イタリア旅行の準備を進めるなかで、「変換プラグは何個必要なのか」「日本の充電器はそのまま使えるのか」と迷っていませんか。イタリアのコンセントは日本と形が違うため、変換プラグなしでは充電できません。 イタリアで使われているのは、丸ピン2本のCタイプと、イタリア独自の丸ピン3本のLタイプです。両方を受け入れられる差込口も普及しているため、多くの場面ではCタイプの変換プラグが1つあれば足ります。 一方で、電圧の表記が「220V」と「230V」で割れていたり、用意したプラグが差さらなかったりと、現地で戸惑う場面もあります。どちらが正しいのか分からないまま出発するのは不安なものです。 この記事では、イタリアのコンセント事情を公的な資料の裏付けとともに解説します。プラグ形状と電圧の基本から、差さらないときの対処法、ホテルや民泊での注意点、ローマとミラノの違いまでまとめました。
目次

イタリアで使われているコンセントは、丸ピン2本の「Cタイプ」と、イタリア独自の丸ピン3本「Lタイプ」が基本です。イタリア政府観光局の公式サイトも、2つまたは3つの穴が並ぶCタイプのソケットと、Lタイプのソケットが使われていると案内しています。
日本で一般的なAタイプは平たい板状のピンが2本並んだ形で、イタリアのコンセントとはまったく形状が異なります。そのままでは差し込めないため、イタリア旅行では変換プラグが必須と考えておきましょう。
Cタイプは、丸いピンが2本並んだプラグです。ヨーロッパの広い範囲で使われている形状で、「ユーロプラグ」とも呼ばれます。ピンの直径は一般に4mm前後とされています。
スマートフォンの充電器やノートパソコンのACアダプターなど、消費電力が小さい機器の多くはこのCタイプに対応しています。旅行者が用意する変換プラグも、まずはCタイプが基本になります。
Cタイプにはアース(接地)用のピンがありません。短期の旅行で充電器を使う分には問題になりにくいものの、アース付きが前提の機器を持ち込む場合は事前に確認しておくと安心です。
Lタイプは、丸いピンが縦一列に3本並んだイタリア独自の形状です。中央のピンがアースで、その両側が電源用という構造になっています。
イタリア政府観光局は、Cタイプのソケットに加えてLタイプのソケットがあると案内しています。さらに両者を組み合わせた「マルチスタンダード」のソケットなら、イタリアのすべてのプラグとドイツ式のシュコープラグを接続できると説明しています。この両対応タイプは現地で「bipasso(ビパッソ)」と呼ばれています。
ただし、Lタイプと両対応タイプがそれぞれどれくらいの割合で設置されているかを示す公的な統計は確認できませんでした。「Lタイプが主流」「ほとんどが両対応」といった言い切りはできないため、どちらにも出会う可能性がある前提で準備するのが現実的です。
イタリアでは、ドイツ式のSEタイプ(Fタイプ、シュコー)のコンセントも見かけます。現地ではこの形状を「spina tedesca」、つまりドイツ式プラグと呼び、洗濯機や冷蔵庫のような大型家電で使われることがあります。
前述のマルチスタンダードの差込口であれば、Cタイプ・LタイプにくわえてSEタイプのシュコープラグも受け入れられると政府観光局が説明しています。旅行者が使う小型の充電器であれば、Cタイプの変換プラグで対応できる場面がほとんどです。
なお、SEタイプは日本の記事によって「Fタイプ」と表記されることもあります。同じ形状を指す別名なので、変換プラグを選ぶときに混乱しないよう覚えておきましょう。
日本のAタイプは、平たい板状のピンが2本平行に並んだ形です。イタリアのC・L・SEタイプはいずれも丸ピンなので、物理的に差し込めません。
無理に押し込もうとすると、プラグ側もコンセント側も破損する恐れがあります。変換プラグを使わずに接続する方法はないと考えて、出発前に必ず用意しておきましょう。
もう一点、変換プラグは「形状を合わせる」ための道具であり、電圧を変える機能はありません。日本の電化製品がイタリアでそのまま使えるかどうかは、次の章で説明する電圧の条件で決まります。
イタリアの電圧を調べると、「220V」と書かれた情報と「230V」と書かれた情報の両方が出てきます。どちらを前提に持ち物を選べばよいのか、判断に迷う部分です。
