ベトナムは政府の後押しで街中にフリーWiFiが普及し、空港・ホテル・カフェ・レストランの多くで無料インターネットが利用できる「WiFi天国」と呼ばれています。 ただし、フリーWiFiは速度や安定性にばらつきがあり、移動中や郊外では使えない場面も少なくありません。Grabでの配車や地図アプリの利用など、街歩きの最中こそデータ通信が必要になります。 ベトナム旅行の通信手段には、eSIM・現地SIMカード・ポケットWiFi・海外ローミングの4つの選択肢があり、滞在日数や利用人数、予算によって最適解が変わります。 この記事では、ベトナムの通信事情とフリーWiFiの実態、4つの通信手段の料金比較、目的別のおすすめまでわかりやすく解説します。
目次

ベトナムでインターネット環境を確保する方法は、大きく分けてeSIM・現地SIMカード・ポケットWiFi・海外ローミングの4つです。それぞれ料金や手軽さ、通信品質に違いがあるため、旅行スタイルに合わせて選びましょう。
4つの通信手段を、料金・手軽さ・通信品質・複数人利用の観点で比較すると以下のとおりです。
通信手段 | 料金目安(3〜5日間) | 手軽さ | 通信品質 | 複数人利用 |
|---|---|---|---|---|
eSIM | 500〜2,000円 | アプリで即開通 | 現地4G/5G回線 | 1台のみ |
現地SIMカード | 約500〜1,500円 | 空港・市内で購入 | 現地回線直結 | 1台のみ |
ポケットWiFi | 1,500〜4,000円 | 空港受取・返却 | プランによる | 最大5〜10台 |
海外ローミング | 0〜3,000円 | 設定のみ | キャリアによる | 1台のみ |
eSIMは物理SIMカードの差し替えが不要で、スマートフォンにプロファイルをダウンロードするだけで使える通信手段です。日本にいる間に設定を済ませておけば、ベトナム到着後すぐにデータ通信を開始できます。
料金はサービスや容量によって幅がありますが、3日間1GBで600〜700円前後、7日間3GBでも1,300〜1,400円前後と他の通信手段より割安です。VinaphoneやMobiFone、Viettelなど現地キャリアの回線につながるため、通信速度も実用的です。
利用にはeSIM対応のスマートフォンが必要です。iPhone XS以降やGoogle Pixel 3a以降など、2018年以降に発売された多くの機種が対応しています。
ベトナムでは、Viettel・Vinaphone・MobiFoneの3大キャリアが旅行者向けプリペイドSIMを販売しています。ホーチミンのタンソンニャット国際空港やハノイのノイバイ国際空港、市内のキャリアショップで購入できます。
MobiFoneの観光客向け30日プランは1.6GBで約70,000VND(約400円)、10GBプランは200,000VND前後(約1,200円)と現地価格はかなり安価です。長期滞在や通話番号が必要な場合に向いています。
ただし、SIMの差し替えが必要なため元のSIMを紛失しないよう注意が必要です。また、購入時にパスポートの提示を求められることが一般的です。
ポケットWiFi(モバイルルーター)は1台で複数台のデバイスを同時接続できるのが大きなメリットです。家族やグループ旅行なら1台レンタルするだけで全員がインターネットを使えます。
日本国内の主要レンタルサービスの料金は1日あたり数百円〜2,000円程度。空港カウンターや宅配で受け取り、帰国時に返却する流れです。
一方で、ルーター本体の充電や持ち運びの手間、別行動時に通信できない人が出る点はデメリットです。詳しい料金は次の章で比較します。
日本の携帯キャリアの海外ローミングを使えば、特別な準備なしにベトナムでデータ通信が可能です。ahamoは月30GBまで追加料金なしでベトナムでも利用できます。
一方、ドコモの「世界そのままギガ」やauの「au海外放題」(事前予約で800円/24時間〜)も使えますが、1日数百円〜千円台のため3〜5日の旅行では数千円かかります。短期でもコストを抑えたいならeSIMやSIMカードのほうが経済的です。
関連記事: データローミングとは?設定方法やオン・オフの違い・注意点をわかりやすく解説
海外eSIMを提供するサービスは多数ありますが、ここでは日本人旅行者に選ばれている主要5社をピックアップし、ベトナム向けプランを比較します。
プラン例として「7日間・3〜5GB前後」の短期旅行に使いやすい構成で並べました。
サービス | プラン例 | 料金 | 接続キャリア | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
トリファ(trifa) | 国別・周遊・月額116か国対応 | 手頃な価格帯 | 現地キャリア | 日本企業運営、日本円決済、アプリで完結 |
Airalo | 7日間3GB | 1,350円 | Vinaphone | 200か国以上対応の老舗 |
