iPhoneを買い替えるとき、eSIMの引き継ぎでつまずく方は少なくありません。物理SIMのように差し替えるだけでは済まず、iOSやキャリアごとに手順が異なるためです。 2025年9月発売のiPhone 17シリーズからは日本でも物理SIMスロットが廃止され、機種変更時にeSIMの取り扱いを正しく理解しておく必要性が一段と高まりました。 本記事では、iPhone同士の「eSIMクイック転送」、AndroidからiPhoneへの転送、キャリアでの再発行という3つの方法を、手順・手数料・必要条件まで具体的に解説します。海外旅行用eSIMをiPhone機種変更時にどう扱えばよいかも、トリファ(trifa)の例で紹介します。
目次

iPhoneを買い替えるとき、eSIMを新端末に引き継ぐ方法は主に3つあります。旧端末がiPhoneかAndroidか、キャリアがクイック転送に対応しているかで選ぶ手段が変わります。
まずは自分の状況に合う方法を把握しましょう。下表で全体像を整理します。
方法 | 対象 | 手数料の目安 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
eSIMクイック転送 | iPhone同士(旧→新) | 無料 | 約1〜数分 |
Android→iPhone転送 | Android端末→iPhone | 無料(対応キャリアのみ) | 数分 |
キャリアでeSIM再発行 | 全パターン共通の選択肢 | 無料〜4,950円 | 即日〜数時間 |
iPhone同士の機種変更で最も手軽なのが「eSIMクイック転送」です。新旧iPhoneを近づけてBluetoothで通信し、キャリアの店舗や再発行手続きを介さずeSIMを移行できます。
Apple公式によると、両方のiPhoneで同じApple Accountにサインインし、Bluetoothを有効にして近距離に置くことが必要です。両端末ともiOS 16以降に対応していれば利用できます。
ただし、利用しているキャリアがクイック転送に対応していない場合はこの方法は使えません。次の再発行手続きに進む必要があります。
AndroidからiPhoneに乗り換える場合、iOS 26以降のiPhone 11以降では「Transfer from Android」機能でeSIMを直接移行できます。Apple公式が手順を案内しており、QRコードをAndroid側のカメラで読み取って転送します。
ただし、対応キャリアと対応Android端末の組み合わせが必要です。利用中のキャリアが非対応の場合は、キャリアでeSIMを再発行してiPhoneにインストールする方法を選びます。
クイック転送が使えない場合や、海外で購入したiPhoneに移す場合は、契約キャリアでeSIMの再発行手続きを行います。多くのキャリアではマイページやアプリから申請でき、QRコードまたはアクティベーションコードがオンライン発行されます。
オンライン手続きならドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイルとも無料ですが、店舗で手続きすると3,000円台後半〜4,950円程度の手数料がかかります。
どの方法を使う場合も、機種変更の前に確認しておくべき事前準備があります。準備不足のまま進めると、転送に失敗したり、データ移行とeSIM移行のタイミングがずれてトラブルにつながります。
ここでは、共通して必要な準備項目を整理します。
eSIMクイック転送を使う場合、旧iPhoneと新iPhoneの両方がiOS 16以降である必要があります。Apple公式が条件として明記しています。
設定アプリ →「一般」→「情報」でシステムバージョンを確認し、古い場合は「ソフトウェア・アップデート」から最新版に更新しておきます。アップデート中は通信が必要なので、Wi-Fi接続と十分なバッテリー残量を確保してください。
クイック転送はBluetoothで端末同士を認識し、Wi-Fi経由でeSIMプロファイルをやり取りします。両方がオフになっていると転送が始まらないため、新旧iPhoneともに有効化しておきます。
また、転送中に通信が途切れないよう、安定したWi-Fi環境で実施することが推奨されます。電波状況の悪い場所や公衆Wi-Fiでは失敗しやすいので注意してください。
新旧のiPhoneで同じApple Accountにサインインしている必要があります。異なるアカウントだとクイック転送が動作しません。設定アプリの最上部に表示される名前から、サインイン状況を確認しましょう。
2ファクタ認証も有効化しておく必要があります。受信用のSMSや電話番号が古い回線に紐付いている場合、認証コードが届かないトラブルが起きやすい点も覚えておくとよいでしょう。
eSIM移行とデータ移行は別の処理ですが、機種変更全体を考えると事前のバックアップは必須です。iCloudバックアップまたはMac/PCを使った有線バックアップで、写真・連絡先・アプリデータを保護しておきます。
