イギリスへの渡航には、出発前にETA(電子渡航認証)を取得しておく必要があります。ただ、検索して出てくる解説記事を見比べると、申請費用が10ポンド・16ポンド・20ポンドとばらばらだったり、乗り継ぎのときに必要かどうかで結論が正反対だったりします。どれを信じればいいのか判断できず、手が止まってしまった方も多いはずです。 この記事では、2026年8月時点の英国政府(GOV.UK)の公式情報をもとに、確定している申請費用と有効期間、自分にETAが必要かどうかを順番にたどれる判定チャート、そして記事によって書いてあることが違う乗り継ぎ時の要否を、パターン別に整理します。あわせて、到着後の入国審査からeGate通過までの流れもまとめました。 特に力を入れたのは2点です。ひとつは、制度開始当時や料金改定前の古い情報を残さず、現時点で有効な数字だけを提示すること。もうひとつは、申請の解説と入国審査の解説が別々になりがちなところを、出発前の手続きから到着後のゲート通過まで一続きで追えるようにすることです。 全体像を先に押さえておけば、出発直前に慌てて申請したり、空港で搭乗を断られたりする事態は避けられます。渡航予定が決まった段階で、ひととおり目を通しておいてください。
目次
イギリスに渡航する日本国籍の方は、出発前にETA(電子渡航認証)を取得する必要があります。制度そのものは2023年10月に始まり、その後も対象国の拡大や料金の改定が続いてきました。
解説記事のなかには、制度開始当初や改定前の情報がそのまま残っているものもあります。まずは2026年9月時点の公式情報にもとづいて、次の3点を整理します。

ETAはElectronic Travel Authorisation(電子渡航認証)の略称です。ビザを必要としない短期渡航者が、イギリスへ向かう前にオンラインで取得しておく渡航許可を指します。
対象になるのはイギリス本土だけではありません。ジャージー島・ガーンジー島・マン島へ渡航する場合も、同じETAでカバーされます。
英国政府はETAについて、ビザでも税でもなく、入国そのものを認めるものでもないと説明しています。あくまでイギリスへ「渡航すること」を認める電子的な許可という位置づけです。GOV.UKのETA案内ページにも「ETAはイギリス、ジャージー、ガーンジー、マン島への入国を保証するものではない」と明記されています。
つまりETAを持っていても、到着後の入国審査で入国が認められるとは限りません。この点は後半の入国審査のセクションであらためて触れます。
2026年9月時点の条件は次のとおりです。いずれもGOV.UKの案内と英国内務省のファクトシートで確認できる値です。
項目 | 2026年9月時点の内容 |
|---|---|
申請費用 | 20ポンド |
有効期間 | 発行から2年間、またはパスポートの有効期限のいずれか早いほう |
1回あたりの滞在上限 | 最長6ヶ月 |
有効期間内の渡航回数 | 制限なし(何度でも渡航可能) |
審査期間 | 通常は1日以内、最大3営業日 |
申請方法 | 公式アプリ「UK ETA」またはGOV.UKでのオンライン申請 |
注意したいのが申請費用です。検索結果の上位には、いまでも10ポンドや16ポンドと書かれた解説ページが残っています。10ポンドは制度開始当初の金額、16ポンドは2026年4月8日の改定前の金額で、どちらも現在の値ではありません。
有効期間についても「2年間」とだけ書かれている記事がありますが、正確にはパスポートの有効期限が先に来る場合はそこで切れます。パスポートを更新すると、残っているETAは使えなくなり、新しいパスポートで取り直しが必要です。
審査にかかる時間は、多くの場合数分から1日以内です。結果はメールで届き、追加の確認が入った場合は最大3営業日かかることがあります。
制度の変更点を時系列で並べると、いま何が有効なのかが把握しやすくなります。
時期 | 内容 |
|---|---|
2023年10月 | ETA制度の運用開始(一部の国から段階的に導入) |
2024年11月27日 | 日本国籍を含む対象者の申請受付が開始 |
2025年1月8日 | 日本国籍の渡航にETAが必須化 |
2025年1月16日 | 入国審査を通らないエアサイド乗り継ぎを一時的に免除 |
2026年2月25日 | 未取得者に対し、航空会社・フェリー・ユーロスターが搭乗や乗車を断る運用へ |