Holafly | 7日間無制限 | 27.30USD(約4,300円) | Vinaphone(4G/5G) | 全プラン無制限 |
Nomad | 7日間1GB | 635円 | MobiFone/Vinaphone/Vietnamobile | 1GB帯が割安 |
World eSIM | 7日間1GB | 980円 | MobiFone/Vietnamobile | 無制限プランも豊富 |
※料金は2026年5月時点。USDレートは1USD=約158円で換算。
トリファは利用者No.1の海外eSIMアプリです。アプリ上で国・容量・日数を選んで購入し、QRコードを読み込めば設定が完了します。
日本円決済に対応し、Apple Pay・Google Pay・PayPay・各種クレジットカードが使えます。困ったときはアプリのチャットで日本語サポートが受けられるため、海外eSIMが初めての方でも安心して使えます。
ベトナムを含む全世界200か国に対応しており、ベトナムから周辺国に移動する場合も周遊プランや月額サブスクリプションで柔軟に対応できます。
Airaloは世界最大級のeSIMマーケットプレイスで、ベトナム単体プランから周遊プランまで幅広く提供しています。ベトナム向けは7日間3GBで1,350円、30日間10GBで2,950円とリーズナブルです。
接続キャリアはVinaphoneで、アプリの言語は日本語にも対応しています。USD決済が基本のため、為替変動の影響を受ける点には注意が必要です。
Holaflyの特徴は全プランがデータ無制限という点です。ベトナム向けは7日間27.30USD(約4,300円)、15日間50.90USD(約8,000円)と単価は高めですが、データ量を気にせず使えます。
動画視聴やライブ配信、ビデオ会議が多い旅行者や、複数人でテザリング共有したい場合に向いています。Vinaphoneの4G/5G回線に接続します。
Nomadは小容量プランの割安さが特徴で、7日間1GBが635円、30日間3GBが1,269円と短期軽量利用ならコスパが高い選択肢です。
ベトナムではMobiFone・Vinaphone・Vietnamobileの3キャリアから選んで切り替えられるため、エリアによって電波状況を最適化しやすい点も強みです。
World eSIMは日本円表記で、無制限プランが1日〜15日まで6種類用意されているのが特徴です。7日間1GBで980円、5日間無制限で4,400円から選べます。
アプリ内で初期設定が完結する手軽さもあり、価格と無制限プランのバランスを重視する方に向いています。
関連記事: 海外eSIMとは?レンタルWi-Fiやローミングと比較したメリット・選び方を解説
レンタルWiFi(ポケットWiFi)は、複数人でシェアしたい場合やeSIM非対応端末を使う場合に有力な選択肢です。日本国内の主要3社のベトナム向けプランを比較します。
サービス | 4G無制限 | 4G大容量(1GB前後) | 通信規格 |
|---|---|---|---|
イモトのWiFi | 1,480円/日(WEB割) | 920円/日(1GB) | 4G |
グローバルWiFi | 1,870円/日(早割) | 1,170円/日(1.1GB・早割) | 4G/5G |
ZEUS WiFi for GLOBAL | 630円/日 | 610円/日(1GB) | 4G/LTE |
※料金は2026年5月時点の公式サイト掲載価格。割引適用条件は各社で異なります。
イモトのWiFiは、ベトナム向けに「Aプラン(無制限)」「Bプラン(1GB/日)」「Cプラン(500MB/日)」の3種類を提供しています。WEB割引適用で無制限プランが1,480円/日、1GB/日プランが920円/日、500MB/日プランが500円/日です。
成田・羽田・関西をはじめとする主要空港カウンターでの受取・返却に対応しており、宅配受取も利用可能です。サポート体制が整っているため、初めての海外旅行でも使いやすいです。
グローバルWiFiはベトナム向けに4G・5Gを含む多彩なプランを用意しています。早割適用で4G無制限が1,870円/日、4G大容量(1.1GB/日)が1,170円/日、5G無制限が2,640円/日です。
5G対応端末のレンタルは、5G普及が進んだホーチミン・ハノイなど都市部で恩恵を受けやすいプランです。早割は申込日次第で200円安くなるため、早めの予約がお得です。
ZEUS WiFi for GLOBALは4G/LTE専用のシンプルな料金体系で、無制限プランが630円/日と他社より大幅に安いのが特徴です。1GB/日プランは610円/日、500MB/日プランは380円/日です。
価格を重視する方や短期旅行向けで、最大10台(推奨5台)の同時接続にも対応します。空港受取・宅配受取の両方に対応しています。

ベトナムの通信環境を理解しておくと、通信手段選びの精度が高まります。ここでは主要キャリアの違いや5G展開状況、フリーWiFiの実態と注意点をまとめます。
