
海外旅行の準備で見落としがちなのが、現地での通信手段の確保です。渡航先でスマホが使えないと、地図アプリやSNS、翻訳ツールなどが利用できず、旅行の快適さが大きく損なわれてしまいます。 海外用SIMカードは、日本国内で事前に購入しておける通信手段のひとつです。家電量販店やECサイト、空港カウンターなど複数の購入先があり、渡航先や滞在日数に合った製品を選べます。 この記事では、海外用SIMカードが買える場所を購入先別に整理し、それぞれのメリット・デメリットを比較します。SIMカードの選び方や事前に確認しておきたい注意点、さらにeSIMとの違いまで、出発前に知っておきたい情報をまとめました。
目次

海外用SIMカードとは、渡航先の現地通信回線に接続するためのプリペイド式SIMカードです。日本で普段使っているSIMカードと入れ替えることで、海外でもデータ通信や通話が利用できるようになります。まずは基本的な仕組みを押さえておきましょう。
海外用SIMカードの多くは、プリペイド(前払い)方式で提供されています。購入時にデータ容量と利用期間が決まっており、月額契約や解約手続きが不要なため、旅行者にとって使いやすい仕組みです。
SIMカードの種類は、大きく分けて「1か国専用タイプ」と「周遊タイプ」の2つがあります。1か国専用タイプは特定の国でのみ使えるもので、料金が比較的安い傾向があります。一方、周遊タイプはアジアやヨーロッパなど複数の国で使えるため、2か国以上を訪れる旅行に適しています。
SIMカードのサイズは、標準SIM・microSIM・nanoSIMの3種類があります。現在販売されているスマホのほとんどはnanoSIMに対応していますが、購入前に自分のスマホのSIMスロットを確認しておきましょう。
海外でスマホを使う方法は、SIMカード以外にもいくつかの選択肢があります。それぞれの特徴を理解しておくと、自分に合った方法を選びやすくなります。
通信手段 | 特徴 | 目安料金(1日あたり) |
|---|---|---|
海外用SIMカード | SIMを入れ替えて現地回線に接続 | 数百円程度 |
eSIM | オンラインで購入・設定、物理カード不要 | 数百円程度 |
海外ローミング | キャリアの国際サービスを利用 | 無料〜約3,000円 |
Wi-Fiレンタル | ルーター端末を持ち歩いて接続 | 約500〜2,000円 |
フリーWi-Fi | ホテルやカフェの無料回線を利用 | 無料 |
海外用SIMカードは、Wi-Fiレンタルのように端末を持ち歩く必要がなく、荷物を増やさずに通信環境を整えられる点がメリットです。海外ローミングと比べると、料金を事前に把握しやすく、使いすぎによる高額請求の心配がありません。
関連記事: SIMカードとは?種類・サイズ・仕組みを初心者向けにわかりやすく解説

海外用SIMカードは、日本国内のさまざまな場所で購入できます。それぞれの購入先によって品揃えや価格、サポートの充実度が異なるため、自分のニーズに合った場所を選びましょう。
ヨドバシカメラやビックカメラ、ヤマダ電機などの大手家電量販店では、海外用プリペイドSIMカードを店頭で購入できます。実物を手に取って確認でき、スタッフに相談しながら渡航先や滞在日数に合った製品を選べるのがメリットです。
DHA Corporationの海外用5G対応プリペイドSIMなど、主要メーカーの製品が全国の量販店で取り扱われています。店頭在庫がある場合は即日持ち帰りが可能で、ヨドバシカメラやビックカメラはオンラインストアでの購入にも対応しています。
デメリットとしては、店舗によって取り扱いブランドや在庫状況にばらつきがある点が挙げられます。渡航先がマイナーな国の場合は、事前に在庫を電話で確認しておくとよいでしょう。
Amazonや楽天市場などのECサイトでは、「韓国 SIM」「アジア周遊 SIM」のようにキーワードを入れて検索するだけで、多数の海外用SIMカードが見つかります。商品ページで対応国や容量、有効期限を確認でき、実際に使った人のレビューを参考にしながら選べるのが大きなメリットです。
価格の比較がしやすく、店頭よりも割安な製品が見つかることもあります。自宅に届くため、出発日の数日前までに注文しておけば余裕を持って準備できます。
一方で、到着までに数日かかる点には注意が必要です。出発直前に購入する場合は「お急ぎ便」の対応可否を確認しましょう。また、出品者によってサポート対応にばらつきがあるため、評価の高い販売元を選ぶことが大切です。
成田空港や羽田空港などの国際線ターミナルには、海外用SIMカードを販売するカウンターや自動販売機が設置されています。JALABCなどの事業者が空港カウンターで海外用SIMカードやeSIMを販売しており、出発直前でも購入が可能です。
成田空港では各ターミナルにSIMカード自販機が複数台設置されており、早朝や深夜でも購入できる場合があります。羽田空港の第3ターミナル(国際線)にもプリペイドSIM自販機が設置されています。
空港での購入は事前準備なしで入手できる便利さがある一方、選べる製品の種類が限られ、価格もオンラインより割高になる傾向があります。時間に余裕がある場合は、事前にECサイトや量販店で購入しておくほうがお得です。
ドコモ・au・ソフトバンクの大手キャリアでは、海外用SIMカードそのものの販売は行っていませんが、海外ローミングサービスを提供しています。2026年3月現在、3社とも対象プラン加入者向けに15日間の海外データローミング無料サービスを展開しています。
SIMカードの入れ替えが不要で、いつもの電話番号がそのまま使える点はローミングならではのメリットです。ただし、無料期間を超えると1日あたり数千円の料金が発生する場合があるため、長期滞在には向きません。
キャリアショップでは渡航前に設定方法を教えてもらえるので、スマホの操作に不慣れな方には安心感があります。格安SIMを利用している場合は海外ローミングに対応していないケースもあるため、事前に契約内容を確認しましょう。
HISやJTBなどの旅行代理店では、旅行パッケージとあわせて海外用SIMカードやWi-Fiレンタルを手配できることがあります。旅行準備をまとめて済ませたい方には便利な選択肢です。
東急ハンズやロフトなどの旅行用品売り場でも、一部の店舗で海外用プリペイドSIMを取り扱っています。ただし、品揃えは家電量販店やECサイトに比べると限定的です。
旅行代理店経由の場合は手数料が上乗せされることがあるため、料金を比較したうえで判断するのがおすすめです。

