
デュアルSIMとは、1台のスマートフォンに2つのSIMを入れて、2つの回線を使い分けられる機能のことです。仕事用とプライベート用の番号を1台にまとめたり、通話用とデータ通信用で別々の回線を使って通信費を節約したりと、さまざまな場面で活用できます。 近年はeSIMの普及にともない、物理SIMとeSIMを組み合わせたデュアルSIM運用が一般的になりました。iPhone XS以降のiPhoneや、多くのAndroidスマートフォンがデュアルSIMに対応しており、特別な端末を用意しなくても手軽に始められます。 しかし「DSDS」「DSDV」「DSDA」といった方式の違いや、バッテリー消費への影響など、理解しておくべきポイントもあります。この記事では、デュアルSIMの仕組みから対応機種、設定方法、海外旅行での便利な使い方まで網羅的に解説します。
目次

デュアルSIMとは、1台のスマートフォンに2枚のSIMカード(または物理SIM+eSIM)を搭載し、2つの回線を利用できる機能です。通話やデータ通信に使う回線を切り替えたり、2つの電話番号で同時に待ち受けたりできます。
デュアルSIMには動作方式の違いによって4つの種類があり、それぞれできることが異なります。以下の表で違いを確認しましょう。
方式 | 同時待ち受け | 通信規格 | 通話中のデータ通信 |
|---|---|---|---|
DSSS | 不可(手動切替) | 片方のみ有効 | 不可 |
DSDS | 可能 | 片方4G/5G+片方3G | 不可 |
DSDV | 可能 | 両方4G/5G | 不可 |
DSDA | 可能 | 両方4G/5G | 可能 |
DSSSは2枚のSIMを搭載できますが、有効にできるのは常にどちらか一方だけです。もう片方のSIMに切り替えるには手動で設定を変更する必要があり、切り替え中はどちらの回線も使えません。
現在はほとんどの端末がDSDV以上の方式に対応しているため、新しくスマートフォンを購入する場合にDSSSを選ぶ機会はほぼありません。中古端末を購入する際に確認しておく程度でよいでしょう。
DSDSは2つのSIMで同時に待ち受けができます。どちらの電話番号にかかってきた電話も受けられるため、仕事用とプライベート用の番号を1台にまとめるのに便利です。
ただし、片方のSIMで4Gまたは5G回線を利用すると、もう一方は3G回線に制限されます。日本では3Gサービスの終了が進んでいるため、DSDSでは通信に支障が出る可能性があります。端末を選ぶ際はDSDV以上の方式を選ぶのが安心です。
DSDVは両方のSIMで4Gまたは5G回線を利用でき、VoLTEによる高音質な通話にも対応しています。2つの回線で同時に待ち受けながら、どちらの回線でもデータ通信や通話が高速に行えます。
現在、日本で販売されているデュアルSIM対応スマートフォンの大半がDSDVに対応しています。3G回線の制限がないため、国内キャリアの組み合わせでも安定して利用できるのが大きなメリットです。ただし、片方のSIMで通話中はもう一方のデータ通信が一時停止する点には注意が必要です。
DSDAはDSDVの上位にあたる方式で、片方のSIMで通話しながら、もう一方のSIMでデータ通信を同時に行えます。たとえば電話で打ち合わせをしながら、もう片方の回線でメールやチャットを確認するといった使い方が可能です。
ただし、DSDAに公式対応している端末はまだ限られており、日本国内で販売されているスマートフォンではごく一部に限定されます。今後の普及に期待したい方式です。