2026年4月8日 | 申請費用が16ポンドから20ポンドへ改定 |
特に影響が大きいのが2026年2月25日の変更です。それまでは未取得のまま空港へ向かってしまっても現地で対応できる余地がありましたが、現在はオンラインチェックインや搭乗手続きの段階で止められます。
2026年4月8日の料金改定は、英国の移民・国籍関連手数料の改正規則にもとづくものです。同日の午前9時から新しい手数料表が適用されており、ETAは25パーセントの引き上げとなりました。
ETAは「イギリスに行く人全員」が取るものではありません。国籍や保有している許可、渡航のしかたによっては不要です。
ここでは、自分に必要かどうかを順番にたどれる判定チャートを示したうえで、免除されるケースとビザ・ETIASとの違いを確認していきます。
上から順に答えていってください。該当した時点でそこが結論です。
1. イギリスまたはアイルランドのパスポートを持っていますか
- はい → ETAは不要です。そのパスポートで渡航してください
- いいえ → 2へ
2. すでに有効なイギリスのビザ、または滞在・就労・就学の許可を持っていますか
- はい → ETAは不要です
- いいえ → 3へ
3. アイルランド、ガーンジー、ジャージー、マン島に居住していて、そこから渡航しますか
- はい → ETAは不要です
- いいえ → 4へ
4. イギリスの空港で、入国審査を通らずに乗り継ぐだけですか
- はい → ETAは不要です(条件は後述します)
- いいえ → 5へ
5. 滞在は6ヶ月以内で、観光・短期の商用・親族訪問などが目的ですか
- はい → ETAの申請が必要です
- いいえ → ビザの申請が必要です
日本から旅行で訪れる多くの方は、5番まで進んで「ETAが必要」に行き着きます。イギリスとの二重国籍の方は、そもそもETAを取得できないため、イギリスのパスポートで渡航してください。
チャートで扱った条件も含め、GOV.UKはETAが不要になるケースを次のように挙げています。
注意が必要なのは、アイルランド経由のケースです。免除されるのは「アイルランドに居住している人」であって、日本から旅行でアイルランドを訪れ、そこからイギリスへ移動する場合は対象外です。アイルランドとイギリスの間はコモン・トラベル・エリアとして日常的な入国審査が省かれる区間ですが、ETAの取得義務そのものは免除されません。
アイルランド居住者として免除を受ける場合、16歳以上はアイルランド政府発行の居住を示す書類を携行するよう求められます。なお、すでにイギリスのビザや滞在許可を持っている方は、あらためてETAを取得する必要はありません。
ETAとビザは、名前が似ていても役割がまったく違います。ETAは短期の渡航者向けに「渡航してよい」と事前に確認するための仕組みで、ビザのように滞在資格を与えるものではありません。
そのため、ETAで認められるのは1回あたり最長6ヶ月の滞在までです。就労や長期の就学、6ヶ月を超える滞在を予定している場合は、ETAではなく該当するビザを申請する必要があります。
もうひとつ押さえておきたいのが、ETAは入国を保証しないという点です。前述のとおり、入国の可否を決めるのは到着後の入国審査官です。渡航目的の説明があいまいだったり、滞在期間に見合わない状況だったりすれば、ETAを持っていても入国を断られることがあります。
イギリスのETAと混同されやすいのが、EUのETIAS(欧州渡航情報認証制度)です。名前も仕組みも似ていますが、対象になる国がまったく違います。
ETAはイギリス(およびジャージー島・ガーンジー島・マン島)への渡航に必要な認証です。一方のETIASは、シェンゲン協定加盟国を中心としたヨーロッパ各国への渡航を対象としています。イギリスはEUを離脱しているため、ETIASの対象国には含まれません。
開始時期にも差があります。イギリスのETAは日本国籍について2025年1月から必須化されて運用中ですが、ETIASは2026年9月時点でまだ運用が始まっていません。導入時期は繰り返し先送りされてきた経緯があり、2026年後半の開始が予定されていると案内されています。申請料は20ユーロとされていますが、開始時期とあわせて渡航前に最新の案内を確認してください。
イギリスとヨーロッパ大陸を周遊する旅程では、両方の手続きが必要になる可能性があります。ETIASの詳細は下記の記事にまとめています。
