タイ旅行を計画するとき、多くの人が最初につまずくのが「自分にビザは必要なのか」という点です。検索してみると「60日まで不要」と書いてあるページと「30日まで」と書いてあるページが混在していて、かえって迷ってしまいます。 この食い違いには理由があります。タイのビザ免除日数を短縮する改正がすでに決まっている一方で、まだ正式には施行されていないためです。つまり、いつ渡航するかによって適用される日数が変わります。 この記事では、観光・商用・就労といった目的と滞在日数から、自分にビザが必要かどうかを判定できるように整理しました。あわせて、ビザなしで入国するための4つの条件、TDAC(タイデジタル到着カード)との違い、免除日数を超えたい場合の手続きまでまとめています。 記載内容はすべて2026年8月28日時点で公式情報を確認したものです。制度が動いている時期なので、渡航が近づいたら公式サイトで最新の状況を確認してください。
目次

タイのビザが必要かどうかは、「渡航目的」と「滞在日数」の2つで決まります。日本国籍で観光目的の短期旅行であれば、ビザを取らずに入国できるケースがほとんどです。
まずは下の判定表で、自分がどのケースに当てはまるかを確認してみてください。
渡航目的 | 滞在日数 | ビザの要否 |
|---|---|---|
観光 | 免除日数以内 | 不要(ビザ免除) |
観光 | 免除日数を超える | 現地で延長するか観光ビザ(TR)を取得 |
商用(会議・商談・視察) | 30日以内 | 不要(2026年12月31日までの時限措置) |
商用 | 30日を超える | 必要(ノンイミグラント(B)ビザなど) |
就労・留学・駐在 | 日数を問わず | 必要 |
表中の「免除日数」は、2026年8月28日時点では60日です。30日への短縮がすでに決まっているため、詳しい状況は次の章で整理します。
日本国籍のパスポートを持ち、観光目的でタイに入国する場合、ビザを事前に取得する必要はありません。タイ国政府観光庁の公式案内では、2024年7月15日より、タイ入国後60日(59泊60日)以内の観光目的の滞在であればビザなしで入国できるとされています。
確認日である2026年8月28日時点でも、公式案内の日数は60日のままです。ただし30日へ短縮する改正がすでに承認され、施行を待っている状態にあります。
数日から2週間程度の一般的なタイ旅行であれば、短縮後の日数でも十分に収まります。日数を気にする必要があるのは、1か月を超える長期滞在を考えている場合だけです。
関連記事: 【2026年最新】タイ観光おすすめスポット20選|日数別モデルコース完全ガイド
タイ出張の場合も、30日以内の滞在であればビザは不要です。在東京タイ王国大使館の告示によると、日本国籍者に対する短期商用のビザ免除は、2024年1月1日から2026年12月31日までの期間限定で実施されています。
対象は、タイの会社との事業展開に関する会合や商談を目的とした渡航です。ただしこの免除で認められるのは30日間のみで、それ以上の滞在期間の延長はできません。
長めの出張を予定しているなら、事前にビザを取得しておく必要があります。対象業務の細かい範囲や入国時の準備は、記事後半の出張セクションで整理しています。
タイで報酬を得て働く場合は、滞在日数にかかわらずビザが必要です。観光のビザ免除や商用免除の枠組みでは、現地で就労することは認められていません。
商用免除に含まれる「短期の緊急業務」も、現地法人での勤務や継続的な労働までは対象外です。
就労で必要になるのは、タイ王国総領事館のビザ申請要項に就労・ビジネス訪問の区分として設けられている「ノンイミグラント(B)ビザ」です。ジェトロによると、労働を目的としてタイに入国する場合はノン・イミグラントビザを取得して入国したうえで、滞在期間を問わず入国後直ちに労働許可の取得申請を行う必要があります。
留学や駐在も同様に、目的に応じたビザの取得が前提です。在福岡タイ王国総領事館の案内では、30日以内の滞在であっても、駐在・現地採用での就労やタイの会社でのインターンシップなどは入国時に適切なビザが必要とされています。数日から数週間の旅行であれば、この区分に該当することはまずありません。
免除日数を超えて滞在したい場合、方法は大きく2つあります。ひとつは、ビザなしで入国したあとに現地のイミグレーション(入国管理局)で滞在期間の延長を申請する方法です。
もうひとつは、渡航前に観光ビザ(TR)を取得しておく方法です。どちらを選ぶかで、準備のタイミングも手間も変わります。
手続きの流れや費用の目安は、この記事の後半で整理しています。
