
台湾旅行で外せない観光地といえば、赤い提灯が連なるノスタルジックな街並みが美しい「九份(きゅうふん)」です。映画「千と千尋の神隠し」の舞台ではないかと話題になったことで、日本人観光客に圧倒的な人気を誇るスポットとなりました。 石畳の階段に沿って並ぶ赤い提灯、山の斜面に広がるレトロな建物、そして眼下に広がる海の景色。九份には、まるで映画の世界に迷い込んだような幻想的な雰囲気があります。特に夕暮れから夜にかけて提灯に灯りがともる時間帯は、訪れる人の心をつかんで離しません。 この記事では、九份と「千と千尋の神隠し」の関係性をはじめ、映画の世界観を感じられるスポット、台北からのアクセス方法、人気の食べ歩きグルメ、周辺のおすすめ観光地まで、九份を満喫するための情報を詳しく解説します。初めて台湾を訪れる方も、リピーターの方も参考にしてみてください。
目次

九份が「千と千尋の神隠し」の舞台モデルだという噂は、日本だけでなく台湾でも広く知られています。しかし、この話には公式の裏付けがあるのでしょうか。ここでは、映画と九份の関係性について、公式の見解と実際のインスピレーション源を整理します。
スタジオジブリは、九份が「千と千尋の神隠し」のモデルであるという説を明確に否定しています。スタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏は、2023年に台湾メディアの取材に対し、自身も宮崎駿監督も九份を訪れたことはないと明言しました。
宮崎駿監督自身も、インタビューで台湾がモデルかと問われた際に「違います。同じような風景はいっぱいあるということです」と回答しています。つまり、九份が映画の直接のモデルになったという事実はありません。
「千と千尋の神隠し」の湯屋のデザインには、日本国内の複数の建物が影響を与えています。主なインスピレーション源として挙げられるのは、愛媛県松山市の「道後温泉本館」、東京都小金井市の「江戸東京たてもの園」にある銭湯「子宝湯」、そして群馬県四万温泉の旅館「積善館」です。
美術監督も、映画の色彩設計において中国的な美意識は参考にしておらず、赤い提灯の色味も日本の景観からインスピレーションを得たと説明しています。公式には日本国内の建築物が参考にされています。
公式にはモデルではないにもかかわらず、九份が「千と千尋の街」として親しまれ続けているのには理由があります。山の斜面に張り付くように建つ古い建物、石段の両脇に連なる赤い提灯、夕暮れ時に灯る温かな明かり。これらの景観は、映画に登場する不思議な町の雰囲気と重なる部分が多いのです。
モデルかどうかという事実に関係なく、九份の街並みには「千と千尋の神隠し」の世界に入り込んだような感覚を味わえる独特の魅力があります。映画ファンならずとも、この幻想的な空間は一見の価値があるでしょう。
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九份には、「千と千尋の神隠し」の世界観を彷彿とさせるスポットが点在しています。映画のワンシーンを思い出しながら歩くと、より一層楽しめるはずです。ここでは、映画ファン必見の5つのスポットを紹介します。
豎崎路は、九份の中心部を縦に貫く石段の小径です。両脇に赤い提灯がずらりと並び、夕暮れ時に灯りがともると、まるで異世界への入り口のような非日常的な光景が広がります。「千と千尋の神隠し」で千尋が不思議な町に迷い込むシーンを思い起こさせる場所として、多くの観光客が訪れます。
石段の両側には茶芸館や土産物店が軒を連ね、狭い路地ならではの独特の雰囲気を醸し出しています。写真撮影のベストスポットとしても知られており、特に提灯に火が灯り始める夕方の時間帯は多くのカメラマンで賑わいます。
昼間は比較的空いているので、のんびりと散策したい方は午前中の訪問がおすすめです。夕方以降は団体ツアーの観光客も増えるため、混雑を避けたい場合は早めの時間帯に訪れるとよいでしょう。
