タイ旅行の準備を進めていると、「結局どのアプリを入れておけばいいのか」で手が止まりがちです。検索するとたくさんのアプリを並べた記事も出てきますが、数日の滞在で実際に開くアプリはそれほど多くありません。 むしろ現地でつまずくのは、アプリの数ではなく準備の順番です。到着してから登録しようとして、通信がつながっていない、認証コードのSMSが届かない、といった理由で足止めされるケースが起きます。 この記事では、タイ旅行で本当に使う10個のアプリを用途別に紹介したうえで、日本にいるうちに終わらせておくべき準備を整理します。あわせて、2026年に動きのあった入国手続きのデジタル化と、バンコクの地下鉄の支払い方法の変更にも触れます。 旅行者には登録が難しいアプリ、日本のスマホ決済が使えるかどうかといった「入れなくてよいもの」の線引きも含めてまとめました。出発前のチェックリストとして使ってください。
目次

アプリの準備で差がつくのは、入れる数ではなく「どこまで日本で終わらせておくか」です。現地に着いてから登録しようとすると、通信やSMS認証でつまずき、最初の移動から時間を取られます。
そこで本記事では、旅行者が実際に使う場面から10個に絞って紹介します。準備は次の3つに分けて考えると迷いません。
まずは全体像です。用途が重なるアプリを何個も入れる必要はありません。
アプリ | 用途 | 出発前にやること |
|---|---|---|
Grab | 配車・フードデリバリー | インストールと電話番号の認証 |
MuvMi | 電動トゥクトゥクの配車 | インストールとアカウント作成 |
ViaBus | バス・ボートの現在地確認 | インストール |
BEM MRT | バンコクの地下鉄MRTの経路・運賃 | インストール |
THIM | タイ入国管理局の公式手続きアプリ | 内容の確認 |
Google 翻訳 | タイ語の翻訳・カメラ翻訳 | タイ語データのダウンロード |
Google マップ | 地図・経路検索 | 滞在エリアの地図を保存 |
Wongnai | 飲食店の口コミ検索 | インストール |
XE Currency | バーツと円の換算 | インストール |
外務省 海外安全アプリ | 安全情報の受け取り | インストールとタイの登録 |
このうち、出発前に済ませておきたいのはGrabの登録、Google 翻訳とGoogle マップのオフラインデータ、そして外務省 海外安全アプリの設定です。残りは現地の通信がつながってからでも間に合います。
配車アプリのアカウント作成では、電話番号あてに届く認証コードの入力を求められます。日本の携帯電話番号を使う場合、契約している通信会社によっては海外でSMSを受け取れないことがあるため、日本にいるうちに登録まで終わらせておくと確実です。
登録時には国番号の選択も忘れないようにしてください。日本の番号は先頭の0を除いた形で、国番号81とあわせて入力します。ここを間違えると認証コードが届きません。
支払い方法の登録も出発前に済ませておきましょう。到着直後の空港で、慌ててカード情報を入力する状況を避けられます。
タイ到着直後は、機内モードを解除してから現地の回線につながるまで少し時間がかかることがあります。地下鉄の駅構内や郊外でも電波が不安定になる場面はあります。
ここで効いてくるのが、Google 翻訳のタイ語データとGoogle マップの地図データです。どちらも端末に保存しておけば、通信がない状態でも使えます。設定の手順は記事の後半でまとめて説明します。
データの容量が大きいため、ダウンロードは日本のWi-Fi環境で済ませておくのが無難です。スマホまわり以外の準備もあわせて確認しておくと、荷造りの抜け漏れを防げます。
タイ、とくにバンコクの移動は、配車アプリと鉄道の使い分けが基本になります。渋滞が読みにくい時間帯は鉄道、荷物が多いときや鉄道の駅から離れた場所へ向かうときは配車アプリ、という組み立て方が現実的です。
移動系のアプリは次の4つを押さえておけば足ります。
Grabはタイの公式サイトで、配車のTransport、バイク配車のGrabBike、フードデリバリーのFoodが案内されています。ほかにも日用品配送のMart、荷物配送のExpress、決済のPayが用意されています。移動と食事の両方を1つのアプリでまかなえるため、最初に入れるアプリとして扱って問題ありません。
行き先をアプリ上で指定すると、通行料や追加料金を除いた料金が予約前に提示されるため、乗車後に金額を交渉する必要がありません。言葉が通じない状況でも行き先を正しく伝えられる点は、初めてのタイ旅行では大きな安心材料になります。
