タイへ渡航する際、以前は機内で配られる紙の出入国カード(TM.6)に記入するのが定番でした。しかし2022年に紙のカードが廃止され、2025年5月1日からは「タイデジタル到着カード(TDAC)」のオンライン登録が全外国人に義務化されています。 TDACは空路・陸路・海路を問わず、タイに入国するすべての外国籍の方が対象です。登録はタイ到着の72時間前から可能で、費用は一切かかりません。 この記事では、TDACの登録手順を8つのステップに分けてわかりやすく紹介します。入国審査や税関の流れ、持ち込み制限のルールなど、タイ入国に関する情報をひとつにまとめました。 初めてのタイ旅行で不安な方も、久しぶりの渡航で制度の変更が気になる方も、出発前にぜひ確認してみてください。
目次

タイの入国カードは、2025年5月の制度変更で大きく様変わりしました。ここでは、従来の紙カード(TM.6)と新しいTDACの違いを整理します。
かつてタイに入国する際は、機内や入国審査場で配布される「TM.6」と呼ばれる紙の出入国カードに手書きで記入していました。氏名やパスポート番号、滞在先の住所などを英語で書き込み、入国審査官に提出するのが一般的な流れでした。
この紙のTM.6は、新型コロナウイルス感染拡大を機に2022年7月2日をもって廃止されました。廃止後しばらくは、入国時に特別な書類を提出する必要がない状態が続いていました。
そのため「タイは入国カード不要」という情報がインターネット上に残っていますが、2025年5月以降は状況が変わっています。古い情報を鵜呑みにしないよう注意が必要です。
2025年5月1日より、紙のTM.6に代わる新制度として「タイデジタル到着カード(Thailand Digital Arrival Card、略称TDAC)」が導入されました。タイ入国管理局が運営する公式サイトで事前にオンライン登録を行い、発行されるQRコードを入国審査時に提示する仕組みです。
対象はタイ国籍を持たないすべての外国人で、空路・陸路・海路を問わず登録が必要です。登録費用は無料で、到着の72時間前(3日前)から申請できます。
従来の紙カードと異なり、渡航前にオンラインで完了させるため、空港到着後の手続きがスムーズになるメリットがあります。
関連記事: スワンナプーム国際空港ガイド|施設・アクセス・過ごし方を徹底解説
TDACの登録は、タイに入国するすべての外国籍者に義務付けられています。観光・ビジネス・トランジット(入国審査を通過する場合)を問わず、日帰りの短期滞在であっても登録が必要です。
一方、タイの空港で乗り継ぎをするだけで入国審査を通過しない場合は、登録の必要はありません。またタイ国籍を持つ方も対象外です。
家族や同行者の分をまとめて1回で登録することはできず、1人ずつ個別に申請する必要があります。ただし代理登録は認められており、同伴者が代わりに入力することは可能です。
TDACの登録は公式サイトから無料で行えます。パスポートと渡航情報を手元に用意しておけば、所要時間はおよそ5分です。以下の8ステップで手順を確認しましょう。
TDACの公式サイト(https://tdac.immigration.go.th/)にアクセスします。まず「人間であることを確認します」のチェックボックスにチェックを入れてください。
画面右上の言語切り替えメニューから「日本語」を選択すると、ナビゲーションが日本語表示に切り替わります。ただし入力項目は英語のままなので、パスポートに記載されたローマ字表記で入力する必要があります。
「入国記録」のメニューを選択して、登録画面に進みましょう。
まずパスポートに記載されている情報を入力します。姓(ファミリーネーム)、名(ファーストネーム)、パスポート番号、国籍、生年月日が必須項目です。ミドルネームがある方はそちらも入力してください。
続いて個人情報として、職業、性別、居住国(JAPAN)、居住都市、電話番号を入力します。ビザを取得している場合はビザ番号も必要ですが、60日以内の観光目的であればビザ番号の入力は不要です。