デュアルSIMを利用することで、通信費の節約から通信障害への備えまで、多くの恩恵が得られます。ここでは主なメリットを5つ紹介します。
デュアルSIMの最大のメリットは、通信費の節約です。たとえば通話専用の格安プラン(月額1,000円程度)とデータ通信専用のプラン(月額1,000円程度)を組み合わせれば、月額2,000円程度で通話もデータ通信も利用できます。
大手キャリアの一般的なプランが月額5,000〜8,000円程度であることを考えると、デュアルSIMの組み合わせ次第で月々3,000〜6,000円の節約が見込めます。年間で計算すると36,000〜72,000円のコスト削減になるため、通信費を見直したい方にとって大きな効果があります。
これまで仕事用とプライベート用でスマートフォンを2台持ちしていた方は、デュアルSIMで1台に集約できます。荷物が減るだけでなく、充電する端末も1台で済み、2台分の端末代も不要になります。
通話の発信時にどちらの回線を使うか選択できるため、仕事の電話は仕事用の番号から、プライベートの電話は個人の番号からと使い分けられます。着信時はどちらの番号にかかってきても1台で受けられるので、電話の取り逃しも防げます。
異なるキャリアのSIMを2枚入れておけば、片方のキャリアで通信障害が発生しても、もう一方の回線に切り替えて通信を継続できます。近年は大手キャリアでも大規模な通信障害が発生するケースがあり、リスク分散の観点からデュアルSIM運用は有効な対策です。
たとえばドコモ回線とau回線を併用しておけば、どちらかの回線に問題が起きても、もう片方で電話やインターネットを利用できます。緊急時の連絡手段を確保できる安心感は、デュアルSIMならではのメリットです。
デュアルSIM対応のスマートフォンなら、日本の回線をそのまま残しつつ、海外用のeSIMを追加して現地回線を利用できます。物理SIMを抜き差しする手間がなく、日本の電話番号での着信も維持できるため、海外旅行中も不便がありません。
利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ」をはじめ、渡航前にアプリからeSIMを購入しておけば、現地到着後すぐにデータ通信を開始できます。帰国後は海外用eSIMを無効にするだけで、日本の回線に戻せます。
関連記事: 海外でのeSIMの切り替え方法は?タイミングや機内モード活用法も解説
メインの回線でデータ容量を使い切った場合でも、サブ回線に切り替えてデータ通信を続けられます。たとえばメイン回線の月間データ量が上限に達したら、サブ回線のデータ容量を使うという運用が可能です。
基本料金0円で必要なときだけデータを追加購入できるプランをサブ回線にしておけば、普段はメイン回線だけで十分な月はサブ回線の料金がかからず、データ不足の月だけ追加費用が発生する柔軟な使い方ができます。

メリットの多いデュアルSIMですが、利用にあたって知っておくべきデメリットや注意点もあります。事前に確認しておくことで、トラブルを防げます。
デュアルSIMを有効にすると、2つの回線が常に電波を探して待ち受け状態になるため、シングルSIMと比較してバッテリーの消費が早くなります。体感で1〜2割ほど減りが早くなるという声が多く、利用環境や電波状況によっても差があります。
対策としては、使わない時間帯は片方のSIMをオフにする、モバイルバッテリーを携帯する、省電力モードを活用するといった方法があります。特に外出が多い日は、バッテリー残量に余裕を持っておきましょう。
デュアルSIMは端末側の対応が必要です。すべてのスマートフォンがデュアルSIMに対応しているわけではないため、利用前に自分の端末が対応しているか確認しましょう。
特に注意したいのが、デュアルSIMの方式(DSDS / DSDV / DSDA)の違いです。3Gサービスの終了が進む日本では、DSDV以上の方式に対応した端末を選ぶことが重要です。端末のスペック表で「DSDV対応」と記載されているか確認してください。
関連記事: eSIM対応機種の確認方法とは?オススメのスマホ・利用方法も紹介
一部のAndroidスマートフォンでは、SIMカードスロットとmicroSDカードスロットが共用(排他利用)になっています。この場合、2枚の物理SIMを挿入するとmicroSDカードが使えなくなり、ストレージの拡張ができません。
この問題を避けるには、物理SIM+eSIMの組み合わせでデュアルSIMを運用するか、トリプルスロット(SIM×2+microSD)に対応した端末を選ぶ方法があります。iPhoneの場合はもともとmicroSDカードに対応していないため、この問題は発生しません。
デュアルSIMの設定時に、APN(アクセスポイント名)の設定が必要になることがあります。大手キャリアのSIMでは自動設定されることが多いですが、格安SIM(MVNO)を利用する場合は手動でAPNを入力する必要があるケースがあります。
設定自体は格安SIM各社の公式サイトに手順が掲載されていますが、不慣れな方にとってはハードルになるかもしれません。設定に不安がある場合は、店頭サポートのある格安SIMを選ぶとスムーズです。