結論から言えば、現在の公称電圧は230V・50Hzです。ここでは、その根拠と「220V」表記が残っている背景を、公的な資料をもとに整理します。
イタリアの電圧と周波数は、EU全体で共通化された規格に沿って定められています。低圧の供給電圧の品質はCEI EN 50160で規定されており、イタリアを含むEU域内では低圧の公称電圧が230V・周波数50Hzに整合されています。
日本の電圧は100Vなので、イタリアは2倍以上の高さということになります。周波数についても、日本が東日本50Hz・西日本60Hzに分かれているのに対し、イタリアは50Hzです。
この電圧差があるため、日本国内専用の電化製品をそのまま接続すると故障や発熱の原因になります。持ち物を決める前に、手持ちの機器の対応電圧を確認しておきましょう。
ヨーロッパでは、かつて国ごとに幅のあった供給電圧を統一する取り組みが行われました。欧州議会の質問と欧州委員会の回答(EUR-Lexに収録)には、1988年に採択されたCENELECのHD 472 S1によって公称電圧を230V±10%へ統一すると記載されています。移行期間は2003年までとされました。
一方で、イタリア政府観光局の公式サイトには現在も「220V・50Hz」と記載されています。公的な資料どうしで数字が割れているのは、統一前の値が案内文に残っているためと考えられます。
旅行者が実務上気にすべきなのは「日本の100Vよりはるかに高い」という点で、220Vと230Vの差そのものが持ち物の判断を変えることはほとんどありません。本記事では規格側の値にそろえて230Vと表記します。
スマートフォンやノートパソコン、カメラの充電器の多くは、世界中で使えるように幅広い電圧に対応しています。判断の基準になるのが、充電器やACアダプターに小さく印字された「INPUT」の表示です。
ここに「100-240V 50/60Hz」と書かれていれば、イタリアの230V・50Hz環境でもそのまま使えます。必要なのはコンセントの形を合わせる変換プラグだけで、変圧器を持っていく必要はありません。
表示が見つからないときは、メーカーの製品ページで仕様を確認しておきましょう。出発直前に慌てないよう、荷造りのタイミングでまとめて確認するのがおすすめです。
日本国内向けのドライヤーやヘアアイロンは100V専用の製品が多く、イタリアのコンセントに直接つなぐと故障や発火につながる恐れがあります。消費電力が大きいため、小型の変圧器では容量が足りないことも少なくありません。
現実的な対策は、海外対応(100-240V表記)の製品を持参するか、宿泊先の備え付けを使うことです。ヘアアイロンは海外対応モデルが各社から出ているので、旅行前に買い替えを検討してもよいでしょう。
変圧器が必要になるケースとそうでないケースの線引きは、下記の記事で詳しく整理しています。
「変換プラグは何個持っていけばよいのか」は、イタリア旅行の準備でよく挙がる疑問です。結論としては、充電したい機器の数と充電の仕方によって変わります。
ここでは、1つで足りるケースと複数あったほうがよいケースに分けて整理します。
夜のあいだにスマートフォンだけを充電する、という使い方であれば、Cタイプの変換プラグが1つあれば足ります。マルチスタンダードの差込口であればCタイプのプラグを受け入れられるため、多くの宿泊先で対応できます。
複数の機器を持っている場合でも、USBポートが複数ある充電器を1台使えば、コンセント側に挿す変換プラグは1つで済みます。荷物を減らしたい方にはこの組み合わせが便利です。
ただし、差込口が1か所しかない部屋に当たると、順番に充電することになります。時間を有効に使いたい場合は、次に紹介する方法を検討してください。
スマートフォン・カメラ・モバイルバッテリーなどを同時に充電したい場合は、USBポートを複数備えた変換プラグや、日本の電源タップと組み合わせる方法が向いています。差込口が少ない部屋でも口数を増やせます。
イタリアだけでなくヨーロッパの複数国を周遊するなら、いくつかの形状に切り替えられるマルチタイプが便利です。国ごとに変換プラグを買い足す手間がなくなります。
製品ごとの違いや選び方のポイントは、下記の記事にまとめています。
関連記事:変換プラグのおすすめと選び方はこちら
変換プラグは、家電量販店・旅行用品店・オンラインショップのほか、100円ショップでも取り扱いがあります。ダイソーの公式オンラインストアにも、Cタイプの海外用プラグの商品ページが掲載されています。