なお、タイにはGrab以外の配車アプリもありますが、提供状況は一定ではありません。たとえばBoltは、タイで事業を続けるために必要な認証が2026年5月に期限を迎え、当局による審査が続いていると報じられています。
タイ陸運局は違反事例の多さを理由に認証を更新しない可能性に言及した一方、Bolt社は審査中も通常どおり営業を継続すると表明しています。本記事の執筆時点で審査結果の公表は確認できていないため、Grab以外の配車アプリを使う予定がある場合は、出発前に提供状況を確かめておいてください。
タイのGrab(グラブ)完全ガイド|使い方・料金・支払い方法を解説
MuvMiは電動トゥクトゥクをアプリで呼べるサービスです。公式サイトでは、日常利用向けの配車に加えて観光客向けのワンデーパスやプライベートツアーが案内されており、対応エリアとしてバンコクの主要エリアとチェンマイが挙げられています。
アプリはiOS版とAndroid版の両方が公開されており、配車の依頼から料金の確認までアプリ上で進められます。路上でトゥクトゥクを止めて料金を交渉する必要がないため、相場がわからない旅行者でも使いやすい仕組みです。
短い距離の移動や、渋滞で車が動きにくいエリアの移動に向いています。Grabと併用して、状況に応じて使い分けるのが実用的です。
ViaBusは、バスやボートといった公共交通の現在地をリアルタイムで表示するアプリです。App Storeの情報では無料で提供されており、日本語を含む複数言語に対応しています。
対応都市はタイのバンコク首都圏、チェンマイ、プーケットなどに加えて、マレーシアやラオスの一部都市も含まれます。路線番号がわかっていても実際にバスがいつ来るのかが読めない、という悩みを解決してくれるアプリです。
ローカルなエリアまで足を延ばしたい人には特に役立ちます。ただし車内での支払い方法は路線や車両によって異なるため、小額の現金は持っておくと安心です。
地下鉄MRTを運行するBangkok Expressway and Metro Public Company Limitedは、公式アプリ「BEM MRT」を無料で提供しています。駅間の運賃、所要時間、終電時刻、出口情報などを調べられるアプリで、表示は英語です。
あわせて押さえておきたいのが支払い方法の変更です。MRTの公式案内によると、従来のプリペイド式MRTカードは2026年6月1日に利用が終了しました。現在はEMVタッチ決済への移行が案内されており、Visa、Mastercard、UnionPayのタッチ決済対応カードでブルーラインとパープルラインを利用できるとされています。
つまり、日本から持参したタッチ決済対応のクレジットカードがあれば、専用カードを買わずに改札を通れます。1人につき1枚のカードを使い、入場と退場で同じカードをタッチするのがルールです。
なお高架鉄道BTSはMRTと運営会社が異なるため、同じ支払い方法がそのまま使えるとは限りません。BTSにも乗る予定なら、MRTとは別の支払い手段も想定しておきましょう。
タイの入国手続きは書類からデジタルへ移行しており、この部分は2026年に入って状況が動いています。登録の期限と手段が決まっているぶん、他のアプリとは別枠で考える必要があります。
押さえるべきポイントは次の3つです。
TDAC(タイデジタル到着カード)は、タイに入国するすべての非タイ国籍者に義務づけられている電子的な到着カードです。タイ国政府観光庁の公式案内によると、陸路・海路・空路のいずれで入国する場合も登録が必要とされています。
登録は無料で、タイ到着の3日前(72時間前)から可能です。これより早く登録しようとするとエラーになるため、渡航直前のタスクとして予定に入れておいてください。
登録にはパスポートの情報、渡航日程や便名、滞在先の住所などが必要です。登録が完了するとQRコードがメールで届くので、入国審査でこれを提示します。画面表示でも印刷でも構いませんが、通信が不安定な状況に備えてスクリーンショットを保存しておくと確実です。
THIM(Thailand Immigration Management)は、タイ入国管理局が提供する外国人向けの公式アプリです。報道によると2026年5月に試験公開され、2026年8月の正式運用が予定されていると案内されてきましたが、本記事の執筆時点では試験公開の段階にとどまっています。
同じ報道によると、パスポートの自動読み取りに対応し、1人あたり平均3分程度で登録できるとされています。最大10人分をまとめて登録でき、英語・日本語・ロシア語・中国語の4言語に対応していることも紹介されています。日本語に対応している点は、家族分をまとめて登録したい場合に助かるポイントです。
