
海外では、空港やホテル、カフェなどでフリーWi-Fiを利用する機会が多くなります。しかしフリーWi-Fiはセキュリティが脆弱なケースが多く、個人情報の漏えいやハッキングのリスクが潜んでいます。 そこで注目されるのが「VPN(Virtual Private Network)」です。VPNを使えば通信を暗号化してデータを保護できるだけでなく、日本の動画配信サービスやWebサイトに海外からアクセスする手段としても活用できます。 この記事では、海外でVPNが必要になる場面や選び方のポイント、おすすめのVPNサービス比較、利用時の注意点まで幅広く解説します。 渡航前の準備にぜひ役立ててください。
目次

海外滞在中にVPNが必要とされる背景には、大きく分けて3つの理由があります。セキュリティの確保・地域制限の回避・プライバシーの保護です。それぞれ詳しく見ていきましょう。
海外の空港やホテル、カフェなどで提供されるフリーWi-Fiの多くは、通信が暗号化されていません。暗号化されていないネットワークでは、同じWi-Fiに接続している第三者にデータを傍受される恐れがあります。
クレジットカード情報やSNSのログイン情報など、重要なデータが盗まれるケースも報告されています。また、正規のWi-Fiに見せかけた偽のアクセスポイント(なりすましWi-Fi)が設置されていることもあり、気づかずに接続してしまうリスクも存在します。
VPNを使えば通信データが暗号化されるため、フリーWi-Fiを利用しても第三者にデータの中身を読み取られる心配がなくなります。海外では特に、金融系のアプリやネットバンキングを使う際にVPN接続が推奨されています。
日本国内向けの動画配信サービスの多くは、海外からのアクセスを地域制限(ジオブロック)によってブロックしています。出張先や旅行先で普段見ている番組を楽しみたいのに視聴できないという場面は珍しくありません。
VPNで日本のサーバーを経由して接続すれば、日本国内からアクセスしているのと同じ状態になり、地域制限を回避できる場合があります。ただし、利用する動画配信サービスの規約によってはVPN経由でのアクセスが禁止されている場合もあるため、事前に規約を確認しておきましょう。
動画配信だけでなく、日本国内限定のニュースサイトやオンラインバンキングなども同様にVPN経由でアクセスしやすくなります。海外出張や留学で長期滞在する方にとっては、日常生活の利便性に大きく関わります。
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一部の国では、政府機関やインターネットサービスプロバイダーがユーザーの通信内容を監視・記録している場合があります。個人のブラウジング履歴や検索内容が収集されるリスクがあり、プライバシー面で不安を感じる方も少なくありません。
VPNを利用するとIPアドレスがVPNサーバーのものに置き換わるため、自分の実際の位置情報や通信内容を第三者から隠すことができます。これにより、ネット検閲が厳しい地域でもプライバシーを確保しやすくなります。
特にビジネス目的で機密情報を扱う場合、VPNによる通信の暗号化は必須といえるでしょう。企業の出張ポリシーでVPN利用を義務付けているケースも増えています。

VPNがセキュリティ対策として有効だとわかっても、仕組みが理解できないと導入に踏み切りにくいものです。ここではVPNの基本的な仕組みと、実際の使い方をわかりやすく説明します。
VPNとは「Virtual Private Network(仮想専用ネットワーク)」の略称です。インターネット上に暗号化された仮想のトンネルを作り、その中でデータをやり取りする技術を指します。
トンネリングと呼ばれるこの技術により、送受信されるデータは第三者から見えない状態で通信されます。仮にデータが傍受されたとしても、暗号化されているため内容を解読することは極めて困難です。
またVPNサーバーを経由して通信することで、自分の実際のIPアドレスがVPNサーバーのIPアドレスに置き換わります。これにより、アクセス先のWebサイトやサービスからは実際の所在地が見えなくなります。
VPNの利用は難しそうに感じるかもしれませんが、手順はシンプルです。まず利用するVPNサービスを選んで契約し、アプリをダウンロードします。
アプリを起動したら、アカウントにログインし、接続先のサーバー(国)を選択します。日本のサービスを利用したい場合は日本のサーバーを、現地のサービスを使いたい場合は滞在国のサーバーを選びましょう。
接続ボタンをタップするだけでVPN接続が確立されます。接続中は画面上部にVPNアイコンが表示されるので、接続状態を簡単に確認できます。使い終わったらアプリから切断すれば通常の通信に戻ります。
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VPNサービスには無料のものと有料のものがあります。無料VPNは手軽に使える反面、通信速度が遅い・データ容量に制限がある・広告が表示されるといったデメリットがあります。
さらに注意が必要なのは、一部の無料VPNがユーザーの通信データを収集・販売している可能性がある点です。セキュリティ目的でVPNを使っているのに、かえって個人情報が流出するリスクを抱えてしまう本末転倒な事態になりかねません。
