タイ旅行を計画するとき、現地で使うスマートフォンの通信手段をどうするかは多くの方が悩むポイントではないでしょうか。バンコクの寺院巡りやプーケットのビーチ、チェンマイの旧市街を快適に楽しむためには、地図アプリや配車アプリ「Grab」、翻訳アプリが安定して使える環境が欠かせません。 タイで使えるSIMは大きく分けて、出発前に設定が完結するeSIM、現地で購入するプリペイドSIM、空港で借りるWi-Fiルーターの3種類があります。それぞれに特徴があり、料金や手間、対応機種が異なるため、自分の旅行スタイルに合った選択が重要です。 本記事では、タイ旅行で使えるSIMの種類と選び方、主要eSIMサービスの料金比較、現地SIMの購入時に必要となる顔認証などの最新ルール、設定手順までを丁寧に解説します。出発前にこの記事を読んでおけば、通信手段選びで迷うことはなくなるでしょう。
目次

タイは東南アジアのなかでも通信インフラの整備が進んだ国です。バンコクやプーケット、チェンマイなど主要観光地では4G LTEが安定して利用でき、近年は5Gのエリアも急速に広がっています。旅行中も日本と大きく変わらない感覚でスマートフォンを使える環境が整っています。
旅行者が選ぶ通信手段はeSIM・現地SIM・Wi-Fiレンタルの3つに大別されますが、近年は短期旅行を中心にeSIMを選ぶユーザーが増えています。タイの通信事情とeSIMが選ばれる理由を見ていきましょう。
タイにはAIS(Advanced Info Service)とTrue Corporation(旧TrueMoveとdtacが合併)という2大キャリアが存在します。dtacは2023年にTrueと合併し、現在は「True/dtac」として一体運営されているため、旅行者目線ではAIS陣営とTrue/dtac陣営の2つから選ぶ構図です。
AISは全土をカバーするネットワークの広さと、地方や離島でもつながる安定性に定評があります。一方のTrue/dtacは都市部での高速通信に強く、バンコク中心部やプーケットなどで快適に使えます。5Gについては両社ともバンコクやチェンマイ、プーケットといった主要都市で展開を進めており、対応端末を持っていれば動画ストリーミングも快適です。
海外旅行者向けのeSIMサービスは、これら現地キャリアの回線を利用して提供されています。どのサービスを選んでも基本的な通信品質は確保されますが、地方や離島まで足を伸ばす場合はAIS回線を使うサービスを選ぶと安心です。
eSIMは出発前にオンラインで購入から設定まで完結する通信手段です。物理的なSIMカードの抜き差しが不要で、スマートフォンの設定からQRコードを読み込むだけで使えるようになります。
タイのスワンナプーム空港に到着した瞬間からモバイルデータ通信が使えるため、入国審査後のGrab配車や両替所探しもスムーズです。帰国時に返却する必要もなく、日本のSIMはそのまま挿しておけるのでデュアルSIM運用ができ、日本の電話番号での着信やSMS認証にも対応できます。
後述する顔認証義務化の影響を受けないのも、eSIMが旅行者に選ばれている大きな理由です。観光客向けに販売されている多くの旅行用eSIMはローミング型で提供されるため、現地での本人確認手続きが不要で、空港のSIM購入カウンターに並ぶ時間も節約できます。
タイ旅行での通信手段を費用面で比較すると、eSIMのコストパフォーマンスの高さがわかります。
通信手段 | 費用目安(3〜5日) | 受け取り | 設定の手間 |
|---|---|---|---|
eSIM | 約1,000〜 | オンラインで完結 | QRコード読み込み |
現地SIM | 約300〜 | 空港カウンター・コンビニ | SIM差し替え+本人確認 |
Wi-Fiレンタル | 約3,000〜 | 空港カウンター | 電源を入れるだけ |
海外ローミング | 1日約980〜 | 不要 | 設定のみ |
現地SIMは最も安く購入できますが、後述の通り顔認証を含む本人確認が必要で、SIMカードの差し替え作業も発生します。Wi-Fiレンタルは複数人でシェアできる一方、ルーター本体の充電管理や受け取り・返却の手続きが手間です。1人旅や少人数旅行ならeSIMが利便性とコストのバランスで優位に立つケースがほとんどです。
関連記事:eSIMとは?仕組みやメリット・デメリットを初心者にもわかりやすく解説
タイで使える主要eSIMサービスを、料金・データ容量・特徴の観点から比較します。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」をはじめ、Airalo・Holafly・World eSIM・Nomad・Sailyの6社を取り上げます。
以下の比較表は2026年5月時点で各社公式サイトに掲載されている代表プランの情報です。料金は為替や時期によって変動するため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
サービス名 | 運営国 | 料金例(タイ向け) | 無制限プラン | 日本語サポート |
|---|---|---|---|---|
トリファ(trifa) | 日本 | プラン多数 | あり | あり(24時間) |
Airalo | シンガポール | 1GB/3日〜 | なし | あり |
Holafly | スペイン | 3日 12.90USドル(無制限) | あり | あり |
