
スマホの機種変更やキャリアの乗り換えで、SIMカードの入れ替えが必要になる場面は少なくありません。一見難しそうに思えますが、正しい手順さえ知っていれば自分で簡単にできる作業です。 SIMカードにはサイズの違いや取り扱い時の注意点があり、知らずに作業を進めると故障やデータトラブルにつながるおそれがあります。また、入れ替え後のAPN設定を忘れるとインターネットに接続できないケースもあるため、事前の準備が欠かせません。 この記事では、SIMカードの入れ替え方法をiPhoneとAndroidそれぞれの手順で解説し、準備すべきものや注意点、入れ替え後に必要な設定までまとめました。物理SIMカードを使わないeSIMという選択肢についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次

SIMカードとは、スマートフォンに挿入する小さなICカードのことです。契約者の電話番号や回線情報が記録されており、このカードがなければ電話やモバイルデータ通信を利用できません。SIMカードの入れ替えが必要になる主なケースを確認しておきましょう。
SIMカードには「標準SIM(25×15mm)」「microSIM(15×12mm)」「nanoSIM(12.3×8.8mm)」の3種類のサイズがあります。現在販売されているスマートフォンのほとんどはnanoSIMを採用しているため、最近の端末同士であればサイズの違いを気にする必要はありません。
ただし、古い端末からの機種変更ではサイズが異なる場合があります。サイズが合わないときはキャリアの店舗やオンラインでSIMカードの再発行を申し込みましょう。自分でSIMカードを切って小さくする方法もインターネット上で紹介されていますが、ICチップを破損するリスクがあるためおすすめできません。
SIMカードを入れ替えるタイミングとして最も多いのは、新しいスマートフォンへの機種変更です。今使っているスマホからSIMカードを取り出し、新しい端末に差し替えるだけで同じ電話番号と回線をそのまま使えます。
そのほかにも、格安SIMへの乗り換えや、海外旅行で現地のプリペイドSIMを利用する場面でもSIMカードの入れ替えが発生します。とくに海外では、現地SIMに差し替えることで通信費を大幅に抑えられるケースが多いです。
SIMカードを入れ替えても、スマートフォン本体に保存されている写真・動画・アプリなどのデータは消えません。SIMカードに保存されているのは電話番号や契約者の識別情報であり、端末内部のストレージとは別の領域です。
ただし、一部のAndroid端末ではSIMカードに連絡先を保存できる機能があります。この機能を使っていた場合、SIMカードを抜くとその連絡先が表示されなくなるため、事前に端末本体やクラウドにバックアップしておきましょう。
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SIMカードの入れ替えをスムーズに進めるには、事前の準備が重要です。作業に取りかかる前に、以下のポイントをひとつずつ確認しておきましょう。
2021年10月1日以降に発売された端末は、総務省のガイドラインによりSIMロックが原則かかっていません。しかし、それ以前に購入した端末はSIMロックがかかっている可能性があります。SIMロックとは、購入したキャリア以外のSIMカードを使えないようにする制限のことです。
iPhoneの場合は「設定」アプリを開き「一般」から「情報」をタップすると「SIMロック」の項目で確認できます。「SIMロックなし」と表示されていれば、他社のSIMカードを差しても問題ありません。Androidでは「設定」から「デバイス情報」や「端末情報」を確認する方法が一般的ですが、メーカーや機種によって表示場所が異なります。
SIMロックがかかっている場合は、契約中のキャリアのWebサイトやショップで解除手続きを行いましょう。オンラインでの手続きは無料で、24時間受け付けているキャリアがほとんどです。
SIMカードの取り出しには、端末に付属しているSIMピン(SIM取り出しツール)が必要です。SIMピンが見つからない場合は、先端の細いペーパークリップでも代用できます。ただし、針や画鋲など先端が鋭すぎるものはSIMトレイの穴を傷つける可能性があるため避けてください。
作業前にスマートフォンの電源を切っておくことも大切です。電源を入れたままSIMカードを抜き差しすると、データの読み書き中に接触不良が発生する可能性があります。また、静電気によるICチップの破損を防ぐため、作業前に金属に触れて体の静電気を逃がしておくと安心です。
SIMカードの入れ替えだけであれば端末のデータが消えることはありませんが、機種変更と同時に行う場合はデータ移行の準備が必要です。iPhoneならiCloudバックアップ、AndroidならGoogleアカウントによるバックアップを事前に済ませておきましょう。