有料VPNは月額数百円から利用でき、高速な通信・強固な暗号化・ノーログポリシー(通信記録を保存しない方針)などの特長があります。海外での安全な通信を重視するなら、信頼できる有料VPNサービスを選ぶことをおすすめします。

数あるVPNサービスの中から自分に合ったものを選ぶには、いくつかの基準を持っておくと判断しやすくなります。海外利用を前提としたVPN選びで重視すべき5つのポイントを紹介します。
VPNサーバーの設置国が多いほど、さまざまな国のコンテンツにアクセスしやすくなります。日本のサービスを海外から使いたい場合は、日本にサーバーを持つVPNを選ぶことが大前提です。
またサーバー台数が多いほど、1台あたりの利用者が分散されるため通信が混雑しにくくなります。動画視聴やビデオ通話などデータ量の多い用途で使うなら、サーバー台数の多さは通信品質に直結するポイントです。
主要なVPNサービスは60か国以上にサーバーを設置しているものが多く、大手のNordVPNは約130か国8,900台以上、ExpressVPNは105か国にサーバーを展開しています。渡航先の国にサーバーがあるかどうかも事前に確認しておきましょう。
VPN接続中は通常のインターネット接続に比べて速度が低下する傾向にあります。これはデータの暗号化やVPNサーバー経由での通信に処理時間がかかるためです。
しかしVPNサービスによって速度低下の度合いは大きく異なります。高品質なサービスでは、VPN接続時でもほとんど速度低下を感じない水準を維持しています。利用者のレビューやベンチマークテストの結果を参考にするとよいでしょう。
特に動画ストリーミングやオンライン会議を多用する方は、通信速度を重視して選びましょう。無料体験期間や返金保証を活用して、実際の通信速度を事前にテストしておくのも有効です。
VPNを選ぶ際に最も重要なのがセキュリティ機能です。AES-256ビット暗号化に対応しているか、キルスイッチ(VPN接続が切れた際に自動的にインターネット接続を遮断する機能)を搭載しているかなどを確認しましょう。
また、ノーログポリシーの有無も大きな判断材料です。ノーログポリシーとは、VPN事業者がユーザーの通信記録や閲覧履歴を一切保存しないことを保証する方針を指します。第三者機関による監査を受けてノーログを証明しているサービスであれば、より安心して利用できます。
信頼性の高いVPNサービスの多くは、プライバシー保護に力を入れた国(パナマやスイスなど)に本社を置いており、政府からのデータ提出要請に応じにくい法的環境を確保しています。
主要なVPNサービスの料金は、長期契約ほど月あたりの単価が安くなる仕組みです。1か月単位で契約すると月額1,700〜2,000円前後になるサービスも、2年契約では月額370〜510円程度まで下がるケースが多く見られます。
以下に主要VPNサービスの料金目安をまとめました。
サービス名 | 1か月プラン | 1年プラン | 2年プラン | 返金保証 |
|---|---|---|---|---|
NordVPN | 約1,950円/月 | 約750円/月 | 約510円/月 | 30日間 |
ExpressVPN | 約1,950円/月 | 約520円/月 | 約370円/月 | 30日間 |
MillenVPN | 約1,738円/月 | 約594円/月 | 約396円/月 | 30日間 |
短期の海外旅行であれば1か月プランで十分ですが、留学や駐在など長期滞在が予定されている場合は年間プランを検討するとコストを抑えられます。いずれのサービスも30日間の返金保証があるため、まずは試してから継続を判断できます。
海外滞在中にVPNのトラブルが発生した場合、日本語で問い合わせできるかどうかは重要なポイントです。MillenVPNは日本企業(アズポケット株式会社)が運営しており、日本語でのサポート体制が充実しています。
NordVPNやExpressVPNは英語でのチャットサポートが中心ですが、アプリやWebサイトは日本語に対応しています。英語に不安がある方は、日本語サポートが手厚いサービスを優先的に選ぶのが無難です。
24時間対応のライブチャットを提供しているサービスであれば、時差を気にせずいつでもサポートを受けられます。初めてVPNを使う方は、設定ガイドや使い方の解説が日本語で用意されているかどうかも判断材料になります。
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VPNは便利なツールですが、利用にあたっていくつか注意しておくべき点があります。法的な問題やバッテリー消費など、知っておかないと困る情報をまとめました。
日本ではVPNの利用は完全に合法ですが、世界にはVPNの使用を規制・禁止している国があります。渡航先の法律を事前に調べておくことが大切です。
中国では「グレートファイアウォール」と呼ばれるインターネット検閲システムが導入されており、政府が認めたVPN以外の利用は原則として禁止されています。ロシアでも2017年に未承認VPNの提供・利用を禁止する法律が施行され、違反した個人には最大30万ルーブル、企業には最大70万ルーブルの罰金が科される可能性があります。
