
イギリスは「1日のなかに四季がある」と言われるほど天気が変わりやすい国です。北海道よりも高い緯度に位置しながら、暖流と偏西風の影響で冬でも極端に冷え込まない独特の気候が特徴です。 ロンドンの年間降水量は約615mmで、実は東京の約1,530mmよりもかなり少ない数値です。ただし曇り空やにわか雨の日が多く、「いつも雨が降っている」という印象を持たれがちです。 この記事では、イギリスの気候を月別の気温データとともにわかりやすく解説します。ロンドンとエディンバラの都市別比較、季節ごとのおすすめ服装、旅行のベストシーズンまで、渡航前に押さえておきたい情報をまとめました。 初めてのイギリス旅行を計画している方はもちろん、季節に合った持ち物を知りたい方もぜひ参考にしてください。
目次

イギリスの気候は「西岸海洋性気候」に分類されます。メキシコ湾流(暖流)と偏西風の影響を受けるため、緯度のわりに温暖で、年間を通じた気温差が小さいのが大きな特徴です。ここでは、イギリスの気候を理解するうえで押さえておきたい3つのポイントを紹介します。
イギリスの天気は「1日のうちに四季がある」と表現されるほど変わりやすいことで有名です。朝は晴れていたのに昼過ぎには突然雨が降り出し、夕方にはまた青空が広がるということが日常的に起こります。
この不安定さの主な原因は、大西洋から次々とやってくる低気圧と偏西風です。日本のように梅雨や台風など季節ごとにまとまった雨が降るのとは異なり、イギリスでは年間を通じて短時間の雨が断続的に降ります。
旅行者にとっては、どの季節に訪れても折りたたみ傘やレインジャケットが欠かせないということを意味します。ただし、1回の雨は短時間で止むことが多いため、雨宿りしながら観光を続けられるケースがほとんどです。
イギリスといえば雨のイメージが強いですが、実際の年間降水量はロンドンで約615mmと、東京の約1,530mmの半分以下です。曇り空やにわか雨の日が多いことが「雨の国」という印象につながっています。
ロンドンの月別降水量を見ると、最も少ない3月が約39mmで、最も多い11月でも約67mmです。月ごとの変動幅が小さく、年間を通じてほぼ均等に雨が降る点が東京との大きな違いといえます。
東京では6月の梅雨時期に月間160mm以上の雨が集中しますが、ロンドンにはそのような極端な雨季がありません。そのため、雨を理由に旅行を避けるべき月は特にないと考えてよいでしょう。
イギリスは南北に約1,000km以上の広がりがあり、南部のロンドンと北部のスコットランドでは気候がかなり異なります。ロンドンの年間平均気温が約11.7℃であるのに対し、エディンバラは約9.5℃で、約2℃の差があります。
夏の最高気温で比較すると、ロンドンの7月は平均23.9℃に達しますが、エディンバラでは19.3℃にとどまります。スコットランドやイングランド北部を訪れる場合は、ロンドンよりも1枚多く羽織れる服を用意しておくと安心です。
また、湖水地方やスコットランドのハイランド地方は標高が高いエリアも多く、平地よりさらに気温が下がります。地方都市への旅行を計画している方は、目的地の気候を事前にチェックしておきましょう。
関連記事: イギリスの観光地おすすめ20選!ロンドンから地方都市まで完全網羅

