
ベトナム最大の商業都市ホーチミンは、フランス統治時代のコロニアル建築と活気あふれるアジアの街並みが融合した魅力的な観光地です。かつて「サイゴン」と呼ばれたこの街には、歴史的な建造物や市場、おしゃれなカフェが点在し、訪れる人を飽きさせません。 近年は直行便の就航やビザ免除の延長もあり、日本からのアクセスが一段と便利になりました。物価が日本と比べて手頃なため、グルメやショッピングを存分に楽しめるのもホーチミン旅行の大きな特長です。 この記事では、ホーチミンの定番観光スポットからフォトジェニックな穴場、絶品ローカルグルメ、郊外の日帰りスポットまで幅広く紹介します。初めてのホーチミン旅行でも迷わないよう、モデルコースや旅行の基本情報もあわせてまとめました。
目次

ホーチミン観光で外せない定番スポットを厳選しました。フランス統治時代の歴史を感じる建築物から、ベトナム戦争の記憶を伝える施設まで、まずはここから巡りましょう。
統一会堂は、1975年4月30日にベトナム戦争が終結した歴史的な舞台です。南ベトナム解放軍の戦車がこの建物のフェンスを突き破ったシーンは、世界中に報じられました。
館内には当時の大統領執務室や作戦司令室がそのまま保存されており、地下のトンネルや通信室も見学できます。屋上にはヘリポートがあり、サイゴン陥落時の緊迫した雰囲気を肌で感じられるでしょう。
入場料は40,000VND(約240円)で、開館時間は8:00〜15:30です。1区の中心部に位置しているため、周辺の観光スポットとあわせて効率よく回れます。
サイゴン大教会は、1880年に完成したネオロマネスク様式の大聖堂です。フランスから輸入された赤レンガで建てられた外壁と、高さ約58メートルの2本の尖塔が特徴的で、ホーチミンを代表するランドマークとなっています。
教会前の広場にはマリア像が立ち、地元の人々や観光客の憩いの場になっています。現在は大規模な修復工事が行われているため、内部の見学が制限される場合があります。訪問前に最新情報を確認しておくと安心です。
教会はドンコイ通りの北端に位置しており、隣接するサイゴン中央郵便局とセットで訪れるのがおすすめです。
サイゴン中央郵便局は、19世紀末にフランス人建築家によって設計されたコロニアル建築の傑作です。アーチ型の天井や大きな時計、ホーチミンの肖像画が飾られた内部は、まるでヨーロッパの駅舎のような美しさです。
現在も郵便局として営業しており、ここからベトナムの切手を貼った絵はがきを日本に送ることができます。館内にはお土産ショップもあり、ベトナム雑貨やポストカードを購入できます。
サイゴン大教会のすぐ隣にあるため、2つのスポットを一度に見学できるのが便利です。入場は無料で、営業時間は7:00〜18:00(日曜は8:00〜18:00)です。
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戦争証跡博物館は、ベトナム戦争の歴史を後世に伝えるために設立された施設です。屋外には戦闘機や戦車、大砲などの実物が展示されており、屋内では写真や資料を通じて戦争の実態を学べます。
展示の中には日本人ジャーナリストが撮影した写真も含まれており、戦争がもたらした悲惨さを深く考えさせられます。枯れ葉剤の被害を伝えるコーナーは特に胸に迫る内容です。
入場料は40,000VND(約240円)で、営業時間は7:30〜17:00です。1区のヴォーヴァンタン通りに位置しており、統一会堂から徒歩約10分でアクセスできます。
ホーチミン人民委員会庁舎は、1908年に建てられたフレンチコロニアル様式の壮麗な建物です。黄色い外壁と白い装飾が美しく、正面にはホー・チ・ミン像が立っています。
庁舎内部は一般公開されていませんが、外観だけでも十分に見応えがあります。夜にはライトアップされ、昼間とはまた異なる幻想的な姿を楽しめるのもポイントです。
正面のグエンフエ通りは、歩行者天国として整備されたホーチミンのメインストリートです。週末の夜は地元の家族連れやカップルでにぎわい、ストリートパフォーマンスが行われることもあります。
