海外旅行や留学の準備で最初につまずきやすいのが、パスポートの申請用写真です。サイズや顔の寸法、背景の色など細かい規格が定められており、知らずに撮影すると窓口で撮り直しを求められることもあります。 さらに2023年3月からはオンライン申請が本格化し、スマホで撮った顔写真をアップロードする運用も広がりました。紙焼きとデジタルでは要件が少し異なるため、申請方法に合わせて準備する必要があります。 この記事ではパスポート写真の規格を外務省の公式情報に沿って整理し、撮影方法ごとの料金相場や、よくあるNG例と対処法までまとめて紹介します。初めての申請でも迷わず準備できるよう、順を追って確認していきましょう。
目次

パスポート用写真は、国際民間航空機関(ICAO)の勧告に基づいて細かく規格が定められています。サイズや顔の寸法を1つでも外すと受理されないため、撮影前に基本ルールを把握しておくことが大切です。
ここでは申請窓口でも案内されている主要な規格を、項目ごとに分けて解説します。
パスポート写真の外寸は縦45mm×横35mm、ふちなしと定められています。さらに顔の寸法にも基準があり、頭頂からあごまでが32mm〜36mmに収まっている必要があります。
顔の中心(鼻筋を通るライン)から写真の左右の端までの幅は17mm前後で、左右どちらかに寄りすぎていると規格外になります。頭の上には2〜6mm程度の余白を残すのが目安です。
寸法が小さすぎる写真は顔の判別が難しく、大きすぎると頭頂が切れてしまいます。テンプレートに重ねて確認すると安全です。
写真は申請日から遡って6か月以内に撮影されたものでなければなりません。古い写真を使い回すと受理されないので、申請のたびに撮り直すのが原則です。
背景は無地で、影が顔や背景に落ちていないことが求められます。白に限定されていませんが、髪の色と背景が同系色で輪郭が判別しにくい場合は撮り直しを依頼されることがあります。
自宅で撮影する場合は、白い壁から少し離れた位置に立ち、自然光をやわらかく当てると影が出にくくなります。
写真はカラーでも白黒でも申請可能ですが、肌の色や顔の特徴が分かりやすいカラーが一般的です。鮮明でピントが合っており、過度なレタッチや左右反転を加えていないことが条件です。
撮影時は正面を向き、口を閉じた自然な表情で、無帽が原則です。宗教上の理由で頭部を覆う場合は、顔の輪郭が確認できる範囲で許容され、別途書類が必要になることもあります。
肩と顔のラインが左右対称になるように姿勢を整えると、規格外と判定されにくくなります。
パスポート写真の規格は寸法だけでなく、写り方にも細かい条件があります。服装や髪型、メガネやコンタクトの状態によっては、規格内のサイズで撮っても受理されないことがあります。
ここでは申請現場で指摘されやすい項目を、ジャンルごとに整理します。
背景が白っぽい場合、白いシャツやベージュのトップスを着ていると、肩のラインが背景と同化してしまいます。輪郭がはっきり出るよう、無地で濃いめの色を選ぶのが無難です。
タートルネックやフード付きの服は、あごのラインを覆ってしまうと顔の寸法測定に影響することがあります。襟元が開いたシャツやカーディガンが無難です。
柄物や派手なロゴが入った服は、顔への視線を妨げる要因になります。シンプルな単色アイテムを選ぶと、撮影時に迷いません。
前髪が目にかかっていたり、サイドの髪が目尻や眉を隠していると、顔認証に必要なパーツが判別できず再撮影になります。撮影前に分け目を整え、必要に応じてピンで留めましょう。
表情は口を閉じた自然な状態が基本です。歯を見せた笑顔や口を開けたカット、目を細めすぎたカットは認められません。
まばたきや顔の傾きにも注意が必要です。撮影時にあごを軽く引き、カメラのレンズと目線を水平に合わせるときれいに収まります。
2020年以降、原則としてメガネを外して撮影することが推奨されています。やむを得ずかける場合は、レンズに照明が反射していたり、フレームが目を覆っていない状態が条件です。
カラーコンタクトやサークルレンズは、瞳の輪郭や色味を変えてしまうため不可です。出入国時に本人確認で不利益を受ける可能性があるため、必ず外して撮影しましょう。
ピアスやネックレスは規格上の禁止項目ではありませんが、光の反射で顔に影が落ちることがあります。シンプルなアクセサリーに留めるか、撮影時のみ外すと反射を抑えられます。
2023年3月からマイナポータル経由のオンライン申請が広がり、紙焼きの代わりにデジタル写真をアップロードする方式が一般化しました。紙焼き用とは要件が一部異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
ここでは、オンライン申請で押さえておきたいポイントを整理します。
オンライン申請でアップロードできる顔写真のファイル容量は、20キロバイト〜2メガバイトの範囲です。これを超えるとアップロード自体ができません。
ドット(網状の点)やジャギー(階段状のギザギザ)、インクのにじみがある画像は不適当とされます。スクリーンショットや一度プリントした写真を再撮影したものは、品質低下のため避けたほうが無難です。
スマホのカメラで撮影する場合は、最高画質の設定で保存し、トリミング以外の画像処理は加えないようにしましょう。