とくにLINEのトーク履歴は、アプリ内で別途バックアップ設定が必要です。電話番号が変わるMNP乗り換えの場合は、LINEの登録電話番号をすぐに更新できるよう準備しておくとスムーズに進みます。
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iPhoneのSIMカード入れ替えは、SIMピンさえあれば数分で完了します。モデルによってSIMトレイの位置が異なるため、自分の端末に合った場所を確認してから作業を始めましょう。
iPhoneのSIMトレイの位置はモデルによって異なります。iPhone 12以降のモデル(iPhone 13・14・15・16シリーズ)は本体の左側面にSIMトレイがあります。一方、iPhone 11以前のモデルでは右側面に配置されています。
SIMトレイには小さな穴が開いており、ここにSIMピンを差し込むとトレイが飛び出す仕組みです。穴の位置がわかりにくい場合は、本体側面をよく観察すると楕円形のトレイの輪郭が見えます。
まずiPhoneの電源を切ります。次に、SIMピンをSIMトレイの穴にまっすぐ押し込むと、カチッという手応えとともにトレイが少し飛び出します。トレイを引き出したら、載っているSIMカードを取り外しましょう。
新しいSIMカードをトレイに載せる際は、カードの切り欠き(角が斜めにカットされた部分)の位置に注意してください。トレイの形状に合わせれば正しい向きでしかセットできない設計ですが、無理に押し込むと端末やSIMカードの破損につながります。SIMカードを載せたトレイを本体に戻し、奥までしっかり押し込めば完了です。
iPhoneの電源を入れ、画面左上にキャリア名と電波アイコンが表示されれば正常に認識されています。表示されない場合は、トレイが正しく挿入されているか確認しましょう。
格安SIMなど一部のキャリアでは、APN構成プロファイルのインストールが必要です。Wi-Fiに接続した状態でSafariを開き、キャリアの公式サイトからプロファイルをダウンロードします。「設定」アプリの「一般」から「VPNとデバイス管理」を開き、ダウンロードしたプロファイルをインストールすれば設定完了です。なお、以前のキャリアのプロファイルが残っている場合は先に削除してからインストールしてください。

Androidスマートフォンはメーカーや機種によってSIMカードの挿入方法が異なります。大きく分けて「SIMピン方式」と「SIMスロット方式」の2種類があるため、自分の端末に合った方法で作業を進めましょう。
GalaxyやPixelなど多くのAndroidスマートフォンでは、iPhoneと同様にSIMピンを使ってトレイを取り出す方式を採用しています。端末の電源を切り、側面にあるSIMトレイの穴にSIMピンを差し込んでトレイを引き出します。
古いSIMカードを取り外し、新しいSIMカードをトレイにセットします。SIMカードの切り欠きの位置をトレイの形状に合わせ、ICチップ面(金色の部分)を下向きにして載せるのが一般的です。ただし、機種によって向きが異なる場合もあるため、取扱説明書やメーカーの公式サイトで確認しておくと確実です。
一部のAndroid端末では、SIMピンを使わずにSIMカードスロットのカバーを開けて差し替えるタイプがあります。端末の側面や上部にあるスロットカバーを爪で引き起こし、SIMカードを差し込みます。
このタイプではmicroSDカードと共用のスロットになっている場合があり、誤ってSDカードのスロットにSIMカードを入れないよう注意が必要です。スロットの近くに「SIM」「SD」などの刻印がある場合は、それに従って正しい位置にセットしてください。
Androidでは、SIMカードを入れ替えた後にAPN(Access Point Name)設定が必要になるケースがあります。大手キャリアのSIMであれば自動で設定されることが多いですが、格安SIMの場合は手動設定が必要です。
「設定」アプリを開き「ネットワークとインターネット」から「モバイルネットワーク」を選択します。「アクセスポイント名」をタップし、契約先のキャリアが一覧に表示されていれば選択するだけで完了です。表示されない場合は、キャリアの公式サイトに記載されているAPN情報(名前・APN・ユーザー名・パスワード・認証タイプ)を手動で入力して保存します。
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SIMカードの入れ替えは簡単な作業ですが、いくつかの注意点を守らないとトラブルにつながります。作業前にひと通り確認しておきましょう。