価格や仕様は製品によって幅があるため、対応電圧(定格)の表示を必ず確認してください。100円ショップの製品には「電圧は変換できない」と明記されているものもあり、変圧器の代わりにはなりません。
どこで買うか迷う場合は、購入場所ごとの特徴を比較した記事も参考にしてください。

イタリアで起きやすいトラブルが、「用意した変換プラグが差し込めない」「差せたけれどゆるくて抜けてしまう」というものです。旅先で慌てやすい場面ですが、順番に試せばたいていは現地で解決できます。
ここでは、考えられる原因とその場でできる対処を紹介します。
イタリアのコンセントには、定格電流の違いによって穴の大きさやピンの間隔が異なる規格が複数あると、電気設備の技術解説で説明されています。差込口の種類によっては、Cタイプのプラグが想定されていない場合があります。
ただし、どの差込口でどの程度この現象が起きるのかを示す公的な統計は確認できませんでした。原因を1つに断定できる根拠はないため、まずは部屋の別の差込口を試すのが現実的な対処です。
ゆるいと感じるときは、無理に固定しようとせず、いったん抜いて別の場所を使ってください。接触が不安定なまま使い続けるのは、発熱の観点からも避けたほうが安全です。
宿泊先によっては、フロントで変換プラグを貸し出していることがあります。滞在中だけ必要という場合は、買い足すより借りるほうが早いこともあります。
貸し出しの有無は施設ごとに異なるため、確実に借りられるとは限りません。予約時や到着時に確認しておくと、夜になってから困る事態を避けられます。
英語で伝えるなら「adapter」、イタリア語では「adattatore」が通じやすい言い方です。
現地で買い足す場合は、空港のショップや家電量販店が候補になります。イタリアではMediaWorldやUnieuroといった家電量販チェーンが営業しており、2026年8月時点でイタリア市場からの撤退や事業停止は確認されていません。
とはいえ、個別の店舗が閉店することはあります。2026年にはMediaWorldが不採算店舗を閉鎖したことが地元メディアで報じられているため、特定の店舗を当てにせず、滞在エリアで営業中の店舗を現地で調べるほうが確実です。
現地調達はあくまで「忘れたときの保険」と考え、基本は日本で用意しておくと安心です。変換プラグの種類そのものについては、下記の記事で解説しています。
イタリアには歴史的な建物をそのまま活用した宿泊施設が多く、電気設備の作りが新しいホテルとは異なることがあります。差込口の数や位置で戸惑う場面があるのは、この事情によるものです。
ここでは、宿泊先で知っておくと役立つポイントを3つ紹介します。
古い建物を改装した宿では、客室内の差込口が限られていたり、ベッドから離れた位置にあったりすることがあります。枕元で充電したい方は、短い延長コードがあると使い勝手が上がります。
USBポート付きの差込口を備えた施設もありますが、すべての宿にあるとは限りません。設備の詳細は施設ごとに異なるため、予約サイトの設備情報や施設への問い合わせで確認するのが確実です。
先に触れた電源タップとの組み合わせは、こうした古い建物の宿でこそ役立ちます。コンセント側に挿す変換プラグは1つのままで、枕元まで届く口数を確保できます。
イタリアの電気設備の規格であるCEI 64-8では、浴槽やシャワーの周囲を危険度に応じたゾーンに分けています。浴槽やシャワーの内部とその直上にはコンセントを設置できません。その外側の一定範囲についても制限があり、設置できるのは絶縁変圧器を内蔵したシェーバー用コンセントなどに限られるとされています。
そのため、バスルームに差込口が見当たらない、あるいは洗面台から離れた位置にしかない、ということが起こります。ドライヤーやヘアアイロンを使いたい場合は、部屋側のコンセントを使う想定にしておきましょう。
洗面所の差込口がシェーバー専用になっている施設もあります。表示を確認しないまま消費電力の大きい機器をつなぐのは避けてください。
イタリアの規制当局ARERAは、多くの住宅の契約電力が3kWであること、契約値に1割の余裕を加えた値を超えて電力を使うとメーターが供給を一時的に遮断する仕組みがあることを説明しています。3kW契約であれば、瞬間的に3.3kWを超えると遮断されると明記されています。