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SNSで話題のフォトジェニックなスポットも、ホーチミン観光では見逃せません。カラフルな建物やレトロな空間は、旅の思い出を鮮やかに彩ってくれます。
タンディン教会は、鮮やかなピンク色の外壁で知られるホーチミンの人気撮影スポットです。1876年に建てられたこの教会は、ロマネスク様式とゴシック様式が混在するデザインが印象的で、近年SNSをきっかけに世界的な注目を集めています。
ピンク色に塗り替えられたのは1957年のことで、もともとはフランス統治時代に建設された歴史ある教会です。内部にも美しいステンドグラスがあり、静かな祈りの空間が広がっています。
1区の中心部からタクシーで約10分、3区のハイバーチュン通り沿いに位置しています。ミサの時間帯は見学が制限されるため、午前中の早い時間に訪れるのがおすすめです。
ザ・カフェ・アパートメントは、1960年代に建てられた古いアパートメントをリノベーションした複合施設です。建物内の各フロアに個性的なカフェやショップが入居しており、階段を上りながら店を巡る楽しさがあります。
窓際の席からはドンコイ通りを見下ろせるカフェが人気で、ベトナムコーヒーを片手にホーチミンの街並みを眺めるひとときは格別です。レトロな建物と現代的なカフェ文化が共存する空間は、ホーチミンの新しい一面を象徴しています。
グエンフエ通りの42番地に位置しており、市民劇場やベンタイン市場からも徒歩圏内です。1階のエレベーターで各フロアにアクセスでき、エレベーター利用料として3,000VND(約20円)がかかります。
市民劇場は、1898年に着工し1900年に完成したコロニアル様式の劇場です。白亜の外観と優雅な装飾は、パリのオペラ座を彷彿とさせる美しさを持っています。
現在も現役の劇場として使われており、ベトナムの伝統舞踊やアクロバットショー「A O Show」などが上演されています。公演がない日は外観のみの見学となりますが、夜のライトアップは一見の価値ありです。
ドンコイ通りの南端に位置し、周辺にはホテルやレストランが集まっています。ホーチミンの夜の街歩きの拠点としても最適なロケーションです。
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ホーチミン観光の大きな魅力のひとつが、本場のベトナムグルメです。路上の屋台からおしゃれなレストランまで、バラエティ豊かな料理を手頃な価格で味わえます。
ベトナム料理の代名詞ともいえるフォー(Pho)は、米粉の平打ち麺を牛骨や鶏ガラのスープでいただく麺料理です。ホーチミンでは牛肉のフォー・ボー(Pho Bo)が特に人気で、パクチーやもやし、ライムを好みでトッピングして食べます。
一方、ホーチミンの地元民に愛されているのがブン(Bun)と呼ばれる丸い断面の米麺です。つけ麺スタイルのブン・チャー(Bun Cha)や、甘辛いタレの焼肉を乗せたブン・ティット・ヌン(Bun Thit Nuong)は、ホーチミンならではの味わいです。
ローカル食堂では1杯30,000〜50,000VND(約180〜300円)程度で食べられます。朝食としてフォーを食べるのがベトナムの定番スタイルなので、ぜひ早朝から営業している食堂を訪れてみてください。
バインミー(Banh Mi)は、フランスパンにパテやハム、なます、パクチーなどを挟んだベトナム式サンドイッチです。フランスの食文化とベトナムの食材が出会った一品で、街角の屋台で手軽に購入できます。
1個15,000〜30,000VND(約90〜180円)とリーズナブルで、食べ歩きにもぴったりです。具材のバリエーションが豊富で、お店ごとに味が異なるため、食べ比べを楽しんでみましょう。
バインセオ(Banh Xeo)は、ターメリック入りの生地でエビや豚肉、もやしを包んだベトナム風のクレープです。パリパリの食感と具材のうまみが絶妙で、レタスやハーブで巻いてヌクマム(魚醤)ベースのタレにつけて食べます。
