
海外旅行先のホテルでスマートフォンを充電しようとしたら、コンセントの形が違って差し込めない。初めての海外旅行で、こうしたトラブルに遭遇する方は少なくありません。 世界のコンセントにはA・C・BF・SE・Oなど複数のタイプがあり、国によって形状や電圧が異なります。日本の電化製品をそのまま持って行っても、変換プラグがなければ使えないケースがほとんどです。 この記事では、海外のコンセントが日本と違う理由から、変換プラグの種類と選び方、デバイス別の対応方法、購入場所・価格の目安、現地でのトラブル防止策まで網羅的に解説します。 出発前にこの1記事を読んでおけば、渡航先の電源事情で困ることはありません。ぜひ最後までチェックしてみてください。
目次

海外旅行の準備で意外と見落とされがちなのが、渡航先のコンセント事情です。日本では当たり前に使えるプラグが、海外では形が合わなかったり電圧が違ったりして、そのままでは使えないことがあります。まずは、なぜ国によってコンセントの形状が異なるのかを理解しておきましょう。
世界のコンセントが国ごとに異なるのは、電気が各国に普及し始めた19世紀後半から20世紀初頭にかけて、統一した国際規格が定められなかったことが原因です。各国が自国の事情に合わせて独自にコンセントやプラグの形状を設計し、そのまま現在に至っています。
1904年のセントルイス万国博覧会では、コンセントやプラグの国際標準化の必要性が議論されました。しかし、当時は海外旅行が一般的ではなく、電化製品を国外に持ち出す場面も限られていたため、統一の優先度は高くありませんでした。
その後、第二次世界大戦で標準化の議論は中断され、戦後も各国は自国のインフラを維持する道を選びました。こうした歴史的な経緯により、現在でも世界には10種類以上のコンセント形状が存在しています。
日本で使われているコンセントは「Aタイプ」と呼ばれ、2本の平たい刃が平行に並んだ形状です。大正時代にアメリカ規格のプラグ形状を参考にして採用されたもので、アメリカやカナダ、台湾でも同じAタイプが使われています。
しかし、ヨーロッパやオセアニア、東南アジアの多くの国ではAタイプとは異なるコンセントが使われています。渡航先のコンセント形状が日本と違う場合は、形を変換するための「変換プラグ」を用意しなければなりません。
コンセントの形状だけでなく、電圧の違いにも注意が必要です。日本の電圧は100Vですが、世界的に見ると100Vは最も低い部類に入ります。アメリカは120V、台湾は110V、韓国やヨーロッパの多くの国は220V〜230Vです。
電圧が合わない電化製品を使うと、過熱や故障、最悪の場合は発火につながる恐れがあります。変換プラグはあくまで「形状」を変えるだけで、電圧を変換する機能はありません。電圧の変換が必要な場合は、別途「変圧器」が必要になります。
関連記事: 海外旅行に変圧器は必要?変換プラグとの違い・選び方を解説

