港ドルです。4日間乗り放題のツーリストチケット50香港ドルも販売されています。
空港と市内を結ぶ「エアポートエクスプレス(AEL)」は、香港駅まで最短約24分の高速鉄道です。香港駅までの片道大人運賃はオクトパスカード利用で120香港ドル(約2,400円)、シングルチケットで130香港ドル(約2,600円)です。Klookなどのオンラインプラットフォームでは、20〜30%引きで購入できるケースもあります。

香港は世界有数の宿泊費が高い都市として知られています。一方で、観光地の入場料は無料スポットも多く、有料施設も日本と同等以下の水準で楽しめます。
ホテルの宿泊費はランクや立地によって大きな幅があります。なお2025年1月から導入された3%の宿泊税(ホテルによっては別途サービス料10%)が加算されるため、実際の支払額は以下の相場より高くなります。おおまかな目安は次のとおりです。
ランク | 1泊あたりの料金 | 日本円換算 |
|---|---|---|
ゲストハウス・ドミトリー | 100〜400香港ドル | 約2,000〜8,000円 |
エコノミーホテル(2〜3つ星) | 500〜1,000香港ドル | 約10,000〜20,000円 |
4つ星ホテル | 1,000〜2,000香港ドル | 約20,000〜40,000円 |
5つ星ホテル | 2,000香港ドル〜 | 約40,000円〜 |
尖沙咀や中環といった主要観光エリアは特に宿泊費が高く、3つ星クラスでも1泊1万円を切るのは難しい水準です。佐敦(ジョーダン)や旺角(モンコック)など九龍北部のエリアは比較的リーズナブルで、深水埗(サムスイポー)周辺ではゲストハウスを2,000〜4,000円台で見つけられることもあります。
春節(旧正月)やクリスマス、ラグビーセブンズ(4月開催)の期間は宿泊費が大きく上昇します。この時期に旅行する場合は、できるだけ早めに予約するのが鉄則です。
香港の主要観光スポットの入場料を以下にまとめました。無料で楽しめる夜景スポットや市場も多く、有料施設も日本のテーマパークと比べると手頃な印象です。
観光地 | 入場料・乗車料 | 日本円換算 |
|---|---|---|
ピークトラム(往復) | 116香港ドル | 約2,320円 |
ピークトラム+スカイテラス428セット | 182香港ドル | 約3,640円 |
ンゴンピン360(往復・スタンダード) | 295香港ドル | 約5,900円 |
シンフォニー・オブ・ライツ(夜景ショー) | 無料 | 無料 |
女人街・男人街(ナイトマーケット) | 無料 | 無料 |
ピークトラムは2025年12月29日にチケット料金が改定され、往復大人116香港ドルになりました。スカイテラス428とのセット券を購入すると、香港島の絶景を360度見渡せる展望台にも立ち寄れます。
ンゴンピン360は天壇大仏(ビッグブッダ)へ続くロープウェイで、2025年6月に2年ぶりの値上げが実施されました。スタンダードキャビンの大人往復は295香港ドルですが、Klookやkkdayなどのチケット販売サイトでは10〜20%の割引が適用されることが多いため、事前購入をおすすめします。
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個別の物価がわかったところで、実際の旅行でどの程度の予算が必要になるのか、日数別のモデルプランで見ていきましょう。あわせて、旅費を上手に節約するためのポイントも紹介します。
日本からの往復航空券を含めた旅行予算の目安は以下のとおりです。航空券はLCCを利用した場合と、フルサービスキャリアを利用した場合で大きく異なります。
費目 | 2泊3日(1人) | 3泊4日(1人) |
|---|---|---|
航空券(往復) | 4〜10万円 | 4〜10万円 |
宿泊費 | 20,000〜80,000円 | 30,000〜120,000円 |
食費 | 8,000〜15,000円 | 12,000〜22,000円 |
交通費(現地) | 2,000〜4,000円 | 3,000〜6,000円 |
観光・入場料 | 3,000〜10,000円 | 5,000〜15,000円 |
通信費 | 1,000〜3,000円 | 1,000〜3,000円 |
合計 | 約8〜20万円 | 約10〜25万円 |
予算の幅が大きいのは、航空券とホテルの選び方次第で費用が大きく変動するためです。LCCとエコノミーホテルの組み合わせなら8〜10万円程度に収まりますが、フルサービスキャリアと4つ星以上のホテルを選ぶと20万円を超えてきます。
香港は日本国籍の方であれば90日以内の短期滞在はビザ不要で、ビザ取得費用がかからない点も予算面で嬉しいポイントです。ただし入境ラベルの滞在期限は厳格に運用されているため、帰国日と照らし合わせて必ず確認しましょう。
香港旅行の費用をできるだけ抑えるために、以下のポイントを意識してみてください。
航空券は春節(1〜2月)やクリスマス前後を避け、3〜4月や6〜7月のオフピークを狙うと比較的安く購入できます。LCCの香港エクスプレスやピーチを早期予約すれば、往復4〜5万円台で見つかることもあります。
食事は茶餐廳やローカル食堂を中心にすると、1日の食費を3,000〜5,000円程度に抑えられます。ホテルの朝食ビュッフェではなく、ホテル近くの茶餐廳で朝食をとるだけでも大きな節約になります。
市内の移動はオクトパスカードを使ったMTRとトラムを基本にしましょう。1回あたり50〜120円で主要観光スポットへアクセスでき、タクシーよりも圧倒的にお得です。
ピークトラムやンゴンピン360などのアトラクションは、Klookやkkdayといったオンラインチケット販売サイトで事前予約すると割引が適用されます。10〜20%オフで購入できれば、家族旅行では数千円単位の節約につながります。
通信費については、海外eSIMを利用すればWi-Fiルーターのレンタル代や高額なローミング料金を避けて手頃な価格でデータ通信を確保できます。複数人での旅行ならまとめ買いに対応したサービスを選ぶと、1人あたりの費用をさらに抑えやすくなります。
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香港旅行は、茶餐廳や公共交通機関を上手に活用すれば日本と同等かそれ以下の予算で楽しめます。一方で、宿泊費やコーヒーチェーン、エアポートエクスプレスなど、日本より割高に感じる費目もあるため、メリハリのある使い分けが大切です。
旅行中の通信環境も予算計画に組み込むことで、現地での情報収集や決済をスムーズに進められます。
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ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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