タイのビザ免除日数は、検索するとサイトによって「60日」「30日」と情報が分かれています。これは制度の改正が決まっているにもかかわらず、まだ施行されていないという過渡期の状態にあるためです。
この章では、2026年8月28日時点で確認できる事実を整理し、自分の渡航日にどちらの日数が適用されるかを判断できるようにします。
ジェトロの報道によると、タイ内閣は2026年5月19日、2024年7月に導入した60日のビザ免除制度を見直す改正を承認しました。従来の60日の免除制度を廃止し、観光目的30日の免除制度へ整理する内容です。
ただし、この改正はまだ効力を持っていません。タイ国政府観光庁(TAT)が2026年7月16日に公表した告知によると、関連するタイ内務省の告示は官報(Royal Gazette)への掲載を待っている状態です。発効するのは、掲載から15日後とされています。
同じ告知には「新しい措置が発効するまでは、現行の入国条件がそのまま適用される」と明記されています。2026年8月28日時点でも、官報に掲載されたという発表は確認できませんでした。
渡航日を基準に考えると、判断はシンプルです。官報掲載から15日が経過する前にタイへ入国するのであれば従来どおりの60日、発効後に入国するなら新しい30日が適用されます。
施行日は官報の掲載日次第で決まるため、自分の渡航日が発効をまたぐかどうかは直前まで確定しません。基準になるのは、あくまでタイに入国する日です。
タイ国政府観光庁は、すでにタイに滞在している人や、改正の発効前に入国した人については、許可された滞在期間をそのまま満了できるとしています。旅行の途中で日数が切り替わってしまうことを心配する必要はありません。
商用目的の免除は、観光目的の改正とは別の枠組みで運用されています。在東京タイ王国大使館の告示にあるとおり、日本国籍者の短期商用ビザ免除は2024年1月1日から2026年12月31日までの期限付きの措置です。
2027年以降も継続されるかどうかは、この記事の確認日時点では、延長・終了いずれの発表も確認できませんでした。観光目的の60日とは期限の考え方が違うので、出張の予定がある人は混同しないよう注意してください。
制度が動いている時期は、まとめ記事よりも一次情報を見るほうが確実です。日本語で確認できるのは、在東京タイ王国大使館の公式サイトと、タイ国政府観光庁の日本語サイトです。
英語であれば、タイ入国管理局の公式サイトや、タイ国政府観光庁のニュースルーム(TAT Newsroom)が改正の進捗を告知しています。
搭乗手続きの際に航空会社から最新のルールを案内されることもありますが、最終的な判断はタイ側の公式発表が基準になります。出発の1〜2週間前に一度目を通しておくと安心です。
ビザが不要でも、無条件で入国できるわけではありません。タイ側が求める条件を満たしていないと、搭乗を断られたり、入国審査で足止めされたりする可能性があります。
ビザなし入国で押さえておきたい条件は、次の4つです。
タイ国政府観光庁の公式案内では、パスポートの残存期間はタイ入国時より6か月以上と定められています。残存期間が足りないパスポートでは、この入国条件を満たさないことになります。
残存期間は「帰国日」ではなく「入国日」を基準に数えます。半年以内に期限を迎える場合は、渡航前に切り替えの申請を済ませておきましょう。
渡航が近づいたら、予約した航空会社の案内もあわせて確認しておきましょう。
ビザなしで入国するには、往復の航空券、または他国へ出国する航空券を所持していることが条件です。タイ国政府観光庁も、この点を入国の条件として明記しています。
片道航空券だけの旅程では、この入国条件を満たしません。出国便が決まっていない旅程は避けたほうが無難です。
入国審査で提示を求められた際にすぐ見せられるよう、eチケットの控えはスマートフォンに保存しておくと確実です。
タイ国政府観光庁は、復路航空券とあわせて、1人10,000バーツ(家族の場合は20,000バーツ)相当額の現金や資金の携帯が義務付けられていると案内しています。入国審査時に提示を求められる場合があるため、事前の準備が必要です。
公式案内は「相当額の現金や資金」という表現で、タイバーツに限定していません。ただし、どこまで認められるかは審査官の判断によるため、断定はできません。
タイ国政府観光庁も「必ず事前にご用意ください」と求めているとおり、いつ聞かれても示せる状態にしておくのが前提です。現金とクレジットカードを分けて持っておくと、万一のときにも対応しやすくなります。