イギリス旅行で最も訪れる機会が多い2都市、ロンドンとエディンバラの月別気温と降水量を比較します。旅行時期を選ぶ際の参考にしてください。データはいずれも1991〜2020年の30年間の平均値です。
ロンドンはイギリス南東部に位置し、国内では比較的温暖なエリアです。冬でも氷点下まで下がる日は少なく、夏も30℃を超える日はまれです。
月 | 平均最高気温(℃) | 平均最低気温(℃) | 降水量(mm) |
|---|---|---|---|
1月 | 8.4 | 2.7 | 58.8 |
2月 | 9.0 | 2.7 | 45.0 |
3月 | 11.7 | 4.1 | 38.8 |
4月 | 15.0 | 6.0 | 42.3 |
5月 | 18.4 | 9.1 | 45.9 |
6月 | 21.6 | 12.0 | 47.3 |
7月 | 23.9 | 14.2 | 45.8 |
8月 | 23.4 | 14.1 | 52.8 |
9月 | 20.2 | 11.6 | 49.6 |
10月 | 15.8 | 8.8 | 65.1 |
11月 | 11.5 | 5.3 | 66.6 |
12月 | 8.8 | 3.1 | 57.1 |
7月と8月が最も暖かく、日中は半袖で過ごせる日もあります。ただし朝晩は14℃前後まで下がるため、薄手の上着は必須です。
エディンバラはスコットランドの首都で、ロンドンより約530km北に位置します。全体的にロンドンより3〜5℃低く、風も強いため体感温度はさらに下がります。
月 | 平均最高気温(℃) | 平均最低気温(℃) | 降水量(mm) |
|---|---|---|---|
1月 | 7.3 | 1.7 | 64.7 |
2月 | 8.0 | 1.7 | 53.1 |
3月 | 9.7 | 2.9 | 48.5 |
4月 | 12.2 | 4.7 | 40.8 |
5月 | 14.9 | 7.1 | 47.6 |
6月 | 17.4 | 9.9 | 66.2 |
7月 | 19.3 | 11.6 | 72.1 |
8月 | 19.1 | 11.5 | 71.6 |
9月 | 16.9 | 9.7 | 54.9 |
10月 | 13.4 | 6.7 | 75.7 |
11月 | 9.9 | 3.8 | 65.3 |
12月 | 7.3 | 1.6 | 67.4 |
エディンバラの年間降水量は約728mmで、ロンドンより100mm以上多くなっています。特に10月は75.7mmと最も降水量が多い月です。
東京と比較すると、イギリスの夏の涼しさと冬の温暖さが際立ちます。東京の7月は平均最高気温が30℃を超えますが、ロンドンは約24℃、エディンバラは約19℃です。
一方で冬の最低気温を比較すると、東京の1月が約2℃、ロンドンが約2.7℃とほぼ同じ水準です。ただしイギリスは冬の日照時間が極端に短く、12月のロンドンでは日の出が午前8時ごろ、日の入りが午後4時前と、昼間が8時間ほどしかありません。
冬のイギリスを訪れる場合は、気温だけでなく日照時間の短さも考慮に入れて観光プランを立てることをおすすめします。

イギリスの春は3月から5月にかけてで、冬の寒さが徐々に和らぎ、日が長くなっていく季節です。ただし寒暖差が大きく、3月と5月では気温がかなり異なるため、月ごとの特徴を把握しておくことが大切です。
3月のロンドンは平均最高気温が11.7℃、最低気温が4.1℃と、まだ冬の名残が感じられる寒さです。朝晩は手袋やマフラーが必要になることも少なくありません。4月に入ると平均最高気温が15℃まで上がり、日中は薄手のコートで過ごせる日が増えてきます。
この時期の服装は、重ね着(レイヤリング)が基本です。中に長袖のカットソーやセーターを着て、外にはトレンチコートやライトダウンを羽織るスタイルがおすすめです。1日の気温差が10℃近くなる日もあるため、脱ぎ着しやすい服を選びましょう。
雨具も必須です。折りたたみ傘に加えて、撥水加工のあるアウターを1枚持っていると急な雨にも対応できます。
5月になるとロンドンの平均最高気温は18.4℃に達し、日差しが心地よい日が多くなります。日照時間も1日15時間以上に延び、観光にはとても快適な季節です。ガーデニングが盛んなイギリスでは、この時期に花々が一斉に咲き誇ります。
日中は長袖シャツやブラウスに薄手のカーディガンで十分ですが、日が落ちると13℃前後まで気温が下がります。夜の外出や劇場に行く予定がある場合は、ジャケットを持っていきましょう。
エディンバラを訪れる場合は、ロンドンより3〜4℃低いことを念頭に、もう1枚暖かい上着を追加してください。5月でも平均最高気温は14.9℃にとどまるため、薄手のダウンジャケットがあると心強いです。
春はイギリス旅行の穴場シーズンといえます。夏のハイシーズンに比べて航空券や宿泊費が安く、観光地の混雑も少ないため、ゆったりと名所を巡ることができます。
特に4月下旬から5月にかけては、コッツウォルズの田園風景やキューガーデンの花々が見頃を迎えます。イースター休暇(3月下旬〜4月中旬)の前後は一時的に混雑するものの、それ以外の時期は比較的空いています。
ただし、3月はまだ寒い日が多く、天候も不安定です。防寒対策をしっかりしたうえで、屋内の美術館や博物館も組み込んだ柔軟な旅程を立てると、天気に左右されず楽しめます。
関連記事: ロンドン観光のおすすめスポット20選!定番から穴場まで徹底ガイド