関連記事:ETIAS(エティアス)はいつから?申請方法・費用・対象国を徹底解説
ETAの申請は、公式アプリかGOV.UKのオンラインフォームから行います。パスポートのICチップ読み取りと顔写真の撮影があるため、スマートフォンでのアプリ申請のほうが進めやすい構成です。
ここでは申請の流れを追いながら、途中でつまずいたときの対処を見ていきます。
申請に必要なものは3つです。渡航に使う実物のパスポート(コピーや画像は不可)、受信できるメールアドレス、そして決済手段です。決済にはApple Pay、Google Pay、American Express、JCB、Mastercard、Visaが使えます。
公式アプリ「UK ETA」での流れは次のとおりです。
1. パスポートの写真ページを撮影する
2. パスポートのICチップを読み取る
3. 顔をスキャンする(10歳以上のみ)
4. 顔写真を撮影する
5. 住所・職業・国籍・犯罪歴に関する質問に回答する
6. アプリ内で申請料を支払う
ICチップの読み取りは、パスポートとスマートフォンのケースを両方外した状態で行います。生体パスポートであることを示すチップのマークが表紙にあるかどうかも、事前に確認しておくとスムーズです。
結果はメールで届きます。通常は1日以内ですが、最大3営業日かかることがあるため、GOV.UKは渡航の3営業日前までの申請を推奨しています。出発当日に申請して間に合うことも多いものの、確実性を考えれば渡航予定が固まった時点で済ませておくのが安全です。
申請が途中で止まる場面は、原因がある程度決まっています。症状から逆引きできるよう表にまとめました。
症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
ICチップが読み取れない | パスポートやスマートフォンのケースが干渉している | 両方のケースを外し、スマートフォンをパスポートの上に直接置く |
そもそもチップ読み取り画面に進めない | 生体パスポートではない可能性がある | 表紙のチップのマークを確認する。ない場合はオンライン申請を利用する |
顔写真が受け付けられない | 明るさや写り込みの条件を満たしていない | 明るい場所で背景を無地にし、眼鏡や帽子を外して撮り直す |
決済が完了しない | カードの種類やオンライン決済の設定が対応していない | 対応している別の決済手段に切り替える |
入力の途中で最初に戻ってしまう | 一定時間操作しなかったことによるセッション切れ | 手元に必要な情報をそろえてから、まとめて入力する |
承認メールが届かない | 迷惑メールフォルダに振り分けられている | 迷惑メールを確認する。改善しない場合はGOV.UKの案内に沿って照会する |
入力内容がパスポートの記載と一致していないと、審査が遅れたり却下されたりする原因になります。氏名のつづりやパスポート番号は、目視で1文字ずつ照合してから送信してください。
前述のとおり、ETAは渡航に使うパスポートと電子的にひも付きます。申請後にパスポートを更新した場合、旧パスポートのETAは使えません。
申請が却下されたときは、まず不服申し立てができない点を押さえておいてください。英国内務省のファクトシートは、ETAの申請が却下された場合、申し立てはできず、イギリスへの渡航許可を求めるならビザを申請する必要があると説明しています。
実務的な選択肢は2つです。ひとつは、入力ミスなど明らかな不備が原因と考えられる場合に、内容を正して申請し直すこと。もうひとつは、標準訪問者ビザ(Standard Visitor Visa)など、渡航目的に合ったビザへ切り替えることです。
ビザの申請はETAより時間も費用もかかります。渡航直前に却下されると日程の変更が避けられなくなるため、この点からも早めの申請が効いてきます。
却下歴は記録として残ります。同じ内容で機械的に再申請を繰り返すのではなく、なぜ却下されたのかを整理してから次の手を選んでください。
ETAの申請自体が、通信環境を前提にした手続きです。アプリでの読み取りも承認メールの受信も、ネットにつながっていなければ進みません。
日本を出発する前に申請を済ませておくのが基本ですが、旅程の変更で移動中や滞在先から申請せざるを得ないこともあります。その場合、公共Wi-Fiだけに頼ると、読み取りが途中で切れたりメールの確認が遅れたりしがちです。