世界で使われているコンセントの形状は10種類以上ありますが、日本人の主要な渡航先をカバーするには5つのタイプを押さえておけば十分です。ここでは、それぞれのタイプの特徴と使われている地域を紹介します。
2本の平たい刃が平行に並んだ形状で、日本でおなじみのタイプです。アメリカ、カナダ、メキシコ、台湾、ハワイ、グアムなどで採用されており、これらの国・地域では変換プラグなしで日本の電化製品を差し込めます。
ただし、電圧は国ごとに異なります。アメリカは120V、台湾は110Vで、日本の100Vとはわずかに差があります。スマートフォンやノートパソコンの充電器は「100V〜240V」対応がほとんどなので問題ありませんが、日本専用のドライヤーなどは注意が必要です。
丸い2本のピン(直径約4mm)が特徴で、ヨーロッパ大陸で最も広く使われているタイプです。イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、韓国、ベトナム、インドネシア(バリ島)などで採用されています。
CタイプのプラグはSEタイプのコンセントにも差し込める場合が多く、ヨーロッパ旅行では1つ持っておくと幅広い国で使える汎用性の高い選択肢です。イギリスを除くヨーロッパ旅行なら、Cタイプの変換プラグがあればほぼ対応できます。
関連記事: 変換プラグCタイプとは?対応国一覧・選び方を解説
四角い3本のピンが特徴的な、イギリス発祥のプラグ形状です。イギリス本国のほか、香港、シンガポール、マレーシア、アラブ首長国連邦(ドバイ)など、かつてイギリスの影響下にあった国・地域で採用されています。
3本のピンのうち1本はアース(接地)用で、安全性が高い設計です。ほかのタイプと比べてプラグのサイズが大きい点が特徴で、CタイプやAタイプとの互換性はありません。渡航先がBFタイプの国の場合は、必ず専用の変換プラグを用意しましょう。
関連記事: BFタイプの変換プラグとは?対応国一覧と選び方
Cタイプと同じく丸い2本のピンを持ちますが、ピンの直径が約4.8mmとCタイプ(約4mm)より太いのが特徴です。フランス、ドイツ、韓国、オランダ、ポルトガルなどで採用されています。
SEタイプのコンセントにはCタイプのプラグ(ピンが細い)を差し込める場合がほとんどです。ただし、逆にSEタイプのプラグをCタイプのコンセントに差し込むのは、ピンが太いため難しいことがあります。韓国旅行ではCタイプの変換プラグを持っていけば、ほとんどのコンセントに対応できます。
「ハの字」型に斜めに配置された2本の平たい刃が特徴のプラグ形状です。オーストラリア、ニュージーランド、中国(一部)などで採用されています。
Aタイプと同じ平刃タイプですが、刃の角度が異なるため互換性はありません。オーストラリアやニュージーランドの電圧は230Vで、日本より大幅に高い設定です。渡航する際はOタイプ専用の変換プラグを忘れずに準備してください。
渡航先が決まったら、まずプラグタイプと電圧を確認しましょう。
国・地域 | プラグタイプ | 電圧 | 変換プラグ |
|---|---|---|---|
アメリカ・ハワイ | A | 120V | 不要 |
カナダ | A | 120V | 不要 |
台湾 | A | 110V | 不要 |
韓国 | C・SE | 220V | 必要 |
中国 | A・O | 220V | 必要(O推奨) |
タイ | A・C | 220V | 必要(C推奨) |
ベトナム | A・C | 220V | 必要(C推奨) |
シンガポール | BF | 230V | 必要 |
マレーシア | BF | 240V | 必要 |
香港 | BF | 220V | 必要 |
オーストラリア | O | 230V | 必要 |
イギリス | BF | 230V | 必要 |
フランス | C・SE | 230V | 必要 |
ドイツ | C・SE | 230V | 必要 |
イタリア | C・SE | 230V | 必要 |
スペイン | C・SE | 230V | 必要 |
関連記事: 海外旅行の変換プラグ完全ガイド|国別対応表を徹底解説

変換プラグを用意すればコンセントの形状は解決しますが、電圧の問題が残ります。持って行く電化製品ごとに「変換プラグだけでOKか、変圧器も必要か」を判断しましょう。判断のポイントは、製品に記載されている対応電圧です。
スマートフォンやタブレットの充電器(ACアダプター)は、Apple・Samsung・Googleなど主要メーカーの純正品であれば「100V〜240V」に対応しています。変換プラグさえあれば、世界中どこでも充電可能です。
USB Type-Cケーブルで充電するタイプの場合、USBポート付きの変換プラグを使えば充電器本体を持ち歩く必要がなくなり、荷物を減らせます。
ノートパソコンのACアダプターも、ほとんどの製品が「100V〜240V」に対応しています。Apple MacBookやWindows PCの主要メーカー製品は、変換プラグだけで海外でも問題なく使えます。
デジタルカメラやアクションカメラの充電器も同様で、バッテリーチャージャーの裏面に対応電圧が記載されているので、出発前に確認しておきましょう。
ドライヤーやヘアアイロンは、海外旅行で最もトラブルが起きやすい電化製品です。日本で販売されている製品の多くは「100V」専用で、220V〜240Vの国でそのまま使うと機器が壊れたり、発煙・発火につながったりする危険があります。
変圧器を使う方法もありますが、ドライヤーの消費電力は1,000W以上になるため、対応できる変圧器は大型で重く、持ち運びに不向きです。多くのメーカーも変圧器の使用を推奨していません。海外でドライヤーを使いたい場合は、「100V〜240V」対応の海外兼用モデルを用意するのが最も安全な方法です。
ホテルに備え付けのドライヤーが用意されていることも多いので、宿泊先の設備を事前に確認するのもよいでしょう。
電動シェーバーや電動歯ブラシは、充電式のものであれば「100V〜240V」に対応している製品が多くあります。充電台やACアダプターの対応電圧を確認してから持っていきましょう。
「100V」のみ対応の場合は、日本で充電を満タンにしてから出発し、旅行中はバッテリーで使用するという方法もあります。短期旅行であれば、充電なしでも数日間は使えることがほとんどです。