オンライン申請では、紙焼きより細かく背景や影が判定されます。室内の蛍光灯の位置によっては、頬や首元に影が落ちて再提出になることがあります。
撮影時は背景から1m以上離れて立ち、被写体の左右に光源が均等に当たるよう調整しましょう。窓辺で自然光を使う場合は、レースのカーテン越しに光をやわらげると影が出にくくなります。
スマホのフラッシュは強すぎる影と肌のテカリを生むため、原則オフにして撮影するのがおすすめです。
オンライン申請ではサイン(自署)の画像もアップロードします。白い無地の紙に黒いペンで書いたサインを、影や歪みが入らないよう真上から撮影するのが基本です。
ペン先が細すぎると線がかすれ、太すぎるとつぶれて読み取れなくなります。0.5〜1.0mm程度のボールペンが扱いやすいです。
サインは旅券に印刷され、海外でのサインと突き合わせる場面でも使われます。普段の署名と一致するスタイルで書いておくと、現地での確認がスムーズです。

撮影方法によって、仕上がりの安定性と料金は大きく変わります。出発までの時間や予算、写真の使い回しの有無に合わせて、最適な方法を選びましょう。
ここでは主な3つの方法を、料金とメリット・デメリットの観点から比較します。
主な撮影方法の料金相場は次の通りです。
撮影方法 | 料金相場 | 仕上がりの安定性 |
|---|---|---|
写真館・写真スタジオ | 2,000〜5,000円程度 | 非常に高い(規格保証付きの店舗あり) |
証明写真機(Ki-Re-i等) | 800〜1,600円程度 | 高い(テンプレート自動補正) |
スマホ自撮り+コンビニ印刷 | 200〜400円程度 | 撮影スキル次第 |
写真館は撮り直し保証や規格チェックが付帯することが多く、申請に不慣れな人でも判断に迷いません。証明写真機は短時間で撮れて料金も手頃で、最も利用者が多い選択肢です。
自撮り方式は最安ですが、規格に合わない写真をプリントしてしまうと作り直しの手間が増えます。
10年用パスポートを申請する人や、ビザ申請にも同じ写真を流用したい人は、写真館での撮影がおすすめです。撮影後に規格チェックがあり、万が一窓口で指摘されても撮り直しに対応してくれる店舗が多いためです。
証明写真と就活写真、運転免許更新用などをまとめて撮影できる店舗もあり、トータルではコストパフォーマンスが上がります。
小さな子どもの撮影は、頭の位置調整や表情づくりにコツがいるため、専門スタッフのいる写真館が向いています。
証明写真機を使う場合は、機種の中で「パスポート用」モードを必ず選択しましょう。一般の証明写真モードでは規格外のサイズで仕上がることがあります。
自撮りの場合は、専用アプリで規格テンプレートに合わせて切り抜くのが安全です。撮影は窓辺の自然光で、白い壁から1m以上離れた位置に立ち、スマホは目線の高さに固定すると安定します。
プリント前に画面上で頭頂・あご・左右の余白がテンプレートに収まっているか確認すると、現地での撮り直しを防げます。
パスポート写真は撮影し直しになっても、再提出は何度でも可能です。ただし出発直前に再撮影が必要になると、スケジュールに影響が出るため、事前にNG例を把握しておくと役立ちます。
ここでは、申請窓口で指摘されやすい代表的な失敗パターンを整理します。
顔が小さすぎて頭頂からあごが32mm未満になっているケースや、逆に大きすぎて頭頂が切れているケースは典型的なNGです。プリント後に定規で計測し、規格内に収まっているか確認しましょう。
左右の余白が偏っていたり、首から下が大きく入りすぎている場合も再撮影対象です。証明写真機や写真館のテンプレートに任せるのが確実です。
顔の角度が下向きや上向きに傾いていると、寸法そのものは合っていても規格外と判定されることがあります。
目を閉じている、片目だけ細くなっている、笑顔で歯が見えている写真は不適切とされます。複数枚撮影し、最も自然な1枚を選ぶと失敗が減ります。
前髪やマスクのゴム紐で顔の一部が隠れているケースも頻出します。撮影前に鏡で確認し、髪をピンで留めておくと再撮影を避けられます。
カラーコンタクトやつけまつげの濃い影は、目元の輪郭を変えてしまうため避けましょう。
オンライン申請では、画像にノイズや圧縮跡があると差し戻しになります。送信前に等倍で表示し、目元や髪の生え際にギザギザが出ていないか確認しましょう。
紙焼きでは、家庭用プリンターの普通紙印刷は色味とシャープさが不足しがちです。コンビニの写真プリントや、規格保証付きの撮影サービスを利用すると安全です。
万が一窓口で再撮影を求められても、パスポートセンター周辺には写真館や証明写真機が併設されていることが多いため、その場で対応可能です。
パスポート写真の準備が整ったら、次は海外旅行の通信手段の準備です。現地でスマホをそのまま使うと高額請求になりかねないため、出発前にeSIMを用意しておくと安心です。
トリファ(trifa)は、利用者No.1の海外eSIMアプリです。200以上の国と地域に対応し、アプリで国とプランを選んでQRコードなしでインストールできるため、空港に着いた瞬間からインターネットが使えます。
App Storeでの評価は4.6で、初めての海外でも操作に迷いにくい設計です。パスポートの準備とあわせて、出発前にダウンロードしておきましょう。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。