すべてパスポートの表記に合わせたローマ字で入力することがポイントです。スペルミスがあると入国審査でトラブルになる可能性があるため、慎重に確認しましょう。
到着情報として、タイ到着日、出発国(JAPAN)、渡航目的(観光ならHOLIDAY)、移動手段(飛行機ならAIR→COMMERCIAL FLIGHT)、便名を入力します。
出発情報も同様に、タイ出発日、移動手段、便名を入力してください。帰りの便名が未定の場合でも、おおよその情報を入力しておけば問題ありません。
宿泊先情報では、宿泊タイプ(HOTELなど)を選択し、県名をプルダウンから選びます。ホテル名と住所を入力すれば完了です。複数の宿泊先がある場合は、最初の滞在先のみ入力します。
健康申告として、過去2週間以内に滞在した国を入力します。日本国内のみであれば「JAPAN」と入力するだけで済みます。
最後にメールアドレスを入力し、すべての入力内容を確認します。特にパスポート番号と氏名のスペルに間違いがないかをしっかり確認してください。パスポートに記載された氏名・番号・国籍・生年月日は登録後に修正できないため、誤りがあった場合は最初からやり直す必要があります。
利用規約にチェックを入れて「送信」ボタンを押せば、登録は完了です。
関連記事: タイ旅行の持ち物リスト|便利アイテムから禁止品まで徹底解説
登録が完了すると、入力したメールアドレスにQRコード付きのメールが届きます。このQRコードがタイ入国審査で必要になる「デジタル入国カード」の本体です。
届いたQRコードは、スマートフォンにスクリーンショットとして保存しておくのがおすすめです。入国審査場でメールを探す手間が省け、通信環境に左右されずに提示できます。
印刷して持参することも可能なので、スマートフォンの電池切れが心配な方は紙でバックアップを用意しておくとよいでしょう。
TDACの登録自体はシンプルですが、いくつか事前に知っておきたい注意点があります。よくある疑問やトラブルへの対処法をまとめました。
TDACの登録は、タイ到着日を含めた3日前(72時間前)から可能です。それより前に登録しようとしても、システム上受け付けられません。
出発の1週間前などに「早めに済ませておこう」と思っても登録できないため、出発の2〜3日前を目安にスケジュールを組んでおくとよいでしょう。
逆に、空港に到着してから登録することも技術的には可能です。入国審査の手前でWi-Fiに接続して登録する方もいますが、通信環境によっては時間がかかるため、事前の登録を強くおすすめします。
TDACの登録は完全に無料です。公式サイト(https://tdac.immigration.go.th/)以外で費用を請求したり、クレジットカード情報の入力を求めるサイトは、すべて偽サイトや非公式の代行サービスです。
検索エンジンでは公式サイトより上位に広告表示される代行サイトもあるため、URLが「tdac.immigration.go.th」であることを必ず確認してください。
公式サイトでは、いかなる費用も発生しません。費用の徴収や個人情報の抜き取りを行うサイトには十分ご注意ください。
TDACは1回の入国につき1登録です。たとえば周辺国への日帰り旅行からタイに再入国する場合でも、改めて新しいTDACを登録し直す必要があります。
以前の登録情報は再利用できないため、近隣国への小旅行を予定している方は、タイに戻る日程に合わせてその都度登録することを忘れないようにしましょう。
関連記事: 入国審査で聞かれることは?質問内容・英語フレーズ・回答例を徹底解説

TDACの登録が済んだら、あとは現地での入国手続きです。スワンナプーム国際空港を例に、入国審査から税関までの流れを見ていきます。
飛行機を降りたら、案内表示に従って入国審査場(Immigration)へ向かいます。外国人旅行者は「FOREIGN PASSPORT」と表示されたブースに並んでください。
審査官にパスポートとTDACのQRコード(スマートフォン画面または印刷物)を提示します。帰りの航空券の提示を求められることもあるため、eチケットの控えもすぐ見せられるように準備しておきましょう。