万が一eSIM移行に失敗しても、データさえ残っていれば再発行手続きで復旧できます。
iPhone同士の機種変更で最も使われる「eSIMクイック転送」の手順を、具体的に説明します。Apple公式が案内する標準的な流れに沿って解説します。
新iPhoneの電源を入れ、初期設定画面を進めます。旧iPhoneを近くに置き、Bluetoothを有効にしておきます。「クイックスタート」の画面が表示されたら、画面の指示に従って端末同士をペアリングしてください。
初期設定をスキップして後からeSIM転送する場合は、新iPhoneの設定アプリを開いておきます。
新iPhoneの設定アプリ →「モバイル通信」→「モバイル通信を設定」をタップします。すると、近くのiPhoneから転送するか、新規にeSIMを追加するかの選択肢が表示されます。
「近くのiPhoneから転送」を選ぶと、旧iPhoneに転送可能な番号のリストが表示されます。
旧iPhoneに「番号を転送しますか」という確認画面が出るので、転送したい電話番号を選んで承認します。確認コードが表示された場合は、新iPhoneに同じコードを入力します。
サイドボタンのダブルクリックで承認を求められるケースもあります。画面の指示に従って進めてください。
キャリア側の処理が完了すると、新iPhoneでeSIMが利用可能になります。所要時間は1〜数分が目安ですが、キャリアによっては数時間かかることもあります。
アクティベーション完了と同時に、旧iPhoneのSIMは無効化されます。両端末で同時に使うことはできません。
クイック転送はキャリアごとに対応状況が異なります。主要キャリアの対応は次の通りです。
キャリア | クイック転送対応 |
|---|---|
ドコモ | 対応 |
au | 対応 |
ソフトバンク | 対応 |
楽天モバイル | 対応 |
ahamo・LINEMO・povo | 対応(条件あり) |
MVNO(格安SIM)は非対応のケースが多く、その場合は再発行手続きが必要です。契約キャリアの公式サイトで最新の対応状況を確認しましょう。

AndroidからiPhoneに乗り換える場合のeSIM移行は、iPhone同士よりも条件が限られます。Apple公式が手順を案内しており、対応キャリアと対応Android端末の組み合わせが揃えば、QRコードを使った直接転送が可能です。
ここでは標準的な手順と、非対応時の代替案を紹介します。
Apple公式によると、AndroidからiPhoneへのeSIM転送は次の流れで行います。
1. 新iPhoneの設定アプリ →「モバイル通信」を開く
2. 「eSIMを設定」または「eSIMを追加」をタップ
3. 「Androidから転送」を選択
4. iPhoneの画面にQRコードが表示される
5. AndroidのカメラでQRコードをスキャン
6. Android側で転送する電話番号を選び「転送」をタップ
両端末ともWi-Fi接続とBluetooth有効化が必要です。転送が完了すると、Android側のSIMは自動的に無効化されます。
直接転送に対応していないキャリア・端末を使っている場合は、契約キャリアでeSIM再発行を申請する必要があります。マイページやアプリから手続きでき、発行されたQRコードを新iPhoneのカメラで読み取ってインストールする流れです。
再発行は本人確認や開通処理が入るため、即時利用できないこともあります。海外渡航や機種変更のタイミングに合わせて、余裕を持って手続きしましょう。
eSIM移行とデータ移行は別の処理です。AndroidからiPhoneへの乗り換えでは、Apple公式の「Move to iOS」アプリを使うと連絡先・写真・メッセージなどを移行できます。
LINEや銀行系アプリは個別に引き継ぎ作業が必要なケースが多いので、機種変更前に各アプリの引き継ぎ手順を確認しておきましょう。
クイック転送が使えない場合の主要選択肢が「eSIM再発行」です。各キャリアでの手数料と手続き方法は異なります。
2026年5月時点の主要4キャリアの再発行手数料は次の通りです。
キャリア | オンライン手続き | 店舗手続き |
|---|---|---|
ドコモ | 無料 | 4,950円 |
au | 無料 | 3,850円 |
ソフトバンク | 無料 | 4,950円 |
楽天モバイル | 無料 | 無料 |
※ソフトバンクは2026年1月21日にWeb手続きを無料化
ドコモはWebでの再発行手続きを無料で提供しています。My docomoにログインし、契約内容の変更画面から「eSIM発行」を選択します。本人認証後、QRコードまたはアクティベーションコードが発行されます。
ドコモショップでの手続きは4,950円の事務手数料が発生するため、特別な事情がなければオンラインで済ませるのが経済的です。