World eSIM | 日本 | 無制限 5日 | あり | あり |
Nomad | シンガポール | 1GB/7日〜 | あり | あり |
Saily | リトアニア | 1GB/7日〜 | なし | あり |
トリファは日本の株式会社トリファ(旧株式会社ERAKE)が提供する海外eSIMアプリです。全世界200カ国・地域に対応しており、タイ向けにも複数のデータ容量・日数プランが用意されています。
アプリから国・データ容量・日数を選ぶだけで購入と設定が完結し、QRコードのスキャンも不要な「かんたんアプリ設定」に対応しています。容量プランに加えてデータ無制限プランも選択でき、短期から長期まで幅広い旅行スタイルに合わせやすいのが特徴です。
決済はクレジットカードに加えてApple Pay・Google Pay・PayPayにも対応し、日本円で支払えます。24時間対応の日本語サポートも完備されているため、eSIMが初めての方や設定に不安がある方でも安心して利用できます。
Airaloはシンガポールに本社を置く世界最大級のeSIMマーケットプレイスです。タイ向けはdtac回線を中心としたプランで、1GB/3日 700円、3GB/7日 1,000円、10GB/30日 1,800円といった低価格プランが揃っています。
10日間で50GBデータ+100分通話が使えるプランもあり、現地で電話を使いたい場合の選択肢にもなります。料金重視でデータ容量を柔軟に選びたいユーザーに向いています。
Holaflyはスペインに本社を置くeSIMサービスで、無制限プラン専門の運営が特徴です。タイ向けには3日 12.90USドル、5日 20.90USドル、7日 29.90USドル、10日 36.90USドルといった日数別の無制限プランが用意されています。
料金は他社と比較すると割高ですが、データ消費量を気にせず動画視聴やビデオ通話を楽しみたい方に支持されています。テザリングは1日1GBまでの制限があり、24時間サポートも提供されています。
World eSIMは東証プライム上場の株式会社ビジョンが運営する「グローバルWi-Fi」グループのeSIMサービスです。タイ向けには3日 1,101円、5日 1,240円、7日 1,732円、10日 2,696円といった無制限プランが用意されており、価格.comのタイeSIMランキングで上位を占めています。
小容量の3GB/7日 652円といった節約プランから無制限プランまで幅広く揃っており、日数と容量の組み合わせも豊富です。日本企業の運営でアプリも日本語対応のため、初めての方にも使いやすい設計になっています。
Nomadはシンガポール発のeSIMサービスで、コストパフォーマンスの高さに定評があります。タイ向けには1GB/7日 793円、10GB/30日 1,745円、50GB/10日 1,904円といった大容量プランが特に安く、長期滞在やデータ消費の多いユーザーに向いています。
10日間の無制限プランは2,221円程度から提供されており、無制限プランを試したい方の選択肢にもなります。接続キャリアはAIS/dtacが中心です。
SailyはNordVPNを開発するNord Securityが提供するeSIMサービスです。VPN機能や広告ブロック機能、仮想ロケーション機能などセキュリティ関連の付加機能が組み込まれているのが特徴です。
タイ向けには小容量からのプランが用意されています。出張や仕事でセキュリティを重視したいビジネス利用者に向いた選択肢です。
関連記事:海外eSIMおすすめ比較!人気サービスの料金・対応国数を徹底解説
タイ向けのeSIMは多くのサービスから提供されており、料金やプラン構成もさまざまです。自分の旅行に合った1枚を選ぶために、以下のポイントをおさえておきましょう。
まず重要なのが、滞在日数と1日あたりのデータ消費量のバランスです。タイ旅行は2泊3日のバンコク弾丸から、プーケットやチェンマイを含む1週間以上のロングステイまで幅広く、適切なプランは旅程によって変わります。
地図アプリやSNSのチェック、メッセージのやり取りが中心であれば、1日あたり500MB〜1GB程度で十分です。3泊4日なら3〜5GBプラン、1週間滞在なら10GB前後のプランが目安になります。動画視聴やビデオ通話を頻繁にする方、Instagram投稿などをこまめにする方は、無制限プランを選んでおくと安心です。
タイ旅行は2泊3日・3泊4日の短期から1週間前後の中期まで幅広く、必要なデータ容量はプランによって変わります。短期旅行であれば1,000〜2,000円台のプランで十分な場合が多く、無制限プランにこだわらなくてもストレスなく過ごせます。
trifa・Airalo・Nomadなどの海外発eSIMサービスの多くは「ローミング型」で、現地キャリアの回線を借りて通信を提供しています。一方、AISやTrueが直接販売する観光客向けプランは「直接契約型」となります。
ローミング型は現地での本人確認手続きが不要というメリットがあります。後述する顔認証義務化の対象外となるため、観光客にとっては手続き面でハードルが低い選択肢です。直接契約型は料金が安い反面、顔認証や追加の手続きが必要になるケースがあります。
海外でスマートフォンの通信トラブルに遭遇すると、英語のチャットサポートだけでは状況をうまく伝えられず焦ってしまうことがあります。eSIMの設定がうまくいかない、現地で接続できないといった場面では、日本語サポートが利用できると安心感がまるで違います。