出発前に用意しておく通信手段としては、渡航先で使えるeSIMが選択肢になります。海外eSIMアプリのトリファなら、日本にいるうちにアプリで購入と設定まで済ませられるため、公共Wi-Fiに頼らず自分の回線で申請状況を確認できます。
設定の手順は、下記の記事で画面ごとに解説しています。
関連記事:トリファeSIMの設定方法|初期設定から現地接続まで全手順
ETAをめぐる情報のなかで、もっとも結論が割れているのが乗り継ぎの扱いです。「不要」と書く記事もあれば「原則必要」と書く記事もあり、読んだだけでは判断できません。
分かれ目は明快で、イギリスの入国審査(border control)を通るかどうかの一点に尽きます。GOV.UKは、ETAが不要になる条件のひとつとして「イギリスの空港を入国審査を通らずに乗り継ぐ場合(エアサイド)」を挙げています。この基準を使えば、代表的な4つのパターンはすべて判定できます。

同じ空港の制限エリア内で乗り継ぎ、入国審査を通らずに次の便に乗る場合、ETAは不要です。GOV.UKが免除の対象として明記しているケースにあたります。
ただし、どの空港でも使えるわけではありません。英国内務省のファクトシートは、ヒースロー空港とマンチェスター空港を経由し、イギリスの入国審査を通らない乗り継ぎ客について「現時点ではETAを必要としない」と説明しています。裏を返せば、エアサイドでの乗り継ぎが可能な空港自体が限られているということです。
さらに重要なのは、この免除が恒久的な措置ではない点です。航空業界からの要請を受けて2025年1月16日に導入された一時的な扱いで、内務省は継続して見直すとしています。渡航が先の予定であれば、直前に最新の案内を確認してください。
自分の乗り継ぎがエアサイドで完結するかどうかは、航空券の予約内容だけでは判断しづらいことがあります。GOV.UKも、分からない場合は利用する航空会社に確認するよう案内しています。
乗り継ぎの途中で一度イギリスの入国審査を通る場合、ETAが必要です。GOV.UKのETA案内ページには「イギリスの空港で入国審査を通ってから先の便に乗る場合はETAが必要」と記載されています。
該当しやすいのが、預け荷物を一度受け取り直す乗り継ぎや、別々に手配した航空券をつなぐ自分での乗り継ぎです。この形では入国審査と税関を通ることになるため、エアサイドの免除は適用されません。
ヒースロー空港からガトウィック空港へ移動するような空港間の乗り継ぎも同じです。空港を出て移動する以上、必ず入国審査を通ります。免除の条件である「入国審査を通らない」を満たさないため、ETAの取得が必要になります。
乗り継ぎ時間が短くても扱いは変わりません。イギリスに入国して48時間以内に出国する行程であっても、ETAの対象である日本国籍の方はETAが必要です。ETAの対象外となる国籍の場合は、トランジットビザを用意することになります。
ユーロスターなどの鉄道でイギリスに入る場合も、ETAが必要です。免除されるのは空港での入国審査を通らない乗り継ぎに限られており、鉄道での入国は通常の入国と同じ扱いになります。
鉄道の場合、イギリスの入国審査はイギリス到着後ではなく、出発する駅で行われます。パリ北駅やブリュッセル南駅にイギリス側の審査ブースが置かれ、出発前にその場でETAを含む渡航資格が確認される仕組みです。
そのため、ETAがないと乗車の段階で止まります。2026年2月25日以降は、航空会社だけでなくフェリー事業者やユーロスターも、ETAを持たない対象者の搭乗・乗車を断る運用になっています。
ヨーロッパ大陸とイギリスを鉄道で往復する旅程では、ETAを取得したうえで、パスポートの有効期限がETAの有効期間より先に切れないかもあわせて確認しておくと安心です。
ETAを取得しても、それで手続きが終わるわけではありません。到着後には入国審査があり、そこで初めて入国が認められます。
ここでは空港に着いてからゲートを通過するまでの流れと、審査で聞かれる内容を順に追います。あわせて、いまは不要になっている手続きについても触れておきます。
飛行機を降りたら、案内表示に従って入国審査(Border control / UK Border)へ向かいます。イギリスの入国審査には、自動化ゲート(eGate)と審査官のいる有人カウンターの2つの通路があります。
