海外旅行を計画する際、まず最初に確認すべきなのが「パスポートの有効期限」です。残存期間が短いと渡航先によっては入国できないこともあり、出発前の更新手続きは欠かせません。 パスポートの更新は、正式には「切替申請」と呼ばれ、有効期間が1年未満になったときや査証欄の余白が少なくなったときに行います。手続きの流れ自体は新規申請と似ていますが、必要書類や手数料には違いがあります。 2025年3月からは全国でオンライン申請が可能となり、2026年7月には手数料の大幅な引き下げも控えているなど、制度は大きく変わってきています。 この記事では、パスポート更新の対象条件・必要書類・手数料・申請の流れを2026年最新情報で整理し、出発までに余裕を持って手続きを終えられるようにポイントをまとめました。
目次

パスポートの更新(切替申請)は、いつでもできるわけではなく、外務省が定めるいくつかの条件に該当する場合に限られます。まずは自分のパスポートが更新の対象になるかを確認しましょう。
切替申請の主な対象条件は次のとおりです。
パスポートは、有効期間が満了する1年前から更新の申請ができます。逆に言えば、残存期間が1年以上ある場合は、原則として切替申請の対象になりません。
渡航先によっては入国時に「残存有効期間が6か月以上」「3か月以上」といった条件が課されるため、有効期限ギリギリの旅行は避けたほうが安全です。残り1年を切ったタイミングで早めに更新しておくと、急な渡航にも対応しやすくなります。
出発予定が決まっている場合は、申請から受け取りまでの日数も逆算しておきましょう。
出張や長期旅行を繰り返している方は、査証欄(ビザやスタンプを押すページ)の余白が早く埋まってしまうことがあります。残りページが見開き3ページ以下になった場合も、切替申請の対象です。
かつては「査証欄の増補」という追加ページの貼り付け制度もありましたが、現在は廃止されており、ページが足りなくなった場合は新しいパスポートに切り替える必要があります。
仕事で頻繁に海外へ行く方は、有効期限が残っていても余白を意識してチェックしておくと安心です。
結婚や離婚、養子縁組などで氏名が変わった場合、また本籍地の都道府県名が変わった場合も切替申請が必要です。記載事項が現在の戸籍と一致していないと、出入国時にトラブルとなる可能性があります。
なお、本籍地の番地のみが変わった場合は記載事項変更の対象外で、切替も必須ではありません。氏名のローマ字表記を変えたい場合(旧姓併記の追加など)も切替申請の中で対応できます。
更新(切替申請)に必要な書類は、新規申請に比べてやや少なめですが、申請方法や本人の状況によって変わります。窓口・オンラインどちらの場合も、まずは現在のパスポートを必ず手元に用意しましょう。
窓口で切替申請をする場合の主な必要書類は次のとおりです。
申請書は各都道府県のパスポートセンターで配布されているほか、外務省のホームページからダウンロードして自宅で記入することもできます。書き間違いに備えて、最初は鉛筆で下書きしておくと安心です。
写真は申請日前6か月以内に撮影されたもので、サイズや背景、表情などに細かな規定があります。規格を満たしていないと受理されないため、専用ブースや写真館で撮影するのが無難です。
本人確認書類は、運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きのものが1点あればよく、ない場合は健康保険証と年金手帳など2点の組み合わせが必要になります。
切替申請では、原則として戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の提出は不要です。これは、すでに記載されている氏名・本籍が確認済みであるためです。
ただし、結婚や本籍地の都道府県名の変更などで記載事項に変更がある場合は、6か月以内に発行された戸籍謄本が1通必要となります。マイナンバーカードを使ったオンライン申請では、戸籍情報がシステム連携されるため、紙の戸籍謄本を提出しなくてよいケースが増えています。
本籍地が遠方にある方は、戸籍謄本の取り寄せだけで1〜2週間かかることもあるため、早めに準備しておきましょう。