ベトナムは世界第2位のコーヒー生産国であり、濃厚なロブスタ種のコーヒーを独自のフィルター(フィン)で抽出するスタイルが特徴です。練乳をたっぷり加えた甘いカフェ・スア・ダー(Ca Phe Sua Da)は、ホーチミンの暑い気候にぴったりの一杯です。
近年はサードウェーブコーヒーの波がホーチミンにも到来しており、おしゃれなスペシャルティコーヒー店も増えています。伝統的なフィンコーヒーとモダンなカフェの両方を体験してみてはいかがでしょうか。
スイーツでは、チェー(Che)と呼ばれるベトナム風ぜんざいがおすすめです。タピオカやココナッツミルク、フルーツなどの具材を組み合わせた冷たいデザートで、暑さしのぎにもうってつけです。

ホーチミンは買い物天国としても知られています。にぎやかな市場から現代的なショッピングモールまで、さまざまな買い物スポットが揃っています。
ベンタイン市場は、ホーチミンを象徴する巨大なマーケットです。約1万平方メートルの敷地に約2,000もの店舗がひしめき、衣料品、雑貨、食材、お土産などがカテゴリごとにエリア分けされています。
営業時間は6:00〜18:00頃で、食料品店は早朝から、雑貨店は8:00頃から開店します。値段交渉が基本のスタイルなので、提示された価格の6〜7割程度を目安に交渉してみましょう。
夕方に市場が閉まると、周辺の路上にナイトマーケットが出現します。19:00頃から衣料品や雑貨の露店が並び、昼間とはまた違ったにぎやかな雰囲気を味わえます。
ドンコイ通りは、ホーチミンのメインストリートのひとつで、ベトナム雑貨のセレクトショップやブランド店が立ち並ぶ通りです。市民劇場からサイゴン大教会まで続くこの通りには、刺繍バッグやアオザイ、陶器など、センスの良いベトナム土産が見つかります。
周辺の路地にも魅力的なショップが隠れており、散策しながらお気に入りの一軒を探す楽しさがあります。カフェも多いため、買い物の合間にひと休みしやすいのもうれしいポイントです。
ドンコイ通りはホーチミンの1区に位置しており、主要な観光スポットの多くが徒歩圏内です。観光の合間にショッピングを組み込みやすいエリアといえるでしょう。
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チョロンは、ホーチミンの5区から6区にかけて広がるベトナム最大の中華街です。「チョロン」はベトナム語で「大きな市場」を意味し、その名の通り広大なエリアに中華系の商店や寺院が密集しています。
ティエンハウ廟(天后宮)は、航海の女神・媽祖を祀る中国式の寺院で、渦巻き型の線香が天井からぶら下がる独特の光景が見られます。ビンタイ市場はチョロン最大の卸売市場で、食材や日用品を扱う店舗がびっしりと並んでいます。
1区の中心部からタクシーで約15分の距離にあります。ベトナムとは異なる中華文化が色濃く残るエリアで、ホーチミンの多文化的な側面を垣間見ることができます。

ホーチミン市内だけでなく、郊外にも魅力的な観光スポットがあります。半日〜1日の日帰りツアーで訪れるのがおすすめです。
クチトンネルは、ホーチミン市内から北西へ約70kmに位置するベトナム戦争時代の地下トンネル網です。全長250km以上にもおよぶトンネルは、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)のゲリラ戦の拠点として使われました。
現地では実際にトンネルの中に入る体験ができるほか、当時の罠(ブービートラップ)の再現展示や射撃体験も用意されています。ガイドの解説を聞きながら見学すると、戦争の歴史をより深く理解できるでしょう。
入場料は110,000VND(約670円)で、営業時間は7:00〜17:00です。ホーチミン市内からの所要時間は車で約1時間半〜2時間で、日本語ガイド付きのツアーに参加するのが一般的です。
メコン川クルーズは、ホーチミン近郊のミトー市を拠点にした人気の日帰りツアーです。手漕ぎボートで水路を進むジャングルクルーズでは、熱帯の緑に囲まれたベトナムの原風景を体験できます。