日本のパスポートはeGateの対象です。GOV.UKは、eGateを利用できる国籍としてオーストラリア、カナダ、日本、ニュージーランド、シンガポール、韓国、アメリカなどを挙げています。利用の条件は4つです。パスポートの表紙に生体パスポートを示すマークがあること、有効な入国許可(ETAなど)を持っていること、8歳以上であること、身長が120センチ以上であることです。
eGateではパスポートの写真ページを読み取り、顔照合が行われます。問題がなければゲートが開き、入国スタンプなしでそのまま通過します。読み取りがうまくいかない場合や、審査官の確認が必要と判断された場合は、有人カウンターへ回されます。
注意点として、IDカードではeGateを使えません。また、eGateは審査官とのやり取りがないぶん、通過後の移動や連絡は自分で進めることになります。到着直後から自分の回線を使えるようにしておきたい方は、下記の記事でイギリスで使えるeSIMを比較しています。
関連記事:イギリスeSIMおすすめ6選を徹底比較!無制限プランの料金と選び方【2026】
有人カウンターに回った場合は、審査官から質問を受けます。GOV.UKも「通常、イギリスに来た理由を尋ねられます」と案内しています。
よく聞かれるのは、渡航目的、滞在期間、滞在先、そしていつイギリスを出るのかといった内容です。観光であれば「Sightseeing」と目的を伝え、滞在日数と宿泊先を答えられれば十分な場合がほとんどです。
準備としては、滞在先の住所と復路の航空券を、印刷かスマートフォンの画面ですぐ提示できるようにしておくことをおすすめします。ETAは入国を保証するものではないため、滞在の実態が説明できることが結果的にいちばんの備えになります。
審査では、パスポートをカバーから出して写真ページを開いた状態で渡します。顔を覆うものやサングラスは外し、家族で移動している場合はまとまって審査を受けてください。
関連記事:入国審査で聞かれることは?質問内容・英語フレーズ・回答例を徹底解説
イギリスの入国手続きを扱った記事のなかには、すでに廃止された手続きがそのまま残っているものがあります。渡航前に混乱しないよう、代表的な2点を整理しておきます。
1点目は、入国カード(Landing Card)です。かつては機内で配られる用紙に氏名や滞在先を記入する必要がありましたが、この制度は2019年5月20日に廃止されました。GOV.UKの入国案内にも「イギリス到着時に入国カードを記入する必要はありません」と明記されています。機内で用紙が配られることもありません。
2点目は、入国審査の通路の分かれ方です。「日本国籍は非EU(All passports)の列に並ぶ」と書かれた記事がありますが、現在の日本のパスポート保持者は、条件を満たせばUK/EEAの通路と自動化ゲートを利用できます。GOV.UKも、対象国のパスポートで有効な入国許可を持つ人はUK/EEAの入国レーンとeGateを使えると案内しています。
この2点は、いずれも制度が変わってからかなり時間が経っています。それでも検索結果に残り続けているため、複数の記事を読み比べるときは、更新日と内容の両方を確認してください。
家族での渡航では、大人だけが手続きすれば済むわけではありません。人数分の申請が必要になるうえ、年齢によって手順や到着後の動きが変わります。
ここでは、子ども連れで押さえておきたい3点をまとめます。
ETAは1人につき1件です。GOV.UKは「渡航する人はそれぞれETAが必要です。乳児や子どもも含みます」と明記しています。
家族単位でまとめて1件を取得することはできません。4人家族で渡航するなら4件の申請と4件分の申請料が必要になります。
子どももパスポートを持っている以上、そのパスポートにひも付いたETAが要ります。乳児は写真の撮影で手こずることがあるため、大人の分より時間に余裕を見ておきましょう。
申請料は年齢による割引がありません。人数が多い家族ほど総額が増えるので、旅行予算を組む段階で人数分を見込んでおいてください。
子どもの分は、保護者のスマートフォンから代理で申請できます。GOV.UKは、申請するときにその人が一緒にいる場合、その人の撮影とスキャンを行うことで代理申請できると案内しています。
手順は大人の申請と同じで、子どものパスポートを撮影し、ICチップを読み取り、必要に応じて顔の撮影を行います。1台のスマートフォンで、家族全員分を順番に処理していく形です。