阿妹茶楼(アーメイチャーロウ)は、九份で最も有名な茶芸館です。築100年以上の建物を改装した外観は、映画に登場する「油屋」を連想させるとして話題になりました。夜になると赤い提灯に灯りがともり、建物全体が温かく浮かび上がります。
店内では台湾茶のセットを楽しめます。お茶とお菓子のセットは1人350台湾ドル(約1,750円)からで、テラス席からは九份の街並みと海を一望できます。台湾式の茶道を体験しながら、ゆったりとした時間を過ごせるのが魅力です。
営業時間は平日・日曜が8時30分から23時まで、金曜・土曜は深夜1時まで営業しています。定休日はありません。夕方から夜にかけては混雑するため、午後の早い時間帯に訪問すると比較的スムーズに入店できます。
基山街は九份のメインストリートで、400メートルほどの通りに食べ物屋や土産物店がぎっしりと並んでいます。「千と千尋の神隠し」の中で、両親が食べ物に夢中になるシーンを思い起こさせるような、食の誘惑があふれる通りです。
通りの幅は人がすれ違うのがやっとという狭さですが、その分どこか懐かしい活気に満ちています。九份名物の芋圓(タロイモ団子)をはじめ、草仔粿(草餅)、魚丸湯(魚のつみれスープ)など、台湾ならではのB級グルメを手軽に楽しめます。
基山街は九份観光のスタート地点としても便利です。バス停「九份老街」から徒歩すぐの場所にあるため、到着後すぐに食べ歩きを始められます。通りの先は豎崎路や阿妹茶楼方面につながっているので、基山街から散策をスタートするのが効率的です。
昇平戯院は、1934年に建てられた九份最古の映画館です。かつて金鉱で栄えた時代の娯楽施設として賑わいましたが、閉山とともに衰退。その後修復され、現在は無料で一般公開されています。
館内にはレトロなチケット売り場や昔の映画ポスターが展示されており、1960年代の映画館の雰囲気がそのまま再現されています。午前中は九份の歴史を紹介するドキュメンタリー映像が上映され、午後は往年の名作映画が流されています。
営業時間は月曜から金曜が9時30分から17時まで、土日・祝日は18時まで開館しています。毎月第1月曜日は休館日です。入場無料なので、散策の合間にふらりと立ち寄ってみてください。
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九份展望台(九份観景台)は、基山街の奥に位置する展望スポットです。眼下には基隆湾の海が広がり、天気の良い日には基隆嶼(基隆の離島)まで見渡せます。山の斜面に広がる九份の街並みを一望できる場所でもあります。
夕暮れ時には、海に沈む夕陽と提灯が灯り始める街並みが重なり、九份でも屈指の絶景が楽しめます。「千と千尋の神隠し」の中で、海の上に広がる不思議な町が描かれていますが、九份展望台から見る景色にもどこか通じるものがあります。
展望台は基山街を奥まで歩いた先にあります。混雑する中心部から少し離れているため、比較的落ち着いて景色を楽しめるのもうれしいポイントです。

九份は台北市内から北東に約35キロメートルの場所にあり、日帰りで訪れるのに最適な距離です。バス、電車、タクシーなど複数のアクセス方法があるので、予算や人数に合わせて選びましょう。以下に主な交通手段を比較します。
交通手段 | 所要時間 | 料金(目安) | 特徴 |
|---|---|---|---|
直行バス(965番) | 約1〜1.5時間 | 90台湾ドル(約450円) | 西門町から乗車、最もリーズナブル |
直行バス(1062番) | 約1〜1.5時間 | 105台湾ドル(約525円) | 忠孝復興駅から乗車 |
電車+バス | 約1.5〜2時間 | 約60〜100台湾ドル(約300〜500円) | 瑞芳駅で乗り換え |
タクシー | 約40〜60分 | 約1,000〜1,200台湾ドル(約5,000〜6,000円) | 快適だが割高、4人で割り勘向き |