18歳未満の方が切替申請を行う場合、申請書の裏面に法定代理人(親権者)の署名が必要になります。両親のうちどちらか1人の署名で構いません。
親権者本人が窓口に行けない場合は、署名済みの「旅券申請(届出)同意書」を別途用意して提出します。法定代理人が申請に同行する場合は、同意書は不要です。
また、18歳未満は5年用パスポートのみの申請となり、10年用は選べません。子どもは成長によって顔も変わるため、5年ごとの更新サイクルを前提にスケジュールを立てておくとよいでしょう。
切替申請の手数料は、有効期間や年齢、申請方法によって変わります。窓口とオンラインで金額が異なるほか、2026年7月には大幅な改定が予定されている点にも注意が必要です。
現行の主な手数料は次のとおりです。
区分 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
10年用(18歳以上) | 16,300円 | 15,900円 |
5年用(12歳以上) | 11,300円 | 10,900円 |
5年用(12歳未満) | 6,300円 | 5,900円 |
10年用は18歳以上の方のみが申請でき、有効期間が長いぶん手数料も高めに設定されています。長期間使えるため、海外旅行や出張の頻度が高い方には10年用が向いています。
5年用は18歳未満の方も申請可能で、12歳未満は手数料が大幅に安くなる仕組みです。子どもの成長に合わせて写真を更新しやすい点でも、5年用には合理性があります。
なお、2026年7月以降は18歳以上の5年用パスポート自体が廃止される予定です。今後、大人は基本的に10年用の一択となる方向で制度が見直されます。
2026年7月から、旅券手数料は大幅に引き下げられる方針が政府から示されています。10年用パスポートの場合、オンライン申請で現行の15,900円から8,900円へ、約44%の値下げとなる見込みです。窓口申請も9,300円程度になると報じられています。
12歳以上18歳未満のオンライン申請は10,900円から4,400円程度に、12歳未満も5,900円から4,400円程度へと、若年層の引き下げ幅も大きくなる見通しです。
一方、出国時に課される国際観光旅客税(出国税)は1,000円から3,000円へ引き上げられる予定で、トータルでの負担感は渡航回数によって変わります。改定前後で更新タイミングを迷う場合は、出発予定日と現行パスポートの残存期間を見比べて判断しましょう。
窓口申請の手数料は、収入印紙と都道府県の収入証紙で支払うのが原則です。パスポートセンターや近隣の銀行・郵便局で購入できますが、券種を間違えやすいため、案内に従って受領後に購入するのが安心です。
オンライン申請の場合は、クレジットカードでの支払いが可能です。Visa・Mastercard・JCBなど主要ブランドに対応しており、コンビニや収入印紙の購入手間を省けます。
領収書が必要な場合は、受け取り時に窓口で発行を依頼してください。

更新手続きは、最寄りのパスポートセンターに出向く「窓口申請」と、マイナポータルから手続きする「オンライン申請」の2通りがあります。利便性で選ぶならオンライン、書類の確認をその場で済ませたいなら窓口が向いています。
海外旅行で使う通信手段の準備も、パスポート更新と同じタイミングで進めておくとスムーズです。出発前にやることが多い時期だからこそ、SIMカードの差し替えやWi-Fiルーターの受け取りが不要な海外eSIMを選んでおくと、当日の手間を減らせます。
窓口申請は、住民登録をしている都道府県のパスポートセンター(または市区町村の旅券窓口)で行います。受付時間は平日が中心で、土日に窓口を開けている自治体もあります。
当日の流れは、必要書類の提出 → 内容確認 → 受領証の発行、という順序です。混雑状況にもよりますが、申請自体は30分〜1時間ほどで終わります。受領は後日改めて窓口へ行き、本人が受け取る必要があります。
パスポートセンターは平日の昼休み前後が比較的すいているため、待ち時間を減らしたい方は時間帯を意識して訪れるとよいでしょう。