ツアーにはココナッツキャンディ工場の見学やトロピカルフルーツの試食、民族音楽の鑑賞などが含まれていることが多く、半日〜1日で充実した体験ができます。英語ツアーは1人あたり3,000円程度から、日本語ツアーは7,000円程度から参加可能です。
ホーチミンからミトーまでは車で約2時間の距離です。ツアー全体の所要時間は7〜9時間が目安で、朝出発して夕方にホーチミンへ戻るスケジュールが一般的です。
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水上人形劇は、ベトナム北部の農村で約1,000年前に生まれた伝統芸能です。水面を舞台に木彫りの人形が踊り、農村の日常やベトナムの神話・伝説を演じます。
ホーチミンではゴールデンドラゴン水上人形劇場(Nha Hat Mua Roi Nuoc Rong Vang)が有名で、1日に複数回の公演が行われています。言葉がわからなくてもストーリーを楽しめるため、ベトナム語が話せない観光客にも人気です。
チケットは150,000〜300,000VND程度で、公演時間は約50分です。1区の中心部に位置しているため、ディナーの前後に組み込みやすいスケジュールです。
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ホーチミン旅行を快適に楽しむために、渡航前に押さえておきたい基本情報をまとめました。
日本からホーチミンへは、成田・羽田・関西・中部の各空港から直行便が運航されており、フライト時間は約6時間前後です。タンソンニャット国際空港からホーチミン市内中心部(1区)までは、タクシーで約30分、料金は250,000VND〜(約1,500円〜)が目安です。
日本国籍の方は、45日以内の観光目的であればビザなしで入国できます(2025年3月〜2028年3月の期間、ベトナム政府決議第44号に基づく)。パスポートの残存有効期間が入国時点で6か月以上必要です。
時差は日本より2時間遅れで、ベトナムの通貨はベトナムドン(VND)です。2026年3月時点のレートは1円あたり約165VND(1,000VND=約6円)が目安です。
ホーチミンは熱帯モンスーン気候に属し、年間を通じて気温が高い都市です。平均気温は25〜35度で、大きく乾季(11月〜4月)と雨季(5月〜10月)に分かれます。
観光のベストシーズンは乾季にあたる12月〜3月です。この時期は降水量が少なく、気温も比較的過ごしやすいため、街歩きや郊外ツアーを快適に楽しめます。
雨季でもスコールは短時間で止むことが多く、観光が完全にできなくなるわけではありません。折りたたみ傘やレインコートを持参しておけば、雨季のホーチミンも十分に満喫できます。
ホーチミン市内の移動で最も便利なのは、配車アプリ「Grab」です。行き先を入力すれば料金が事前に表示されるため、タクシーのぼったくりを心配する必要がありません。初乗り料金はバイクタクシーで約10,000VND(約60円)、車で約30,000VND(約180円)程度です。
路線バスは市内をくまなく走っており、料金は5,000〜6,000VNDと格安です。ただし路線が複雑でベトナム語表記が中心のため、旅行者には配車アプリの利用がおすすめです。
ホーチミンの交通事情で注意したいのは、バイクの多さです。道路を横断する際は、無理に走らず一定の速度で歩くとバイクが避けてくれます。現地の人の渡り方を観察してからチャレンジしてみましょう。
現地でGrabなどの配車アプリやマップを使うには、インターネット接続が欠かせません。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」を事前に設定しておけば、到着後すぐにスマートフォンが使えるため、空港からの移動もスムーズです。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。