重要なのは、THIMがTDACを置き換えるものではないという点です。THIMはTDACの登録手続きをスマートフォン上で完結させやすくするための入り口であり、TDACの登録そのものが不要になるわけではありません。
現時点で確実なのは、TDACの公式サイトから登録する方法です。タイ国政府観光庁の公式案内はTDACの専用サイトからの登録を案内しており、THIMアプリへの言及は確認できません。
案内されてきた2026年8月の正式運用についても、2026年7月末の時点でタイ国政府観光庁や在タイ・在日の大使館から開始日の追加案内は確認されていません。試験公開の段階では、住所欄の地名が表示されず先に進めないといった不具合の報告も出ています。「◯月から必須」といった情報を見かけても、渡航前に公式の案内で最新の状況を確認してください。
判断に迷う場合は、TDACの公式サイトで登録を済ませたうえで、THIMアプリは補助的に確認するという進め方が安全です。登録手順の詳細や入国審査の流れは、専用の記事にまとめています。
【2026年最新】タイの入国カード(TDAC)登録方法と入国審査の流れを解説

翻訳・地図・グルメは、どの記事でも定番として紹介されるカテゴリです。差がつくのはアプリの選び方ではなく、オフラインでも動くように設定してあるかどうかです。
ここでは次の3つを、事前設定の観点から整理します。
Google 翻訳は、オフライン用の言語データを端末にダウンロードしておくと、インターネットに接続していない状態でも翻訳が使えます。Googleの公式ヘルプでも、オフライン翻訳を有効にして両方の言語をダウンロードする手順が案内されています。
タイ語は文字が読めないと推測も難しいため、屋台のメニューや看板を読み取る場面ではカメラ翻訳が役立ちます。Googleの公式ヘルプでは、言語をダウンロードするとカメラを使った翻訳もできるようになる場合があると案内されています。手書き入力は対応していない言語もあるため、使う場面を想定して出発前に一度動かしておきましょう。
なお、Googleの公式ヘルプでは、いずれかの言語をダウンロードできない場合に「オフラインでは利用できない」と表示されると案内されています。出発前に日本語とタイ語の両方を落とせているか、必ず確認しておいてください。
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Google マップは、指定したエリアの地図を端末にダウンロードしておくと、オフラインでも地図の閲覧とナビゲーションが使えます。こちらもGoogleの公式ヘルプに手順が案内されています。
保存するエリアは、滞在するホテル周辺と観光で回る範囲をまとめて指定しておくと便利です。バンコクとチェンマイのように複数都市を回る場合は、それぞれ別に保存しておいてください。
ただしオフラインの地図では、交通状況の反映や公共交通機関の経路検索など、通信が必要な機能は使えません。あくまで通信が切れたときの保険と考え、通信手段の確保は別に考える必要があります。
Wongnaiは、タイの飲食店の口コミや評価を調べられるアプリです。タイ国内の飲食店が幅広く掲載されており、写真、メニュー、場所、営業時間などを確認できます。
口コミはタイ語で書かれているものが中心ですが、表示は英語に切り替えられるため、評価の高さや写真を手がかりに店を選べます。観光客向けの店ばかりを選んでしまう状況を避けたいときに向いています。
なお、フードデリバリーで注文したい場合はGrabのフードデリバリー機能でもまかなえます。両方を入れる必要はないので、店探しの用途に絞って使うのがおすすめです。
タイにはQRコード決済のアプリが複数ありますが、そのすべてを旅行者が使えるわけではありません。ここを誤解したまま出発すると、現地で登録できずに困ることになります。
このセクションでは、旅行者にとって現実的な選択肢を次の観点で整理します。
タイで日常的に使われているQR決済アプリには、Rabbit LINE PayやTrueMoney Walletがあります。ただし、これらはいずれも登録の段階でタイの電話番号が必要になると案内されており、短期の旅行者が現地で新規に登録するのは簡単ではありません。
本人確認の要件も時期によって変わるため、旅行者が登録できるかどうかは渡航のタイミングによって左右されます。数日の滞在のために現地のSIMを契約して登録まで進めるのは、手間に対して得られるものが少ない選択です。
短期旅行であれば、タッチ決済対応のクレジットカードと少額の現金、そしてGrabのアプリ内決済を組み合わせるのが現実的です。屋台や小規模な店舗では支払い方法が限られる場面も残っているため、現金をゼロにする前提は立てないほうが安全です。