オンライン申請は、マイナンバーカードとマイナポータルアプリ対応のスマートフォンが必要です。アプリにログインして「パスポート」で検索し、案内に沿って顔写真・署名画像・申請者情報を入力します。
申請後はアプリ内の「やること」から審査状況を確認でき、審査完了後に交付予定日が通知されます。受け取り時は1回だけパスポートセンターに行き、手数料を支払って新しいパスポートを受領します。
戸籍情報がシステム連携されるため、切替申請では戸籍謄本の紙提出が原則不要となり、書類準備の負担も大幅に軽くなります。
国内での切替申請は、申請から受け取りまで通常6〜8業務日(2週間程度)が目安です。土日祝日は日数に含まれないため、ゴールデンウィークや年末年始を挟むとさらに時間がかかります。
春休みや夏休み前は申請が集中するため、繁忙期はもう少し余裕を見ておくと安心です。新しいパスポートは発行から6か月以内に受け取らないと失効してしまうため、申請後の予定も忘れずに確保しておきましょう。
出発までの期間が短い場合は、まず最寄りのパスポートセンターに状況を相談するのが確実です。
切替申請をスムーズに進めるためには、書類や手数料以外にも知っておきたいポイントがいくつかあります。出発間際に慌てないために、事前に確認しておきましょう。
国によっては、入国時に「パスポートの残存有効期間が6か月以上」「3か月以上」など細かいルールが定められています。残り1年未満になっていても、渡航先のルールを満たさないと飛行機に搭乗できないこともあります。
特にヨーロッパのシェンゲン協定加盟国やアメリカ、東南アジアの一部の国では、残存期間の条件が厳格です。航空会社のチェックインカウンターで搭乗を断られるケースもあるため、出発前に外務省の海外安全ホームページや渡航先の大使館サイトで確認しておきましょう。
切替申請で発行された新しいパスポートを受け取る際、旧パスポートは無効化処理(パンチで穴を開ける)が行われたうえで、原則として手元に返却されます。過去の渡航履歴やビザの記録を残したい方は、旧パスポートをそのまま保管しておくとよいでしょう。
海外で取得した有効期限内のビザが旧パスポートに貼ってある場合は、新パスポートと一緒に提示すれば引き続き利用できる国もあります。ビザ付きパスポートは旅行中も忘れず携行してください。
紛失や盗難が心配な方は、自宅金庫や貴重品ボックスでの保管がおすすめです。
海外旅行の予定が直前に決まることが多い方ほど、パスポート更新を後回しにしがちです。残り半年程度になったら、出発予定がなくても早めに切替申請を済ませておくと安心です。
また、結婚や引っ越しで氏名・本籍地が変わったときも、次の渡航前にまとめて更新しておくとトラブルを避けられます。海外で身分証として提示する場面では、現在の氏名と一致していないと別人と疑われる可能性もあります。
更新と一緒に、海外で使う通信手段や保険の見直しも合わせて行うのが効率的です。

パスポートの更新(切替申請)は、残存有効期間が1年未満になったときや、査証欄の余白が少なくなったとき、氏名・本籍地に変更があったときなどに行う手続きです。窓口とオンラインの両方に対応しており、必要書類や手数料は申請方法によって変わります。
2026年7月には大幅な手数料改定が予定されており、10年用パスポートのオンライン申請は8,900円程度になる見込みです。一方で出国税は引き上げられるため、改定前後の渡航スケジュールに合わせて更新タイミングを判断するとよいでしょう。
申請から受け取りまでは2週間程度かかるため、海外渡航の予定がある方は出発の1か月以上前から動き出すのが安心です。
パスポートの準備が整ったら、現地で使う通信手段の手配も忘れずに行いましょう。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」なら、世界200カ国に対応したプランをアプリから簡単に購入でき、空港到着後すぐにスマホをそのまま利用できます。SIMカードの差し替えやWi-Fiルーターの受け取りも不要なので、忙しい出発前の負担を減らせます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。