タイに入国する外国籍の人は、TDAC(タイデジタル到着カード)をオンラインで登録する必要があります。2025年5月1日に導入された制度で、陸路・海路・空路を問わず、ビザ免除で入国する場合も対象です。
登録はタイ到着の3日前(72時間前)から可能で、費用は無料です。登録するとQRコード付きの書類がメールで届き、スマートフォンなどの画面で提示できます。
登録も、到着後に画面を開いてQRコードを示すのも、ネット接続があるとスムーズです。海外eSIMアプリのトリファなら、渡航前にアプリで購入と設定を済ませておけば、到着直後から通信が使えます。
関連記事: タイ旅行のSIM完全ガイド|eSIM・現地SIMの選び方と料金比較

「TDACを登録すればビザは不要ですか」という誤解は、よく見かけます。この2つはまったく別の手続きで、片方を済ませても、もう片方が免除されるわけではありません。
ここでは、ビザ・TDAC・かつての紙の入国カードの役割を整理します。
手続き | 役割 | ビザ免除で入国する場合 |
|---|---|---|
ビザ | 入国そのものの許可 | 免除の条件を満たせば不要 |
TDAC | 到着情報の事前登録 | 全員に必要 |
紙の入国カード(TM6) | 旧・到着情報の届出 | 現在は運用なし |
ビザ(査証)は、外国人がその国に入国・滞在することを認める許可です。タイの場合、渡航目的と滞在日数が免除の条件に収まっていれば、事前に取得する必要はありません。
免除の条件から外れる渡航、たとえば就労や留学、長期滞在の場合は、目的に合ったビザを取得したうえで入国します。ビザの有無は「そもそも入国できるかどうか」を左右する手続きだと考えるとわかりやすいです。
TDACは、到着情報を事前にオンラインで届け出る仕組みです。タイ入国管理局の公式FAQでは、タイ国籍以外のすべての渡航者に対して、到着前の情報提出が求められると説明されています。
ただしTDACは、ビザの代わりにはなりません。公式FAQでも、TDACはビザ免除やアライバルビザを含むすべての入国区分で使われる書式として説明されており、ビザそのものとは別の手続きです。
逆に、ビザを取得している場合でもTDACの登録は必要です。「どちらか一方を済ませればよい」という理解は誤りなので注意してください。
かつては、機内や入国審査場で配られる紙の出入国カード(TM6)に記入して提出していました。ジェトロの報道によると、空路で入国する外国人のTM6記入は2022年7月2日以降免除されました。
その後、2025年5月1日からTDACが紙のカードに代わる仕組みとして導入されました。タイ入国管理局の公式FAQでも、TDACは従来の紙の到着カードを置き換えるオンラインフォームだと説明されています。
古い記事には「機内で入国カードを記入する」という記述が残っていますが、現在は当てはまりません。
TDACの入力には、パスポート情報のほか、便名と到着日、タイでの滞在先の住所、渡航目的などが求められます。事前に手元へ用意しておくと入力がスムーズです。
登録画面の進み方や偽サイトの見分け方、入国審査の流れは別記事で詳しく解説しています。実際に登録する前に確認してみてください。
関連記事: 【2026年最新】タイの入国カード(TDAC)登録方法と入国審査の流れを解説
免除の枠に収まらない滞在を考えている場合は、現地で延長するか、事前にビザを取得するかを選ぶことになります。ここでは、旅行者が実際に検討する可能性のある選択肢に絞って整理します。
ビザなしで入国したあと、現地のイミグレーション(入国管理局)で滞在期間の延長を申請する方法があります。申請にはTM7と呼ばれる申請書などが必要です。
在福岡タイ王国総領事館の案内によると、免除日数を超える場合は入国管理局で追加30日の延長申請ができます。手数料は1,900バーツが目安として案内されています。ただし公式の料金表を本記事の確認時点で確認できなかったため、金額や条件は変わる可能性があるものとして考えてください。
申請は本人が窓口へ出向くのが原則です。滞在先を管轄するイミグレーションの案内を、事前に調べておいてください。
はじめから1か月を超える滞在が決まっているなら、渡航前に観光ビザ(TR)を取得する方法もあります。タイ王国総領事館のビザ申請要項にも掲げられている、正式なビザ区分です。
申請はオンライン(e-Visa)で行い、申請料の支払いもe-Visaの公式サイト上でのクレジットカード決済のみとされています。手順や申請料は、在東京タイ王国大使館の公式サイトに「e-Visaについて」「e-Visaの申請方法」「ビザの申請料」として案内されています。
滞在可能日数や申請料は、制度の見直しにあわせて変わる可能性があります。本記事では具体的な日数や金額を断定していないため、申請前に大使館の公式案内で確認してください。