デュアルSIMに対応しているスマートフォンは年々増えています。iPhone・Android別に対応機種を確認していきましょう。
iPhoneはiPhone XS(2018年発売)以降の全モデルでデュアルSIMに対応しています。組み合わせの方式は以下のとおりです。
モデル | 対応方式 |
|---|---|
iPhone XS / XS Max / XR | 物理SIM+eSIM×1 |
iPhone 11シリーズ | 物理SIM+eSIM×1 |
iPhone 12シリーズ | 物理SIM+eSIM×1 |
iPhone SE(第2世代) | 物理SIM+eSIM×1 |
iPhone SE(第3世代) | 物理SIM+eSIM×1、またはeSIM×2 |
iPhone 13シリーズ | 物理SIM+eSIM×1、またはeSIM×2 |
iPhone 14シリーズ | 物理SIM+eSIM×1、またはeSIM×2 |
iPhone 15シリーズ | 物理SIM+eSIM×1、またはeSIM×2 |
iPhone 16シリーズ | 物理SIM+eSIM×1、またはeSIM×2 |
iPhone 13以降のモデルでは、物理SIMを使わずにeSIM×2のデュアルSIM運用も可能です。eSIMのみで2回線を管理できるため、物理SIMトレイを開ける必要がありません。
関連記事: iPhoneでeSIMを使う方法|対応機種・設定手順・デュアルSIM活用術
Androidスマートフォンは多くの機種がデュアルSIMに対応しています。主要メーカーの対応状況は以下のとおりです。
メーカー | 代表的な対応機種 | SIMの組み合わせ |
|---|---|---|
Pixel 4以降 | 物理SIM+eSIM | |
Samsung | Galaxy S21以降 | 物理SIM+eSIM |
Sony | Xperia 1 IV以降 | 物理SIM+eSIM |
SHARP | AQUOS sense6以降 | 物理SIM+eSIM |
OPPO | Reno7 A以降 | 物理SIM×2 または 物理SIM+eSIM |
Xiaomi | Redmi Note 11以降 | 物理SIM×2 |
Androidの場合、物理SIM×2の組み合わせに対応している機種も多いのが特徴です。eSIMに対応していない格安SIMを使いたい場合でも、物理SIM2枚でデュアルSIM運用ができます。端末のスペック表で「DSDV対応」の記載を確認してから購入しましょう。
2021年10月以降に発売された端末は原則SIMロックフリーですが、それ以前に購入した端末はSIMロックがかかっている場合があります。デュアルSIMで異なるキャリアのSIMを使うには、SIMロックの解除が必要です。
SIMロックの解除は、各キャリアのマイページから無料で手続きできます。端末の設定画面からSIMロックの状態を確認し、ロックがかかっている場合は事前に解除しておきましょう。
関連記事: SIMロック確認方法|iPhone・Android別の手順と解除方法を徹底解説

デュアルSIMの設定は、iPhoneとAndroidで手順が異なります。それぞれの設定方法を見ていきましょう。
iPhoneでデュアルSIMを設定する手順は以下のとおりです。
1. 物理SIMをSIMトレイにセットする(物理SIM利用の場合)
2. 「設定」アプリを開き「モバイル通信」をタップする
3. 「モバイル通信プランを追加」または「eSIMを追加」をタップする
4. QRコードをスキャンするか、キャリアアプリからeSIMをインストールする
5. 各回線に「仕事」「個人」などのラベルを設定する
6. デフォルトの音声回線とデータ回線をそれぞれ指定する
iPhoneでは、電話をかける際に発信元の回線を毎回選択するか、デフォルトの回線を設定しておくか選べます。データ通信に使う回線も「モバイルデータ通信の切り替えを許可」をオンにすれば、主回線の電波が弱い場所で自動的にもう一方の回線に切り替わります。
AndroidでのデュアルSIM設定手順は、メーカーや機種によって多少異なりますが、基本的な流れは共通しています。
1. 物理SIMをSIMスロットにセットする(物理SIM利用の場合)
2. 「設定」アプリを開き「ネットワークとインターネット」または「SIMカードマネージャー」をタップする
3. 「SIMを追加」または「eSIMを追加」をタップする
4. QRコードをスキャンしてeSIMをインストールする
5. 各SIMに名前を付けて識別しやすくする
6. 通話・SMS・データ通信それぞれに使う回線を設定する
格安SIMを利用する場合は、APNの設定が必要になることがあります。各社の公式サイトで提供されているAPN情報(ユーザー名・パスワード・認証タイプなど)を入力してください。
デュアルSIMの設定後、データ通信に使う回線を切り替えたい場合は、以下の方法で操作できます。
iPhoneの場合は「設定」から「モバイル通信」を開き、「モバイルデータ通信」の項目で使いたい回線を選択します。Androidの場合は「設定」から「SIMカードマネージャー」を開き、「モバイルデータ」で使用するSIMを切り替えます。
どちらのOSでも、コントロールセンターやクイック設定パネルからワンタップで切り替えられる機能が用意されている場合もあります。頻繁に回線を切り替える方は、ショートカットの設定を確認しておくと便利です。
関連記事: iPhoneのデータローミングとは?設定方法と高額請求を防ぐコツ

デュアルSIMは、通信費の節約や通信障害への備えだけでなく、海外旅行でも大きな力を発揮します。日本の回線を残したまま海外用eSIMを追加できるため、渡航先でもスムーズにインターネットを利用できます。
海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」は、200以上の国と地域に対応しており、アプリから渡航先のデータプランを購入するだけでデュアルSIM運用を始められます。SIMカードを差し替える手間がなく、設定もアプリ上で完結するため、出発前の準備も手軽です。
24時間対応の日本語カスタマーサポートも備えているため、海外での通信トラブルにも対処しやすいのが特長です。デュアルSIM対応端末をお持ちの方は、次の海外旅行でぜひ試してみてください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。