イギリスの夏は6月から8月までで、1年のなかで最も過ごしやすい季節です。日照時間が長く、気温も穏やかで、観光のベストシーズンとして人気があります。ただし、日本の夏とは気温帯がまったく異なるため、服装選びには注意が必要です。
6月のロンドンは平均最高気温が21.6℃で、1年のなかで最も日が長い時期です。夏至前後には日の入りが午後9時過ぎになり、観光に使える時間がたっぷりあります。
日中は半袖やブラウスで快適に過ごせますが、朝晩は12℃前後まで下がることがあります。薄手のパーカーやカーディガンをバッグに入れておくと便利です。また、日差しが強い日はサングラスや日焼け止めも用意しましょう。
6月末からはウィンブルドン選手権(テニス)が始まり、街全体が活気づきます。屋外イベントが多い季節なので、動きやすいスニーカーやフラットシューズを選びましょう。
7月と8月はイギリスで最も暖かい月で、ロンドンの平均最高気温はそれぞれ23.9℃と23.4℃です。近年は熱波の影響で35℃を超える日がまれに発生することもありますが、通常は25℃前後の過ごしやすい気温です。
基本的には半袖やノースリーブに薄手の長ズボンという日本の初秋のような服装で過ごせます。ただし、建物内の冷房は日本ほど効いていないことが多く、逆に屋外で急に冷たい風が吹くこともあるため、羽織れるものを1枚持ち歩くのが鉄則です。
イギリスの夏は旅行のハイシーズンにあたるため、人気の観光地やミュージカルのチケットは早めの予約をおすすめします。ホテルの料金も上がるため、予算を抑えたい場合は6月前半や9月上旬の訪問を検討してもよいでしょう。
真夏であっても、イギリスの天気は急変します。朝は快晴だったのに午後から急に曇り始め、にわか雨が降ることは珍しくありません。雨が降ると気温が一気に5℃近く下がることもあるため、夏でもコンパクトな雨具は必携です。
また、エディンバラでは7月でも平均最高気温が19.3℃と、ロンドンより4℃以上低くなります。スコットランド方面への旅行では、夏でも薄手のジャケットやウインドブレーカーを用意しておくことをおすすめします。
風が強い日は数字以上の肌寒さを感じることがあります。天気予報アプリで風速もチェックしておくと、服装選びで失敗しにくくなります。
関連記事: イギリスと日本の時差は何時間?時差ボケ対策や早見表もわかりやすく紹介

イギリスの秋冬は9月から翌年2月までの長い期間にわたります。9月はまだ穏やかな陽気が残りますが、10月以降は急速に日が短くなり、冬本番を迎えます。秋と冬に分けて、それぞれの気候と服装のポイントを解説します。
9月のロンドンは平均最高気温が20.2℃と、まだ夏の余韻が感じられます。観光客が減り始める時期で、落ち着いた雰囲気のなかで名所を巡れるのが魅力です。日中は長袖にジャケットを羽織るスタイルで快適に過ごせます。
10月に入ると気温は一気に下がり、平均最高気温は15.8℃になります。紅葉が美しい季節ですが、降水量も65.1mmと増えるため、防水性のあるアウターが重宝します。トレンチコートや撥水加工のあるジャケットを選ぶとよいでしょう。
11月はロンドンでも平均最高気温が11.5℃まで下がり、厚手のコートやセーターが必要です。エディンバラでは9.9℃と10℃を下回るため、マフラーや手袋も持参してください。11月はイギリスで最も降水量が多い月でもあるため、防水対策は万全にしましょう。
12月から2月がイギリスの冬のピークです。ロンドンの平均最高気温は8〜9℃、最低気温は2〜3℃で推移します。氷点下まで下がる日もありますが、東京の真冬とほぼ同程度の寒さです。
冬の服装は厚手のダウンジャケットやウールコートに、中にセーターやフリースを重ねるスタイルが基本です。暖かいインナーやヒートテック素材の肌着を着ると、屋外を長時間歩いても快適に過ごせます。足元は防水性のあるブーツを選ぶと快適です。
冬のイギリスで最も注意したいのが日照時間の短さです。12月のロンドンでは午前8時ごろにようやく明るくなり、午後4時前には暗くなります。昼間の活動時間が限られるため、屋内の美術館やショッピングも組み込んだ旅程を立てると充実した旅になります。
11月中旬からイギリス各地でクリスマスマーケットが始まり、12月にかけて街がイルミネーションで華やかに彩られます。ロンドンのハイドパーク「ウィンター・ワンダーランド」やエディンバラのクリスマスマーケットは、冬ならではの見どころです。
寒さが厳しい時期ではありますが、クリスマスの雰囲気を味わえるのは冬にイギリスを訪れる最大の魅力といえます。暖かい服装で防寒対策をしっかりしたうえで、ホットチョコレートやミンスパイを楽しみながら冬のイギリスを満喫してください。
なお、12月25日と26日はほとんどのお店やレストランが休業し、公共交通機関も運休になります。この期間に旅行する場合は、事前に営業情報を確認しておくことが大切です。
関連記事: ヨーロッパ旅行の費用はいくら?日数別の予算と節約術を徹底解説