海外用SIMカードはさまざまな製品が販売されているため、どれを選べばよいか迷う方も多いでしょう。ここでは、購入前に確認しておきたい4つのポイントを紹介します。
最も重要なのは、購入するSIMカードが渡航先の国に対応しているかどうかです。製品パッケージやECサイトの商品ページに対応国の一覧が記載されているため、必ず確認してから購入しましょう。
複数の国を訪れる場合は、周遊タイプのSIMカードが便利です。「アジア周遊」「ヨーロッパ周遊」などのエリア別製品が販売されており、1枚のSIMカードで複数国のデータ通信に対応しています。渡航先の国が増えると料金も上がる傾向があるため、訪問国を事前に確認してから選びましょう。
海外用SIMカードは、データ容量と利用期間の組み合わせでプランが分かれています。自分の使い方に合った容量を選ぶことで、不足や無駄を防げます。
利用スタイル | 1日あたりの目安 | おすすめ容量(5日間) |
|---|---|---|
地図・検索中心 | 約300MB | 1.5〜2GB |
SNS投稿もする | 約500MB | 2.5〜3GB |
動画視聴もする | 約1GB以上 | 5GB以上 |
利用期間はSIMカードのアクティベート(開通)時点からカウントされる製品がほとんどです。出発前に開通してしまうと有効期間が減るため、現地到着後にセットアップするのがおすすめです。
データ通信専用のSIMカードと、音声通話にも対応したSIMカードがあります。海外旅行では通話を使う場面は少ないものの、現地のレストラン予約やホテルへの連絡、緊急時の通報など、電話が必要になる場面もゼロではありません。
通話機能が不要な場合は、データ通信専用SIMを選ぶと料金を抑えられます。通話が必要な場合は、LINEやWhatsAppなどのアプリ通話で代用する方法もあります。データ通信さえあればアプリ通話は利用できるため、多くの旅行者にとってはデータ専用SIMで十分です。
関連記事: SIMカードの入れ替え方法をiPhone・Android別に解説【注意点も】
同行者とデータ通信をシェアしたい場合は、テザリング(インターネット共有)に対応しているかどうかも確認しておきましょう。テザリングに対応していれば、1枚のSIMカードで複数の端末をインターネットに接続できます。
サポート体制も見逃せないポイントです。海外で通信トラブルが発生した場合、日本語で問い合わせできるかどうかは重要なポイントです。購入先のサポート対応時間や連絡方法(メール・チャット・電話)を事前に確認しておくと、万が一の際に慌てずに済みます。