UAE(アラブ首長国連邦)では、セキュリティ目的のVPN利用は認められていますが、VPN経由で禁止コンテンツにアクセスした場合は重い罰則が科される場合があります。渡航先のVPN規制状況は出発前に必ず確認しておきましょう。
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VPN接続中はデータの暗号化処理が常に行われるため、スマートフォンのバッテリー消費が通常よりも早くなる傾向があります。海外旅行中はバッテリーの減りが気になる場面が多いため、必要なときだけVPNを接続する使い方が実用的です。
また暗号化によるオーバーヘッド(追加のデータ処理)により、データ通信量がわずかに増加する場合もあります。モバイルデータ通信の容量に制限がある場合は、フリーWi-Fi利用時のみVPNをオンにするなど、使い分けを工夫するとよいでしょう。
海外でのインターネット接続手段としてeSIMを活用する場合は、利用者No.1の海外eSIMアプリ「トリファ(trifa)」がおすすめです。VPNと組み合わせることで、安定した通信環境とセキュリティの両方を確保できます。
VPNは通信の暗号化やIPアドレスの変更には有効ですが、すべてのサイバーリスクを防げるわけではありません。フィッシングメールや不正なWebサイトへの誘導は、VPNを使っていても防ぐことが難しい攻撃手法です。
またマルウェア(悪意あるソフトウェア)への感染もVPNでは防止できません。VPNとあわせて、ウイルス対策ソフトの導入や二要素認証の設定など、複合的なセキュリティ対策を講じる必要があります。
VPNはあくまでセキュリティ対策の一環であり、万能なツールではないことを理解しておきましょう。信頼できないリンクはクリックしない、OSやアプリを最新版にアップデートしておくなど、基本的な対策を日頃から心がけることが重要です。
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海外でのVPN利用について、多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。渡航前の不安解消にお役立てください。
フリーWi-Fiを利用する予定があるなら、VPNの導入を強くおすすめします。海外のフリーWi-Fiは暗号化されていないケースが多く、クレジットカード情報やパスワードを入力する際に傍受されるリスクがあります。
一方、eSIMやモバイルWi-Fiルーターなど、自分専用の回線を使う場合はフリーWi-Fiほどのリスクはありません。ただし日本の動画配信サービスや地域制限のあるコンテンツにアクセスしたい場合は、VPNがあると便利です。
短期旅行であっても、ネットバンキングや仕事のメールを使う場面があるなら、VPNを入れておくと安心感が大きく変わります。30日間の返金保証があるサービスを選べば、旅行期間中だけ利用して解約することも可能です。
VPN接続時は暗号化処理やサーバー経由の通信が加わるため、多少の速度低下は避けられません。ただし大手の有料VPNサービスでは、体感でほぼわからない程度の速度低下に抑えられていることがほとんどです。
速度低下が気になる場合は、物理的に近い場所にあるサーバーを選ぶことで改善できます。たとえばアジア圏に滞在中であれば、日本のサーバーに接続すると比較的高速な通信が期待できます。
プロトコル(通信方式)の設定を変更できるサービスもあり、速度重視の設定に切り替えることで通信のパフォーマンスを向上させることもできます。
多くの有料VPNサービスでは、1つのアカウントで複数のデバイスを同時接続できます。NordVPNは最大10台、ExpressVPNはプランに応じて最大10〜14台、MillenVPNは台数無制限で同時に接続が可能です。
家族旅行やグループ旅行の場合、1つのアカウントを全員で共有することもできるため、一人あたりのコストをさらに抑えることができます。スマートフォンとノートPCを同時に使いたい場合にも、追加料金なしで対応できます。
タブレットやスマートTVに対応しているサービスもあるため、ホテルの部屋で大画面で動画を楽しみたい方にもVPNは便利な選択肢です。

VPNは海外でのセキュリティ対策として欠かせないツールですが、そもそもの通信手段の選び方も快適な海外滞在には重要です。フリーWi-Fiに頼らず自分専用の回線を確保すれば、VPNなしでも基本的なセキュリティを維持できます。
トリファ(trifa)は、200以上の国と地域に対応した海外eSIMアプリです。アプリからプランを購入するだけで、現地到着後すぐにインターネットが使えるようになります。SIMカードの差し替えが不要で、スマートフォン1台で手続きが完了するのも大きなメリットです。
eSIMで自分専用の回線を確保したうえで、さらにVPNを併用すれば、通信の安全性をより高めることができます。特に機密情報を扱うビジネス利用や、日本の動画配信サービスを視聴したい方にはVPNとeSIMの組み合わせが最適です。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。