スワンナプーム空港の入国審査場は「コンコースA〜D側」と「E〜G側」の2か所に分かれています。一般的にA〜D側のほうが空いている傾向があるので、混雑を避けたい方は参考にしてください。
日本国籍の方がタイに入国するには、パスポートの残存有効期間が入国時点で6か月以上必要です。残存期間が不足していると搭乗拒否や入国拒否の対象になるため、出発前に必ず確認しましょう。
2024年7月15日以降、日本人の観光目的でのビザ免除滞在期間は従来の30日から60日に延長されました。60日以内の滞在であれば事前のビザ取得は不要です。ただし、60日以内にタイを出国する航空券(または陸路の出国手段)の提示を求められる場合があります。
ビジネス目的や60日を超える滞在を予定している場合は、事前にタイ大使館・領事館でビザを取得してください。
タイでは2009年以降、入国時の税関申告書の配布・提出は行われていません。荷物を受け取ったあと、申告するものがなければ緑色の「Nothing to declare」レーンを通過するだけです。
申告が必要かどうか不明な場合は、赤色の「Goods to declare」レーンで税関職員に相談できます。高額な物品や免税範囲を超える持ち込みがある場合は、正直に申告しましょう。
入国審査から税関まで、混雑状況にもよりますが30分〜1時間程度を見込んでおくとよいでしょう。
タイには独自の持ち込み制限があり、知らずに違反すると罰金や没収の対象になります。出発前に主なルールを把握しておくことが大切です。
タイ入国時の主な免税範囲は以下のとおりです。
品目 | 免税範囲 |
|---|---|
紙巻きタバコ | 200本(1カートン)まで |
葉巻・刻みタバコ | 250gまで |
酒類 | 1本1リットルまで |
その他の物品 | 課税価格の合計2万バーツ以下 |
免税範囲を超えたタバコや酒類は没収および罰金の対象です。同行者の分をまとめて1人が持ち込んだ場合でも、人数分として認められず罰金が科される可能性があります。
タイでは電子タバコおよび加熱式タバコ(IQOS、gloなど)の持ち込みと所持が法律で禁止されています。違反した場合、最高で10年以下の懲役または50万バーツ(約250万円)の罰金が科される可能性があります。
日本では一般的に使われている加熱式タバコも対象となるため、うっかり持ち込んでしまわないよう特に注意してください。空港の手荷物検査で見つかった場合、その場で没収・罰金となるケースが報告されています。
関連記事: タイ観光は危険?旅行前に知っておくべき治安情報と安全対策を徹底解説
タイ入国時に45万バーツ以上の現金、または1万5,000米ドル相当額以上の外貨を持ち込む場合は、税関への申告が必要です。
医薬品は個人使用を目的とした30日分以内であれば、特別な申告なしで持ち込めます。ただし向精神薬などの処方薬は事前に許可が必要となる場合があるため、常用薬がある方は渡航前にかかりつけ医や大使館に問い合わせておくことをおすすめします。

TDACの登録や現地での地図・翻訳アプリの利用には、安定したインターネット接続が欠かせません。タイ旅行の通信手段として、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」を検討してみてはいかがでしょうか。
トリファはスマートフォンにeSIMをインストールするだけで、タイ到着後すぐにインターネットが使えるサービスです。SIMカードの差し替えや空港でのレンタルWi-Fi受け取りが不要なので、到着直後から快適に行動を開始できます。
入国審査でTDACのQRコードを表示する際も、事前にスクリーンショットを保存しておけば通信環境を気にする必要はありません。ただし、入国後にホテルの予約確認や地図アプリを使う場面では、モバイル通信があると格段に便利です。
アプリ上でプランを選んで購入するだけの簡単な操作で、手頃な価格でタイでのデータ通信を利用できます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。