日本で普段使っているスマホ決済をそのままタイでも使いたい、と考える人は少なくありません。しかし現状では対応が限られています。
たとえばPayPayの海外支払いモードは、公式のお知らせで対応地域が案内されており、2026年4月の台湾での提供開始をもって韓国と台湾での利用が可能とされています。タイは対応地域として案内されていません。
つまり、タイでは日本のスマホ決済アプリを持っていても支払い手段としては当てにできない、と考えておくのが正確です。決済手段はクレジットカードと現金を軸に用意してください。
決済アプリの代わりに入れておきたいのが、通貨換算のXE Currencyです。XE Corporationが提供する無料のアプリで、130以上の通貨に対応しており、バーツの表示価格が日本円でいくらなのかをその場で確認できます。
もう1つ入れておきたいのが、外務省が提供する「外務省 海外安全アプリ」です。無料で提供されており、GPSを利用した現在地周辺の危険情報の表示、登録した国・地域に渡航情報が出たときのプッシュ通知、各国の緊急連絡先の確認といった機能があります。
日本の政府機関が発信する情報がそのまま届くため、現地の報道が読めなくても状況の変化に気づけます。渡航先としてタイを登録しておくだけで機能するので、出発前に設定を済ませておいてください。
ここまで紹介した10個のアプリは、オフライン設定をしたものを除いてすべて通信環境が前提です。配車アプリで車を呼ぶにも、TDACのQRコードを表示するにも、通信がなければ動きません。アプリの準備と同じ優先度で、通信手段を決めておく必要があります。
選択肢は主に3つあり、それぞれ向いている場面が異なります。
eSIMは、出発前にスマホへ設定を入れておき、現地に到着してから切り替えるだけで通信が始まる方式です。端末の受け取りや返却が不要で、荷物も増えません。1人旅や、到着直後から配車アプリを使いたい人に向いています。
現地SIMは、空港や街中のカウンターで購入して物理的に差し替える方式です。料金が抑えられる場合がありますが、購入手続きの時間が必要で、日本のSIMを抜いて保管する手間もかかります。
レンタルWi-Fiは1台で複数人が同時に接続できるため、家族やグループでの旅行には向いています。ただし端末とモバイルバッテリーを持ち歩く必要があり、はぐれると全員が通信を失う点には注意してください。
なお、トリファはアプリダウンロード数No.1(2025年4月〜2026年3月、AppTweak調べ、iOS/Android合算)の海外eSIMアプリとして、アプリ内で購入から設定までを完結できる仕組みを提供しています。渡航先の通信手段を選ぶ際の選択肢として、あわせて検討してみてください。
タイ旅行のSIM完全ガイド|eSIM・現地SIMの選び方と料金比較
タイの空港に着いてまず必要になるのは、市内までの移動手段です。ここで配車アプリが使えないと、料金の相場がわからないまま交渉することになります。
到着直後から通信を使いたいなら、出発前に設定まで終わらせておける方式を選ぶと、ゲートを出た時点で配車アプリを開けます。空港のフリーWi-Fiに頼る方法もありますが、接続が不安定な時間帯があり、公共のWi-Fiはセキュリティ面の不安も残ります。
また、通信手段が決まったら、その通信をいつから開始するかも決めておいてください。日本の空港でオンにしてしまうと利用期間を無駄にする場合があるため、切り替えのタイミングは事前に把握しておきましょう。

タイ旅行のアプリ準備は、「何を入れるか」よりも「出発前にどこまで終わらせるか」で快適さが決まります。登録もオフラインデータも、日本にいるうちに片づけられるものばかりです。
残るのは通信手段です。ここだけは現地で調達しようとすると時間を取られるため、出発前に決めておくと迷いません。
トリファは海外eSIMのアプリで、対応国・地域は200以上にのぼります。アプリ内でプランの購入から設定までを進められるため、日本にいるうちに準備を終わらせて、現地では切り替えるだけという流れをつくれます。
サポートは24時間365日の日本語チャットに対応しており、設定でつまずいたときにもその場で相談できます。App Storeの評価は4.6で、はじめてeSIMを使う人でも扱いやすい設計になっています。
出発前のチェックリストとしては、Grabの登録、Google 翻訳とGoogle マップのオフラインデータ、TDACの登録、そして通信手段の確保の4つが軸になります。準備を前倒しにするほど、現地で観光に使える時間が増えます。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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