変換プラグにはいくつかのタイプがあり、旅行スタイルや渡航先によって最適な選択肢が変わります。ここでは、自分に合った変換プラグの選び方と、主な購入場所・価格帯を紹介します。
変換プラグは大きく「単一タイプ」と「マルチタイプ」の2種類に分かれます。
単一タイプは1つのプラグ形状にのみ対応するシンプルな製品です。軽量・コンパクトで価格も300〜1,000円程度と手頃なため、渡航先が1か国に決まっている場合に適しています。
マルチタイプは1つの製品でA・C・BF・Oなど複数の形状に対応できる万能型です。スライドやダイヤル操作でプラグの形を切り替えられるため、複数の国を周遊する旅行や海外出張が多い方に向いています。価格は1,500〜4,000円程度で、単一タイプよりやや大きく重い傾向があります。
タイプ | 価格帯 | メリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
単一タイプ | 300〜1,000円 | 軽量・コンパクト | 渡航先が1か国 |
マルチタイプ | 1,500〜4,000円 | 複数の国に対応 | 周遊旅行・出張 |
最近はUSBポート(Type-AやType-C)を搭載した変換プラグが増えています。USBポート付きなら、スマートフォンのケーブルを直接差し込めるため、充電器を別途持ち歩く必要がありません。
USB Type-C対応でPD(Power Delivery)やQC(Quick Charge)に対応したモデルなら、iPhoneやAndroidスマートフォンの急速充電にも対応します。荷物を減らしたい方や、複数のデバイスを同時に充電したい方には特におすすめです。
変換プラグは渡航前に日本で購入しておくのが基本です。主な購入場所と価格帯は以下のとおりです。
購入場所 | 価格帯 | 特徴 |
|---|---|---|
100均(ダイソー) | 110〜770円 | 手頃だが最大720W・SEタイプなし |
家電量販店 | 300〜4,000円 | 品揃え豊富・店員に相談可 |
ネット通販 | 300〜5,000円 | 口コミ・比較がしやすい |
空港の売店 | 700〜1,500円 | 割高だが出発直前でも入手可 |
ダイソーではAタイプ、Cタイプ、BFタイプ、Oタイプの単一変換プラグが110円(税込)から販売されています。ただし最大消費電力が720Wまでで、SEタイプの取り扱いがない点には注意が必要です。韓国旅行でSEタイプが必要な場合は、家電量販店やネット通販で購入しましょう。
空港での購入は種類が限られ価格も割高になるため、あくまで「忘れたときの最終手段」と考えておくのがおすすめです。
関連記事: ダイソーの変換プラグは海外旅行で使える?全種類の比較と選び方

変換プラグを用意していても、使い方を間違えるとトラブルにつながることがあります。渡航前に押さえておきたい注意点をまとめました。
電化製品を海外で使う前に、必ず対応電圧を確認してください。確認方法はシンプルで、充電器やACアダプターの本体に記載されている「Input」の数値を見るだけです。
「Input: 100-240V」や「100V〜240V 50/60Hz」と書かれていれば、世界のほとんどの国で使用できます。一方、「Input: 100V」とだけ記載がある場合は日本国内専用です。海外の高い電圧でそのまま使うと、機器の損傷や事故の原因になります。
記載が小さくて読みにくい場合は、スマートフォンのカメラで拡大して撮影すると確認しやすくなります。
日本から電源タップ(延長コード)を持っていく方もいますが、そのまま使うのは危険です。日本の電源タップは100V用に設計されているため、220V〜240Vの国で使用すると過熱や発火のリスクがあります。
海外で複数の機器を同時に充電したい場合は、USBポートが複数ついた変換プラグや海外対応の電源タップを利用しましょう。変換プラグにタコ足配線を接続して消費電力の大きい機器を複数つなぐのは、過電流の原因になるため避けてください。
変換プラグは小型で紛失しやすいアイテムです。旅行中に失くしてしまうと、スマートフォンの充電ができなくなるなど大きな不便が生じます。
対策として、ジッパー付きのポーチに充電器やケーブルと一緒にまとめて収納しておくのがおすすめです。予算に余裕があれば、予備を1つ持っていくと安心です。単一タイプなら数百円で購入できるので、大きな負担にはなりません。
また、帰国後は次回の旅行に備えて、変換プラグを旅行用品と一緒に保管しておきましょう。使用後は接点部分を乾いた布で拭いておくと、接触不良を防げます。
ホテルの部屋にコンセントの空きが少ない場合や、外出先で充電が必要になることもあります。そんなときに役立つ方法をいくつか紹介します。
モバイルバッテリーを持参しておけば、コンセントがなくてもスマートフォンやタブレットを充電できます。容量10,000mAh以上のものを1つ持っておくと、スマートフォンを2〜3回フル充電できるため安心です。
空港やカフェ、ショッピングモールには、USBポートが設置された充電スポットがあることも多いです。変換プラグがなくても、USBケーブルがあれば充電できる場合があります。

変換プラグで充電環境を整えたら、次に準備しておきたいのが現地での通信手段です。地図アプリや翻訳アプリ、レストランの検索など、旅先でスマートフォンを活用するにはインターネット接続が欠かせません。
利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」は、200以上の国と地域に対応した海外eSIMサービスです。アプリから渡航先と利用日数を選んでプランを購入するだけで準備が完了し、現地に到着したらすぐにデータ通信を開始できます。物理SIMカードの差し替えも不要なので、空港に着いてからの面倒な手続きがありません。
変換プラグ・パスポート・通信手段の3つを出発前にしっかりそろえておけば、渡航先でも不便なく過ごせます。快適な海外旅行のために、ぜひトリファをチェックしてみてください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。