海外用SIMカードを購入したら、出発前にいくつかの準備を済ませておく必要があります。現地で「使えない」というトラブルを防ぐために、事前チェックを忘れずに行いましょう。
海外用SIMカードを使うためには、スマホのSIMロックが解除されている必要があります。SIMロックとは、購入したキャリア以外のSIMカードを使えないようにする制限のことです。
2021年10月以降に販売された端末は原則としてSIMロックがかかっていません。それ以前に購入した端末の場合は、以下の方法で確認できます。
iPhoneの場合は、「設定」アプリから「一般」、「情報」の順にタップし、「SIMロック」の項目を確認します。「SIMロックなし」と表示されていれば解除済みです。Androidの場合は機種によって確認方法が異なり、「設定」から「端末情報」、「SIMカードの状態」で確認できる機種もあります。確認できない場合は、契約キャリアに問い合わせるのが確実です。
SIMロックの解除は、各キャリアのオンラインサービスや店頭で無料で手続きできます。オンラインなら数分で完了するため、手軽に済ませたい方におすすめです。
関連記事: SIMロック解除を自分でやる方法|キャリア別の手順と注意点を解説
SIMカードを入れ替えた後、APN(アクセスポイント名)の設定が必要になる場合があります。APNとは、スマホがどの通信回線に接続するかを指定する設定のことです。
iPhoneの場合は、SIMカードを挿入すると自動的にAPNが設定されるケースが多いです。設定が反映されない場合は、SIMカードに同梱されている設定プロファイルをインストールします。Androidの場合は、「設定」から「ネットワークとインターネット」、「モバイルネットワーク」、「アクセスポイント名」の順に進み、SIMカードのパッケージに記載されたAPN情報を手動で入力します。
設定がうまくいかない場合は、スマホを再起動してみてください。それでも接続できないときは、機内モードのオン・オフを試すと改善することがあります。
海外用SIMカードに入れ替える際は、日本のSIMカードを紛失しないよう注意が必要です。nanoSIMは非常に小さいため、SIMカードケースやジップ付きの小袋に入れて保管しましょう。
海外用SIMカードに入れ替えると、日本の電話番号での着信やSMS受信ができなくなります。LINEやメールなどのアプリ経由でのやり取りが中心になるため、渡航前に家族や職場に連絡手段を共有しておくとよいでしょう。
なお、デュアルSIM対応のスマホであれば、日本のSIMカードを入れたまま海外用SIMカードを追加で利用できます。電話番号を維持しながら海外の通信回線を使えるため、利便性が高い方法です。

近年、物理的なSIMカードを使わずにスマホの通信設定ができるeSIMが普及しています。海外旅行の通信手段を選ぶうえで、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ」をはじめとしたeSIMサービスも選択肢に入ります。eSIMと物理SIMカードの違いを整理しましょう。
eSIMはスマホに内蔵されたデジタルSIMで、オンラインで購入からセットアップまで完結します。物理的なカードの受け取りや入れ替えが不要なため、出発直前でも準備でき、紛失のリスクもありません。
前述のとおりデュアルSIM対応のスマホなら、日本のSIMカードを抜かずにeSIMを追加でき、電話番号もそのまま使えます。飛行機を降りた瞬間からインターネットに接続できるスピード感も、eSIMならではのメリットです。
一方で、eSIMに対応していないスマホでは利用できません。2022年以降に発売されたiPhoneやAndroidのハイエンドモデルはほぼ対応していますが、古い機種や一部のミドルレンジモデルは非対応の場合があります。購入前にスマホの対応状況を確認しましょう。
関連記事: 海外旅行向けeSIMアプリおすすめ6選|使いやすさと評判で徹底比較【2026年】
物理SIMカードは、eSIMに対応していないスマホを使っている場合の有力な選択肢です。eSIM非対応の端末でも、SIMスロットにカードを挿入するだけで利用を開始できます。
また、スマホの設定操作に不慣れな方にとっても、物理SIMカードは扱いやすい方法です。家電量販店で購入すればスタッフに設定を手伝ってもらえるほか、パッケージに設定手順書が同梱されていることが多く、手順に沿って進めれば問題なく使えます。
長期滞在や現地での通話が必要なケースでは、現地キャリアの物理SIMカードを購入することで、より多くのデータ容量や通話分数を安く確保できることもあります。

海外用SIMカードの購入先や選び方を紹介してきましたが、物理SIMカードの入れ替えやAPN設定の手間が気になる方には、eSIMという選択肢が注目されています。
トリファ(trifa)は、アプリから渡航先と日数を選ぶだけで海外用eSIMを購入できるサービスです。SIMカードの差し替えやAPN設定といった面倒な作業が一切なく、アプリ上の操作だけで通信環境が整います。日本語の画面で迷わず進められるので、初めてeSIMを使う方でも数分で準備が完了します。
世界200以上の国と地域に対応しており、渡航先に合ったプランを手頃な価格で利用可能です。出発前にアプリでeSIMを購入しておけば、現地到着後すぐにインターネットに接続できるため、空港でSIMカードを探す手間がかかりません。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。