イギリス旅行の計画を立てるうえで、どの季節に訪れるのがベストなのかは気になるポイントです。ここでは目的別のベストシーズンと、季節を問わず持っていくべきアイテムを紹介します。
観光を最大限に楽しみたいなら、5月から9月がおすすめです。特に6月は日照時間が最も長く、気温も20℃前後で快適です。ガーデンや公園の緑が美しく、屋外イベントも多い季節です。
費用を抑えたい方には、3月〜4月や10月〜11月のショルダーシーズンが狙い目です。航空券やホテルがハイシーズンより20〜30%安くなることが多く、観光地の混雑も少なめです。ただし天候は不安定なので、柔軟なスケジュールを組むことをおすすめします。
クリスマスマーケットやイルミネーションを楽しみたいなら、11月中旬から12月中旬がベストです。年末年始は休業する施設が多いため、12月中旬までの訪問がよいでしょう。
季節を問わずイギリス旅行で必ず持っていきたいアイテムと、季節ごとに追加したいアイテムを以下にまとめます。
持ち物 | 春(3〜5月) | 夏(6〜8月) | 秋(9〜11月) | 冬(12〜2月) |
|---|---|---|---|---|
折りたたみ傘 | 必須 | 必須 | 必須 | 必須 |
レインジャケット | 必須 | あると便利 | 必須 | 必須 |
薄手カーディガン | 必須 | 必須 | 必須 | - |
厚手コート | 3月は必要 | - | 11月は必要 | 必須 |
マフラー・手袋 | 3月は必要 | - | 11月は必要 | 必須 |
サングラス | あると便利 | 必須 | - | - |
日焼け止め | あると便利 | 必須 | - | - |
ヒートテック | 3月は必要 | - | 10月以降 | 必須 |
防水シューズ | あると便利 | あると便利 | あると便利 | 必須 |
イギリスの天気予報は、イギリス気象庁(Met Office)の公式サイトやアプリが最も信頼性が高いとされています。14日先までの天気予報を確認でき、地域ごとの詳細な情報が得られます。
旅行中は毎朝天気予報をチェックして、その日の服装を調整するとよいでしょう。降水確率だけでなく、風速や体感温度も確認すると、より適切な服装を選べます。
日本の天気予報アプリでもイギリスの天気を確認できますが、精度ではMet Officeに軍配が上がります。渡航前にアプリをダウンロードしておくと、旅行中に役立つでしょう。
また、天気予報の確認や地図アプリの利用など、旅行中はインターネット接続が欠かせません。イギリスでも快適にスマートフォンを使いたい方には、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」が便利です。物理SIMの差し替えが不要で、アプリから手軽にデータプランを購入できます。
関連記事: ヨーロッパ観光おすすめ完全ガイド|人気6カ国の見どころと旅行準備のコツ

イギリスは変わりやすい天気と穏やかな気温が特徴の国です。どの季節に訪れるにしても、重ね着できる服装と雨具さえ準備しておけば、快適に観光を楽しめます。
旅行中はスマートフォンで天気予報のチェックや地図アプリの利用、交通情報の検索など、インターネット接続が欠かせない場面が数多くあります。特にイギリスのように天気が急変する国では、リアルタイムで天気情報を確認できる通信環境があると安心です。
海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」なら、渡航前にアプリでデータプランを購入し、現地に到着したらすぐにインターネットに接続できます。SIMカードの差し替えや返却の手間がなく、イギリスの空港に着いた瞬間からスマートフォンを普段どおりに使えるのが大きなメリットです。
変わりやすいイギリスの天気を味方につけて、季節ごとの魅力を存分に楽しんでください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。