台北から九份への最もポピュラーなアクセス方法はバスです。主に2つの路線があり、965番バスは西門町(シーメンディン)から、1062番バスは忠孝復興駅(ジョンシアオフーシン)から出発します。どちらも「九份老街」バス停に停車するため、九份の中心部まで直行できます。
965番バスは片道90台湾ドル(約450円)で、運行間隔は10分から30分おきです。運行時間は平日6時から21時、休日7時から21時となっています。悠遊カード(EasyCard)が使えるため、小銭を準備する必要がありません。
所要時間は交通状況にもよりますが、おおよそ1時間から1時間半です。週末や祝日は道路が混雑するため、平日に訪れるか、早めの時間帯に出発するのがおすすめです。
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台北駅からJR東日本の在来線にあたる台湾鉄道(台鉄)で瑞芳駅まで行き、そこからバスに乗り換える方法もあります。台北駅から瑞芳駅までは自強号(特急)で約40分、区間車(各駅停車)で約50分です。
瑞芳駅からは788番や825番などのバスに乗り換え、約15分で九份老街バス停に到着します。瑞芳駅から九份まではタクシーも利用でき、料金は一律220台湾ドル(約1,100円)と新北市が定めています。夜23時から翌朝6時は240台湾ドルです。
電車の車窓からは台湾の郊外の風景を楽しめるため、移動そのものを旅の一部として楽しみたい方におすすめの方法です。十分(シーフェン)にも立ち寄りたい場合は、この電車ルートが便利です。
台北市内から九份までタクシーを利用する場合、料金は約1,000台湾ドルから1,200台湾ドル(約5,000円から6,000円)が相場です。所要時間は40分から60分程度で、道路の混雑状況によって変動します。
4人グループで利用すれば1人あたり250台湾ドルから300台湾ドル(約1,250円から1,500円)となり、バスとそれほど変わらない費用で快適に移動できます。荷物が多い場合や、小さなお子さん連れのファミリーには特におすすめです。
配車アプリ「Uber」や台湾のタクシー配車サービスも利用可能です。事前に行き先を設定できるため、言葉の不安がある方でも安心して利用できます。帰りのタクシーは九份老街入口付近のタクシー乗り場から乗車できます。

九份は食べ歩きグルメの宝庫です。基山街を中心に、台湾ならではのスイーツやB級グルメの店が軒を連ねています。ここでは、九份を訪れたら必ず味わいたい4つの名物グルメを紹介します。
芋圓は九份を代表する名物スイーツです。タロイモやサツマイモを練って作ったもちもちの団子を、温かいシロップや冷たいかき氷と一緒にいただきます。素朴でやさしい甘さが特徴で、食べ歩きの合間のおやつにぴったりです。
九份で特に有名な芋圓の店が「阿柑姨芋圓」と「頼阿婆芋圓」です。阿柑姨芋圓は基山街の奥に位置し、テラス席からは九份の街並みと海を見渡せます。1杯55台湾ドル(約270円)というリーズナブルな価格も魅力です。
頼阿婆芋圓では、タロイモに加えて緑茶、山芋、ゴマなど5種類の団子が楽しめます。それぞれの素材の風味と弾力のある食感が絶妙で、食べ比べてみるのもおすすめです。温かいもの(ホット)と冷たいもの(アイス)から選べるので、季節を問わず楽しめます。
草仔粿(ツァオアグエ)は、よもぎを練り込んだ緑色の餅に、甘い小豆やしょっぱい干し大根の餡を包んだ台湾版の草餅です。基山街の屋台で手軽に買えるため、食べ歩きのお供にぴったりです。やわらかな食感と、よもぎの爽やかな香りが楽しめます。
魚丸湯(ユーワンタン)は、魚のすり身で作ったつみれ団子を透き通ったスープでいただく一品です。九份の冷えやすい山の気候の中で、温かいスープは体を芯から温めてくれます。1杯40台湾ドルから50台湾ドル(約200円から250円)程度で味わえます。
花生捲冰淇淋は、薄く焼いたクレープ生地に削りたてのピーナッツ飴とアイスクリームを包んだデザートです。お好みでパクチーをトッピングできるのも台湾らしいポイント。甘じょっぱい味わいがクセになる、台湾ならではのスイーツです。