一方、申請時にその人が同席していない場合は、アプリではなくオンラインでの申請を使うよう案内されています。別々に暮らしている家族の分をまとめて申請したいときは、こちらの方法を選んでください。
代理で申請する場合も、入力内容は本人のパスポートの記載に合わせます。氏名のつづりや生年月日を大人のものと取り違えないよう、1件ずつ確認しながら進めるのが確実です。
年齢に関わる条件は、ETA申請時とeGate利用時の2か所にあり、それぞれ基準が違うため混同しやすいところです。並べると次のようになります。
項目 | 条件 |
|---|---|
ETA申請時の顔スキャン | 9歳以下は不要(10歳以上は必要) |
eGateの利用 | 8歳以上、身長120センチ以上 |
eGate利用時の同伴 | 8歳から17歳は大人の同伴が必要 |
ETA申請時の顔スキャンについて、GOV.UKは「9歳以下の子どもの顔スキャンを求められることはありません」と案内しています。顔写真の撮影自体は行いますが、スキャンの工程は省かれます。
eGateの年齢条件は、2026年7月8日に引き下げられました。それまでは10歳以上が対象でしたが、現在は身長120センチ以上で大人が同伴していれば8歳から利用できます。解説記事によっては「10歳以上」「18歳以上」と書かれたままのものがあるため、注意してください。
身長の条件があるのは、顔照合のカメラが正しく読み取れる高さが必要なためです。条件を満たさない子どもがいる場合は、家族そろって有人カウンターに並ぶことになります。到着が混雑する時間帯だと待ち時間が延びることもあるので、乗り継ぎ便を取るときは余裕を持たせておくと安心です。
ここまで見てきたとおり、イギリス渡航では出発前のETA申請から到着後の移動まで、ネット接続が前提になる場面が続きます。家族での渡航なら人数分の申請が重なるぶん、その場面はさらに増えます。
最後に、どの場面でネットが必要になるのかを振り返ってから、通信手段の準備に進みます。

1つ目はETAの申請そのものです。アプリでのICチップ読み取りと顔スキャンはオンラインで処理されるため、通信が不安定だと途中で止まります。
2つ目は承認結果の確認です。結果はメールで届き、GOV.UKで状況を照会することもあります。出発直前に申請したときほど、結果をその場で確認できるかどうかが効いてきます。
3つ目は入国審査です。滞在先の住所や復路の航空券を求められたとき、予約メールや予約アプリをその場で開けるかどうかで対応の速さが変わります。eGateを通ると審査官との会話がない分、通過後に自分で情報を確認する場面も出てきます。
4つ目は入国後の移動です。空港から市内への経路検索、配車アプリ、宿泊先への連絡と、到着直後から地図と通信が必要になります。空港の無料Wi-Fiは接続が不安定なこともあり、到着した瞬間から使える回線を用意しておくほうが確実です。
トリファは、アプリダウンロード数No.1の海外eSIMアプリです。渡航前にアプリで購入と設定を済ませておけるため、イギリスに到着して機内モードを解除した時点から、自分の回線でETAの確認や地図の利用ができます。
物理的なSIMカードの差し替えが不要なので、日本の番号を残したまま現地のデータ通信を使えます。空港のカウンターに並んで受け取る必要もなく、到着後の動線がそのまま短くなります。
日本語のサポートに対応している点も、初めてeSIMを使う方には心強い部分です。設定でつまずいたときに日本語で相談できるため、現地で通信が使えないまま時間を使ってしまう事態を避けやすくなります。
家族での渡航にも向いています。代表者が家族分のeSIMをまとめて管理できる機能があり、子どもや同行者それぞれに支払い情報を登録してもらう必要がありません。
イギリスは対応国・地域に含まれています。渡航が決まったら、ETAの申請とあわせて通信の準備も進めておいてください。

ライター
トリファ編集部(海外旅行の準備・現地情報担当)
海外旅行におけるベストシーズン、持ち物、現地で気をつけることなど、海外旅行の準備と現地情報を初心者にもわかりやすくまとめています。内容は必要に応じてトリファの現地スタッフへのヒアリングを行い、現地の状況も踏まえて整理しています。あわせて季節・制度・営業時間など変わりやすい情報は、公的機関や交通機関・施設の一次情報を確認し、変更があれば記事へ反映します(記事内に最終更新日を明記)。
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