auもオンラインでのeSIM再発行は無料で対応しています。My auアプリまたはWebサイトからプロファイル発行を申請し、新iPhoneでアクティベーションコードを入力する流れです。
auショップでの手続きは3,850円の事務手数料がかかります。
ソフトバンクは2026年1月21日にWeb手続きの手数料を無料化しました。My SoftBankにログインし、SIM再発行のメニューから手続きできます。
ただし、店舗で手続きすると4,950円が発生します。端末購入を伴うWeb手続きの場合は3,850円となるケースもあるので、申し込み時に料金表示を確認してください。
楽天モバイルはオンラインも店舗も再発行手数料が無料です。my 楽天モバイルアプリの「契約プラン」→「各種手続き」からSIM再発行を申請できます。
発行後はアプリ内のQRコードを新iPhoneで読み取るか、アプリから直接インストールできます。手数料を気にせず気軽に再発行できる点が大きなメリットです。
クイック転送や再発行はオンラインで完結する反面、つまずきやすいポイントもあります。代表的なトラブルと対処法を整理しておきましょう。
QRコードを新iPhoneのカメラで読み取れない場合は、以下を確認してください。
それでも読み取れない場合は、QRコードに含まれるアクティベーションコード(SM-DP+アドレスとアクティベーションコード)を手動入力する方法があります。設定アプリの「モバイル通信」→「eSIMを追加」→「詳細情報を手動で入力」から進めます。
クイック転送が始まらない、エラーが出る場合は次を確認します。
国際ローミング中は転送後に電源のオフ/オンが必要になるケースもあります。海外で機種変更する際は、できれば帰国後に行うのが安全です。
iPhoneは物理SIM+eSIMまたはeSIM×2のデュアルSIM運用が可能です(iPhone 17シリーズはeSIM×2)。機種変更後、どちらの回線をデフォルトにするかで迷う場合があります。
設定アプリの「モバイル通信」から「デフォルトの音声回線」「モバイルデータ通信」を回線ごとに割り当てられます。仕事用と私用、国内用と海外用などで使い分ける場合は、各回線の用途を明確にしてから設定するとよいでしょう。
2025年9月発売のiPhone 17・iPhone Air・iPhone 17 Pro・iPhone 17 Pro Maxは、日本でも物理SIMスロットが廃止され、eSIM専用となりました。
これまで物理SIM(nano SIM)を使っていた場合、iPhone 17へ機種変更する際にeSIMへの切り替えが必須です。ahamoの公式によれば、購入時に「eSIM」を選択すれば同時にSIMからeSIMへの切り替え手続きが完了するため、別途の事前変更は不要としています。
ただし、Apple Storeで購入する場合や中古端末を使う場合は、契約キャリアで個別にeSIM発行手続きを行う必要があります。

海外旅行用に購入したeSIMも、機種変更時の引き継ぎが気になるところです。利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」を使っている方向けに、機種変更時の対応を整理します。
トリファ公式ヘルプによると、トリファのeSIMは購入時のQRコード/アクティベーションコードでの再インストールはできません。機種変更後の新iPhoneで使う場合は、トリファアプリのチャットサポートに連絡して再発行を依頼する流れになります。
アプリは無料でダウンロードでき、24時間365日の日本語チャットサポートがあるため、手続き自体はスムーズです。ただし、開通済みのプランは旧端末で削除しないと、新端末でアクティベーションができなくなるケースがあります。
海外滞在中に機種変更が発生するケースは稀ですが、もし故障などで現地で買い替える場合は、まず旧端末でトリファeSIMを削除してから、新端末で再発行・インストールする手順となります。
国際ローミング中はキャリアの再発行処理が遅延することもあるため、可能なら帰国後に対応するのが安全です。緊急時はトリファのチャットサポートで個別に相談できます。
トリファはiPhone XR/XS以降に対応しており、eSIM専用となったiPhone 17シリーズでも問題なく利用できます。iOS 17.4以降の端末ではアプリからのワンタップインストールに対応しており、機種変更後も最短3分で設定が完了します。
対応国・地域数は全世界200カ国対応、24時間365日の日本語チャットサポート、決済はクレジットカードのほかApple Pay・Google Pay・PayPay・コンビニ決済が利用できます。あんしんキャンセル保証もあり、回線開通前なら任意の理由でキャンセルしてプラン料金の100%が返金されます。
機種変更直後の渡航でも安心して使える設計になっているので、海外旅行用の通信手段として検討してみてください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。