現地で延長するか、事前にビザを取得するか。手続きの手間と確実性のバランスで選ぶとよいでしょう。
免除での入国と出国を短い間隔で繰り返し、滞在を継続する行為は、一般に「ビザラン」と呼ばれることがあります。タイでは近年、この運用に対する取り締まりが強化されています。
タイ入国管理局は入国管理措置の強化を公表しており、正当な理由なく再入国を繰り返す渡航者は入国拒否の対象になりうるとされています。回数の上限を明記した公式の規定は本記事の確認時点では確認できず、実際の判断は入国審査官に委ねられます。
もっとも、これは長期滞在を目的とした運用に向けられた措置です。年に数回タイを訪れる程度の一般的な旅行であれば、過度に心配する必要はありません。
長期滞在向けには、デスティネーションタイランドビザ(DTV)、長期居住者ビザ(LTR)、スマートビザ(SMART Visa)といった区分が用意されています。いずれもタイ王国総領事館のビザ申請要項に掲載されている区分です。
同要項によると、DTVの対象はワーケーション(デジタルノマド・リモートワーカー等)です。LTRは富裕層・退職者・海外企業に勤めるリモートワーカー・高度技術専門職者が対象です。スマートビザは、タイ投資委員会(BOI)の資格認定を受けた人材・投資家・経営者・スタートアップが対象とされています。
これらは申請条件や必要書類が細かく定められており、短期の旅行者には基本的に不要です。条件や費用は改定されることがあるため、該当する場合は在東京タイ王国大使館の案内を直接確認してください。
数日から数週間の旅行であれば、ビザ免除の条件を満たしているかどうかだけ確認すれば十分です。
出張の場合は、観光とは別の免除枠が適用されます。期限付きの措置であることと、現地での延長ができないことの2点を押さえておきましょう。
在東京タイ王国大使館の告示によると、日本国籍者は30日以内の商用目的の滞在についてビザが免除されています。対象は、タイの会社との事業展開に関する会合や商談です。
具体的には、子会社・グループ会社・工場・取引先との会議や視察が該当します。技能者・技術者による監査や研修といった短期の緊急業務も含まれます。
入国時に求められる条件は、観光のビザ免除と共通です。パスポートの残存期間・出国便・所持金・TDACの登録が前提になります。
この商用免除は、2026年12月31日で期限を迎えます。2027年以降どうなるかは、本記事の確認日である2026年8月28日時点では、延長・終了いずれの発表も確認できませんでした。
年をまたぐ出張や、2027年の渡航を計画している場合は、日程が固まった段階で在東京タイ王国大使館の案内を確認してください。免除が終了していれば、事前のビザ申請が必要になります。
在福岡タイ王国総領事館は、商用目的で30日以上滞在する場合や、駐在・現地採用で就労する場合は、入国時に適切なビザを取得している必要があると案内しています。商用ビザ免除の期間中に取得が免除されているのは短期商用ビザ(ノンイミグラントビザ-B)なので、30日を超えるならこの区分の取得が前提になります。
タイ王国総領事館のビザ申請要項によると、ビジネス訪問での申請には、タイの会社からの招待状と会社の登記簿謄本が必要です。準備に時間がかかるため、渡航が決まった時点で社内の担当部署と確認を始めるのが現実的です。
出張ならではの準備は、別記事で詳しくまとめています。
関連記事: タイ出張で成果を出す準備術|ビザ・移動・商談・経費精算の実務ガイド

タイのビザは、渡航目的と滞在日数さえ整理できれば、判断はそれほど難しくありません。最後に要点を振り返り、渡航前に済ませておきたい通信の準備まで確認しておきましょう。
記事全体の要点を整理します。渡航前のチェックリストとして活用してください。
到着後のTDACのQRコード提示、配車アプリの手配、地図を見ながらの移動。タイ旅行では、空港に降りた瞬間から通信が必要になる場面が続きます。
アプリダウンロード数No.1の海外eSIMアプリ「トリファ」なら、渡航前にアプリで購入と設定を済ませておけば、現地に着いてすぐにネットが使えます。200以上の国と地域に対応し、日本語でのサポートも受けられるため、初めての海外でも安心して使えます。
タイのビザ条件を確認したら、通信の準備もあわせて整えておきましょう。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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