民泊やアパートメントでエアコンや電気ケトル、ドライヤーを同時に使うとブレーカーが落ちることがあるのは、この仕組みによるものです。復旧方法が分からないと夜間に困るため、チェックイン時にブレーカーの位置を聞いておくと安心です。
ホテルの客室では意識する場面は多くありませんが、キッチン付きの滞在型施設を選ぶ場合は覚えておいて損はありません。
最後に、イタリアのコンセントについてよく検索される疑問をまとめます。都市による違いや、近隣国を周遊するときの注意点を確認しておきましょう。
ここでは、資料で確認できたことと確認できなかったことを分けながら、3つの疑問に答えます。
電圧と周波数については、イタリア政府観光局が国内のどこでも交流が供給されていると案内しており、都市ごとに供給電圧が変わるという説明は見当たりません。ローマとミラノで用意する変換プラグを変える必要はないと考えて差し支えありません。
一方、コンセントの形状が都市ごとにどう分布しているかを示す公的な資料は確認できませんでした。「ローマはこの形、ミラノはこの形」と言い切れる根拠はないため、本記事では都市差の有無を断定しません。
実際に差が出やすいのは、都市よりも建物の新旧や改装の有無です。同じ都市のなかでも、宿によって差込口の種類や数が違うと考えておくほうが実態に近いでしょう。
フランスやドイツではCタイプ・SEタイプが使われており、イタリア向けに用意したCタイプの変換プラグがそのまま使える場面が多くあります。ヨーロッパ大陸側の周遊であれば、追加の準備は最小限で済みます。
注意が必要なのはイギリスです。イギリスは角型のピンが3本並んだBFタイプで、Cタイプとは互換性がありません。イタリアとイギリスを続けて訪れる行程では、BFタイプに対応した変換プラグも用意してください。
BFタイプの形状や選び方は、下記の記事で解説しています。
関連記事:BFタイプの変換プラグについてはこちら
鉄道については、トレニタリアの公式サイトが、フレッチャロッサ1000の各車両に電源コンセントとUSBポート、無料Wi-Fiを備えていると案内しています。ETR600・700では各座席に電源とUSBポートがあるとされています。長距離移動の最中でも充電しやすい環境です。
空港では、ローマ・フィウミチーノ空港の公式サイトが、Eボーディングエリアなど28か所のステーションでモバイルバッテリーの無料貸し出しを行っていると案内しています。利用にはクレジットカード情報の登録が必要で、返却しない場合は端末代が請求される仕組みです。提供内容は変わる可能性があるため、渡航前に最新の案内を確認してください。
移動中に地図やチケットを表示するには、電源とあわせて通信環境も欠かせません。イタリアで使う通信手段については、記事の最後に海外eSIMのトリファを紹介します。

コンセントと電圧の準備が整ったら、最後に通信手段を決めておきましょう。レストラン探しや翻訳アプリの利用、現地の交通情報の確認など、イタリア旅行では想像以上にインターネットを使います。
ここでは、旅行中の通信手段としてeSIMのトリファを紹介します。
トリファは、アプリダウンロード数No.1の海外eSIMアプリです。対応国・地域数は200以上で、イタリアを含むヨーロッパ旅行でも利用できます。
物理SIMの差し替えやWi-Fiルーターの受け取り・返却が不要なため、出発前にアプリで設定を済ませておけば、現地に着いた時点で通信を始められます。空港のカウンターに並ぶ必要がないのは、乗り継ぎのある行程ほど効いてきます。
必要なデータ容量と利用日数を選ぶ形式なので、手頃な価格で通信費の見通しを立てやすい点も特徴です。
変換プラグ、モバイルバッテリー、eSIMの3つは、出発前にまとめて準備しておくと当日が楽になります。どれか1つ欠けるだけで、現地でスマートフォンを使えない時間が生まれてしまうためです。
荷造りのタイミングでチェックリストを作り、充電器の対応電圧の確認とeSIMの設定を同じ日に済ませてしまいましょう。準備を早めに終わらせて、イタリア旅行を存分に楽しんでください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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