SIMカードの金色に光っている部分がICチップです。この部分に指紋や汚れがつくと、接触不良を起こしてスマートフォンがSIMカードを認識しなくなる場合があります。SIMカードを持つときは、できるだけICチップ面に触れないよう端を持つようにしましょう。
また、静電気はICチップにダメージを与える原因になります。冬場など乾燥した環境で作業するときは、事前にドアノブなどの金属に触れて静電気を放電してから作業を始めてください。
SIMカードには正しい向きがあります。四隅のうちひとつだけ斜めにカットされた切り欠きがあり、この切り欠きの位置をSIMトレイの形状に合わせてセットします。正しい向きでないとトレイに収まらないため、無理に押し込まないでください。
また、SIMカードの裏表にも注意が必要です。一般的にはICチップ面(金色の面)を下向きにしてトレイに載せますが、機種によって異なる場合があります。不安な場合は、元のSIMカードがどの向きで入っていたかを確認してから取り外すと間違いを防げます。
SIMピンは先端が細く小さいため、紛失しやすい道具です。スマートフォンの購入時に付属している箱に入っていることが多いので、箱ごと保管しておくとよいでしょう。
紛失した場合はペーパークリップの先端を伸ばして代用できます。ただし、つまようじや安全ピンなど先端が太すぎたり鋭すぎたりするものは、SIMトレイの穴を傷つけたり中で折れたりするリスクがあるため使用を避けてください。家電量販店や100円ショップでもSIMピンは購入できます。

SIMカードを正しく入れ替えたはずなのにうまく動かないケースもあります。よくあるトラブルとその対処法を知っておけば、慌てずに解決できます。
SIMカードを入れ替えた後に「SIMなし」や「不正なSIMです」と表示される場合、まずSIMカードが正しくセットされているか確認しましょう。一度SIMトレイを取り出し、SIMカードの向きや位置を確認してから再度挿入します。
それでも解決しない場合は、SIMロックが解除されていない可能性があります。とくに2021年9月以前に購入した端末では、SIMロック解除の手続きが済んでいるか改めて確認してください。端末の再起動で改善するケースもあるため、一度電源を切って入れ直すことも試してみましょう。
SIMカードは認識されているのにインターネットに接続できない場合、APN設定が正しく行われていない可能性が高いです。iPhoneの場合はAPN構成プロファイルのインストール、Androidの場合はAPN情報の手動入力を再度確認しましょう。
「モバイルデータ通信」がオフになっていないかも確認してください。iPhoneは「設定」から「モバイル通信」、Androidは「設定」から「ネットワークとインターネット」で切り替えられます。また、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」のようなeSIMサービスであれば、物理SIMの入れ替えなしにアプリ上で通信設定が完了するため、こうしたトラブルを避けやすいメリットもあります。
電話やSMSが使えない場合、SIMカードが正しいスロットに入っているか確認します。デュアルSIM対応端末では、音声通話用のSIMスロットとデータ通信用のスロットが分かれていることがあり、誤ったスロットに入れると通話ができません。
端末の「設定」から「SIMカードマネージャー」や「モバイルネットワーク」を開き、通話やSMSに使用するSIMが正しく選択されているか確認してください。MNP乗り換えの場合は、回線の切り替え手続きが完了するまで旧キャリアの回線で通信が行われるため、切り替え完了のタイミングにも注意しましょう。
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SIMカードの入れ替えは正しい手順で行えば難しい作業ではありませんが、物理カードの取り扱いやAPN設定に不安を感じる方も少なくないでしょう。とくに海外旅行で現地SIMに差し替える場合は、元のSIMカードの紛失や入れ替え時の破損が心配です。
そこで注目されているのがeSIM(イーシム)です。eSIMはスマートフォンに内蔵されたデジタルSIMで、オンライン上の操作だけで回線を追加・切り替えできます。海外旅行であれば、出発前にeSIMをダウンロードしておくだけで到着後すぐにインターネットが使えます。
トリファ(trifa)は、200以上の国と地域に対応した海外eSIMアプリです。日本語サポートに対応しており、渡航先を選んでプランを購入するだけで設定が完了します。SIMカードを抜く必要がないため、大切な日本のSIMを紛失する心配もありません。手頃な価格で、渡航先でのインターネット接続をもっと手軽にしたい方に向いています。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。