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九份の魅力を最大限に楽しむには、訪問する時間帯や周辺スポットとの組み合わせが重要です。ここでは、九份観光をより充実させるためのコツと、セットで訪れたい周辺の観光地を紹介します。
九份観光で最もおすすめの時間帯は、日没の1時間前に到着するプランです。提灯は日没の約1時間前から灯り始め、21時頃まで点灯しています。明るい時間帯に街並みを散策し、夕暮れとともに提灯が灯る感動的な瞬間を楽しめるのが理想的です。
ベストシーズンは10月から11月です。夏の厳しい暑さが和らぎ、湿度も下がるため、山の斜面にある九份の散策には最適なコンディションになります。カラッと晴れる日が多く、夕焼けに染まる海と提灯の灯りを同時に楽しめる確率が高い季節です。
反対に、6月から9月は台風シーズンと重なるうえ、猛暑と高い湿度で体力を消耗しやすい時期です。また、九份は山間部に位置するため雨が多く、雨天時は石段が滑りやすくなります。雨具の準備は季節を問わず必要です。
十分(シーフェン)は九份から車で約30分から40分の場所にある観光地で、天燈(ランタン)飛ばし体験ができることで知られています。願い事を書いたランタンが空に舞い上がる光景は、台湾旅行のハイライトの一つです。
九份から十分へは、バスで瑞芳駅まで戻り(約15分、15台湾ドル)、瑞芳駅から台鉄の平渓線に乗り換えて十分駅まで行く方法が一般的です(約29台湾ドル、約30分)。タクシーを利用する場合は、九份から十分まで約1,000台湾ドルから1,200台湾ドル(約5,000円から6,000円)が相場です。
十分には、ランタン飛ばし以外にも「十分瀑布」と呼ばれる台湾のナイアガラや、レトロな十分老街など見どころがあります。九份と十分をセットで1日かけて巡るコースは、台湾旅行の定番モデルプランとして人気です。
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金瓜石(ジングアシー)は九份のすぐ隣に位置する地区で、かつて金鉱で栄えた歴史を持っています。九份が観光地として発展したのも、もともとは金鉱の町として賑わっていたことがきっかけです。
金瓜石の「黄金博物館(新北市立黄金博物館)」では、鉱山の歴史や当時の生活を学べる展示を見学できます。入場料は80台湾ドル(約400円)で、営業時間は月曜から金曜が9時30分から17時まで、土日・祝日は18時まで開館しています。
博物館の目玉は、重さ220キログラムの巨大な金塊で、実際に手で触れることができます。また、旧坑道に入れる体験コーナーもあり、鉱山の町としての九份の歴史をより深く理解できるスポットです。九份からバスで約10分とアクセスも良好なので、時間に余裕があればぜひ足を延ばしてみてください。

九份や十分など、台北郊外の観光地を巡る際には、快適なインターネット環境があると安心です。バスの時刻表を調べたり、地図アプリでルートを確認したり、撮った写真をすぐにシェアしたりと、スマートフォンは台湾旅行の必需品といえます。
台湾旅行での通信手段には、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」がおすすめです。アプリをダウンロードして台湾のプランを購入するだけで、到着後すぐにインターネットが使えるようになります。SIMカードの差し替えや空港でのレンタル手続きが不要なため、旅行準備の手間を大幅に削減できます。
九份のような山間部でも、トリファなら現地の通信回線を利用して安定した通信が可能です。バスの乗り換え検索や、飲食店の口コミチェック、翻訳アプリの活用など、台湾旅行のあらゆる場面で頼りになるネット環境を提供します。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。

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