トリファやWorld eSIMなど、日本企業が運営するサービスは24時間体制の日本語サポートを提供しています。eSIMを初めて使う方や、家族・両親と一緒に旅行する方は、日本語サポートの充実度を選定基準に加えるとよいでしょう。

タイでSIM・eSIMを利用する際に、近年新たに導入されたルールや特有の注意点があります。出発前に確認しておきましょう。
タイ国家放送通信委員会(NBTC)は、2025年8月15日からタイ国内で販売される全てのSIMカード新規登録時に、顔認証による本人確認を義務付けました。これは増加するオンライン詐欺対策の一環として導入されたものです。
対象となるのは現地で新規にSIMカードを購入・登録する外国人観光客を含む全ての利用者で、パスポートの提示に加えて顔写真の撮影が必要です。観光客向けSIMで60日を超えて継続利用する場合は、本人確認の再実施が必要になります。
一方、海外eSIMサービスの多くは現地キャリアにローミング接続する仕組みのため、現地での本人確認手続きが不要です。手続きの煩わしさを避けたい場合は、出発前にeSIMを準備しておくとスムーズです。
2025年5月1日から、タイへの入国には「TDAC(Thailand Digital Arrival Card)」と呼ばれるデジタル入国カードの事前登録が義務化されました。従来の紙の入国カードは廃止され、全ての外国人がオンラインで事前申請する必要があります。
TDACの登録自体はSIMと直接関係ありませんが、登録には有効なメールアドレスやスマートフォンが必要となります。タイ到着前に登録を済ませておくか、機内Wi-Fiや空港の無料Wi-Fiを利用して入国審査前に手続きを完了させましょう。
なお、TDACの偽サイトが複数報告されており、登録費用を請求されたりクレジットカード情報を盗まれたりするトラブルが発生しています。タイ国政府観光庁の公式案内に従い、必ず公式サイト経由で登録してください。
関連記事:【2026年最新】タイの入国カード(TDAC)登録方法と入国審査の流れを解説
タイ旅行ではパソコンやタブレットを併用する方も多いでしょう。eSIMのプランによってはテザリングが制限されていたり、容量上限が設けられているケースがあります。
Holaflyの無制限プランはテザリング(データ共有)が1日1GBまでに制限されています。Airalo・Nomadなど他社の容量プランは原則テザリング対応ですが、購入前に各社の利用規約で確認しておくと安心です。
また、動画ストリーミングやクラウドへの大容量バックアップはホテルのWi-Fi接続時に行うようにすると、データ容量を効率よく使えます。
eSIMの設定は手順を把握しておけば数分で完了します。iPhone・Androidそれぞれの設定方法を解説しますので、出発前に確認しておきましょう。
eSIMの設定を始める前に、以下の3点を必ず確認してください。
これらの条件を満たしていれば、スムーズに設定を進められます。自分の端末がeSIM対応か不明な場合は、端末の設定画面やキャリアのWebサイトで確認してください。
iPhoneでeSIMを設定する手順は以下のとおりです。
1. 「設定」アプリを開き、「モバイル通信」を選択する
2. 「eSIMを追加」をタップする
3. 購入したeSIMのQRコードをカメラでスキャンする
4. 「モバイル通信プランを追加」をタップして設定を完了する
5. 「モバイル通信」の画面で追加したeSIMがオンになっていることを確認する
タイ到着後はデータローミングをオンにすることで、現地の回線に接続されます。設定画面から「モバイル通信」→追加したeSIMプラン→「データローミング」をオンにしてください。
AndroidでのeSIM設定手順は、端末のメーカーやモデルによって若干異なりますが、基本的な流れは共通です。
1. 「設定」から「ネットワークとインターネット」を開く
2. 「SIM」または「モバイルネットワーク」を選択する
3. 「eSIMを追加」または「SIMをダウンロード」をタップする
4. QRコードをスキャンするか、アクティベーションコードを手動入力する
5. ダウンロードが完了したらeSIMを有効化する
現地では「データローミング」をオンにし、追加したeSIMをモバイルデータ通信の回線として選択すれば利用開始できます。
関連記事:iPhoneでeSIMを使う方法|対応機種・設定手順・デュアルSIM活用術

タイは通信インフラが整った国であり、SIM・eSIMを適切に準備しておけば旅行中の通信に困ることはほとんどありません。eSIMを活用すれば、現地での顔認証手続きや空港のSIM購入カウンターに並ぶ手間も省け、スワンナプーム空港やドンムアン空港に到着した瞬間からGrabの配車や地図アプリ、SNSを快適に使えます。
タイ旅行のeSIMには、トリファ(trifa)がおすすめです。アプリのダウンロードと簡単な設定だけで利用を開始でき、物理SIMの差し替えやWi-Fiルーターの持ち運びは一切必要ありません。日本語での24時間サポート体制も用意されており、トラブル時の問い合わせもアプリから日本語で完結します。
バンコクの寺院巡り、プーケットのビーチリゾート、チェンマイの旧市街散策など、タイの魅力を存分に楽しむためにも、出発前に通信の準備をしっかり整えておきましょう。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。