ベトナムにはViettel・Vinaphone・MobiFoneの3大キャリアがあります。各社の特徴は以下のとおりです。
2025年7月時点でベトナムの4G人口カバレッジは99.8%、2025年12月時点で5Gの人口カバレッジは91.2%に達しています。都市部ではほぼどの通信手段を選んでも快適な通信が期待できますが、山岳地帯や離島ではカバレッジに差が出るため、辺境エリアを訪れるならViettel系の回線を選ぶと安心です。
ベトナムは空港・ホテル・カフェ・ショッピングモールの多くで無料WiFiが利用できます。バックパッカー向けの安宿でもWiFiが提供されているケースが多く、宿泊先での利用には困りません。
ただし、空港のフリーWiFiは通信速度が遅いことが多く、混雑時にはほとんど使い物にならないこともあります。観光中の地図アプリやSNS利用には別途通信手段が必要です。
セキュリティ面では、フリーWiFiは暗号化されていないアクセスポイントも多く、個人情報やクレジットカード情報を扱う操作には危険が伴います。なりすましアクセスポイント(同じネットワーク名の偽WiFi)に接続してしまうと、通信内容を盗聴されるリスクもあります。
関連記事: フリーWi-Fiの危険性とは?具体的な被害例と安全に使う対策を徹底解説
ベトナムには中国のような大規模なネット遮断はなく、LINE・Instagram・X(旧Twitter)・Facebook・YouTube・Googleサービスはそのまま利用できます。
ただし、2024年12月に施行された政令第147/2024/ND-CP号により、SNS事業者には新たな規制が課されています。一般的な旅行利用に直接の影響はほぼありませんが、本人確認を求められる場面が今後増える可能性があります。
VPNは旅行中の必須ではないものの、フリーWiFi利用時のセキュリティ強化として用意しておくと安心です。
通信とは別ですが、旅行前に必ず把握すべき制度があります。ベトナムでは2025年から電子たばこ・加熱式たばこの製造・販売・輸入・使用が全面禁止されており、2025年12月31日施行の政令第371/2025/ND-CP号で使用者にも300万〜500万VND(約1万8千〜2万9千円)の罰金が科されます。
旅行者がスーツケースに入れているだけでも罰則対象になり得るため、ベトナム入国時は機内で吸い切る・日本に置いていくなどの対応が必要です。
通信手段を決めたら、出発前にやっておくべき準備があります。eSIM・現地SIMいずれの場合も、現地到着後にスムーズに通信を始められるよう事前準備を整えましょう。
eSIMは日本にいる間に購入とインストールを済ませておくのが基本です。
1. eSIMサービスのアプリまたはWebサイトでベトナム向けプランを選んで購入
2. メールやアプリで送られてくるQRコードを表示
3. スマートフォンの「設定」→「モバイル通信」→「モバイル通信プランを追加」(iPhoneの場合)からQRコードを読み込む
4. プロファイルがインストールされたら、回線名(ラベル)をわかりやすく設定
5. ベトナム到着後、データ通信用の回線をeSIMに切り替える
トリファをはじめとする主要eSIMアプリでは、購入から設定までアプリ内で完結します。設定が不安な方は、出発前にプロファイルのインストールまで終えておき、現地では回線切り替えだけ行うようにすると失敗が少ないです。
関連記事: eSIM対応機種一覧|iPhone・Androidの対応モデルと確認方法
海外でスマートフォンを使う際にもっとも気をつけたいのが、意図しないデータローミングによる高額請求です。出発前に以下の設定を確認しましょう。
関連記事: iPhoneのデータローミングとは?設定方法と注意点を徹底解説
通信手段を確保しても、万が一の電波不良に備えてオフラインで使えるアプリを準備しておくと安心です。
Googleマップではベトナムの地図をオフラインダウンロードでき、通信が途切れた場面でも経路検索が可能です。Google翻訳もベトナム語の言語パックをダウンロードしておけば、メニューや看板の翻訳に役立ちます。

ベトナムはフリーWiFiが充実した国ですが、移動中の利便性やセキュリティを考えると、フリーWiFiだけに頼るのは不安が残ります。eSIM・現地SIMカード・ポケットWiFi・海外ローミングのなかから、自分の旅行スタイルに合った通信手段を選びましょう。
なかでもeSIMは、渡航前にスマートフォンだけで準備が完結し、現地到着後すぐにつながるのが大きな利点です。料金も手頃で、短期旅行から長めの滞在まで幅広く対応できます。
トリファ(trifa)なら、ベトナム向けのeSIMプランをアプリで数分で手配でき、日本円決済・日本語サポートに対応しています。荷物を増やさず、SIMカードの差し替えも不要で、ホーチミンやハノイに到着したその瞬間からインターネットにつながります。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。